2003.16〜17号までの感想




本誌・フルーツバスケットの感想




2003年24号


「やっと会えたね。僕の、物の怪ゆき・・・


毎度毎度、本誌を手に入れるのに一苦労している私ですが、
今回は運の悪いことに女子高生の帰宅時間と重なってしまいまして。
書架に陳列されたフルバの本誌を立ち読みしている彼女らの前に、
如何しても割り込む気が起こらず、波が引くまで暫く本屋を
ウロウロしていました。
結局、何時まで経っても埒が明かないので、3・4人の女子高生の間に
申し訳なさそうに手を差し入れ、本誌をゲットしましたが。
彼女たちから見れば、私のような年増が未だにこんな少女漫画を
読んでいるなんて、さぞかし滑稽なんだろうなぁ、と。(トホホ)
せめてあと5年生まれるのが遅かったら、堂々と本誌が読めたのに。
嗚呼、若かりし日のあの頃に戻りたいと、情けないことを願いつつ、
以下、本誌の感想です。

<フィルターなしの普通の感想>
■扉■
(とてもとても小さかった頃、世界は、慊人と母と障子越しに見える
景色が総てだった)
フルバの中で、過去編オンリーの話と云うのは、珍しいですが。
(主人公、一度も登場していませんし/笑)
何となく、この扉(?)を見た時点で覚悟してました。
でも、下手に現在と過去を行き来するより、却ってこの方が
由希の心情に、より深く迫れるという点で良かったと思います。

■見えない"絆と、見えない"呪い"■
物語は由希の幼年時代、生まれて初めて慊人と対面するシーンから
始まります。喘息持ちのため咳をする由希に、咳をするなと云う母親。
何故かムカつく婆や。(というか、この人、ほんとに苦手なんです/苦笑)
前当主、もう死んでしまっているようですが、やっぱり居たんですね。
となると、かつて紫呉が云っていた「僕も君もあーやも泣いたあの朝」
=「前当主が亡くなった日」=「慊人が生まれた日」、という可能性が
一段と濃くなりそうですが。
この件に関しては、またいずれ・・・と云うことで。

「ま・・・っ、まぁ何?何泣いてるの由希っ。失礼でしょう!?」

優しく微笑みかける慊人の姿に、自然、涙を零す幼い頃の由希。
次から次へと勝手に溢れてくる涙は、まるで遠い昔の彼らの関係を
象徴しているかのようで。
その時のことを、由希は、「自分の知らない胸の胸の胸の奥で
何かが叫ぶ」と表現しています。

(会いたかった/会いたくなかった。抱きしめたい/逃げ出したい。
愛しくて/憎らしい)

何を意味しているのかはまだ解りませんが、恐らくこの相反する感情が、
物語の重要なポイントなんでしょうねぇ。
しっかし、此処で登場する幼い頃の慊人・・・・・・
この可愛さは何なんですか?犯罪でしょう?
思わず襲いたくなるような愛くるしさです。

「やっと会えたね。僕の、物の怪ゆき・・・

先に抱きしめたのは、幼い頃の慊人でした。
「僕の」辺りで、今の慊人と相通ずるものを感じさせますが、
この頃の慊人は、時折、癇癪は起こすものの、
まだ今のように歪んではいなかったようです。
あの慊人が泣いている姿なんて、今では想像もつきませんけど。
ただ、泣いている慊人を、抱き上げてあやす紫呉の姿を見ていると、
何故、今でも慊人が紫呉にベタベタしているのか、ほんの少しだけ
解ったような気がしました。
きっと幼年時代、はとりも同じように慊人に接していたんですね。
あぁ、何だ。慊人も普通の子供だったんだと思うと同時に、
外見だけが成長して、心が少しも変わっていない慊人に、
恐怖すら感じました。
慊人の中での時間は、まだあの頃のままなのかもしれません。

「鼠はね、十二支の中で一番えらくて、神様に一番近い存在なんだ」

な、なんと!!
これまで何故慊人が、由希を自分の傍に置きたがるのか
ずっと気になっていたんですが。
これはあの民話に基づいていたんですね。
子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥・・・
この順番が、十二支と慊人との距離を表していたとは・・・!!
余りにも当たり前過ぎて、今まで気付きませんでした。
ただ、そうなってくると一つの疑問が浮上してきます。
それは、何故(慊人にとって)紅野が一番劣っているかと云うこと。
これは一体、どう考えたらいいんでしょうねぇ。(困)

■壊れた"こころ"と、望まぬ"邂逅"■

「お前は僕の玩具なんだよ。おまえの母親が僕にくれた・・・んだ。
ははっ。おまえ捨てられたも同然なんだよ。そろそろ気づけよバカ。
鼠は嫌われ者なんだよ・・・(中略)・・・僕がかまってやらなきゃ、
お前が存在る価値なんて無いんだよ!!」

「僕の世界は、まっ暗だ」と云いながら、部屋に墨を塗る慊人。
由希は、何が悲しかったのか、悔しかったのか、慊人はある日
突然捩じれたと、そう回想で語っていますが。
あんなに可愛かった慊人が、何で突然、豹変してしまったんでしょう?

