94、139)雲取山、甲武信ヶ岳 2,017m 2,475m 百名山: 1998年11月14日~11月16日、 日本三百名山に戻る

雲取山(くもとりやま・くもとりさん)は、東京都・埼玉県・山梨県の境界にある標高2,017.09mの山。秩父多摩甲斐国立公園の代表的な山の一つで、日本百名山に選ばれている。1都2県にまたがるとともに、東京都の最高峰・最西端の山でもある。山頂には一等三角点が設置されている。見晴らしが良く、周辺の山々のほか富士山・南アルプス・関東平野方面なども見ることができる。妙法が岳、白岩山とともに三峰山の三山の一つである。主なコースは、
山梨県・東京都側(多摩川流域)と埼玉県側(荒川流域)に大別される。丹波山村の鴨沢、秩父市の三峯神社からのコースをはじめ、様々なコースで登ることができる。
①山梨県丹波山村からのコース(バスは奥多摩駅より)
・鴨沢バス停〜小袖乗越〜七ツ石山〜雲取山。登り5時間30分・下り3時間30分。小袖乗越に駐車場あり。
:お祭バス停〜後山林道〜三条の湯〜雲取山。登り6時間30分・下り5時間。土日は午前バス1本。行程の半分が後山林道。後山林道の部分は三条の湯が宿泊客のための迎車を行っている。三条の湯からは登り3時間・下り2時間15分。
②東京都奥多摩町からのコース(バスは奥多摩駅より)
・東日原バス停〜日原林道〜雲取山。登り6時間55分・下り5時間25分。2時間以上林道歩き。
・東日原バス停〜鷹ノ巣山〜七ツ石山〜雲取山。登り7時間5分・下り5時間25分。
・峰谷バス停〜赤指尾根〜七ツ石山〜雲取山。登り5時間45分・下り4時間5分。土日は午前バス1本。
・峰谷バス停〜鷹ノ巣山〜七ツ石山〜雲取山。登り6時間5分・下り4時間35分。土日は午前バス1本。
・石尾根:奥多摩駅〜六ツ石山〜鷹ノ巣山〜七ツ石山〜雲取山。登り10時間15分・下り8時間。
③埼玉県秩父市からのコース(バスは西武秩父駅・三峰口駅より)
・三峯神社バス停〜霧藻ヶ峰〜白岩山〜芋ノ木ドッケ〜雲取山。登り5時間20分・下り4時間25分。
・大陽寺入口バス停〜大陽寺〜白岩山〜芋ノ木ドッケ〜雲取山。
④縦走コース
・奥秩父主脈縦走路の縦走コース
・長沢背稜の縦走コース

 甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)は、山梨県・埼玉県・長野県の3県の境にある標高2,475mの山で、奥秩父山塊の主脈の中央に位置する。甲武信岳(こぶしだけ)とも呼ぶ。甲州(山梨県)、武州(埼玉県)、信州(長野県)の境にあるのでこの名になっているとされる説が有名だが、山容が拳のように見えるからという説もある。千曲川(新潟県に入ると信濃川)、荒川、笛吹川(釜無川と合流し富士川となる)の水源の地。頂上に三角点はない。また、すぐ隣の三宝山のほうが標高が僅かに高い。日本百名山の一つ。山頂からは百名山のうち43座を見ることができる。
ルートであるが、以下が知られている。
①長野県川上村の毛木平から
長野県側の毛木平にトイレのある整備された登山者向けの無料駐車場がある。小海線信濃川上駅からバスも出ている。毛木平から千曲川源流遊歩道を通って甲武信ヶ岳までピストンするのが最短コースであり、早朝から登れば日帰りが可能。
 または、「毛木平→千曲川源流遊歩道→甲武信ヶ岳→三宝山→武信白岩山→大山→十文字峠→五里観音→毛木平」の周回コースもマイカー登山客に人気がある。ピストンよりも2時間ほど長くかかるが、健脚者なら日帰りも可能。この周回ルート上にある三宝山は埼玉県最高峰である。
②山梨県山梨市の西沢渓谷から
山梨県側のルートは、西沢渓谷入口から徳ちゃん新道(戸渡尾根)を通って登るルートが一般的である。長野県側から登るよりも、東京からのアクセスは良いものの、登りに5時間40分(標準時間)もかかり、日帰りは厳しい。西沢渓谷入口までは中央本線塩山駅からバスが出ている。登山道中はほとんど樹林帯で展望の良い場所は少ないが、シャクナゲが多く自生している。シャクナゲの見頃は5月末から6月。(ウイキペディアより)

