20)猪背山 553m :2020年3月24日 2020年山の記録に戻る
 猪背山は、大津市大石富川と甲賀市信楽町宮尻の境界にある独立した山である。瀬田川にそそぐ信楽川が流れる。付近の湖南アルプスの太神山や矢筈ヶ岳から眺めた山容がイノシシの背に似ている。いわゆる里山で、十二支の山として知られている。
 私は猪年生まれで、昨年登る予定が機会を失っていた。同じ年度ということで、年度の変わる前に登った。
昨年の山の雑誌に猪の付く山として特集され、猪鼻ヶ岳とともに滋賀県の山が取り上げられていた。その本には、特にこの山が詳しく取り上げられていて、これにそって登った。大石富川の富川会館に車を止め、422号線の橋の袂から、山頂に登り、納所に下る周回コースを取った。


富川会館駐車場所(9:17出発)− 登山口(9:20)−山頂(10:40〜11:00)−昼食場所(11:30)−第一鉄塔(12:20)−第2鉄塔(12:35〜12:40)−関電巡視路−林道出合い(12:50)−納所表示板・川傍(13:08)−旧道−富川会館(13:42)〜岩尾不動尊(摩崖仏)〜自宅
 
           行動時間:4時間25分  歩行距離:7.5q 累積登高:525m
富川会館は難なく着くことができた。駐車前に登山口を探した。バイパスをトンネル前まで行ったり、地図に出ている別の登山口を探すがはっきりしない。バイパスができるまでは、富川会館の裏から通じていたとあり、裏山を経由するようだった。駐車場所に戻り、近くの人に会館での駐車を聞くついでに確認した。なるほど、バイパスの橋のたもとのフェンス横に表示を見つけた。車で通っていては気付きにくい。
フェンスとガードの間から始まる

フェンス横を抜けるといきなりの急な丸太の階段が待っている。見上げるほどの急坂である。すると、先でそれほど大きくないイノシシが逃げていく。一目散である。写真を撮る暇もない。山の名前にぴったしで、タイミングよい出会いに、これだけで来た甲斐があった。半分ほど登った先に、先ほどのイノシシが地面をひっかき回した跡が残っていた。しばらくは植林帯が続くが、どの木も枝打ちもされていなくてほったらかしの状態だった。時には細い尾根、あるいは深くえぐられたやや薄暗い道を進む。急な階段を登った後は比較的緩やかな道である。ピンクのテープもあり、踏み跡もしっかりで迷うことはない。ナビの必要もなさそうである。右手の斜面にはミツバツツジが咲きだした。登山道横に蒐場があって、カエルの卵がたくさん産みつけられている。
結構不気味な感じがする。
蒐場にカエルの卵
広葉樹と植林の道を進む。木々は一部倒れたところもある。ゆっくりペースで、1時間20分ほどで山頂に着く。ここまで花も乏しく、眺望もない。山頂はやや明るく、十二支の山と記載されている。猪背山山頂。553mと標高を記した立派な看板が立っている。時間もあり、ゆっくりとする。昼食時間にもまだ早く、せめて稜線でお昼にしたいと、時間稼ぎをする。
山頂、こもれびがある

山頂を後にする。こちらの道は打って変わって、荒れている。倒木が多く、時には迂回や倒木越えになる。踏み跡も乏しいが、テープがあって心強い。結構急な斜面から、穏やかになり、落ち葉が敷きつけられたところで昼にする。スギと落葉樹と稜線横である。カップ麺とパン、コーヒのいつものパターンだ。昼食もゆっくりで時間をかけ、稜線から離れる鉄塔を目指す。穏やかな歩きで、スギ林を抜けたところが拓けた鉄塔部分だった。東方向に眺望が開け、お茶畑が眼下に見える。信楽はお茶の産地である。アセビの花も咲いており、背景の山とともに写真に収める。
 
ここから稜線を登り返し、テープを頼りに右手に広い尾根を下っていく。このあたりも荒れており、やや尾根の中心から右手に下っていく。次の目標は第二鉄塔で、こちらは尾根筋である。送電線を見上げ、左手にゆるく尾根筋へ戻る。鉄塔部分はこちらも広く切り開かれ、南部分が良く見える。山並みが続くが、特定はできなかった。先ほどの尾根筋をそのまま進めば、第二鉄塔に着いたかもしれない。この部分だけがコースの不鮮明な部分になるが、見通しさえきけばまず大丈夫だろう。
ここからは、巡視路であろう、しっかりとした登山道になる。アセビが多く、ミツバツツジを見られる。低木で、明るい道がしばらく続く。途中、一か所だけ猪背山が見える場所がある。しばらくで、急な下りになる。岩も出てきて、今までとは違った雰囲気になる。かなりの急坂で、最後の急坂を下り切ったところで、川傍の林道に出る。鉄梯子を下る。
林道に出る鉄梯子

ここから20分弱でピンクの綺麗なツバキを見た後、橋を渡れば、登山表示のある納所である。
林道から出た納所集落

フサザクラ

ここからは、旧道を富川会館まで戻る。集落には、フサザクラ、サクラ、サンシュウユのどの色とりどりの花を楽しむことができる。信楽川も雰囲気がある。そのうち、大規模な採石場に出て、ひっきりなしに通過する大型ダンプに注意しながら会館に戻った。一息ついた後、本にも出ていた摩崖仏を見学した。岩尾不動尊と彫られた石柱が目印で、急な坂を下って橋を渡った先の山腹にある。途中、ルリシジミらしきチョウに出会ったが撮影までには至らなかった。残念。

コースマップ

(国土地理院の地図を引用)

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作成日: 2020年4月2日