2004.1〜5号までの感想




本誌・フルーツバスケットの感想




2004年10号


「とても 好きだと思ったから


と、とうとう電車の中で"花ゆめ"を読む大人になってしまいました。
死ぬほど恥ずかしいんですが、何故、時間がないので仕方ありません。
こんな処を知人に見られたら、それこそ一巻の終わり(!)なんですが。
幸いなことに、今のところ何も起こっておりませんし・・・・・・(いや、単に
見て見ぬフリをしているだけなのかもしれませんが/苦笑)
相変わらず、駄目人間まっしぐら☆な人生を送っております。
ところで今回、職場の近くの本屋で「花ゆめ」を買ったら、
『図書目録2004-2005白泉社全作品』というものがついて
きたんですが、これは一体・・・っっ!!???

<フィルターなしの普通の感想>
■扉■
今回の扉を飾ったのは、腹黒そうに何かを企む勝也でした。
うぅーん・・・何ででしょうか。私はこの人を見る度に、
大河の山南さんを思い出すんですが。(←知らない方、済みません!)
と、それはさておき。
散りゆく桜の中で、独り想いを馳せたその瞬間。
勝也はそれまで掴むことが出来なかった"何か"を、
手に入れることが出来たのかもしれません。
束の間の倖せ。かけがえのない存在。
夢はそれぞれの想いを乗せて、鮮やかに色付き始めます。

■笑顔の裏に隠された"さびしさ"■
今じゃすっかり、「あ〜ろ〜は〜お〜え〜」な透のお祖父さんは、
昔、立派な教師だったそうです。(勝也談/笑)
矢張り、学校の教師が定年退職してからボケやすいと云うのは、
実話だったんでしょうか、という冗談は、このくらいにしておきまして。
普通、子供は"親の七光"を嫌うものだとばかり思っていましたが。
いけしゃあしゃあと「使用方法さえ間違えなければ、七光も
利用しがいがあります」と云ってのける勝也が、いっそ清清しいです。
よもやこんな教師の卵が存在しようとは、今日子も吃驚ですな。

・・・お、おまえが一番やな奴かも・・・

たらたらと冷や汗をかきながらそう云った今日子の言葉に、
大きく頷いたのは、きっと私だけではないハズ。(笑)
此処で勝也は彼女に、笑顔で「ありがとう」と返すんですが。
この何とも形容のし難い胡散臭い笑顔が、
彼の黒さに拍車をかけてるんですよねぇ。
つくづく、得体の知れない、底が見えないお人であります。

「眉があったほうが、綺麗だ」

何気に校内でいちゃつく勝也&今日子。
如何してこんなに"眉毛"に拘っているのかしら、と思っていたら。
「綺麗だ」というこの一言を、勝也に云わせるためだったんですね。
そんな彼の一挙一動に翻弄される今日子が、
微笑ましくて堪りません。
本気になると敬語でなくなる勝也も、個人的にはツボだったりvv

「やっぱり俺には向かない職業だったよ」

"教師は五者であれ"とは、よく云われることですが。
「学者」・「医者」・「易者」・「役者」・「芸者」、
勝也は、このいずれにも当て嵌まらなかったのでしょうか。
それとも、父が敷いたレールから、息苦しかった束縛から、
彼はずっと、解放されたかったのでしょうか。
解放してくれる"誰か"を探していたのでしょうか。
自分は"ひねくれている"のだと。
何処か自分で自分を諦めてしまっている勝也。
本当は何がしたいのかも解らないまま、建前だけで生きてきた
勝也にとって、「教師にならない」ことは、父親や周囲への
最初で最後の反抗だったのかもしれません。
勝也にとって"父"とは、越えなければならない"壁"でもあったのです。

(この人、さびしいんだきっと。この人も、今の"自分"がさびしい。
じゃなきゃあんなコト、言えない。知りたい。もっと先生のコト、知りたい)

勝也を取り巻く空気から、敏感に彼の淋しさを感じ取った今日子。
教師としては有名だった勝也の父も、家庭に帰れば
ただの厳しい人に過ぎなくて。
"愛情"という点に置いては、今ひとつ欠けていたのかもしれません。
愛し、支えて、受け止めてくれる存在が欲しかったのだと。
今日子が「他人から愛されたかった」ように。
勝也もまた、真実の愛を求めていたという点で、
今日子と同じ想いを内包していたように思います。

■"ちっぽけな世界"から抜け出して■
最後に勝也の教師姿を見たい。
でも、教室の扉を開けるのは、恐い。
そんな彼女を気持ちを汲んでか、勝也は今日子を
海へと連れ出します。
これは若しかしなくてもラーメン屋に続くデート・・・なんでしょうか。
海に向かって吠える今日子の姿は、何処かうおちゃんを彷彿させます。

「先生ありがとう・・・先生優しい人」

普段は勝気な今日子が時折、勝也の前だけで見せる、
しおらしさにドッキドキ。
先生大好き、と涙ぐみながら微笑む今日子は、
最高に可愛かったです。

(自分の幼さが悔しい。自分の今までの生き方が悔しい。
せめて、歳は無理でも。せめて、あの子達ぐらい人間らしく、
女の子らしく生きてきたなら、なんにも恥じる事なく"好きだ"って
言える自信があったかな)

自分の幼さを感じる度に、恥ずかしくて、悔しくて。
「もっと、大人になりたい。対等になりたい」と心の奥底で叫ぶ
今日子の声が聞こえてくるようなシーンでした。
「ありがとう・・・」と両手を伸ばして、勝也の胸に顔を埋める素直な
今日子も大好きです。
きっとこの日の夕焼けは、とても綺麗だったんでしょうねぇ。