今回は、両山の縦走、奥秩父縦走路にチャレンジした。11月も半ば、雲取山からは誰にもあわない行程が続いた。笠取小屋では一人、早い日の入り後の暗闇、音一つ聞こえない静寂は寂しさを通りこしたものになった。薪を拾い集め、ストーブで温まった。

行程
1)11月14日
鴨沢・・・小袖乗越・・・堂所・・・七ッ石山・・・ブナ坂・・・小雲取山・・・雲取山・・・雲取山荘(泊)
2)11月15日
雲取山荘・・・三条ダルミ・・・狼平・・・北天のタル・・・飛龍権現・・・将監峠・・・一ノ瀬高原分岐・・・唐松尾山・・・笠取小屋・・・笠取山・・・笠取小屋(泊)
3)11月16日
笠取小屋・・・雁峠分岐・・・雁峠・・・雁坂峠・・・雁坂嶺・・・東破風山・・・西破風山・・・笹平(破風山)避難小屋・・・巻き道分岐・・・木賊山・・・甲武信小屋・・・甲武信ヶ岳・・・毛木平・・・梓山

11月14日
奥多摩(8:06)~留浦(8:46)~鴨沢(8:54、8:57出発)-小袖乗越-堂所-七ツ石山(12:30~13:00、昼食)-ブナ坂-雲取山(14:00~14:30)-雲取山荘(14:50)               歩行時間: 5時間47分 (休憩時間 1時間15分を含む)
自家 歩行距離:約22㎞

駅前の旅館に宿泊、バスで登山口の鴨沢で下車する。登山口の表示にしたがって歩き始める。人家を抜け、30分ほど登り、迂回してきた林道に合流す
る。小袖乗越だ。道なりに進み、先で登山道が分岐する。緩やかな登りがしばらく続く。水場や廃屋を過ぎ、やがて山腹から尾根を進むと堂所に出る。ここからしだいに傾斜が増し、しばらく行った先には七ッ石小屋への分岐を右に進む。急登を頑張ると小屋に出る。展望も好い。小屋横を進み、分岐を右に行くと石尾根縦走路が合流する。左に折れ、七ッ石神社を通過し、しばらくで七ツ石山山頂だ。展望が大きく開け、これから向かう雲取山の堂々とした山容が目の前に広がる。ここで昼食とする。景色をタップリと楽しみ、山頂から西に下り、唐松谷への道が交差するブナ坂に出る。ここからは展望に恵まれた快適な道になる。奥多摩小屋を過ぎ、小雲取山に出る。大菩薩、富士山、飛竜山などの広大な展望が広がる。そこそこで先に進む。雲取山はすぐだ。避難小屋の立つ雲取山山頂の一角からは南東方向に視界が大きく開け、石尾根の連なりが一望できる。一等三角点のある山頂は北に少し行ったところで、原生林に覆われた奥秩父の山並みが広がる。驚いたことに、マウンテンバイクが山頂表示の横に置いてある。百名山では初めてだ。北側の原生林の中を20分下ったところに今日の宿泊小屋、雲取山荘がある。皇太子がお泊りになったが、その時に水洗トイレになったとか、ステンレス製の綺麗なものだった。美味しい夕食を楽しみ、ぐっすりと寝入った。

 
七ツ石山、後方は雲取山 雲取山山頂からの眺め 雲取山山頂

11月15日
雲取山荘(5:50)-三条ダルミ-狼平-北天のタル(07:43~7:53)-飛龍権現(8:24)-将監峠(10:15)-一ノ瀬高原分岐-唐松尾山(11:15~11:45、昼食)-笠取小屋(13:20~13:25)-笠取山(13:55~14:05)-笠取小屋(14:30、泊) 歩行時間: 8時間40分 (休憩時間 約1時間を含む)