推測その@:悪いものでも食べた。
→うわ、ありがちな馬鹿馬鹿しい回答だなぁ、自分。
でもこれでは道理に合わないので却下。

推測そのA:紫呉に変なことを吹き込まれた。
→あ、ありそう。(汗)紫呉ならば、やりかねませんね。
あまり、あって欲しくないことですが・・・・・・

推測そのB:慊人は双子だった!!よって、かつて由希と遊んでいた
大人しい慊人と、捩じれた慊人は別人であーる。
→や、ふざけてるわけじゃないんですよ、決して。
まぁ、個人的願望が入っていることは否定しません。

どれも全然見当ハズレな、突拍子もないことを書いてしまいましたが、
あまり深く考えないでやっていただけると助かります。(苦笑)
私的見解としては、慊人を極度に甘やかす環境(彼らを取り巻く
大人たち)が、彼を、ああいう形で追い込んだのではないか、と。
でも、切ないじゃないですか。
「一緒なんかじゃない、僕はいらない存在なんかじゃない」って、
まるで由希の気持ちを代弁するかのように、叫ぶ慊人って。
時々、慊人は十二支と、"痛み"や"心情"を共有しているんじゃ
ないかなぁ、と思うことがあるんですよ。
若しかすると慊人は、十二支の暗い影を背負い、それをそのまま
彼らに投げ返しているだけなのかもしれません。
ただ、だからと云って、彼の暴力を容認することは出来ませんが・・・・・・

(俺は他の十二支と口をきいた事もなかったんだ。いつも慊人の側に居て
兄といわれる人とすら言葉を交わした事がなかった)

上座と下座(?)という関係でしょうか。
慊人にとって、由希と紅野は、矢張り<特別>なんですね。
正月に慊人の元へ集まってくる殆どの十二支は、幼くなっても変化なし、
でしたが。(笑)
紅葉に甘えられて、困った表情をしているはーさんがとても好きvv
あとは、88頁・4コマ目の紫呉&綾女。腹黒コンビ万歳!?
蔑むような綾女の眼差しが、ちょっと痛いですが。
あーやは何処かで幼い由希に、嫉妬していたのかもしれません。

さて、宴も酣。
だけど他の十二支に馴染むことが出来ない由希は、途中でそっと
部屋を抜け出し、偶然、大人たちの会話から、猫憑きの"夾"が
本家の直ぐ近くまで来ていることを知ります。
真逆、会ったこともない夾が、自分のことを殺したいほど
憎んでいるとは、思ってもみなかったんでしょうねぇ。
で、案の定、興味本位で夾に近寄った由希は、彼に恫喝されます。

「おれはおまえをぜったいゆるさないからな・・・っ。ネズミがぜんぶわるいんだ・・・(中略)・・・おまえなんかこの世から、いなくなればいいんだ!!」

先に溝を作ったのは、やっぱり夾からだったんですね。
「自分なんかいらない存在」と落ち込む由希に、
追い討ちをかけたのは、彼の両親、兄、そして慊人でしたが。(苦笑)
それでも。
誰も責められないように出来ている、この仕掛け自体(呪いの連鎖)が、
憎らしくて堪りません。

■初めての"ともだち"と、消された"記憶"■
例の事件が起こった由希の小学校時代。
制服を着用しているところから察するに、如何やら彼は、
私立の小学校へ通っていた模様。
所謂、お墨付の"お坊ちゃん"だったのでしょう。
お抱え運転手付きの車に乗った由希が車窓から見たのは、
ランドセルを背負って、楽しそうに公立の小学校へ通う夾、春、紅葉、
それに楽羅の姿でした。きっと羨ましかったのでしょう。
由希が現在、公立の高校へ通っているのは、この時のことが
少なからず影響していると思います。

「ともだちになろっ」

他人とどうやって接していいのか悩んでいた由希に、
初めて掛けられた嬉し過ぎるほどの言葉。
この後、頻りに「浮かれていたんだ」という言葉が繰り返されていること
から、由希はまだ、女の子に注意を払うことを忘れていた自分を、
責めているのかもしれません。

「おねがい、けさないで。"ともだち""ともだち"なんだ。はじめてできた」

だから、十二支の秘密が露見して。
慊人の命令で、はとりが動くことになった時。
何とかはとりを止めようと、必死で膝に縋りつく由希と、
そんな彼を、苦しそうな表情で見詰めるはとりの姿が、
哀しいほどに痛いです。
因みに、由希に抱きついた女の子=透ではないかという説も
ありましたが。
如何やら違うことが、此処で明らかになりました。
う〜ん・・・そうだったら面白いなぁ、と思っていただけに、ちょっと残念。

その後。
まるで最初から"由希"という存在などなかったように。
平然と彼の横を擦り抜けていく、かつてのともだち。
失意のどん底のまま、学校からの帰り道をとぼとぼと歩く由希の前に、
飛んで来たのは・・・・・・そう!!なんと、あの帽子だったのです!!
帽子の持ち主は、意外なことに(?)夾でした。
真逆、此処で第7話の伏線が消化されるとは思っていなかったので、
ちょっと吃驚。でもこれで、夾があの帽子に拘っている理由が
漸く、解りました。
偶然帽子を拾った由希は、それを夾に返そうとしたのですが。
困ったことに夾はそれを受け取らず、走り去ってしまったのです。
一人取り残されたまま、帽子を抱きしめて泣きじゃくる由希。

