42)神室山 1.365m  : 2015年7月21日、 日本三百名山に戻る2015年山の記録に戻る元の戻る

神室山(かむろさん)は秋田県湯沢市と山形県新庄市、金山町の県境・市境上にそびえる、神室連峰の主峰となる山である。『日本二百名山』、『花の百名山(ミネザクラ)』のひとつに数えられる。神室山を主峰とする神室連峰は、黒森(1,057m)から、水晶森(1,097m)、前神室山(1,342m)、神室山、天狗森(1,302m)、小又山(1,366m)、火打岳(1,237m)、八森山(1,098m)、杢蔵山(1,026m)、大森山(591m)と、脊梁が30kmあまりも続く山脈であり別名「東北のミニアルプス」と呼ばれている。全山栗駒国定公園に指定されている。神室山は、古来から山岳信仰の山として知られ、修験の山として鳥海山と並び称される存在であった。伝説によれば、坂上田村麻呂が東征のおりに開山したと伝えられている。鳥海山との結びつきが強く、祭神も同じ大物忌神である。また、神室山は水や農業の神として敬われ、人々は山に登っては五穀豊穣を祈っていた。山頂には「神室権現」、「雷神」、「太田神」、「水神」といった石碑が残されており、山中の窪地を田んぼに見立て、米などを撒いて五穀豊穣を祈った「御田」の跡と推定される場所が何箇所か残っている。また、「神室山の天狗」など多くの伝承が言い伝えられている。神室山麓の各集落には、それぞれに神室山の参詣者を迎えた宿坊の跡とされる場所が残されている。例えば、金山町の山崎藁坊はその一つである。また、金山町内に残る寺は、神室山の山岳修験にちなんでいる。神室山の修験道自体は、僧坊に女を囲うなど、破戒行為が著しいことを理由に禁止され、廃れて行ったが、近隣の住民の信仰の対象とされ続けている。他の山脈に比べて特別標高が高いわけではないが、積雪の多さから比較的低標高に高山植物が群生しており、登山道も比較的整備されているため、人気のある登山コースとなっている。避難小屋は、2009年度から2か年かけて、避難小屋の全面改築を行うことを決め。2010年10月に完成し、利用できるようになっている。(ウイキペディアより)
今回の最上町からの登山ルートは最近開かれたコースである。従って、有屋コースのように正本として発行されたものはない。しかしながら、宿泊したおらだすの宿りんどうにて入手できる。今年もコース整備が行われ、道がわかりにくいということはない。ただ、1合目までの沢沿いの道は倒木でふさがれたところや、やや狭い谷の道を通ることから気をつける必要はある。私のように登山後、花巻空港に戻る必要のある人には好適である。1合目から2〜3合目の直登はなかなか手ごわく、往復8時間のコースタイムとなっている。しかし、実際に登った感想としては普通でもそれほどかからないと思う。

根の崎口(5:32、5:36出発)−1合目(5:46)−2合目(6:07)−3合目(6:27〜6:32)−4合目(6:49)−5合目(7:01)−6合目(7:12〜7:18)−8合目(7:51)−9合目(8:04)−神室山頂(8:20〜8:50)−8合目(9:15)−6合目(9:39)−5合目(9:50〜9:53)−4合目(10:04)−3合目(10:18)−2合目(10:32)−1合目(10:48)−登山口(10:56、11:10出発)−車−ダムキャンプ場(11:38)  歩行時間:4時間36分(休憩時間含まず)   

白川ダムまでは舗装道路が続く。最後はやや狭くなるが問題はない。ダム横のキャンプ地からさらに進み、西ノ又林道を分け、右手に折れる。ここから約8qの未舗装の白川林道を注意して進む。最後に沢に架かった橋を過ぎると数台置ける空き地が左手に現れる。すぐ先が、根の崎口と呼ばれる神室山への登山口だ。1合目までは沢沿い(大きな切り立った川)を進む。倒木や狭い道、崩れたところなどを注意して進む。ここから直登の急な登りが3合目まで続く。場所によってはロープや手で確保して登るくらいの急なところもある。連荘の登山のあとで結構つらい。一旦は緩やかになり、4合目からは尾根筋の道を進む。太い幹のブナの木の間に登山道が続く。15分前後で、合目表示が出てくる。6合目からは痩せ尾根の稜線で、一気に眺望が得られる。左手には、小又山〜火打山〜八森山の縦走路が目立つ。8合目からはピークに向かって痩せ尾根で、緩やかなアップダウンが続く。左右の景色は申し分ない。9合目からは花が現れる。ハクサンシャジン、オオバギボウシの群落、ホツツジ、ニッコウキスゲ、山頂直下では、センジュガンビ、山頂ではハクサンフウロで、赤が鮮やかだ。東方向には鳥海山、残念ながら山頂はガスがかかっている。月山、こちらも全体は見えない。栗駒山や焼石岳は素晴らしい山容を見せている。船形山が遠くに見える。焼石岳のその奥にはちょこんと岩手山が見えているが、小さな山容が雲海の上に確認できる。小又山〜火打山〜八森山の縦走路はなかなかに見事だ。写真や花を楽しんだいると、有屋口からの2人が山頂に着いた。避難小屋の掃除に来た地元の山の会の方だ。結構な話になり、30分山頂にとどまる。帰りは同じ道を戻ることになるが、炎天で暑さがかなり辛くなる。同じ道を来たもう一人とすれ違うが、小又山への周回は断念するとのことだった。9合目までの尾根筋は、数十匹のアキアカネが飛び交っている。花にはミドリヒョウモンが吸蜜、ヒオドシチョウも現れる。モンシロチョウも結構な数になる。登ってきた6〜7合目はミドリシジミ類と何回か遭遇したが、結局写真には撮れなかった。11時前には、車に戻り、宿で温泉に入り汗と疲れをいやした。その後は花巻空港に戻った。帰り道は鳴子温泉のそばを通る道である。今回の山行、最終日には晴天に恵まれ、素晴らしいものになった。この遠征、3百名山の2山を加え、233山を踏破した。
 なお、この神室山、前日の2015年7月20日に BS放送 『グレートトラバース2』の企画で田中氏が栗駒山から踏破した。下山口の根の崎口に激励の表示、また町には歓迎の垂れ幕があった。前日の16:00頃に林道を確認のため来たが出会えるチャンスには恵まれなかった。それでも、そのすぐ後、1番乗りで神室山に登れたことはなんとなくうれしかった。

     
 小又山〜火打岳〜八森山の稜線  痩せ尾根を振り返って、眺望が見事  9合目
     
 山頂、左手に避難小屋 栗駒山〜焼石岳   東の鳥海山だが、山頂は雲がかかる
     
 小又山〜火打岳〜八森山の縦走路  有屋口への登山道。前神室山  有屋口からの2人に出会う。小屋の掃除だとか
     
 アキアカネが何十匹と飛び交う  カエデやブナ林、緑が鮮やか  尾根筋には大きなブナの木が続く


     
 山頂のハクサンフウロ  ニッコウキスゲ  山頂手前にセンジュガンビ
     
 オオバギボウシの群落もある  ハクサンシャジン  
     
 山頂のホツツジ    
行程マップ
(神室連峰ガイドマップの一部を引用)

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作成日: 2015年7月28日