翌朝、小屋を5時に出発する。この時期ではまだ薄暗い。前日の道を通って再び山頂に向かう。朝の光を受け山頂一帯は一味違った山の表情を味わうことができた。山頂からもう一度眺めた後、南西に20分ほど下っていく。三条ダルミで分岐が出てくる。水無尾根から三条ノ湯方向だ。飛竜山に続く奥秩父主脈縦走路を進む。これから先の縦走路は富士山を見ながらの素晴らしいものとなる。天気は快晴、早朝の肌寒さも一向に気にならない。気持ちの良い縦走路を西に進む。狼平から三ツ山を巻き、孫左ェ門尾根が合流する北天のタルに出る。小屋を出てから1時間50分だ。初めての休憩を取る。更に飛竜山の基点になる飛龍権現を目指す。飛竜山は、雲収山から西にのびる奥秩父主脈の最初の2000m峰である。縦走路は飛竜山の南側を巻き、薄暗い樹林帯の飛竜権現から北に奥まってそびえる。うっそうとした原生林に包まれて神秘的な雰囲気を漂わせている。今回は飛竜山を巻きながら進む。北天のタルから縦走路を南西に進む。道は、すくに尾根の南側を巻いてゆるやかに登って行く。北側の斜面は崖で、ところどころ丸本を並べた桟道やザレ場があって注意を要する。やがて飛竜山から派生する尾根を巻き終え、樹林帯の中に小さな社が見え、飛竜権現に着く。ミカサ尾根が交わる。休みを取らず、簡単なお参りをして縦走路を進む。北方向に尾根が続く。将監峠を目指す。稜線というよりは少し下がった山腹の道といった雰囲気だ。単調な道ではあるが、富士山が見え隠れする。青空が冴えわたり、素晴らしい展望と、奥秩父の雰囲気が何とも言えない。2時間弱の長い歩きで、ササ原が目立ちだし、やがて、主ポイントの将監峠に出る。写真に収め、縦走路をさらに進み、まもなく牛王工院平に出る。七ッ尾根が合流する。ササ原を進むとしばらくで、山ノ神土に着く。分岐があり、三百名山である和名倉山が派生する。唐松尾山は左斜めに登っている。稜線よりずっと下の山腹コースである。しばらくで、天然カラマツの大木が林立し、深山の趣が満ちてくる。やがて大きなガレ沢に出るが、道は高巻きして横切る格好になる。更にも一本、ガレ場を行くと七御殿岩分岐に着く。見通しは悪く、先を進む。ガレ場がまた出てくるがその先はササの斜面になり、斜めに登る。稜線が近づき、大きなカラマツが出てくれば、その名の通り、唐松尾山がすぐである。三角点表示のある狭い山頂だが、シャクナゲの群落がある。5月には綺麗な花が楽しめそうだ。展望はダメであるが、30分の昼食時間にする。ここまで5時間程度の歩き、お腹もすいていた。元気も出て、更に西へ向かう。稜線上の道である。黒槐ノ頭を越え、ピークを巻き、笠取山へ進む。まず笠取小屋に行くことにする。稜線を離れ、結構下ったところにある笠取小屋には1時間30分を要した。小屋に荷物を置き、すぐに笠取山に向かう。小屋との標高差160mほど、30分はかかる。小屋の西の幅広い道を北に進む。10分ほどで雁峠方向の主脈縦走路を分け、右手方向に行く。更に水神社の分岐を分け、少し進むとカヤトの原を前に、笠取山の優雅な山容(三角錐)が見える。枯れた草原の斜面を登り、ドーム状のピークを越え、三つ目のピークが笠取山山頂で、最後は急峻な登りだ。山頂の展望は期待を裏切られたが、狭いながらも登頂感は十分である。ここもシャクナゲの群落がある。しばらく休み、元来た道を小屋に戻る。結構大きな小屋で、ストーブがあるが、燃料がない。時間は14;30分、たっぷりだ。枯れた枝や切れ端、たくさんの木々を集める。やがて暗闇が迫る。薪はタップリ、どんどんと燃やす。温かい雰囲気の中で夕食を済ませる。時々深い静寂の中で動物の鳴き声、妙な緊張感がある。一人宿泊の怖さを味わう。持参のシュラフに、置きの毛布を絡め、何とか眠りについた。それにしても長い長い夜だった。
     
 奥秩父縦走路から富士山  奥秩父縦走路から富士山  笠取山

11月16日
笠取小屋(5:55)-雁峠分岐-雁峠-水晶山(7:25)-雁坂峠(747)-雁坂嶺(8:20)-東破風山(8:53)-西破風山(9:14)-笹平(9:25)-木賊山(10:28)-甲武信小屋-甲武信ヶ岳(10:49~11:00、昼食)-毛木平(12:56)-梓山(13:50、14:30バス)~信濃上駅(15:00、15:05発)~小淵沢(15:46、16:26発)~塩尻(17:18、17:45発)~名古屋~米原~守山   歩行時間: 7時間55分 (休憩時間 1時間15分を含む)