「会う場所なんか他にいくらでもあるんだよ。あんなちっぽけな
学校が世界の総てと思ってるなら、まだガキの証拠だ」

学校は原点であっても、総てではない。
もっと<外>を見ろと、勝也はそう伝えたかったのでしょうか。
確かに世界を広く眺めてみたら、きっと学校なんて凄く
ちっぽけなものなんでしょうねぇ。
きっと人間は、何時でもちっぽけなことで、悩んだり苦しんだり
するんでしょうけれど。(苦笑)
手遅れの人生なんて、絶対にないはずですし、
時には足掻けるだけ、足掻くことも必要でしょう。
これからの学校は、もっと人間らしく生きていくための心の教育を、
していくべきなのかもしれません。

■かなしみの涙が、"糧"に変わるその瞬間■
緩やかに流れ行く運命の中で、磁石のように魅かれ合う二つの魂。
その後、今日子が髪をストレートにした理由は、
「・・・髪の毛、そうしてまかないほうがステキですね」と云う勝也の
言葉にあったようです。
勝也が薬剤関係の会社に就職した後も、週末に"勉強をみてもらう"と
いう名目で、デートをする二人が微笑ましいですなぁ。

「バカだなおまえ。今さらやり直しきくと思ってんのかよ・・・っ」

ところが今日子の仲間は、当然、彼女の変化を快く思いませんでした。
そして彼女がそこから抜け出したいと願った時、遂に事件が
起こります。
今日子が仲間からリンチに遭ったのは、奇しくも高校受験の
時期でした。
運の悪いことは重なるとよく云いますが、この時ほど、
"自業自得"という言葉を悲しく思ったことはありません。

「出ていけ・・・(中略)・・・おまえは私たちの子どもじゃない。
好きに生きて好きに死ね。二度と私達に下らない迷惑を
かけないでくれ」

仮令、一度は道を間違えてしまっても。
マシな人間になりたいのだと、真っ当な道を歩みたいのだと、
今日子がそう希ったのは、間違いだったのでしょうか。
否、そんなはずはありません。
人間、一度くらい道を踏み外さないと、どの道が正しいかなんて
解らないものです。
両親から勘当されて行き場を失った今日子を救ったのは、
矢張り勝也でした。

「貴方がたの思い通りにならない子どもは、我が子ではないと
言い切りますか?」

やけに勝也がタイミング良く登場するとか、今日子の運が良すぎるとか、
きっとそれは突っ込んではいけないお約束。(笑)
兎に角、勝也は今日子救出に単身で挑んだ挙句、
「まがりにも結婚を望んでいる女性の親御さん」とか何とか云って、
どさくさ紛れにプロポーズまでしちゃうんですYO!!
これには私も吃驚デス。
でもきっと、一番吃驚したのは、当の今日子でしょうねぇ。
辛そうな表情で、そこまでする必要はない、自分を放り出してくれと
叫ぶ彼女の姿は、見ていてとても痛かったです。

「だって!!だって、わかんないもん・・・っ。なんであたしを選ぶのか。
全然、全然わかんないもん・・・っ」

「泣いたから。さびしいと言って泣いた君は、とても人間らしくて。
とても好きだと思ったから」

な、ななななんと・・・っ!!!
それでは、勝也は一目惚れに近い状態で今日子に
魅かれたのでしょうか。
「さびしい」と云って泣いた今日子の中に、彼は自分と同じものを
見出したのでしょうか。
他方、全てを曝け出して素直に泣くことが出来る今日子を、
彼は羨ましく思ったのかもしれません。
いずれにしろ、痛くて儚くて悲しくて物憂げで、今にも壊れそうな心を
隠し持っていたのは、勝也も同じだったように思います。
個人的な意見としては、そんな勝也の心情に、もう一歩
踏み込んで作品を描いて欲しかったのですが。
そう思ったのは、私だけ・・・?
勝也が時折見せる翳りのある表情からは、一筋縄ではいかない人生を
送ってきた人間の、ある種の老獪さすら感じられます。

一人よりも二人。
それこそ呼吸をするかのように。
ごく自然に、二人で生きることを選んだ彼らが、
今後、どのような運命を辿っていくことになるのか、
まだまだ興味がつきないところではありますが。
以下、邪な感想です〜♪

<フィルターありの邪な感想>
紫呉とはとりは出ないけど。出ないけど・・・っっ!!!
今回も勝也がたくさん見れて、かなり倖せな管理人。
扉のイラストから萌え萌えです〜vv
き、きき綺麗な鎖骨してますねぇ、お兄さん!!(←変態決定)
まるで若い頃の紫呉を見ているようで・・・・・・
彼が透の父親だとは、俄かに信じられません。
勝也のイメージカラーが"白"というのも、正直、ビミョーです。
実は勝也は透の両親でなくて、紫呉の両親でしたというオチは
ないんですかい?

で、肝心の本誌なんですが。
個人的に、すっごく良かったシーンが、72頁!!
あの瞬間、私の脳内では見事に勝也→はとり,今日子→紫呉と
変換されました!!

「・・・俺を選べよ。まだ信じられないなら、"言葉"で安心したいなら、
好きなだけ、いくらでも言ってやる・・・ただ、言い損は御免だ。
俺を選べ、紫呉

妄想フィルター万歳!!!
私の頭は何と都合が良いんでしょう!!!
だって、それまで紫呉に見えていた勝也が、この瞬間だけ
はとりに見えたんですから。(笑)
あぁぁ、勝也が死んだら、ホント泣くかもしれません。

そして。
本誌に全く関係なくて申し訳ないんですが。
今回はペースが余ったので、16日に発売された画集の感想も
併せて書くことに。
恐らくまだ購入されていない方もいらっしゃるかと思いますので、
文字は隠しました。
購入された方で、かつ私の感想に興味のある方のみ、
反転してお読み下さい〜!!