(欲しかったモノがある。抱きしめてくれる両親。帰りたいと願う家。
みんなが笑っている場所。みんなが離れていかないような自分)

今回の84話と、コミックス4巻・第20話が読者の中でダブります。
自分など要らない存在だと思い込んでいた彼に、光を与えてくれたのが
幼い頃の透であったことは、もう云うまでもない話ですが。
由希にとって透が、昔からどれほど大きな存在であったかが
ここから解るのではないか、と。(ただ、それなら第24話で、由希が
『透』=『ボンヤリとした意識の存在』と結びつけるのは、個人的に
納得いかないんですが/苦笑)
いずれにしろ、由希は過去の"可哀想な自分"から抜け出さない限り、
前に進めないと思います。
無論、それは由希だけでなく、夾を含む十二支全体、ひいては透にも
云えることでしょうが。
何時までも甘えたままでいるのではなく、彼らが歯を喰いしばって
立ち上がっていく姿が、早く見れることを期待しつつ・・・・・・
以下、邪な感想です。

<フィルターありの邪な感想>
いやぁぁぁぁん!!!可愛い!!可愛い過ぎるよぉぉぉ!!!!(叫)
と、最初から飛ばしておりますが。
高校時代のマブダチトリオ、最高です!!!
冒頭で、例の婆やが「お生まれになられた物の怪憑きの方々も
(慊人に会って)お泣きになられました・・・」と云ってますが。
そ、そそそそれはつまり、あの紫呉も泣いたと、
そう解釈しても宜しいんでしょうか!?
幼年時代の紫呉が泣いている姿を想像しただけで、
萌え萌えです!!(お姐さん、ドッキドキ)

で、沸騰しかけたこの頭をどうにかするために、現実へ戻りますが。
今回登場した彼らは、18歳くらいだと思われます。
でもその割りに、はーさんの顔が大人びていて。
あぁ、こいつはこの歳で、色々経験してるに違いねえと、
阿呆なことを思ったのは、私だけ!?(共感者求む)
87頁のはとりを見た瞬間、躍り上がりそうになった上、
88頁の黒い紫呉を見て、鼻血を吹きそうになったんですが。
辛うじて、堪えました。(偉いぞ、自分!!/笑)
勿論、外してはいけない102頁・2コマ目、はとりの表情も最高です!!
今度、高校時代の彼らが登場したら、もう自分を抑える自信が
ありませんよ、私。
何だか今にも妄想ワールドに突入しそうな勢いなんですが、
現在、書かなきゃいけないものが溜まっているため、
また何時か、何処かで彼らの高校生活を書いてみたいなぁ、と。
無論、二人がデキている、と云う設定で。(爆)

           突然、次回予想!!

次のフルバは1号!!そんなわけで(?)それまでに、勝手に予想を
立ててしまおうという無謀な計画パート29。
さてさて、どんな予想を立てようかしら。(ニヤリ)

希望予想その1.感傷に耽るなんて柄じゃない、と云う奴等の登場です。
由希が学校で思い出に浸っている時、本家では綾女も交え、
マブダチトリオの密会が・・・っっ!!
次回、彼らの野望が遂に明らかに!!(←明らかに希望的観測じゃん)

希望予想その2.さぁ、告白ターイム!!ということで、話は突然現在へ。
翔と話を終えた由希は、生徒会室に戻る途中、透とバッタリ。
彼女に自分の想いを伝えるには今しかない(?)と判断した由希は、
透を連れて屋上へ。
次回、透と由希の青春時代をお楽しみに。

最悪予想.真っ暗な頃の由希に光を与えたのは、何と透ではなく・・・・・・
次回、主人公は何処へ消えた!?脇役と主役が逆転す!!

・・・・・・さて、果たして結果は・・・・・・?(←本当に、あたるんですか?)










2003年22号


「前向きに生きようとする君の姿は痛いよね」


5日遅れで感想を書いております、綾瀬です。
日記を読んで下さっている方は理由をご存知かと思いますが、
10月は何かと忙しい月でして・・・・・・
正直、こんなくだらない感想を、待っていて下さる方がいるのかすら
疑問な今日この頃ですが。
フルバを読んで、色々感じたこともありますし。
何より、私が書きたいから書くんです。(笑)
ただ、今回に限って、高屋先生崇拝者はこの感想を読まない方が
いいかもしれません。
中にはかなり、厳しいことを書いたところもありますので、
そういう"批評"のようなものが嫌いな方は、読まない方が賢明か、と。
尚、読んでしまってからの苦情は受け付けません。
ということで、自己満足の垂れ流しのような散文ですが、
それでもO.K.でお暇な方は、どうぞお付き合いしてやって下さいませ。

<フィルターなしの普通の感想>
■扉■
「ちいさなころからずっとずっとほしかったもの・・・・・・」
今回の扉は幼い頃の由希でした。
そっと両手で障子窓を開け、戸外を覗く由希。
蒼い空の向こう側には、見えない筈の自由が広がっていたのでしょうか。
この"ちいさなころからほしかったもの"の正体は、
後に"見返りを求めず只管自分を守ってくれる母の愛情"であったことが、
明らかになるのですが。
これを見て、勝手に今回の話は由希の"過去編"ではないかと
思い込んでしまったお目出度い私。(苦笑)