長い長い1夜が明ける。お腹を満たした後、昨日とほぼ同じ時間で出発する。昨日の道をしばらく進み、雁峠方向の主脈縦走路に入る。雁峠までは快適な散策になる。下り終えると雁峠山荘が右手に見え、少し先に雁峠に到着する。雁峠から登りになり、登った先が2000mの燕山になる。歩行時間: 5時間47分 (休憩時間 1時間15分を含む)歩行時間: 5時間47分 (休憩時間 1時間15分を含む)歩行時間: 5時間47分 (休憩時間 1時間15分を含む)歩行時間: 5時間47分 (休憩時間 1時間15分を含む)アップダウンを繰り返し、古札山、水晶山と過ぎ、出発してから1時間50分で、ポイントとなる雁坂峠に着く。雁坂峠は、北アルプスの針ノ木峠、南アルプスの三伏峠とともに日本三大峠として知られている。雁坂峠南面に広がる美しい草原もあげられる。更に、雁坂峠は奥秩父主脈縦走の登下降路の重要なところであるが、甲州と秩父を結ぶ古い街道の乗越にあたり、古き街道の静かな峠越えの山旅を味わえるところでもある。こんなことを考えながら、夏の時期であればお花畑が楽しめる峠で一服し、先に進む。峠からは今歩いてきた水晶山が見返せ、雁坂嶺が間近に見える。国師ヶ岳の奥秩父の主脈も見える。雁坂峠から縦走路を北西に進み、草原から木立の中に入って一頑張りし、30分強で雁坂嶺に着く。三角点の山頂を過ぎ、ゆるやかな樹林帯を下ったあと、東破風山への急登となる。東破風山山頂でよ展望がひらけて岩だらけの尾根道をたどると三角点ピークの西破風山に着く。西破風山からは露岩が重なり合った急な下りで、眼下に広瀬湖を見下ろしながら笹平の鞍部に降りると、笹平避難小屋が建っている。笹平から木賊山までは、また急登となる。賽の河原までは歩きにくい道が続き、多少、平らになった先で道が分岐となる。長くなるが、左の木賊山を越える尾根を選び進む。木賊山の山頂付近ではなだらかになり、戸渡尾根や鶏冠尾根が分岐する。山頂は樹林で覆われ、眺めは期待できない。写真を撮て、すぐに出発する。ザレ場を過ぎ、下りきると甲武信小屋で、古い感じの山小屋である。小屋から、15分ほど樹林帯の急坂を登ると甲武信ヶ岳の山頂に到着する。山頂からは、東の灌木を除けが素晴らしい展望である。西方向に、国師ヶ岳や金峰山、南アルプスや八ヶ岳などご素晴らしい山容を見せる。パンと缶詰でお腹を満たし、長い縦走を終える。山頂から、国師ヶ岳への縦走路をしばらく歩き、灌木に中から急なジグザク道を千曲川源流に向かって下る。山頂から35分程度で千曲川信濃川水源地標がある広場に出る。ここは渓流があり、針葉樹林帯に囲まれている。水量の少ない源流(沢筋)を左右に渡りながら下り、沢沿いの道を下る。山腹の道をさらに進み、やがてナメ滝に出あう。カラマツの平坦な道が続く。カラマツの続く山腹からの道から川沿いの林内、木段の道の登りを進み、大山祗神社を過ぎ、更にしばらくで毛木平に出る。ここで源流とも別れる。ここからは、十文字峠から三宝山を経て甲武信ヶ岳に達する登山道が出ている。シラカバやカラマツの林を抜け、「十文字峠・千曲川源流」と書かれたいくつかの道標を過ぎ、広人な高原野菜畑の中を直進すると、やがて梓山バス停に出る。40分のやや長い待ち時間で信濃上駅に出る。小淵沢、塩尻と乗り継ぎ、名古屋から守山に戻った。
     
 雁坂峠から国師ヶ岳の主脈  日本三大峠の雁坂峠  西破風山
     
 甲武信ヶ岳 甲武信ヶ岳山頂から 国師ヶ岳、金峰山  


行程マップ(1~5)
  

  




(国土地理院の地図を引用)
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作成日: 2016年6月7日

山と蝶と自然、山の記録、2015年