−−−−−−−−−−−−−ここから−−−−−−−−−−−−−

私は普段、<画集>というものを滅多に買わないので、
どのくらいが相場なのかよく解らないのですが。
この内容であの値段だったら、かなり安いと思いました。(←少なくとも
私は、ですが)
しょーじき、"はとりFan"の皆様は、 最後の94頁のプライベート画像が
見れただけで、 大満足だったのではないでしょうか。
個人的にはもう少し、高屋先生のコメントが 見たかったなぁと
思ったりもしたんですが、 それを抜きにしてもオイシイ画集ということに
変わりはありません。

・・・で、肝心のはとり×紫呉のイラストがあったかどうかなんですが。
予想以上に多くて吃驚しました。
えぇ、そりゃもう、期待以上の収穫!!
私なんかは、暫く笑いが止まりませんでしたとも。

私のお気に入りイラストその@
何が何でも17頁!!
" はぐれFan"の間では伝説(?)になりつつある、あのイラストが
遂にカラーで・・っっ!!!
いや、最初これ見た時、興奮のあまり画集を握り潰しそうになりました。
だってこれまで、白黒でしか見たことなかったんですもん。
あぁぁぁ、もうホント生きてて良かったです。(感涙)
特にブラック紫呉の表情が堪りません!!
納得行かないのは、何ではとりより紫呉の方が色が黒いか・・・
なんですが。
自分にとって都合の悪いことは、全て忘れることに致します。(←最悪)
なんでもこのイラスト、高屋先生のお母様のお気に入りだとか!!
ということは、真逆、先生のお母様も
"隠れはぐれFan"っっ!?(←極論しすぎやねん)
私もこのイラストを高画質でプリントアウトして部屋に飾りたいYO!!!

私のお気に入りイラストそのA
27頁!!!
「なんでこれ?」と突っ込まれそうなイラストなんですが。
でも、でも・・・っっ!!!ミニマムな二人も可愛いのっっ!!!
「ふふん♪」と何故か得意そうなぐれさんと、
「馬鹿かお前は・・・」とでも云いたそうな、はーさん。
ああん!!やっぱ二人はラブラブですっっvv

私のお気に入りイラストそのB
32頁の紫呉さん!!!
眼鏡の紫呉はあんまり好きじゃないんですが、これならO.K.
煙草を銜えているところも最高です!!!
やぁぁん!!!真面目モードもかっこいい〜♪

私のお気に入りイラストそのC
有名過ぎると云えば、そうなんですが。
数あるマブダチイラストの中でも、私はこれが一番好きです。
あと82頁のミニマムなトリオも可愛いvv
あ、でも83頁も捨てがたいなぁ・・・
誰か2002年の附録を私におくれ。(切実)
高屋先生はマブダチトリオのことを 「はとりが長男、
紫呉が次男であーやが末っ子」と仰っていましたが。
私もそれに大賛成です!!!
きひひ。これで、「はとり×紫呉×綾女」成立なり。(ニヤリ)

私のお気に入りイラストそのD
61頁のはとりと綾女のツーショット。
舞の衣装・・・だからかもしれませんが、 今回の画集の中で
一番美麗なイラストだと思っています。
個人的にはとりの衣装は、もみっちと一緒に居る時の方が
好きなんですが。この表情が・・・イイ!!!

−−−−−−−−−−−−−ここまで−−−−−−−−−−−−−


           突然、次回予想!!

次のフルバは11号!!そんなわけで(?)それまでに、勝手に予想を
立ててしまおうという無謀な計画パート36。
きっとGWの影響もあるんでしょうけれど。
次回の発売日が何時もより早いので、ちょっとドキドキ☆な私ですvv

希望予想その1.勝也と結婚し、透にたくさんの愛情を注ぐ今日子。
ところが、これまで彼女を支えてくれた勝也が、風邪で
亡くなってしまい・・・・・・
次回、遂に今日子と夾の出会いが明らかに・・・っっ!!

最悪予想その1.勝也と結婚し、一旦は更生して社会復帰した今日子。
ところが勝也の死により、寂しさを紛らわすため彼女は
再び悪の道へと・・・・・・
次回、"赤い蝶"時代の今日子が再登場!?

最悪予想その2.その後、子供にも恵まれ、倖せな日々を送っていた
勝也と今日子。ところが、突然の悲劇が一家を襲って・・・・・・
次回、何と勝也は病死ではなかった!?
錯乱した今日子の決断とは、如何にっっ!!

・・・・・・さて、果たして結果は・・・・・・?(←思い浮かびませぇぇん!!/涙)










2004年9号


「・・・他人に 愛されたいでしょう?


今号の花ゆめは、何時もより早く発売されたようなんですが・・・・・・
私の感想は毎回ギリギリで申し訳ありません・・・っっ!!
オマケに未だ旅行記も書けていなくて、纏まった時間が欲しいと
切に願う今日この頃。
あぁ、誰か私に時間貧乏から脱出するための術を教えて下さい〜!!

<フィルターなしの普通の感想>
■フルバ情報■
@高屋奈月画集「フルーツバスケット」4月16日発売決定!!
1680円(税込)で購入出来るそうですので、要チェックですよ。
ピンクの薔薇を持って、ふうわりと優しく微笑む透の表紙が目印ですvv
連載が開始された1998〜2002年までの全てのカラーイラストが、
プライベート用イラストも含め、この画集に完全収録されているようで。
初期のイラストが見れなかった私にとっては、嬉しい一冊。

A「フルーツバスケット」コミックス最新14巻、4月19日発売決定!!
・・・と、先月も書いたんですが。(苦笑)
14巻のコミックスの表紙を飾ったのは、紅野でした。
彼が酉になった姿はまだ見たことがないので、
裏表紙がとても楽しみだったり。(ドキドキ)
これで十二支は全て出揃いましたし、次はいよいよ慊人でしょうか。

