13)池河内湿原と中池見湿地 チョウ撮影他(福井県敦賀市) :2019年7月5日、
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 @池河内湿原(いけのこうちしつげん)は、敦賀市内を流れる笙の川源流域の標高約300m、広さ約4haの湿地である。貴重な動植物が生息し、福井県の自然環境保全地域にも指定されている[2]。池ノ河内、池の河内と表記される場合もある。概要池河内湿原は、敦賀市の東側、滋賀県境の近くに位置する。周囲は山で囲まれ、中央部に阿原ヶ池(あわらがいけ)があり、広範囲に湧水が見られる。湿原の南東から笙の川となって流れ出している。1977年には、湿原部と涵養のため周囲の山麓を含め111haが、福井県の保全地域に指定、保護されている。1988年には、湿原を横断し、自然観察できる木道も整備されたが[1]、2016年現在、老朽のため通行止めとなっている。 地形であるが、池河内湿原は、近くを南北に走る柳ヶ瀬断層から生じた2本の小断層(池河内断層)が交差した地点となっており、若越破砕帯の一部にある。これら断層により地盤が沈降し盆地となり、その後山からの複数の小川から運ばれる土砂により、扇状地が形成され、扇状地からの堆積物により、堰き止められ、湿原と池が生じたと考えられている。
 湿原周辺の陸化の進んだ箇所からハンノキが侵入しているが、中央部は低層湿原状となっている。見られる植物としては、ミツガシワ、サワオグルマ、カキツバタ、マアザミ、コウホネ、ミズギボウシ、ドクゼリ、ヒメザゼンソウ、カキラン、サワラン、ヤチスギラン、トキソウ、イヌノハナヒゲ、ハリミズゴケ、ヌマトラノオなどがあり、特にヤナギトラノオ(南限種)、ミズドクサ(南限種)は、福井県内では、ここだけに生育する希少種である。また、早春には湿原の南にあるコブシの巨木が主のように花を咲かせる。湿地と山地の昆虫が混在しており、種数は比較的多い。見られる昆虫としては、ミドリシジミ、ハッチョウトンボ、ルリボシヤンマ、サラサヤンマなどがある。特に、ムナグロチャイロテントウなどの湿地性テントウムシの分布は特筆に値する[1][7]。 6月下旬頃には、阿原ヶ池の周辺のハンノキやシロヤナギにモリアオガエルの白色の卵塊がいくつも見られる[5]。 また冬季は、マガモなどのカモ類、ツグミ、アトリ、マヒワなどの渡り鳥が見られる。

A中池見湿地
 中池見湿地(なかいけみしっち)は、福井県敦賀市にある、天筒山などの3つの低山に囲まれた[1]面積約25 haの内陸低湿地であり、泥炭湿地。分類的にはフェンにあたる。木ノ芽川(笙の川の支流)の支流の源流域に位置する。日本の地形レッドデータブックにも保全を要する最も価値のある地域の一つとして記載されている。2012年に越前加賀海岸国定公園の一部として追加指定され、同年7月3日にはラムサール条約に登録された。国内屈指のトンボの生息地である一方、アメリカザリガニの異常繁殖が問題視されている。
 歴史であるが、もともとはスギの巨木が生い茂る湿地だったが、江戸時代の新田開発によりほぼ全域が水田となった。その後の減反政策で休耕田が増えその地を大阪ガスが買収したがほぼ放置状態であった為、現在のような多様なモザイク状の生態系が形作られた。その後2005年に敦賀市に寄付された。環境省は、2001年12月、日本の重要湿地500に選定。2012年5月には、同湿地に水を供給する周辺の山を含めた87haをラムサール条約の新たな登録候補地に指定する方針を決めた。  湿地の特徴であるが、敦賀断層の西側が沈降したことにより、袋状の埋積谷ができ、そこに湿原が発達した。そのため数十mにも及ぶ泥炭層があり、その地層には、約十万年間の環境変遷史が記録されている。また湿地には特有の植物が群落を作り、そこに様々な水生昆虫が生息している。特にトンボの種類が豊富で、現在70種が確認されている。また近年、新種のテントウムシが発見され、ナカイケミヒメテントウ(学名:Scymnus nakaikemensis Sasaji et Kishimoto )と命名された。動植物の種数は約3000種、このうち絶滅危惧種がデンジソウやメダカなど約120種といわれている。 
 『ウィキペディア(Wikipedia)』より引用

梅雨空が続く7月のはじめ、福井方面は午後から晴れ間もみられるとの予報になった。山にするか迷った挙句、以前から行きたかった敦賀市の2つの湿地、池河内湿原と中池見湿地を訪問した。池河内湿原ではミドリシジミが健在だった。中池見湿地はチョウトンボの時期を迎えていた。

1)池河内湿原
 自宅(6:30)−161号線−476号線−池河内湿原樫曲口P(8:20、8:25出発)−木道終点〜湿地周回(踏み跡程度)−トイレ・休憩場所(8:55〜9:05)−湿原内散策−池河内湿原樫曲口P(11:02、11:15出発)〜中池見湿地へ
 