■本当の解決とは・・・!?■
今年の文化祭は、キャンプファイアーで焼き芋に花火百連発・・・・・・
常識的に有り得ないその噂を否定して歩く、由希と直人ですが、
そんな二人の前で問題児・翔が爆弾発言。

「ねぇ、ゆんゆんっ。オレが出したキャンプファイアーで花火って企画さぁ。
もしかして通んなかったの!?」

おまえかこの野郎

うん、まぁね。私もそんなことだろうとは思ってました。
こんな珍妙な案を出すのは、翔くらいでしょう。
ケロッとそう云った翔の首根っこを掴む、由希の爽やかな笑顔が
とてもナイスで。
あがぁ」と呻く翔に、みしっ、という効果音が、また笑いを誘います。
背景のキラキラも素敵ですし・・・個人的に物凄く好きなカットだったり。

で、如何やら真知はあの事件の後、具合が悪くて暫く学校を
休んでいたみたいです。
直人に問い質され、「ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした。
もうしません。もう二度としません。誓います」と謝罪する真知ですが。
それは結局のところ、根本的な解決にはならないんですね。
由希は真知の気持ちを忖度しながら、彼女に対してこう諭します。

「"もうしない"なんてそんな言い方、もっと自分を追い込まないか・・・?
"もうしない"ことが解決じゃないだろ。どうして・・・・するのかを
お互いに理解しなくちゃ」

う〜ん、真知ちゃん、由希に惚れちゃったかもしれませんねぇ。(笑)
という、冗談はさておき。
こうやって真知に歩み寄る由希は、結構好きですね。
揶揄いたくなる公の気持ちも、解ります。
この由希の言葉がきっかけとなって、何時の日か、真知が
自分の心情を洗い浚い吐露する日が来れば、もう彼女が暴れることも
なくなるかもしれません。
無論、それにはもう少し、時間が掛かりそうですが・・・・・・

■ミスキャスティング・・・!?■
真知のことは翔が居るから大丈夫だろうと云うことで、
クラスの話し合いに顔を出すことに決めた由希ですが・・・・・・
透のクラスって、運悪く(?)舞台出演権のくじ引きに
当たってしまったのですね。
しかも、演目が「シンデレラ」とは・・・!!
うおちゃんじゃありませんが、私もフルバで時代劇が見たかったです。
少女漫画じゃ仕方がないことかもしれませんけど。(クスン/涙)

因みに、私が予想したキャストは・・・・・・
シンデレラ:本田 透
王子:草摩 由希
継母:木ノ下 南
継姉:南の友人
魔法使い:花島咲
でした。
私的にはなちゃんには是非、"魔法使い"をやって
もらいたかったです。
若しくは、"ウケ"を狙うなら↓で。(苦笑)
シンデレラ:草摩 由希
王子:草摩 夾
(以下略)

しかし、しかーし!!現実のキャスティングはな・何と↓だったのです!!

シンデレラ:
花島 咲
王子:草摩 夾
継母:木ノ下 南
継姉:本田 透
魔法使い:草摩 由希

こ・こんなことが許されてもいいのか(!)というくらい
面白いキャスティングです。
なにせ、邪悪シンデレラに、きょん王子ですから。
因みに、透が継姉になっているのは、「本田透に嫌な役を押し付け
ちゃおう」という南の作戦が成功したからなんですけど、
その南もまた、継母役ですから・・・・・・
正に、"人を呪わば穴二つ"ですよ。(苦笑)
ただ、個人的にこのまま行くとは到底、思えないのですがねぇ。
ストーリー自体がパロになるか、若しくは、はなちゃんにトラブルが
あって、途中で主役が交代になるか、いずれにしろ最終的には
透と夾が劇の中でラブイチャすることになると思うのですが、
真実は如何に・・・!?

「がんばって・・・下さい」

キャスティングの結果を無事見届けた後、生徒会の仕事に戻ろうとした
由希に、透は敢えてこう云います。
こういうふわりとした透の笑顔って、どこか人を安心させる不思議な力が
あるんですよねぇ。
何時でも自分の傍に居て、大きな愛で包んでくれる母親のような存在。
勿論、それが彼女の大きな魅力の一つなのでしょうが。

(大切なのは甘えたままでいるのか、それとも)

もう、他人が入り込む余地のないくらい、二人だけの世界を作って
しまっている透と夾。彼らの心の結びつきっていうのは、
日に日に深くなってきているのでしょうか。
そんな二人を横目で見遣る由希の胸を過ぎったのは、
助言者・紫呉が、若者たちに向けて云ったあの言葉でした。
甘えるだけ甘えて辛い時期を乗り越えたら、矢張り少しずつ距離を置いて
離れていくしかないのかなぁ、と。
前へ向かって進んで行く由希が羨ましいと思う反面、
少しだけしんみりとした気分にさせられました。

■由希が透に求めていたものとは・・・!?■
翔と真知が買い出しに行っている間、
発注リストを探して、資料室に入った由希。
しかし、公曰く、そこの鍵は壊れていて、由希は見事に(?)
真っ暗な資料室に一人、閉じ込められることに。