B5月20日発売の12号の附録は、『フルーツバスケット』
おみくじつき☆あぶらとり紙です。
ううん。どんなあぶらとり紙なのか、とっても楽しみ〜♪

■扉■

「道端に咲くたんぽぽの綿毛を運ぶ風のように、君を連れ去ろう。
誰も知らない場所で、ひっそりと生命を紡いでゆくために――

つ、つつつつつつ遂にやって来ました!!!
今日子と勝也の出会い編です!!!
思わず魅入ってしまいそうなほど素敵な今回の巻頭カラー。
胸に沁み入るほど鮮やかな夕焼けは、切ないほどに美しくて。
仮令、化粧をばりばりにした今日子が中学生に見えなくっても。
仮令、勝也がはとりと紫呉と紅野を足して三で割ったような
人物だったとしても。
矢張り、この二人は出逢うべくして出逢った運命の
相手だったのかもしれません。
二人の表情からは、お互いがお互いを求め合っている様子が
ひしひしと伝わってきました。
愛し合い、支い合える関係とは、まさにこの二人のことを
云うんでしょうねぇ。羨ましい。

■忘れたくても忘れられないモノ■
文化祭で翔が発案した生徒会長との記念撮影は、
如何やら無事(?)終了した模様。
嬉しそうに微笑む素子の隣で、疲れたような表情をしている由希が
憐れで憐れで。
「リーダーっ。目が遠くなってるよっ。もっと心からの笑みをっ」と
カメラを構えた翔が、私には一番楽しそうに見えました。(笑)

(総てを焼きつけておきたいと思うし、忘れてしまいたいとも思う)

楽しかった文化祭も、透と一緒に過ごす日々も、
夾にとっては、今生きているその一瞬、一瞬が大切な時間。
個人的には"忘れてしまいたい"だなんて、そんな消極的なことを
考えずに、もっと前向きな生き方をして欲しかったり。
・・・で。
幽閉までの残された時間を意識しつつ、毎朝恒例の
トレーニング(?)を終え、家へ戻って来た夾が見たものはっ!!
文化祭のあの劇を、和気靄々とTVで見ている透と紅葉、
それに紫呉の姿でした。
「全国放送されてるから」と揶揄う紫呉も紫呉ですが、
「嘘だろ!?」って真っ青になって叫ぶ夾も夾。
普通、信じませんから。
ていうか、そこで素直に信じる貴方がステキです。(笑)

(置いてかれるのと、置いていくの。どっちが辛いコトなんだろうね)

「本物みたいに・・・っ。生きてるみたいに・・・っ」とDVDの前で
喜ぶ透を見て、今日子の言葉を思い出す夾。
あぁぁ、もう本当に切ないです。
前に 「あの子には悲しい想いをさせてしまったと思ってる」(注:コミックス11巻・122頁参照)という今日子の台詞がありましたが、若しかすると、
彼女は勝也が亡くなった後、彼の後を追おうとしたのかもしれません。
勿論、透が居たため、それを実行に移すことは出来なかったでしょうが。
その後、透を置いていかざるを得なくなった時の今日子の哀しみを
想像するだけで、胸が痛みます。
勝也の死。今日子の死。夾の母親の死。
フルバではたくさんの<死>が描かれていますが、
"誰か"の<死>というのは、残された人に戸惑いとか、悲しみとか、
怒りとか、苦しみとか、そういった様々な感情を抱かせ、
何時までも心の中に留まって、その人の気持ちを
揺さぶり続けるものなのかもしれません。

■終わりのない闇を彷徨い続けて■
真逆、今日子が幼い頃の夾に此処まで深く自分の話を
していたとは思いませんでした・・・っっ!!(驚)
ちびキョンと今日子が何故知り合ったのかは、
相変わらず謎のままでしたが。
若い頃の今日子は、記憶の蓋を開けた夾の視点から、
語られていくことになります。
今日子が荒れた原因は、うおちゃんが荒れた理由と似ていました。

(家庭の事を顧みない父。夫と体裁を気にしてばかりいる母。
家族でどこかへ出掛けたことは無かったし、三人で一緒に食事を
する自体、少なかった。抱きしめられた記憶すら)

心の中に、何時もトゲトゲしたものを抱えていて。
その棘が、自分だけでなく周りをも傷つけて。
両親の愛を必要とした時期に、十分な愛を与えられなかった子供が
今日子だったように思います。

「誰が・・・誰が産んでくれって頼んだんだよ!!」

決して云ってはならない言葉というものは幾つかありますが、
これも恐らくその一つでしょう。
最も哀しむべきは、こんな台詞を云わざるを得ない環境を作り出して
しまったことと、こんな状態になっても、まだ親子が真剣に
向き合おうとしないことです。
甘え方が、もう解らない。距離感すら、掴めない。
家庭が詰まらないから、学校も詰まらない。
今日子の取る行動は、「もっと自分を愛してよ」という
SOSのように感じられます。

■ただ愛されたかっただけなのだと・・・■
自分の世界は、醜く、唾棄すべきものにしか見えなくって。
常に社会と他人と両親と、自分自身を憎みながら生きてきた今日子。
そんな自分に「興味がある」と云った奴に、彼女は怒りながらも、
大声で喚き散らします。
溜めていた全てを、吐き出すかのように。

「全部ムカつくんだよ!!・・・(中略)・・・おまえらだってクズのくせに。
大した人間でもないクセに!!みんな、みんな、いなくなればいい・・・っ。
他人全員、死ねばいいんだ・・・!!死ね・・・!!くたばれ!!
死ねよ!!消えろ!!壊れろ!!」

「でも、かまってほしいんでしょう?振り向いてほしいんでしょう?
他人に必要とされたいんでしょう?話をきいてほしくて、わかって
受け止めてほしくて・・・他人に、愛されたいでしょう?」

