4)比良山系 元に戻る、2008年山の記録 、2008年チョウ
今年は比良山系を登る機会がことのほか多かった。四季を通じて、年6回、夏・冬は各2回になった。冬の霧氷と雪山、5月の花々、夏は昆虫や生きものの季節、またむせ返る暑さの登山、秋の紅葉などいつ来てもそれなりの楽しみがある。
以下纏めて四季を紹介する。今年の6回は、それぞれコースを工夫し、毎回違ったものになった。
@比良山系 釈迦岳往復 : 2008年2月11日
A比良山系 武奈ヶ岳: 坊村往復コース : 2008年3月2日
B比良山系 志賀駅〜打身山〜蓬莱山〜小女郎峠 : 2008年5月1日 ゲレンデのスイセン
C比良山系 武奈ヶ岳: 2008年7月12日
D比良山系 ヤケ山〜釈迦岳〜北比良峠 : 2008年8月31日
E比良山系 堂満岳〜武奈ヶ岳〜北比良峠〜 : 2008年11月23日
@釈迦岳 : 2008年2月11日
今年の比良は特に雪が多かった。今は廃止になった、釈迦駅から北比良峠と釈迦岳への分岐までは特にてこずった。冬の良い点は、見通しが良く遠く山々まで見通せること、鳥の写真が撮りやすいことなどがあげられる。
比良駅登山口(10:37)−旧釈迦駅(11:37、11:43)−北比良峠分岐(12:32)−釈迦岳山頂(12:47〜13:07、昼食)−分岐(13:20)−釈迦駅(14:04、6)−登山口(14:48)
日差しが出て、下が緩む時間に到着した。比良駅登山口には、雪が残っており、止まっていた車もなかった。もっとも早く登れるコースを選択したが、上に行くほど雪にてこずった。特に、釈迦駅から、北比良峠までの分岐はラッセルで辛かった。それでも、上から見る景色は晴れわたった青空に映え綺麗だった。鳥も飛び交い、写真にもおさめた。山頂では、他からのコースで辿り着いた人と一緒になった。勿論早い登山開始だった。昼食をとり、元来た道を引き返した。
旧釈迦駅からの眺め(右堂満、奥は打身山〜蓬莱山) | 近江舞子の対岸は、沖ノ島と近江八幡宮ヶ浜 | 武奈ヶ岳、手前がコヤマノ岳 |
釈迦岳山頂 | コガラ |
A武奈ヶ岳、坊村御殿山コース : 2008年3月2日
冬のもっともポピュラーな坊村からのコースにした。この冬は特に積雪も多く、山頂や西南稜が見所になった。アルプスを思わせるような雪の壁も印象的だった。
坊村登山口(9:14)−ピーク(10:06、10)−御殿山(11:26、16)−武奈ヶ岳山頂(12:36〜13:43、昼食)−ピーク(14:21、5)−登山口(15:45)
明王院から積雪があり、雪が期待される。御殿山には、2時間以上もかかった。特に、アイゼン、ワカンを使うこともなかった。見渡せば霧氷の連続、遠くのブナ林も霧氷になっている。ここからの西南稜と、武奈ヶ岳の様子は冬が最高である。更に進み、巨大な雪の壁が目に入る。今まで来た中でも指折り数えるほどの雪の量だった。振り返った蓬莱山・打身山への縦走路も見ごたえ十分である。天気も良く、寒さはあまり気にならない。山頂は、風で雪が吹き飛ばされ、それほどのものではなかった。1時間以上も粘り、冬景色や遠くの山々を楽しんだ。十分に満喫し、往路を戻った。
御殿山からの武奈ヶ岳 | 巨大な雪の壁(中央に人がいて、その規模が分かる) | ブナ林の霧氷 |
西南稜を振り返り、最奥に打身山・蓬莱山の山塊 | 山頂スナップ | 珍しい霧氷の形 |
B比良山系 志賀駅〜打身山〜蓬莱山〜小女郎峠〜蓬莱駅 : 2008年5月1日
5月の比良山系はもっとも華やかな季節であちらこちらで花が見られる。ミヤマカタバミ、ニリンソウ、イワウチワ、バイカオウレン、カタクリ、シャクナゲなどなど。でも、圧巻は、蓬莱ゲレンデに咲く、一面を黄色い絨毯を敷き詰めるスイセンの花だ。これを求めて、連休に繰り出した。
