21)御池岳1247m : 2020年3月29日 フクジュソウ 2020年山の記録に戻る | |||||||||||||||
滋賀県東近江市の鈴鹿国定公園内にある、標高1247 mの山で、三重県いなべ市と多賀町の境界に位置する。鈴鹿山脈の最高峰である。山は古生層の石灰岩からなり、藤原岳とともに鈴鹿山脈の北部石灰岩地帯に位置する。南北約3km、東西数百mの広い平らな山容の山頂部は「テーブルランド」と呼ばれている。山頂部には多くのドリーネの池とカレンフェルトが点在するカルスト地形が見られる。最大の池は、日本庭園近くの元池で、その南東には真ノ池がある。山頂部は丸山とも呼ばれ、山頂の西端には、ボタンブチ及び天狗の鼻と呼ばれる崖の上の展望地がある。山頂からは御在所岳など鈴鹿山脈のほとんどの山が望める。遠くには、伊吹山、乗鞍岳、御嶽山、中央アルプスや恵那山などが望める。鈴北岳との鞍部にある鞍部付近の平坦地は笹枯れが進みコケ類が絨毯のように敷き詰められ、「日本庭園」と呼ばれている。(ウイキペディアより) この山のフクジュソウは、霊仙山や藤原岳ほど有名ではないが、結構なものだ。鈴北岳から鈴ヶ岳に行く途中の斜面と鈴ヶ岳に群生地がある。花の密度は一級品で、見事である。彦根城の桜の時期に合わせるのが良いのだそうだが、今年は花が早く、この時期でも少し遅かった。しかし、鈴ヶ岳ではぴったしになった。肌寒いうえ、ガスがかかり、一段と冷え込んだ昼過ぎには霧氷が現れ、地衣類の氷の胞子や、アセビの氷の花を楽しむことができた。 守山駅前集合(7:30、7:35出発)−多賀北信号コンビニ立ち寄り(8:40、9:15出発)−鞍掛峠(9:30、9:50出発)−鞍掛峠(10:14)−関電・中部電力鉄塔(10::22)−1056m地点(10:58)−鈴北岳(11:21〜11:25)−群生地(11:40〜12:05、撮影)−ヒルコバ(12:13)−鈴ヶ岳(12:28〜13:15、昼食)−鈴北岳(13:49)‐山頂への分岐(14:13)−御池岳最高点・丸山(14:37〜14:45)−分岐(15:02)−鈴北岳(15:33)−関電・中部電力鉄塔(16:10)‐鞍掛峠(16:14)−駐車場(16:28、16:45出発) 行動時間: 約6時間38分 、歩行距離 11.8km 累積登高 1187m 守山駅で3名をピックアップ、途中で多賀北信号コンビニに立ち寄り鞍掛峠に着いた。他に車は見当たらない。小雨模様、10:00までの状況で、出発判断することにした。昼頃には青空も見られるとの予報だった。雨も上がり、出発する。峠までの杉林を歩く。時折冷たい風が吹く。振りかえれば、駐車場に1台車が横付けしている。足元には以前のようにミヤマカタバミは見られない。鞍掛峠に出るが、視界は不良、冷たい風が西から吹いてくる。帽子が飛ばされそうなくらい強い風である。少し先の鉄塔下に出るが、ここでも見晴らしが利かない。稜線に出たあたりに、わずかにカタクリが目につくが、花芽はない。年ごとに数を増やしている。シロモジが多い尾根筋だが、芽吹きもまだまだの様子だ。強い風に閉口しながら進む。時折、鳥の声がする。一旦登り切った最初のピーク辺りはスギゴケの緑の絨毯になる。絨毯越しの三国岳方向の山々は絵になる光景だが、今日はさっぱりだ。この緑の絨毯、年々その範囲を広げている。夏になるにしたがって、成長し、鮮やかな緑を演出する。登山道の両側にもびっしりと生えている。量がエア寮が真の園が1056mピークを登りきると、ここでも緑の絨毯になる。従来のシダ類をどんどん押しのけている。正面の鈴北岳の稜線もほとんど見えない。右手の鈴ヶ岳もガスの中である。 ピークから23分、出発して1時間31分をかけ、鈴北岳に到着する。山頂はガスの中、視界は不良である。天気なれば、霊仙山、その奥に白山や能郷白山、さらに御嶽山も見える山頂なのに残念だ。 風は相変わらず強く、手先がかじかんでいる。途中、時折雲の間から太陽が顔を出し、少し暖かさを感じられたが、それ以降、良くなる気配がない。まずは、フクジョウソウの群生地を目指し、鈴ヶ岳に向け稜線をたどる。途中、比較的新しいドリーネがあり、雪が詰まっている。写真からはその大きさが分かりずらいが結構大きな穴で、削られた壁の茶色が新しい。 15分ほど行った斜面の一面には、フクジュソウの花が敷き詰められている。しかし、足元は最悪、ぬるぬるのぬかるみの泥の道、ストックを頼りに慎重に下った。