やや早めに出発する。通いなれた道を一気に走り、途中、昼食を購入し、予定の時間で池河内湿原樫曲口の駐車場所に着く。舗装道で迷うこともなかった。すでに1台車があった。案内板には湿原全体の説明がある。準備を整え湿原に入る。左右に分かれ、左手がメインだが遊歩道と書かれた右手に進む。
池河内湿原樫曲口の駐車場所

すぐに行き止まりになる。左手に湿原を反時計回りに進む格好で踏み跡がある。板が敷かれたようでもあるが、けもの道風である。大きな長靴を頼りに進む。湿原のふちに沿って進む。枝が邪魔をしたり、蜘蛛の巣にあったりで歩き出した手前、どんどん先に進む。何もない、湿地の中の道である。そのうち、踏み跡も怪しくなり先に進むといよいよわからくなった。地図ナビを調べると、もう一方の駐車場所に近いことが分かり、やや戻る格好で、林道に出ることができた。しばらく進んでトイレのある休憩場所に出た。チョウが飛んでいて撮影したが、ヒメジャノメとヒメウラナミシジミだった。一息ついてあたりを散策した。コウホネが水際だった。ハンノキの茂る湿原をうろうろしたが、ミドリシジミには出会えなかった。ここにもある案内板に従い、木道を進むことにした。周回の続きである。枝先でミドリシジミと思われる個体が飛んでいる。コウホネの群落地を過ぎ、さらに進めば両側にはハンノキが生い茂っている。
コウホネの群落のある木道

その先で、もう一台先に止まっていた車のかたに出会った。ミドリシジミを撮影に来たとかで、この場所がポイントだとのことだった。確かに、1本の木に複数のミドリシジミがとまっている。下草に降りてくれそうにもないため、取りあえづ撮影を進める。十分な写真を撮った後、土竿を利用にて個体を移動させる。そのうち一頭が草に止まり、しばらく待っていると翅を広げてくれた。距離もあったが、望遠で撮影できた。その後も撮影を続け、いったん車に戻り、また引き返した。もう一人の方に別れを告げ、その後、駐車場所に戻るまで何頭かの撮影を続けた。チョウ以外にも、バッタやトカゲも出てきて結構楽しかった。駐車場所でルリタテハの撮影もでき、次の中池見湿地にむかった。時間的にはそれほど遠い場所ではない。

ミドリシジミ
 

その他のチョウ
         
 ルリタテハ  ヒメジャノメ  ヒメウラナミジャノメ    

2)中池見湿地
池河内湿原樫曲口P(11:40出発)〜途中の林道でミヤマカラスアゲハの吸水を撮影〜中池見湿地藤ヶ丘P(12:02)−ビジターセンター(12:10〜12:30昼食、湿地探索、13:50出発)−中池見湿地藤ヶ丘P(14:00、14:02出発)〜自宅

林道を進む途中で、ミヤマカラスアゲハが2頭、吸水している場面にぶつかった。車を止め近ずくが、夢中である。しばらく離れてもすぐに戻ってくれる。キラキラと輝く翅が美しい。10分ほど撮影して、中池見湿地の藤ヶ丘駐車場に向かった。ちょうど昼過ぎで、ビジターセンターから帰ってきた人の話では、昼食もでき、お茶やお湯が使えるとのことだった。階段の坂を上り、下り返すと湿地が見渡せる。ビジターセンターについて、挨拶をして昼食の用意をしている間に、池河内湿原で一緒したTさんに再会した。情報交換をし、そこで別れた。昼食を済ませ、湿地を歩く。長靴を借り、湿地の中と回りを歩く。曇り空からすっかり晴れ上がり歩きも汗だくになる。うれしいことに、チョウトンボが多い。その他のトンボもみられる。湿地特有の植物も多いが、こちらはほとんどパスして歩く。オオチャバネセセリ、ホソバセセリ、ムラサキシジミが林の傍で観察できる。キイチゴも多く目を楽しませてくれる。モンキアゲハ、ルリタテハ、ウラギンシジミも目に入る。かれこれ、1時間20分も休みなく歩く。ビジターセンターに戻り、お礼を言って戻った。途中、小高い丘から湿地全体を見渡した。オカトラノオの白い花も印象的だった。

小高い丘から湿地全体

帰りの道も順調で、1時間30分ほどで自宅にもとった。

チョウ
林道で吸水中のミヤマカラスアゲハ2頭
 

その他のチョウ
       
 ホソバセセリ  ムラサキシジミ  ウラギンシジミ  オオチャバネセセリ  

それ以外のチョウとしては、ルリタテハ、サトキマダラヒカゲ、モンキチョウ
チョウトンボ
 

行程MAP
@池河内湿原(いけのこうちしつげん)


A中池見湿地(なかいけみしっち)

(国土地理院の地図を引用、YAMAP引用)

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作成日: 2019年5月17日