志賀駅7:43−神社−天狗杉(9:14、8)-クロトハゲ(10:02,5)-打身山頂(10:26、5)-シオ谷(10:43)-山越えコース−蓬莱山(11:32〜11:52)-小女郎峠(12:02)-小女郎ヶ池(12:10)-小女郎峠(12:20、5)-福谷の郷(13:38)ー志賀駅(14:32)
志賀駅を出発し、神社の山道を行き、右に回りこむ。つづら折を歩くこと1時間上、大きな杉、天狗杉で小休止を取る。ここからクロトハゲまで50分、途中は、イワカガミの群落が続く。視界が開け、琵琶湖が見える。その前には、シャクナゲの群落があり、少し右へそれ、谷側へ行くと更に見ごたえがある。クロトハゲのあたりは、バイカオウレン、イワウチワが咲いている。打身への道を取り、しばらくで山頂だ。ゴンドラ駅があり、休みには売店も開かれている。シオ谷へ下りたが、クリンソウには。まだ早い。ゴンドラ駅の下の道辺りにもクリンソウがあって、こちらは5月でも見られる。シオ谷から蓬莱山へ登り返し、パノラマを満喫した後は、小女郎峠におり、池によってから、下りにかかる。この道も花はそこそこあって、ニリンソウが特に多い。ミヤマカタバミも楽しめる。スミレもある。湖西道路を抜け、近くの蓬莱駅に行くのをやめ、車を留めた志賀駅までかなりの道のりを歩く。久しぶりの長丁場だった。出会った鳥も多かった。
ゲレンデに咲くスイセン | ゲレンデに咲くスイセン | 最奥の右手が武奈ヶ岳 |
クロトハゲ付近から見た縦走路 | 小女郎峠からの下り、ニリンソウ他の花が多い | ヒメウラナミジャノメ |
コツバメ | コガラ | |
シジュウカラ | オオルリ | |
キンクロハジロ |
花の数々
シャガ | ニョイスミレ | ニシキゴロモ | ||
イカリソウ | イワカガミ | ハクサンシャクナゲ | ||
バイカオウレン | イワウチワ | ショウジョバカマ | ||
カタクリ | ミヤマカタバミ | ヤマエンゴサク | ネコノメソウ | オオカメノキ |
ミヤマハタザオ | ニリンソウ | ヤマルリソウ | キケマン |
C比良山系 武奈ヶ岳 : 2008年7月12日
昆虫と生きものが活気づくこの季節に訪問した。梅雨の一休みを狙った。コースはイン谷口から、大山口北比良峠へ抜け、八雲ヶ原から、イブキノコバ経由、武奈ヶ岳に行き、帰りは八雲ヶ原から、渓流沿いで、金糞峠を大山口に抜けるだった。結構歩きがいがある。
イン谷口(7:50)−大山口−北比良峠(9:12、5)−武奈ヶ岳(10:48〜11:23、昼食)−イブキノコバ(11:50)−八雲ヶ原(12:20、10)−金糞峠(13:10)−イン谷(14:23)
イ
この季節は、ミドリシジミを求めての登山になる。蒸し暑い中、良く利用する、尾根上のコースで北比良峠へ出る。山頂では、ウラギンヒョウモンが吸蜜していた。コバのあたりはミドリシジミの多いところで、オスが縄張り争いをしている。きらきらと輝く乱舞はなかなかだ。メスアカシジミと思われる。エゾミドリシジミを写真におさめた。帰りは、八雲ヶ原で、ゆっくりと写真を撮る。ヤモリがたくさんいる。トンボも結構な数だ。渓流沿いを下り、金糞峠へ登りかえす。ここからは急坂だ。途中、また、エゾミドリシジミに出会う。ゆっくりと写真を撮ることができた。青ガレと呼ばれる、大きな石がごろごろしたところに出ると、花に、ミヤマカラスアゲハやギンボシヒョウモンがいた。峠から1時間10分ほどでイン谷口へ戻った。天気は晴れ、本当に暑い1日だった。
メスアカミドリシジミ | エゾミドリシジミ | ヒオドシチョウ |
エゾミドリシジミ | ,ウラギンヒョウモン | イチモンジチョウ |
ウラナミシジミ | ムラサキシジミ | ミヤマカラスアゲハ | コジャノメ | モリアオガエルの卵 |