花に時期には少し遅かったようであるが、黄色で覆われたところもある。傷めないように気を付けながら写真映えする花や群落を探す。4人が手分けをして、声をかけながら見事な株を探す。 広い群落地で結構な時間を過ごし、登山道に戻った後、下った先がヒルコバである。夏にはヒル?と思いながら登りにかかる。周辺は、ブナやミズナラの樹林帯のようだ。ここからに登りも、すべすべの道、慎重に進む。苔むした大きな岩ヶ目立ち、フクジュソウの群落が出てくると、しばらくで山頂である。 時間は12時28分、今なおガスの中、風もない。昼食の場所には事欠かない。大きな倒木、石灰岩が都合よくあってゆったりとできる。そのうち、3人連れが到着する。若いだけにお喋りでにぎやかだ。こちらは山頂表示のすぐ後ろ陣取って、撮影の邪魔になるが、あとからにしてもらった。定番のチーズ、パン、カップ麺、それぞれ持参の昼食である。私は、コーヒを片手に周辺のフクジュソウ撮影にかかる。北面はこれから開花の下部もあって、新鮮である。カメラに映える。岩のくぼみにネコノメソウを見つけ、これも撮影する。出発前に、写真の撮影をお願いし、こちらも撮影のお返しをする。 苔の世界 47分のランチタイムを終え、元来た道を引き返す。足元には十分気を付ける。天気はお昼を過ぎても回復しない。かえって冷え込んできた。ヒルコバからの登り返しで、下りにはなかった霧氷が付きだしていることに気付く。ブナやミズナラの幹に付いた地衣類の胞子の先に氷が付き、丸く輝いている。良い被写体だと何枚も写真を撮る。枝にも霧氷がつき、こちらも絶好である。また、登り切った先にあるアセビの木にも霧氷がついている。しばらくで咲きそうな蕾にも小さなエビのしっぽが付いたり、蕾が氷の花になっている。天気が良ければ出会えない光景である。大満足のひと時だった。 霧氷と氷の世界、氷の花になったアセビ 氷の球になった胞子 行きと帰りの撮影で時間を使い、鈴北岳に戻ったのは、13:49だった。どうするか、”えっ”との声が上がる中、最高峰の丸山を目指すことにした。ガスの中で、日本庭園への分岐を曲がらず直進することになった。踏み跡はしっかりしている。稜線の平坦な道を進む。日本庭園の道に並行する形である。この稜線の行きついた先はコグルミ谷からの道に合流、やや戻る格好になる。地図ナビで確認しながら、途中の幅広い尾根筋を谷方向に下る。しばらく歩いた先で、日本庭園からの道に合流する。踏み跡は乏しく、歩いた形跡も乏しい。特に、御池岳最高への分岐付近は谷がえぐられ、道も分かりづらい。歩きにくい斜面の道を行きついた先が御池岳への道になった。 谷筋を登る道であるが、ここでもぬかるみに出会う。滑りを我慢しながら、ストックを頼りに懸命に登る。時間も14:00をすぎ、ガスがかかった状態でどうしてもペースがあがりがちになる。 雪渓が残る 声を掛け合って、途中、小休止を入れ、岩が目立つ道を登り切る。辺りはオオイタヤメイゲツの樹林帯になっている。ガスの中で記念撮影をする。 最高峰 南方向に進めば、ボタンブチの先に鈴鹿山脈が一望できるところであるが、早々に下山する。元来た道を、滑りに注意しながら一気に分岐まで戻る。従来の谷が大きく削られ、日本庭園への道も結構気を遣う。踏み跡も不鮮明で、今日の登山者の歩いたあとも見当たらない。谷の右手の斜面を進み、谷筋に沿って、右側を進んだ。帰りの日本庭園まで戻る途中で、分岐が出てきた。その分岐には御池岳と表示されていて、多くの歩いた跡があった。そちらがメインの道だった。その後は、ドリーネや結構大きな池も出てきた。日本庭園と言われる一帯である。鈴北岳から日本庭園の道を選んでいれば、ここを通った筈である。しばらく草原を歩く。苔もあちらこちらで見られる。さらに進み、迂回する格好で庭園内を進む道を直進し、ショートカットして、石灰岩のそばから合流した。しばらくで鈴北岳の手前に出る。このあたりもアセビの木が多い。山頂を出て、50分弱で鈴北岳に戻った。しばらく立ち止まった後、鞍掛峠に下山する。峠まで40分、更に15分で駐車場に戻った。途中の鉄塔からはやっと市街や伊勢湾を眺めることができた。 行動時間、6時間38分 、歩行距離は11.8kmの長い歩きだった。守山への帰りの道も順調だった。 コースマップ 国土地理院の地図から引用 2020年山の記録に戻る 作成日:2020年3月31日 |