「いや〜ん!!ゆんゆ〜んっ!!だから公、言ったのにィ〜っ!!」

「遅いんですよ!!言うのが!!」

「しかも蛍光灯も切れてるみたいなの〜っ」

「そういう事に気付いたならもっと早く報告して下さい!!」

如何でもいいことなんですが、この公と直人の会話、
漫才みたいですねぇ。
というか、直人、何時も怒ってて疲れないんでしょうか。(素朴な疑問)
そしてこの後、二人は人を呼びに行くために生徒会室を飛び出て行き、
由希はペンキを引っ繰り返し、状況がさらに悪化するのですが。
此処で黒いペンキを目にした由希は、忽ち慊人の顔を思い出すことに・・・

「カッコ悪いね、由希。前向きに生きようとする君の姿は痛いよね、すごく。
僕は知ってる。僕にはわかるよ。君が何を欲しがって、何を求めて
いるのか、本田透に・・・君は、君はさ、彼女に」

今回気に入らなかったことの一つが、この伏線の消化の仕方です。
話の流れ全体から考えても、黒いペンキ→慊人という
この連想のさせ方自体に、無理があるような気がしてなりません。
寧ろ、個人的な要望としては、由希が何故、長い間
暗い部屋に閉じ込められなければならなかったのか、
そちらの方を明らかにして欲しかったですね。

「大丈夫ですか」

結局、椅子でドアを壊して由希を救出(?)したのは、
買い出しから帰って来た真知でした。
「心細いのは、嫌かと思って」と意味ありげに呟いたところから考えると、
真知もまた、子供の頃に由希と同じような体験をしたことがあるのかも
しれません。所謂、"トラウマ"という奴ですな。
それにしても、この149頁の真知ちゃん、カッコ良かった〜(萌)

「まだ・・・誰にも言ってない。本人にも伝えてないコトなんだ・・・・・・
情けなくてカッコ悪いコトなんだ」
(俺は『お母さん』を求めていたんだ、彼女に)

気分が悪くなって外へ出て、翔と二人きりになった時に
ポツリと零された由希の本音。
透にすら伝えていない「痛いこと」の断片を、翔に話すのは、
それだけ彼が気が置けない友人になってきている
証拠なのかもしれません。
此処で別荘編で意味ありげに繰り返されていた「本当のこと」
(注:コミックス第11巻・22頁&33頁参照)の意味が明らかに
なるのですが・・・・・・
それほど意外性はないように思われます。
というのは、由希だけでなく、元々、十二支は、透を通り越して"母"を
見ている節がありましたから。
由希が透のことをそういう風に見ていると思われる箇所は、
別荘編でも頻りに出てきていますし。
それに、透に"お母さん"を求めることは、別にカッコ悪いことでは
ないでしょう。情けなくなくなんか、ないですよ。
仮令、由希が透に"母親の愛"を求めていたとしても、
彼女をとても大切に想っていることに、何ら変わりはないと思います。

(悲しいくらい君が愛しいから。愛しくて触れた唇。
終わりと始まりのしるし) (注:コミックス10&11巻参照)

あの時、由希の心の中では、もう自分の恋に決着が
着いていたのでしょう。
彼の頬を伝う熱い涙は、葬り去った過去への惜別の情が、
溢れ出たものだったのかもしれません。
だからこそ、これまで自分の弱さを一方的に受け止めてくれた透を、
今度は自分が見守って行きたいと、そう決意したのがあのシーンだった
ように感じられます。

ただ、今回必要だったのは、あの伏線の消化ではなく、
真知が何故暴れるのかという問題を、解決することでは
なかったのでしょうか。
また今一歩、由希の心情や真知の心情が、踏み込んで描かれて
いないために、感情移入もし難かったです。
高屋先生は力がある漫画家さんだけに、今号は少し物足りない
というか残念でした。
次回のフルバはお休み・・・ということで、若しかすると24号は
カラーなのかもしれませんが。(ちょい期待)
その時には、何時もの高屋節が戻ってくることを期待しつつ、
以下、邪な感想です〜!!

<フィルターありの邪な感想>
紫呉さん・・・18号の使い回しですか・・・っっ!!(号泣)
あぁ、此処最近テンション下がりっ放しだと云うのに、
本誌がこれでは、さらにテンションも下がりそうです。(溜め息)
と、愚痴を云っていても、現状は好転しませんが。
由希と翔でなく、はとりと紫呉の猥談を聞きたかったです。(←私の
頭の中も翔同様、エロ直結だったり/苦笑)
そう云えば、今回「シンデレラ」の話が出てきましたが、
あれをマブダチで演じたら、面白そうですよねぇ。
私が演出なら、勿論、シンデレラが紫呉、王子がはとり、
魔法使いが綾女ですが。(笑)
また機会があれば、シンデレラのパロを書いてみたいかも。
ということで。
何だか暴走出来ずに欲求不満状態が続いていますが。
何時かまた本誌で"はぐれ"が読めることを願って、
今回は短いですが、妄想(?)終了。

           突然、次回予想!!