俺は・・・そうだよ、と眼鏡を外しながら、やんわりと今日子を諭したのは、
彼女の未来の旦那の勝也でした。
こんな紳士な教育実習生が現実に居るかどうかはさておき、
一瞬で今日子の抑圧された感情を解放してしまった勝也は、
色々な意味で凄い人だと思います。

「なんで・・・あたし・・・こんな・・・なっちゃったんだろ・・・
あたしが一番・・・自分にききたい・・・(中略)・・・哀しい・・・さびしい・・・」

誰からも理解されなくて。
社会の中で、自分の役割が見出せなくって。
苦しくて、辛くて。哀しくて。淋しくて。
それでも、誰かに必要とされたかったのだと。
こんな自分でも抱きしめて、無条件で愛して欲しかったのだと。
人として、愛し愛される人間に、倖せになりたかったのだと、
ぼろぼろ涙を零す今日子は、もう何処にでも居る中学生の女の子でした。
改心した今日子が、その後、生まれてきた透に溢れるほどの愛情を
注いだのは、きっとこのことが影響しているのでしょう。

「興味があります。眉無し・・・さん」

勝也の第一印象が"変な教師"なら、
今日子の第一印象は"眉無し"。(笑)
終盤、学校を途中で抜け出して、何気にラーメン屋でいちゃつく
二人ですが。
今日子の照れ笑いがとても可愛かったので、良しとしましょう。
人は誰しも、それぞれの内に素敵な光を秘めているものですが、
今日子の内なる光を認めたのは、勝也だったのかもしれません・・・
と云うことで。
次回の勝也の活躍(?)を楽しみにしつつ、
以下、暴走しまくりの邪な感想です〜♪

<フィルターありの邪な感想>
いや、今回は今日子の話だとばかり思っていたので、
真逆、紫呉が登場してくれるとは・・・っっ!!
私にとっては、かなり嬉しい誤算でした。
いやぁ、久し振りに本誌で彼を見たような気がするんですが、
愛も相も変わらず、
食べてしまいたいくらい可愛いですねぇ。
18頁で紅葉と「キョーはブンメーのリキを知らなすぎよねーっ」「ねーっ」
と、ほのぼの云い合っているシーンがあるんですが。
そんな無邪気な貴方も大好きです!!!!

そ、そそそそそれでですね。
今回、勝也が登場したじゃないですか。
彼と紫呉って、
すっごく顔が似てると思いません!?
勝也を見る度に、スーツを着ている紫呉を思い出して
今にも鼻血が出そうなんですが・・・・・・
だって、比べてみて下さいっっ!!
12巻176頁4コマ目の紫呉と、本誌41頁4コマ目の勝也をっっ!!
そっくりじゃないですかっ!!
腹黒そうなところまで、瓜二つですよっっ!!

で、此処からが本題なんですが。(←まだ何かあるのか・・・)
若しも、若しもですよっ。
た、たたた例えば紫呉が女で、はとりと結婚して子供が出来たら、
どんな顔の子が産まれてくると思います?
私は、はとりと紫呉の未来の子供の顔と勝也の顔を
それこそ無意識に、ごく自然に、重ね合わせてしまいました。
きっと二人の子供が大きくなったら、
あんな顔になるんでしょうねぇ・・・(夢は膨らむよ、何処までも)

あぁぁぁぁ、如何しよう!!!(←お前の頭が如何しようだよ!)
勿論、「僕 このアトでかける予定だしー」という台詞にも、
確り萌えさせていただきまして・・・vv
この後、彼がはとりの家でせっせと子作りに励んでいる様子を
妄想するだけで、怪しい笑いが止まりませんでした。(←段々、
変態度が増してきたな、自分/涙)
兎にも角にも、高屋先生!!
此処最近、"はぐれ"に餓えていた私に、
素敵な夢をありがとう御座いました!!!
このネタだけで、あと3ヶ月ほど生き延びられそうですっ♪


           突然、次回予想!!

次のフルバは10号!!そんなわけで(?)それまでに、勝手に予想を
立ててしまおうという無謀な計画パート35。
多分、はとり&紫呉は登場しないだろうけど、
勝也&今日子の過去に期待をかけて・・・っっ!!!

希望予想その1.まだまだ続くよ夾の回想。
勝也と出会うことで、徐々に本来の自分を取り戻していく今日子。
ところが性格に問題のあった勝也は、父親と仲が悪くて・・・?
次回、彼らは無事に結婚出来るのか(!)をお楽しみに♪

最悪予想その1.勝也に淡い恋心を抱き出す今日子。
その頃、紅野に渡るはずだったDVDが、何故か手違いで
慊人の処へ!?
次回、慊人の乱心で草摩本家は大波乱!?

・・・・・・さて、果たして結果は・・・・・・?(←予想するのって難しい/泣)










2004年6号


「・・・天然の人 それから 心細そうにする人・・・・・・


今回は余裕で書き上がるだろうと、思っていたんですが、
馬鹿な私が時間配分をミスったために、平生よりも1時間ほど
遅れたUPに・・・っっ。(ひー!!大した感想じゃないのに済みません)
しかも、体調不良を理由(?)に徒然日記まで止めたままにしてしまい、
申し訳ありませんでした。
管理人はまだ生きておりますので、ご安心を。(苦笑)
日記は現在書いている急ぎのSSを仕上げ次第、再開致しますので、
もうちょっとだけ、待ってやって下さいね。
因みにネタも随時募集中。(笑)
と、と。どうも業務連絡っぽくなってしまったのですが。
最近、近くの本屋が本誌に輪ゴムをかけるようになってしまって、
中が確認出来ず、困っております。(いや、寧ろそれが普通なのかも
しれませんが・・・附録組みを行う書店の皆様は大変なんだろうなぁ)
どうせ購入するからいいんですけど、でも、あの二人が登場しているか
どうか確かめられないのは、ちょっと切なかったり。(←やっぱりそれが
本音かいっ)
それでは。相変わらずの長い前置きでしたが、以下、
フルバ情報+本誌の感想です〜♪

