33)天狗堂9885m・サンヤリ958m:4月24日 2021年山の記録に戻る2021年チョウのページに戻る2021年花・鳥・その他に戻る
 鈴鹿十座については、東近江市のHPに以下の説明がある。「東近江市制10周年にあたり、鈴鹿山脈の素晴らしさと存在意義を広く周知するとともに、ここから供給される豊かな森林資源や水資源を、次世代に継承することを目的として、平成27年9月に、東近江市の数ある鈴鹿の山峰から10座を認定しました。この選定は、知名度のある山峰だけを選定するものではなく、琵琶湖へ流入する代表的な河川である愛知川の集水域の要を成し、古くから人々に親しまれてきた山峰を評価することにより、「東近江らしさ」が強調できるものとして、山岳遭難対策協議会知識経験者、警察、消防、観光、地元代表などから組織した16人からなる「鈴鹿10座プロジェクト委員会」で選んでいただいたものです。」
 この天狗堂・サンヤリは、鈴鹿主稜線の藤原岳の西にあたり、君ヶ畑地区に位置する。 コースは、君ヶ畑地区から天狗堂経由でサンヤリを往復するコースになる。天狗堂までは、君ヶ畑地区からのほかに、天狗堂南尾根を岩尾谷から登るコースもある。こちらは急登になる。天狗堂北尾根(郡界尾根)は、一部、分かりにくいところもあるが、テープをたどっていけば問題ない。
 コースは、稜線の樹間からは東西に山々を眺めながらアップダウンを繰り返す。君ヶ畑集落は木地師発祥の地といわれている。ここには、ろくろを用いた椀器製作と、民業振興につとた惟喬親王を祭神とする「大皇器地祖神社(おおきみきじそじんじゃ)」と親王の住まいであった高松御所金龍寺がある。

3週間前にミノガ峠からサンヤリを目指したが途中で引き返した。シャクナゲの咲く時期にサンヤリからアプローチすることにしていたが少し早い時期のチャレンジになった。8時前にスタートし、2時間30分で前回のポイントに着いた。きれいなイワナシの群落は消え失せ代わりにイワウチワが一杯だった。天狗堂からの稜線歩きで一番低い地点だった。平坦な稜線上では花は乏しく、細尾根の岩場や、急な崖で結構見られた。シャクナゲは3分〜4分咲くらいであろうか、昨年に比べ花付きは良くない。立派なヤマザクラの花、クロモジの黄色い花、いろいろなスミレ、白いイワウチワなど見所も多かった。やや薄雲であったが、おかげで歩きやすかった。

岩尾谷登山口駐車場所(7:33、7:39出発)−谷筋はなれ(7:54)−尾根筋(8:00)−天狗堂山頂(8:37)−展望岩(8:41〜8:46)−シャクナゲ群生地−P924(9:07)−サンヤリ山頂(9:25)−ミノガ峠からの到着点(10:07〜10:22)−サンヤリ(11:04〜11:30、昼食)−展望岩(12:08)−天狗堂山頂(12:12〜12:17)−岩小谷登山口駐車場所(12:55、13:05出発)〜約50q〜自宅
              行動時間:5時間15分、 歩行距離 8.1km、累積登高956m

 君ヶ畑木地資料館の横にバイオトイレが設置され、登山者や渓流釣り客には重宝されている。さらに進み、直登コースの岩尾谷登山口に向かう。登山口は分かりにくいが、その横に自転車が止めてある。車を止め、早々に出発する。踏み跡ははっきりしており、通いなれた道でスギ林の中を進む。岩尾谷の谷筋に入り、谷筋に沿ってしばらく進む。沢筋を離れる。スギ林の中の急登が始まる。つづら折りの急な道である。登り詰めると支尾根にでる。ユズリハが目立つ。右手がスギ林、左手が雑木の支尾根を登る。スギからヒノキに変わり、支尾根に出てから20分強の登りで一旦平坦になり、ホッとする。

途中、南方向に雨乞岳から御在所岳の山並みが見られる。所々でシャクナゲがあるが、日陰か開花にはまだ先である。岩場もある平坦部分はほんのしばらく、山頂へはほぼ直登で、木や岩につかまるところも出てくる。最後には大きな岩が多くなってくる。シャクナゲの木も多い。登り切ったところが山頂で見晴しは先の展望岩になる。

山頂

西方向に君ヶ畑登山口への道表示が出ている。その先は急な下り坂である。しばらく休憩し、すぐ先の展望岩に向かう。大きな岩の上に立つと東方向に鈴鹿主稜線が一望される。絶好の展望場所となっている。
展望岩からの鈴鹿主稜線の眺望
 
(御池岳〜藤原岳周辺〜銚子岳〜静ヶ岳〜竜ヶ岳)

