6)綿向山 1110m : 2020年2月2日 霧氷の山  2020年山の記録に戻る
 綿向山は、滋賀県蒲生郡日野町北畑にある標高1,110 mの山である。鈴鹿国定公園内にあり、7世紀頃から山岳信仰の対象として崇拝
されてきた。鈴鹿山脈の南西に位置する。山頂には「青年の塔」が建てられている。登山ルートは表参道・北参道・水無山北尾根・竜
王山経由の
4ルートがある。表参道の5合目には、綺麗な避難小屋がある。頂上には天穂日命社が祀られた大嵩神社があり、毎年420
日に嶽祭りが執り行われる。頂上からの眺めは、東に雨乞岳を中心に鎌ヶ岳につづく鈴鹿山脈・伊勢湾をはじめ、秋冬の澄んだ日には
遠く北アルプス穂高岳・木曽御嶽山・恵那山・南アルプスの塩見岳なども望むことができる。山頂に設置されている展望図盤によって
それらを確認することができる。西には近江盆地が眼下にひらけ、琵琶湖の向こうに比叡山から比良山地、更には湖北の山々が望まれ
る。
1110日は、山の高さにちなんで綿向の日として、登山会が開催される。霧氷で有名で、冬の時期はとりわけ人気の山で、登山口
付近は車で溢れる。


守山駅(7:10)〜 駐車場(8:058:18出発)-登山口(ヒミズ谷避難小屋、8:33)−3合目(9:15)−あずみ小屋(9:18〜9:28)−5合目避難小屋(9:43)−7合目行者コバ(9:58〜10:05-竜王山分岐(10:30)−竜王山分岐(10:45)−稜線先端(10:49)−綿向山頂(110011:40、昼食)−水無山分岐12:30)−水無山(12:20)−水無山南陵(12:27〜12:32)−水無山(12:40)−水無山北ルート分岐(12:50)−林道出合(13:30)−登山口(ヒミズ谷避難小屋)(14:06)−駐車場(14:1614:25出発)〜守山
  行動時間:5時間40分、歩行時間:4
時間35分 

 守山駅で待ち合わせ、綿向山駐車場へ向け車を走らせる。道はすいており、駐車場に早めに到着した。途中から、綿向山に霧氷があることが分かり、期待に胸膨らむといった雰囲気になる。ここまで雪はない。駐車場周辺は車で一杯、川沿いを進んだ先の空き地に止める。身支度を整え、出発する。雪のない道を進み、ヒミズ谷避難小屋に到着する。橋を渡り、スギ林の急斜面をつづら折りに登ってゆく。足元は少し雪が残っている。降ったばかりでさらさらとした雪が道の両脇に見られる。三合目で一度林道に出、左に曲がり、少し登ったあずみ小屋で小休止をとる。ここで、アイゼンを装着する。私は滑りやすいが、装着せずに歩く。植林内のつづら折れを五合目までいく。雪道は踏み固められているが、アイゼンで砕かれて比較的歩きやすい。小屋からは視界が広がり、比良山系が望める。スキーでおなじみの蓬莱ゲレンデが一際白い。、比叡山、三上山も眺望できる。
5合目までは、つづら折りの道が続いたが、ここからは比較的なだらかな直線の登山道となる。最初は杉、そのうちブナ林に変わる。七合目(行者コバ)は冬道の分岐点になっている。少し前から霧氷が始まり、ここから一面の霧氷が広がる。日が当たり、キラキラ輝いて美しい。
7合目の霧氷

ここからは、勾配もきつくなり、雪も20cm、吹き溜まりではもう少し深い。アイゼンなしには少し厳しいが、踏み跡を頼りに登ってゆく。登るにつれ、霧氷が一層美しくなる。
青空が顔をのぞかせる。霧氷のブナ林の中を進む。所々で大きな霧氷が現れ、撮影に忙しくなる。ゆっくりと高度を上げ、霧氷の中を進む。霧氷のトンネルも出てくる。よほど霧氷に好条件がそろったのか、早々見られないほどの見事なエビのしっぽがある。時折、霧氷の塊が落ちてきて、頭や顔にあたる。






何度かピークを過ぎ、竜王山への分岐がある稜線に出る。時間は早い、山頂に行く前に、左手に取って、竜王山方面に進む。こちらの稜線も霧氷が素晴らしい。左手は琵琶湖が一望、その奥に比良山系と湖北の山々、右手は鈴鹿の山々、前方は雪の原が広がる。雨乞岳、鎌ヶ岳から先の鈴鹿山系が一望できる。途中、ブナの珍変木(幸福のブナ)と表示のある、丸くなった幹の下をくぐり抜ける。西方向には琵琶湖と集落が望める。さらに竜ヶ岳への急な坂を分け、稜線の突端のピークまで進む。下った先の白い雪の平坦部に結構な人がいる。



 

  

遮りのない眺望を楽しんだ後、元来た道を戻り、綿向山頂に出た。山頂は、たくさんの人で賑やかになっている。山頂からは、雨乞岳を中心に鎌ヶ岳につづく鈴鹿山脈の展望が広がる。山頂の積雪はせいぜい20p、それも昨日、一昨日の新雪である。眩い白さの雪で気持ち良い。ここまで青空に映える霧氷を楽しんだ。
時間はまだ11:00、風もほとんどなく、近くのあたりで雪を踏み固め、昼食を取る。カップ麺、バナナ、チーズなどを取り出し、コーヒーで、ゆっくりとくつろぐ。
山頂にて
 

風景写真と記念写真をとり、40分の休憩の後、山頂を出発する。昼食の合間に、水無山への方面を確認したところ、少ないながらも踏み跡があり、積雪も少ないことから、同行者に確認し、水無山経由のコースで下山することにした。平坦部の突端からは霧氷で覆われた水無山山頂が見える。

水無山
 水無山へは、一旦は急な坂を下るが、積雪の方が歩きやすい。時々は枝や幹につかまりながら下る。下った先からは、ガレ場沿いに慎重に進む。さらに進んだ先が、7合目からの登山道が合流し、さらに先で、水無山への分岐に出る。ここから登りになり、しばらくで低木になり視界が広がる。綿向山方向や鈴鹿の山並みが楽しめる。

綿向山を振り返り

短い岩場を超え、樹林帯を登っていくと水無山山頂に着く。
ロ−プを頼りに岩場を

山頂写真を撮り、荷物をデポして南峰に向かう。南峰は眺望に優れている。後から登山客が来たため、狭い山頂を交代する。
水無山南峰

水無山まで戻り、さらに先の分岐まで戻る。時間は13:00近くになり、霧氷も少なくなって、塊が足元に落ちている。分岐から先は山の中腹を進むことになるが、急な山肌の狭い道で、注意が欠かせない。また、積雪の多い時にはこちらの道は選ばない方が良い。ストックで雪面をはじくと、小さな雪だるまが出来ながら筋状に行跡を作りながら転げ落ちる。林道出合いまで約40分、結構長く感じる。後半はスギ林の中の急な坂になる。林道に出て、小休止を取る。ここで、アイゼンを外し、スギ林の中をさらに下る。36分の歩きで表参道の分岐、ヒミズ谷避難小屋に着く。ここからは、同じ道を駐車場まで戻った。素晴らしい霧氷を楽しめた充実の1日だった。


コースマップ

国土地理院の電子国土Webシステムから引用

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作成日:2020年2月7日