<フィルターなしの普通の感想>
■フルバ情報■
@「フルーツバスケット」コミックス最新14巻、4月19日発売予定
皆様、発売日をくれぐれもお忘れのないよう。(←と云いつつ、
自分が一番危ない・・・どうも最近、健忘症の症状が・・・・・・っ!!/泣)
A高屋奈月画集「フルーツバスケット」4月中旬発売予定
総頁数が100を超えるということで、か、かなり期待しても、
宜しいんでしょうか。個人的には先生がプライベートで描かれたという
未発表イラストが気になるところ。
はとりと紫呉のイラストが1枚でも多くありますよう、
今から念でも送っておきましょうか、ねぇ。(笑)
B花とゆめ6号HAPPY WHITE DAY300名プレゼント
「フルーツバスケット」POMクッションが10名の方に当たるそうです。
由希と夾のチャイナ服に萌える〜という方は、是非ご応募あれ。
あぁ、はとりと紫呉のチャイナも見たいですなぁ・・・・・・
C2004超美麗クリアポスター
応募者全員サービスが遂にスタートしました。
とっても爽やかなイラストですよ〜!!画像の確認は此方でどうぞ。
D花とゆめ7号春のスペシャル企画
十二支弁当。スーパーレシピ大公開!!
「十二支がどんなおかずになっちゃうのか、お楽しみに待っててね
って、食べるのかよ、おいっ。或る意味、見たくない企画かも。(素)
編集部の必死さが切実に伝わってくる企画ではあります。
E花とゆめ8号(3月19日発売)の附録
フルバの「GO!GO!スクールクリアファイル」だそうです。
しかも如何やら書き下ろしなようで・・・楽しみですね。
恐らく、いや、十中八九、透と夾と由希のイラストなんでしょうけど。
私は、まだまだ諦めませんよ・・・っっ!!
マブダチ・・・・・・っっ!!!(←だからいい加減しつこいって、あーた)

■扉■
「お祭りの終わりというものは、いつもそこはかとなくさみしいものです・・・」
ちょこんと端座して、虚空を見詰める透。
その澄んだ瞳には、「シンデレラっぽいもの」を成功(?)させるまでの
日々が鮮やかに映っていたのでしょうか。
いずれにしろ、こうやって苦楽を共にしたクラスメートとの思い出が、
また一つ、心に刻まれていくんでしょう。
あぁ、良いなぁ。
私も出来るものならもう一度、青春時代に戻りたいです。(切実)
今なら・・・今なら、全てをやり直せるような気が・・・っっ!!(←錯覚だよ)

■君の電波が強過ぎて■

「師匠・・・っ。結婚、しないでくれ・・・っ」

舞台が終わってやれやれと安堵した夾が見たものは、
親しげに会話を交わす藉真とはなちゃん。
「○△□×・・・・・!??」と夾が驚くのも無理はありません。
はなちゃんの変貌振りに私も吃驚。
確かに以前、結婚するなら藉真のような人が良いと云ってましたが・・・
はなちゃん、本気だったんですね。
何時もの眠そうな表情は一体、何処へ!?
声色を遣って、言葉巧みに藉真に迫る(?)はなちゃんは、
男を誑かす魔性の女のように見えます。(あくまで夾の視点で、ですが)
今日の舞台が成功したのは夾のお蔭。
「夾君・・・ありがとう」などとはなちゃんに笑顔で云われ、
ガタガタ震える夾が可愛くて、思わず笑ってしまいました。
当たり前ですが、藉真は彼女の仮面の下の素顔など
知る由もありません。
「可愛らしい同級生だね」と、すっかりはなちゃんの術中に
嵌まっています。
真綿で首を絞められるような恐怖感を募らせ、
「結婚しないでくれ・・・っ」と切実に訴える夾ですが。
うーん。相手が悪かったようですね。
結局、「なんだい?突然そんな事を言って・・・夾もまだまだ
子どもだね」と師匠に撫で撫でされてしまいましたよ。
此処で下の方に小さく矢印で「親バカ」「小バカ」と書かれて
いるんですが、それがまた余りにも的を射た言葉なので、
爆笑してしまったり。
家族と云うのは、仮令血は繋がっていなくても成り立つものであると、
このほのぼのなシーンを見て、改めて思いました。
きっと夾に対する藉真の愛情の深さというのは、
半端じゃないんでしょうねぇ。夾君、とても大事にされてます。(微笑)
因みに、師匠に劇の情報をリークしたのは春でした。
藉真の肩に肘を預け、「誰でしょう・・・誰だろうなぁ」と惚ける春は、
相変わらず良い味出してます。

■恋は何時でも七転び八起き■
豪快なくしゃみをし、水戸黄門の舞台を見ると云って、
去って行くうおちゃんですが。
透の中では、「会いに来いコラ―!!」と舞台の上で叫んだ
彼女の言葉が、未だに胸に引っ掛かっているようで・・・・・・
うおちゃんのことが気になっているのに、
"会う気はない"と云った紅野。
紅野に会いに来て欲しいと心の何処かでは願っているのに、
一人で振り回されるのは"嫌なんだもう"と嘆くうおちゃん。
二人の心情を忖度すると、透は胸が締め付けられるような
心持になるのかもしれません。

そんな落ち込んでいる透の処へ、やって来たのは
杞紗&燈路&紅葉&春の4人でした。
もう、「お姉ちゃん・・・っ」と叫ぶ杞紗がすっごく可愛くって・・・・・・
あぁぁ、私も抱きしめたいっ!!!(いいなー透君)
きっと、ふわふわした良い匂いがするんでしょうねぇ・・・
と、と、阿呆な妄想をしてしまいましたが。話を戻しましてっ。
例の劇は、紅葉が全てビデオに録っていたようです。
透がDVDを知らなかったのには、ちょっと吃驚しましたが、
若しかして、紫呉の家にはDVDがないのかもしれませんね。