展望岩からしばらく進み、岩場もある鞍部への急坂を下る。シャクナゲも少し見られる。落葉樹林で、緑が美しい。足元には低木があり、イワウチワも見られる。北尾根を進む。しばらくでイワウチワに加え、シャクナゲの群落になる。花の時期には少し早いが、楽しめる。シャクナゲの中を、あるいは迂回する格好で進む。シャクナゲは結構続く。足元にはイワウチワも多く、特に特定の群落に白花が多い。アセビの中を進む。尾根からは時々山容が見える。P924地点から左手に下って行く格好になるが、先に白い表示板とピンクのテープが確認される。斜面にはピンクの美しいイワウチワがびっしりとある。サンヤリまでには更にレスキューポイントNo3と4が出てくる

イワウチワ(白)の群落

 
サンヤリまでは展望岩から40分ほどである。撮影に夢中になったせいか、意外に長く感じられる。この北尾根で唯一の展望箇所を過ぎ、登りにかかる。イワウチワ、ニシキゴロモが現れ、最後に低木(コアジサイ)の中を登りきると、違った尾根筋に出るような格好で、右手に踏み跡を進めば山頂に着く。
サンヤリ
尾根筋のシャクナゲ 

山頂は展望がないが、更に先に進むと西側に琵琶湖が望める。少し休んだのち、先に進む。前に間違って進んだ道だ。イワウチワの道が続く。
登山道は、踏み跡がしっかりとあり、テープが峰諸要所で出てくる。一旦下った先で、東〜北東方向が開け、ヤマザクラとクロモジの花の奥に、御池岳〜鈴ヶ岳が見られる。ここから先は樹林帯の道で、眺望は乏しくなる。

広い尾根筋から左方向にやせ尾根を進む。花が多くなる。40分の結構長い歩きでミノガ峠からの到着点に出る。やせ尾根は岩内派が特に綺麗で、このあたりのシャクナゲは花がまだまだである。あれほど咲いていたイワナシは1〜2株のみ花を付けているが、後は全くであった。気が付かなければ、通り過ぎてしまうだろう。こちらも東側に何とか視界が開けるのみである。ここから先、急な下りでシャクナゲが多いが開花にはまだである。やはり日当たりのせいだろう。おやつを出して、長めの休みを取る。周辺の撮影にも時間を取る。
到達地点のやせ尾根にはイワウチワが美しい

帰りは登りになるが、苦にはならなかった。途中、テープに引かれ、明るい稜線上で違う尾根筋に入ったがすぐに気付き、シロモジを撮影して、元に戻る。スギの樹林帯の中を進んだ。雲が多かった空も明るくなってきて、撮影にも状況がよくなる。
サンヤリには11:00過ぎに戻る。何組かのパーテイが離れて腰を掛けている。朝が早く、昼食にする。時節柄、離れて、会話も弾まない。30分未満で切り上げ出発する。花は幾分開花が進んだようにも見えるが、あらためて取り直す。クロモジが多く、黄色が映える。
帰りは足を早め。展望岩でもう一度眺望を楽しむ。天狗堂山頂に戻り、元来た急坂を戻った。

出会った花々
ニシキゴロモ トクワカソウ(イワウチワ白) フモトスミレ イワナシが残っていた イワカガミ咲きだした
クロモジ チゴユリ ヤマザクラとクロモジ シャクナゲ
シハイスミレ ウラジロヨウラク タチツボスミレ ショウジョウバカマ コバノミツバツツジ
         
 ミヤマカタバミ  ニョイスミレ アセビ     

コツバメ


エナガ

注:
@大皇器地祖神社
大皇器地祖神社(おおきみきぢそじんじゃ)は、滋賀県東近江市君ヶ畑町に鎮座する神社である。旧社格は村社。木地師の祖神として惟喬親王を祭る。神紋は十六菊。歴史であるが、898年(寛平10年)の創祀と伝わる。1872年(明治5年)まで、正月・5月・9月に国家安泰・皇家永久の祈祷符を宮中に納めていた。惟喬親王がこの地に住んでいた際、小椋信濃守久長と小椋伯耆守光吉に命じて木地の器を作らせたという。この伝承によって、当社を木地師の根源社と称している。同様に木地師の根源社と称す筒井八幡(現筒井神社)と木地師に対する氏子狩を行い、全国に散っていた木地師に大きな影響力を持っていた。「白雲山小野宮大皇器地祖大明神」とも称したが、1882年(明治15年)に現社名に改められた。1893年(明治26年)には内務省から保存資金が下賜された。旧村社。
行程MAP

(YAMAPより引用)(国土地理院の地図を引用)

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作成日:2021年6月21日