次のフルバは24号!!そんなわけで(?)それまでに、勝手に予想を
立ててしまおうという無謀な計画パート28。
今回の話が真逆これでお仕舞いの筈ありませんから、
きっとまた次回も生徒会編なんでしょうねぇ・・・・・・
と愚痴を云いつつ、以下テンション低めの予想です。

希望予想その1.若者たちが文化祭の準備で忙しい中、大人たちは・・・?
次回、マブダチトリオが本家でお茶を飲む。(←だから何!?と
云われそうですが。ごめんなさい〜〜!!
ただ、彼らが見たかっただけなんですぅぅぅ!!!/半泣き)

希望予想2.由希の本音に触発された翔が、透との関係を語り出し・・・
次回、遂に翔の過去が明らかに・・・っ!!
翔の爆弾発言もお見逃しなく☆

最悪予想その1.かつて文化祭に行き損ねた当主・慊人。
今年こそは由希の勇姿を見たいと、はとりに迫る慊人であったが・・・・・・
さぁ、はとりよ、如何動く!?
彼は今年も慊人を止めることが、出来るのか!?
次回、慊人の我儘が炸裂!!

・・・・・・さて、果たして結果は・・・・・・?(←石が飛んできそうだ・・・)










2003年21号


「ロマンチックには なにかとお金が かかるんデス!!


綾瀬:「嗚呼、休みをおくれ編集長・・・」(誰)

紫呉:「・・・なんて云うか、凄まじく荒んでるね」

はとり:「まるで〆切前の作家のようだな」

綾瀬:「今からでも、遅くはなーい!!
    安住の地を求め、新天地へ旅立とうではないか!!」

紫呉:「現実逃避?」

綾瀬:「っていうか、書けないもんは書けないんですよ。
    元々、文章書くのだいっ嫌いだし・・・」

はとり:「お前は昔からそういう奴だったな」

綾瀬:「大体、最初のプレゼンと、最後のプレゼンのタイムラグが、
     2ヶ月よ!!2ヶ月!!如何して私が今月なのっ!?
     これって、如何考えたって、フェアじゃないと思わない?
     仮令神が赦しても、私が赦さん!!」

紫呉:「・・・いや、僕に意見を求められても」

綾瀬:「私が眠ってる間に、小人さんが全部、
    書いてくれないかなぁ・・・120枚」(切実)

紫呉:「ハイホー、ハイホーって?」

はとり:「・・・違うと思うぞ」(ボソッ)

紫呉:「大体、如何してそんなことになっちゃったのさ?」

綾瀬:「・・・き、気が付いたら、こんな枚数になってた」(愕然)

紫呉:「・・・・・・」

はとり:「俺は思うんだが・・・こんなくだらないものを書いている間に、
     一行でも書けるんじゃないのか?」

綾瀬:「仰る通りで御座いますぅぅ・・・」(めそめそ)

何だか誤解を招くような発言をしてしまったような気もしますが、
休んでいることは休んでいるんです。
別に毎日、苛酷な肉体労働をしているわけではありませんし。
でも今のこの状況は・・・精神的に苛酷です。
あと2週間弱で最低120枚!!
それなのに、未だに1枚も上がってません。
飲まず食わずで書き続ければ、2日で60枚書けることを以前、
身を以って体感しましたが。
あんなことは、出来ればもう二度とやりたくないですし。
元より、やるつもりもありませんし。
と云うか、ありゃもう、人間の生活じゃないですよ。
でも、それが嫌で間に合わなくって落として土下座するのは
もっと嫌ですし。(←記憶に新しい出来事)
これがまだ、2週間前だからいいようなものの、
3日前くらいになると、発狂し、終了後には廃人同然ですから。(溜め息)
あぁ、何だか愚痴ばかりで申し訳ありません。

要するに、第4次修羅場開始により、来月の本誌22号の感想が
何時も通りup出来ませんということが云いたかったのです。はい。
多分、本誌を買う時間がないため、先行感想も出来ないと思います。
若しも、こんな感想を待っていて下さる方がいらっしゃいましたら、
御免なさい〜!!(平伏)
でも、ギリギリ一杯の状況を察知してやっていただけると助かります。
22号の感想につきましては、10月末に更新するつもりですので、
それでもオッケーという寛大な方は、どうか月末まで待ってやって
いただけると、嬉しかったり。
と云うことで、過去最大に長い前置きをしてしまいましたが。
以下、漸く本誌の感想です〜

<フィルターなしの普通の感想>
■扉■

「どんな願いを占っているの・・・?」

女の子らしく花占いをする、カメラ目線の透。
その視線の先に映っているのは、矢張り夾なんでしょうか。
ちょっぴり頬を染めているところが、また可愛いんですよ。
個人的には、花占いというよりも、透が"誰か"を待っていて、
たった今、その人がやって来たというシチュエーションの方が
萌えるんですが。何にしろ、秋らしいイラストだと思います。
あとは・・・
前回も書きましたが、念の為。
フルーツバスケット最新刊は、11月19日発売です。
表紙はリン。皆様、発売日をくれぐれもお間違えなく。(笑)

■文化祭■
で、キャンプファイアーは無理でしょう。
花火くらいなら出来そうですが。(苦笑)
ただ、由希の代では不可能でも、伝説のあーやが会長だった時、
学校では信じられないことが実行(強行?)されたようです。