「クレノに渡せばいいんでしょ?」

DVDを一つ譲ってくれと頼んだ透に、紅葉がそっと耳打ちした言葉。
も、もみっちって、意外に鋭かったんですね。(失礼)
云われるまで、ちっとも気付きませんでした。ほんと、名推理です。
「ジッチャンはいつも一人!!」では爆笑しましたが。
成る程。金●一少年の「ジッチャンの名にかけて」と、
コ●ンの「真実はいつも一つ」を合わせると、そうなってしまうんですか。
ただし、意味は全く通じませんが。(笑)
モゲタのキグルミも怪しくて、笑ってしまいました。

「明日あさってとかはムリだけど。でもボクのほうが渡せるカクリツが
すっごく高いと思うんだ。まっかせといて!!」

うぉぉぉ!!!もみっち!!君はなんていい子なんだ!!!(泣叫)
ちょっと都合の良過ぎる展開のようにも思いますが、
もみっちの174頁の、あの曇りのない笑顔を見たら、
理屈抜きで応援してあげたい気分になってしまいますYO!!
仮令どんなに可能性は低くても、絶対に最後まで諦めない
透や紅葉の生き方って、個人的に大好きなんです。

「・・・っ、春兄って・・・っ。優しいよねホント・・・誰にでもムダに・・・っ。
でもそういう優しさが、リンを悲しませたのかもしれないよね・・・っ」

前回から、苛々しっ放しの燈路は、「(杞紗が)可愛いから気をつけて・・・」
と春から忠告され、ついにドカン。
いや、でもこうやって八つ当たりした後、後悔して反省する辺り、
燈路も成長したなぁ、と思いますよ。
人込みから守るために杞紗を抱っこしたり、夾のために師匠を呼んだり。
確かに春は誰にでも優しいかもしれません。
でも、その優しさは無駄なんかじゃなくって。
絶対に何時か、伝わる日が来るんじゃないかなぁ、というのが
私なりの見解だったり。
何にしろ、此処で春は、燈路から発破を掛けられた形に
なったんでしょうねぇ。今後、彼が如何動くのか楽しみです。

「燈路おまえ、まさか・・・リンにホレてんの?」

あぁぁぁ。だから春ってば、如何してそこで余計なことをっ。
しかも全然、的外れてるし。
杞紗は杞紗で、「燈路ちゃん・・・依鈴お姉ちゃんの・・・こと・・・」なんて、
勘違いしちゃってるし。
透も、(もしや・・・依鈴さんと撥春さんは・・・)と、早速、心配してますし。
自分の恋路よりも他人の恋路を優先する辺り、透らしいと云えば
透らしいんですが。
此処で早くも、恋の大波乱の予感。

■その一言に心を奪われ■
一方その頃、由希は由希で大忙し。
機嫌の悪い直に生徒会室を追い出され(?)、
校内を巡回していた由希は、偶然、イジメの現場を目撃します。
しかもイジメの対象は、真知。
さらに、時を同じくしてやって来た翔も、その現場に遭遇するんですが、
此処で二人の意見は真っ向から対立することに・・・・・・

「中途ハンパに優しくして、中途ハンパに慰めんなら、
初めっからほっといたほうがよっぽど親切だと思うけど。
大体ヤなこと言われたんなら、言い返しゃいいじゃん。
言い返せないほうも悪いよ」

「・・・そうだな。その通りだ。正論だ。理想論だ。
そしてその理屈に潰される存在だっているんだ」

翔の意見が正論かどうかは別としまして。
由希は、何処か真知と自分を重ねているように見受けられます。
彼の云う"潰される"には、恐らく、「目の前がまっ暗になる。
窒息していく。心が、言葉が死んでいく」(注:コミックス5巻・
112〜113頁参照)といったようなことが含まれているのでしょう。
他の人間とは違う、異質な存在。
全てのイジメは、集団にとって異質な人間、集団に同化出来することの
出来ない人間を排除しようとする差別意識から始まっています。

「・・・天然の人、それから心細そうにする人・・・・・・たくさんの人間に
囲まれても、"王子"って呼ばれても、心細そう・・・」

「由希のコトどう思ってんだっつーの」と責められ、真知が返した言葉。
世の中って、本当に皮肉なものですよね。
由希から好かれたいと思う一心で頑張った女の子たちの気持ちは、
ちっとも彼の心に届かなかったと云うのに。
真知の、思ったままに呟いたこのたった一言は、
偶然それを耳にした由希の心に響いたんですから。
きっと、由希のことを「好きだ、好きだ」と騒ぐ子たちは、
彼の外側、上辺しか見ていなかったんでしょうねぇ。
自分の目に映るもの、それだけが全てで、
少し、角度を変えれば真知のような違った見方も、
あるかもしれないのに・・・・・・
そういった点で、由希の本質を、「でも草摩由希って・・・・・・」
(注:コミックス7巻・189頁参照)と、逸速く見抜いた真知は
或る意味、聡い女の子だと思います。

で、結局、咄嗟に機転を利かせた翔の放送のお蔭(?)で、
真知はイジメから解放されました。
ただ勿論、これでは根本的な解決とは呼べませんけど、ね。
個人的には、あそこで由希が出て行けばもっと面白い展開(?)に
なったのでは・・・?なんて思ってしまったんですが、
翔の由希を犠牲(?)にした放送がとっても面白かったので、
よしとしましょう。(笑)
由希は真知に「天然」と云われたこともショックだったようですが、
翔に「ひ・め♥ 」と呼ばれたことも、最高にショックだった
(というより激しくムカついた)ようです。