イモリ | 八雲ヶ原 | なに蛾? |
北比良峠 | ||
ホオアカ | ネムノキ |
D比良山系 ヤケ山〜釈迦岳〜北比良峠 : 2008年8月31日
このコースは、左手に琵琶湖を眺めながらの最も素晴らしいコースのひとつと考えている。北の眺望、南の琵琶湖周辺の眺め、縦走中、飽きることはない。春には、コツバメがたくさん飛び交う涼峠がある。この日も快晴、すばらしい眺望の一端をあげる。
北小松駅(9:21)−涼峠(10:28、7)−ヤケ山660m(10:53、10)−ヤケオ山(11:54〜12:26、昼食)−釈迦岳(12:49)−北比良峠(13:22、10)−大山口(14:21)−イン谷(14:36)−志賀駅(15:09)
自宅から車で40分弱で北小松駅に出る。ここで車を置き、登山口へ向かう。途中、楊梅の滝(駐車場もある)を見ながらの登りになる。涼峠からは、寒風峠に出て、ヤケ山に向かう。通常は、涼峠からショートカットで出るが、今回は迂回をしなかった。ヤケオ山は981m、一登りしなければいけない。眺めは良く、コースから少し入る格好になる。昼食を取り、眼下の琵琶湖を眺めながらの縦走になる。釈迦岳は、琵琶湖の反対側の傾斜を登る格好になり、眺めは一時だめになるが、登ってから釈迦へは、素晴らしいパノラマを味わえる。北比良峠へ出て、いつもの道を大山口に下り、志賀駅に向かった。JRで、北小松駅に戻った。チョウは、ミドリヒョウモン、コミスジ、ジャノメチョウ、イチモンジセセリなどごく普通の種だった。
ヤケ山から北の縦走路 | 黒谷の集落の奥に、野坂山系、三重岳、赤坂山系 | 右の島が、沖ノ島、奥には、霊仙から鈴鹿山系 |
下に近江舞子、沖ノ島から近江八幡宮ヶ浜 | ギンヤンマ |
ジャノメチョウ | コミスジ | ミドリヒョウモン |
E比良山系 堂満岳〜武奈ヶ岳〜北比良峠〜 : 2008年11月23日
紅葉を期待しての登山になった。堂満への途中の、イタノホリには池があって、趣があった。所々で、カエデの黄葉、モミジの紅葉、マダラ模様の山の斜面等、そこそこではあった。落葉が結構あり、時期的には、やや遅い訪問となった。
イン谷口(9:10)−イタノホリ(9:40)−堂満東稜道−堂満岳(10:50,10)−金糞峠(10:28)−シャクナゲ尾根−北平尾根展望所ー(11:50〜12:10、昼食)−武奈ヶ岳(12:53、15)−コヤマノ分岐ーコヤマノ岳ー北比良峠(13:48)−イン谷(15:03)
イン谷口に到着。左手に入り、橋を渡る。しばらくいくと、堂満岳への掲示されている。歩くこと、30分強、イタノホリの池に着く。敷き詰められた落葉に、紅葉がさえる。良い雰囲気を醸し出している。しばし見とれ、登りにかかる。落葉越しの稜線もなかなかすばらしい。堂満岳に着く前に。雪が現れる。今年は、例年になく冬入りだ。積雪も結構だ。特に、蓬莱山は雪で真っ白になっている。金糞峠に出る道は、春にはシャクナゲが楽しめる。峠から、谷筋に出たが、しばらくして戻り、シャクナゲ尾根を進む。北比良等での前の展望所で昼食とする。ゴンドラがなくなり、この場所も寂れた。北比良峠からは通常のブナへ向かう。今回はショートカットで、八雲ヶ原のゲレンデを上り、コヤマノ岳の分岐に出て、右折、イブキノコバからの道に合流する。山頂からは、雪の風景が見られる。ただ、山頂では、かなり溶けており、所々に残っているだけだ。北比良までは、もときた道を戻り、尾根筋を大山口からイン谷のコースを取った。少し早めのペースだった。
イタノホリの池 | 池の紅葉 | 堂満東稜線の落葉 |
例年にない早い雪 | 蓬莱山の積雪もなかなかのもの(堂満を過ぎたあたり) | 青空に黄葉が映える |
作成日2014年3月9日