「あーやは校舎をライトアップさせたよ?」

あはははは。ライトアップされた校舎を背景に、
「さぁ、輝きまくりたまえ。我が学び舎よ!!」
と優雅に叫ぶあーやを見た時には、爆笑しましたね、私。
マブダチトリオの学生時代に、タイムスリップしたい気分です。
綾女はお祭騒ぎが好きそうですから。きっと楽しかったんだろうなぁ。

此処で、ロマンチックと喜ぶ透に対して、夾が「電気代・・・」と
とても現実的な突っ込みを入れるのですが。
「きょんちゃん夢がない!!」と怒る紫呉の意見に、
思わず同感したのは私だけ・・・?
あまり夢を見過ぎるのもどうかと思いますが、
夢を見れない子供たちというのも、哀し過ぎると思います。
・・・とまぁ、それは兎も角。
由希には、由希にしか出来ない文化祭をやって欲しいですね。
綾女の二番煎じなんかじゃなくって。
色々な意味で、青春の良い思い出を残して欲しいなぁ、と。

■嫌いなものと、嫌いじゃないもの■
私が云うのもなんですが、病院食は確かに不味いです。
まぁ、栄養のこととか色々考えて、一生懸命作って下さって
いるんでしょうけれど。味が薄いのと、臭いが駄目なんでしょうねぇ。
で、お見舞いに行った透が、食事はしないのかとリンに訊くんですけど、
「キライな食べ物ばかりだから」と答える彼女の気持ちも、
少しは解ります。好き嫌いは良くないですけどね。

「嫌いじゃない食べ物って・・・なんですか?」

「・・・ゼリー」

敢えて「好きな食べ物は?」という訊き方をしない透がとても好きです。
勿論、この後、リンのためにゼリーを作る透も大好きですけど。
でも、もっと吃驚させられたのは、そんな透の行動を全て把握してしまう
夾の凄さですね。
お前のことだからリンのお見舞いに行ってるんだろう、と。
本当に透のことをよく見てるんだなぁ、と毎回感心させられます。
恐らく、由希も心中複雑な気分で、ラブイチャする二人を
見ていたのではないでしょうか。

「イヤ、でも、リンの件は本当に申し訳なかったね。
身内の問題に巻き込んで・・・迷惑かけました」

「そ・・・そんな事、そんな事ありません。全然・・・絶対。決して・・・っ」

「ありがとう」

やや紫呉の笑顔が胡散臭いような気がしないでもありませんが、
この紫呉と透のやり取りは、個人的にとても好きなシーンです。
どんな些細なことでも、今はリンのために何かをしたい、
という透の気持ちが、リアルに伝わってくるんですよ。
透の芯の強さというものを、改めて見せ付けられたような気がしました。
たった一人で耐え続けてきたリンの姿は、透の中で、
ずっと身体を丸めて自分を守ってきた夾の姿と、重なっているんですね。
微笑む紫呉の表情も、満足そうで。
あぁ、全ては奴の計画通りにいってるんだなと、改めて実感。(苦笑)

■絆と呪いに関する一考察■

「あとで食べる。アタシ、他人の前で食事するの・・・キライだから」

リンの処へゼリーを持って行く透。
検査のために、髪を二つに結ったリンが、とってもラブリーvv
春の時に点滴を振り回したから、男の子は"面会謝絶"なんですね。(笑)
何だかんだ透に突っかかりながらも、照れるリンの表情が可愛くて。
そうか、リンと一緒に食事が出来るのは。
リンが本当に心を許しているのは。
春だけなんだと、一人で納得。

「慊人さんは仰いました・・・(中略)・・・"絆"が呪いなのですか・・・?」

「神様と十二支達は約束を交わした。きっと遠い・・・何百年も遠い昔・・・
永遠に一緒だと、幾度なく生まれ変わっても側に行く。離れない。
会いに行く。ずっと、ずっと・・・一緒だと。十二支達はその約束に現代でも
縛られてる。記憶が無くたって。十二支の血はちゃんと約束を憶えてる。
"絆"なんて端から見れば美しいモノかもしれないけど、当人がそれを
重荷と感じたらただの柵でしかない。だから『呪い』」

透の質問に対するリンの答え。
私は仏教に通じていないので、上手く云えないのですが、
これは「輪廻転生」と考えていいんでしょうか。
唯識論によれば、輪廻転生は業(カルマ)を引き金として起こると
云われています。
つまり、この業を解放して、解脱をすること=呪いを解くこと
になるんじゃないかなぁ、と漠然と思ってみたり。
さらに勝手な憶測をさせてもらうなら、神様と十二支が約束を
交わしたのは、何となく平安時代じゃないかなぁ、と。
因みに、どちらもはっきりした根拠がない上に、恐らく間違ってますので
あまり本気にしないでやっていただけると助かります。(苦笑)

慊人の近くにいる人間ならば、呪いを解く方法を知っているかもしれない
と云ったリンの言葉に反応し、紅野はどうかと訊く透ですが。
「紅野は胡散臭い」と評するリンに、私も思わず一票入れたくなって
しまいました。勿論、透はそんなことないと反論していましたが。
しかし、何で紅野なんでしょうねぇ。
如何して二人共、はとりに相談しに行かないのでしょう。
勿論、彼が余計なことをペラペラ話すとは思えませんが、
リスクは一番低いような気がします。
はとりは何だかんだ云っても透を結構気に入っているので、
ヒントを与えてくれるような気もするのですが・・・・・・(悩)