(まさか、そんなハズない。まさかそんな、そんなコトは。
波紋のように、広がる気持ちは。まさか。まさか、そんなハズない。
そんなコト、思う自分を許さない)

「波紋のように、広がる気持ち〜」を何処へ入れようか
すっごく悩みましたが、結局、夾のモノローグの中に入れてしまいました。
勿論、この「波紋のように、広がる気持ち〜」を、
透と由希、それに夾の3人のモノローグと捉えることも可能だと思います。
夾は夾で、透が自分のことを好きかもしれないと云うことで、
悩んでいますし。
透は透で、夾のことで時々おかしくなる自分を自覚していますし。
由希は由希で、真知から発せられる意外な言葉に、
何度も心を揺さ振られていますから。
ただ、いずれにしろ矢張り、夾にとって透というのは、
好きになってはいけない相手だったのかもしれません。
「そんなコト、思う自分を許さない」と頑なに自分に言い聞かせるのは、
夾が自分で自分にかけた戒めのようにも感じられます。
夾の過去で今日子が何度も出てくるように、
最悪、彼が今日子の死に大きく関わっている可能性もありますし、
今後、彼のモノローグで頻りに繰り返されるあの「許さないから」という
言葉が大きなキーワードになってくるのは、まず間違いないでしょう。

最後に、今回本誌を読んでちょっと気になったこと。
私は冗談だと信じたいのですが、若しも今後、特に深い理由もないのに
藉真とはなちゃんがくっ付くようなことがあれば、ちょっと辛い・・・です。
前にも同じようなことを書いていたら申し訳ないのですが、
私は安直なハッピーエンドというものが苦手でして。
たまたま巡ってきた春のような救済を、キャラクターに与えることだけは
止めて欲しいというのが、本音だったりします。
此処まできたら、あとはもうじっくり、最後のクライマックスに向けて
描ききって欲しいと、切に祈るばかり。
あ、あと、"花むし"を読んで吃驚したのですが、た、高屋先生の
体調が心配です。実は私も腰痛持ちなのですが、
酷い時は夜、眠れなくなったり、腕が痺れたりするんですよ。
何せ、フルバは一時、長期休載していた時期がありますし。(今、
それをされたら間違いなく落ち込みます/涙)
無事にフルバが完結することを願いつつ、以下、邪な(?)感想です。

<フィルターありの邪な感想>

き、9号まで待てるかぁぁぁっっっ!!(奥義卓袱台返し)

綾瀬:「出せっ。はとりと紫呉を今直ぐ出してくれぇぇぇっっ!!」

紫呉:「なんかの禁断症状みたいだねぇ」

はとり:「アル中のオヤジのような台詞だな」

綾瀬:「何故・・・何故、出てくれないんでしょう。
    こんなに、こんなに待っていると云うのに・・・・・・」(さめざめ)

はとり:「脇役だからだろ」

綾瀬:「脇役云うな・・・っ!!花ゆめ編集部は読者の心を、真の意味で
    ちっとも捉えていないように思います」

紫呉:「いや・・・君一人の心を捉えなくても、充分、やっていけると
    思うけど・・・・・・」

綾瀬:(無視)「はとりと紫呉のツーショットイラストを表紙にさえすれば、
    売り上げ倍増間違いなし!!!何故なら私が3部買うからっ」

はとり:「・・・また無茶苦茶なことを」

紫呉:「1部は閲覧用、もう1部は保存用として・・・あとの1部は?」

綾瀬:「聞いて驚け!!使用用!!!」(えっへん)

はとり&紫呉:(同時に)「使用用・・・っっ!!???」

綾瀬:「何に使用するかは、推して知るべしっ」

紫呉:「・・・・・・あんま、考えたくないかも」(嫌な予感)

はとり:「誰かこいつの暴走を止めてやれ」

紫呉:「はーさんが、頑張るしかないんじゃない?」

はとり:「・・・いや、頑張るのは俺じゃない。お前だ」

紫呉:「・・・・・・・・・は・・・・・・?」(とっても嫌な予感)

綾瀬&はとり:「何でもいいから兎に角、喘げ。死ぬ気で喘げ!!


           突然、次回予想!!

次のフルバは9号!!そんなわけで(?)それまでに、勝手に予想を
立ててしまおうという無謀な計画パート34。
画集と云い、コミックスと云い、4月はまさに"フルバの月"ですね。
中々、アダルト軍団(←?)が登場してくれなくて、やきもきしている
管理人ですが、此処で鬱憤を晴らすとしましょう。

希望予想その1.
紫呉:「はぁさぁぁんvvもみっちからDVD借りてきたんだけど、
    一緒に見ない?」
はとり:「だからって・・・何で、俺の家に来るんだ」(怒)
紫呉:「だって僕の家、DVD置いてないんだもんっ」(←実はビデオも
    借りたのだが、そんな余計なことは黙っている/笑)
はとり:「しょうがない奴だな」(膝の上に紫呉を乗せる)
と云うことで、はとりと紫呉のラブラブDVD観賞。
元ネタは、H様よりいただきましてん。
萌え萌えな予想を、ありがとう御座います。うふvv

希望予想その2.春の言葉を鵜呑みにした杞紗は自然、
燈路を意識するように。一方、燈路の言葉に触発された春は
リンの元へ。ところがなんと、まだ彼女は紫呉の元へ通っていた。
リンはまだ紫呉を諦めていなかったのか・・・っ!?
次回、波乱だらけの恋の行方をお楽しみにっ。

最悪予想その1.紅葉からビデオを手渡され、それを観る紅野。
ところが運の悪いことに、その現場を慊人が目撃してしまい・・・・・・
次回、アダルト軍団、大ピンチ。

・・・・・・さて、果たして結果は・・・・・・?(←外れてなんぼの予想です/笑)