10)船形山(宮城県)1500.3m 三百名山: 2008.5.18 2008年山の記録に戻る
 船形山は、宮城県と山形県の県境にそびえる、奥羽山脈の主峰となる火山である。別名は御所山(ごしょざん)。日本二百名山のひとつに数えられる。那須火山帯に属する船形火山群の主峰であり、周辺の山を含めて船形連峰と呼ばれ、またその連峰まで広く指して船形山と呼ぶこともある。船形連峰は、南北に走る奥羽山脈の背稜と、それに交差する東西の山並みからなり、広い範囲に数多い山を寄せた塊を呈する。最高点の船形山はその中で突出してはおらず、山頂をなかなか現さない奥深さが特長である。一等三角点の名称は「舟形山」で、標高は2010年(平成22年)10月1日に1500.23mから1500.34mに改められた。
船形山は宮城県側で呼ぶ名である。北東側から山頂を向いたとき、緩い傾斜を急な崖が縁取るのが浮かぶ舟のように見えることから名付けられたとか、東から見たとき山頂が船底をひっくり返したような形をしていることから名付けられたとか言われる。一方、山形県側では御所山と呼ばれており、こちらは北西麓の尾花沢に伝わる伝説に由来する。その話では、承久の乱で佐渡島に流刑になり、佐渡島で没したと伝えられている順徳天皇が、実は佐渡島から脱出して尾花沢まで落ち延び、隠れ住んだ。山の名は天皇の居所、すなわち御所にちなむという。船形山を中心とする5つの峰(五所)が由来という説もある。また、船形山は分水嶺にあり、ここを源流とする河川は流域を潤してきた。そのことから、古来より水神を祀る霊山として周辺部の住民に崇拝されており、山頂には船形山御所神社が建てられ、水上弁財天が祀られている。同社は船形山神社とも呼ばれるため、山麓の式内社の船形山神社と混同されて記載される場合があるが別の神社である。
 今回は、仙台に在住のEさんの計らいで、念願の船形山に登ることができた。コースはたくさんあるが、
升沢コース(大和町)と呼ばれるコース(旗坂キャンプ場〜三光の宮〜升沢小屋〜山頂)を往復することにした。残雪の中、ブナ林の中を歩き、素晴らしい山行きを経験することができた。5月とはいえ、まだまだ雪深く、最短の登山口までは車では行くことができなかった。季節的には、関西とちょうど1ヶ月遅れの花々が咲いている。

仙台市内ホテル(7:30)−登山口旗坂キャンプ場登山口(8:50)−三光の宮(10:53,5)−大滝分岐−蛇が岳分岐−升沢小屋(11:30、10)−山頂(12:00、10)−千畳敷分岐(12:28)−升沢小屋(12:50〜13:14、昼食)−三光の宮(14:02)−登山口(15:30)    歩行時間:6時間

ホテルに車で迎えに来てもらって出発する。予定の最短大滝キャンプ場は林道が雪に覆われ、行くことができなかった。そのため、旗坂キャンプ場からのコースにした。登山道は、道中、70%以上が雪に覆われていたが、踏み跡があり心配はなかった。ブナ林の旗坂平を進む。芽吹きで鮮やかな薄みどりが印象的だ。尾根筋を通り、気持ちよく進む。2時間あまりで、三光の宮に着く。石碑が立っており、ヒメコマツの奥に、船形山の山容が確認できる。少し緩やかになり、大滝登山口、次に蛇が岳への分岐を別け、30分強で升沢小屋に着く。同行のEさんは、疲れたといって小屋で休むことになった。小休止して、一登りすると稜線出でてなだらかになる。ここからの眺めもなかなかに良い。山頂には、御所神社の小さな祠、避難小屋、巨大な標柱がある。足元には、キジムシロと思われる黄色の花がたくさんある。しばし、眺望を楽しみ、升沢小屋に戻る。ここでやや遅い昼食にする。Eさんも元気を回復し、おしゃべりをしながらの下山になった。他の花は、ヒメイチゲ、アズマイチゲ、タムシバの白い花、ショウジョウバカマ、イワナシの可憐なピンク色、タチツボスミレ、ミヤマツボスミレ、ユキザサ、コヨウラクツツジ等であった。

     
ブナ林を行く  道中の様子   升沢小屋でEさん
     
 山頂付近  山頂からの眺望 山頂スナップ 

         
 東北の遅い春・ショウジョウバカマ  ヒメイチゲ  ミヤマキンバイ アズマイチゲ  タムシバ
         
イワナシ   コヨウラクツツジ  ユキザサ  ミヤマツボスミレ エンレイソウ 

他には、タチツボスミレも見られた。

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作成日 2015年3月9日訂正