「なんで・・・呪いを解きたいの?譲れないモノって・・・何?
お前の一番大切なモノって何?」

透だけでなく、私も返答に詰まったのですが。
呪いを解きたい理由の方は、十二支を解放するためだと
確か以前、彼女自身が云ってましたよねぇ。

(身の程知らずだと思います。"守る"なんて口で言うのは簡単です。
でも、それでも、総てから解放された皆さんが、心から泣き、心から
笑える日がくるのならば、罰が本当に下るとしても呪いを解きたい)
(注:コミックス11巻・192頁参照)

でも、透の一番大切なモノって何なのでしょう???(鈍)
以前なら即答できたモノ。
でも、慊人の影がちらついたために、即答出来なくなってしまったモノ。
母親の今日子?それとも、十二支?
あるいは、十二支と共に過ごす時間?
う〜ん・・・これに関してはまだ意見が纏まっていないので、
また次の機会、ということで。(逃)

「名実共にコンビの誕生!!ですね!!」

「おまえみたいに頼りにならない相棒なんていらない!!」

確り悪態を吐きながらも、満更ではなさそうなリン。
目的は一致してますから、一人よりも二人の方が確かに効率は
良いかもしれません。
何にしろ、リンと透の関係は、今後良い方向へ
向かっていきそうで、少しだけ安心しました。

■扉に向こうで壊れていくモノ■
家へ帰ってからも、「一番大切なモノ」に拘り続けて、
知恵熱を出す透。そして、そんな彼女を労わる夾。
う〜ん・・・若いって、良いですねぇ。(しみじみ)

(誰にも見せない扉の向こうで、静かに壊れていきそうな
感じがする。なんとなく)

夜中、透に作ってもらったゼリーを食べながら、
彼女のことを心配するリン。
果たして彼女の予感は、的中しました。
透はその夜、母親が生きていた頃の夢を見ることになります。

寝ている透の耳元で、「行ってくるね、透」と囁く母・今日子。
そのまま行ってしまったら母が事故にあってしまう、
だから行かないでと叫ぶ透。
そこで、彼女は悪夢から覚めるわけですが。
母がいないことを確認するかのように部屋の扉を開けて、
「いつも一緒」と云い聞かせるように扉を閉める彼女の姿は、
どこか怖いものがありました。

思い返してみれば、もう既に1巻から、
違和感は始まっていたのかもしれません。
崖崩れで母親の写真がテントごと埋まった時、
透は「お母さんが苦しがる」とパニックを起こしました。
3巻で、彼女は母親の写真と一緒に温泉に入っています。
つまり、死者を生者のように扱うこの行為こそ、
彼女の閉じた蓋と、何か関係があるのではないでしょうか。
そう考えると、「いつも一緒」というこの言葉が、
とても恐い響きのように感じられてならないのです。
勿論、母親の死を認める=閉じた蓋を開けるというのは
些か乱暴過ぎる考えかもしれませんが。

「・・・私はたとえば透君が死んでしまったら、私は・・・同じように一年後
笑えるかしら。いっそ出会った事すら忘れたいなんて願ってしまわない
かしら・・・・・・透君はがんばったのね・・・・・・」
(注:コミックス4巻・140頁参照)

かつて、はなちゃんがこう云ったように、透もまた今日子の死を
「忘れたい」と願ったのだと思います。
忘れたいけれど、今日子の死は理解しなければならない。
でも、孤独になるのは嫌だ。
それはとても恐いことであると、知っているから・・・・・・
その結果、死を生の延長線上に置き、過去の嫌な思い出に
蓋をしたのではないでしょうか。
私はお墓参りの件から考えても、透はもう疾うに今日子の死から
立ち直っているものと、これまで思ってきたのですが。
彼女の中では、まだその"死"を完全に受け容れられない部分が
あったのかもしれません。
だからこそ透は、10巻で夾が云った「死んだ」という言葉を聞いて、
あれほど酷く動揺したのではないでしょうか。

(あのコの前にも現れたらいい。アタシには春がいてくれたように
そっと扉を開ける人間・・・中略・・・孤独は恐いと知っている人間は
人間を愛さずにいられないから)

「・・・おいしいよ」とゼリーを食べながら、透の倖せを願うリン。
閉じた蓋を開けて、自分は孤独だと絶望した
その時、「お前は独りなんかじゃないんだよ」と、
そう云って手を差し伸べてくれる人間が、きっとこれから
透の前にも現れるんでしょうね。
その人間が夾なのか、それとも別の人物なのか私には解りませんが。
それでも、透があんなに暗い表情で、「いつも一緒」と云うことが
もうなくなるような、そんな未来を私も望みます。

と云うことで。
何だか私的予想が暴走した感想になってしまい、
申し訳ありませんでした。(冷汗)
所詮、管理人の戯言ですので、納得出来ない部分は読み飛ばして
やっていただけると、助かります。
では。以下、短いですが、何時も通り邪な感想〜♪

<フィルターありの邪な感想>
ごふぅ。(←血を吹いたらしい)
51頁の「うふ」も最高なんですが・・・
な、ななななんですか?
55頁4コマ目の、あの似非笑顔は・・・っっ!!?
あれが、28歳の男のする表情なのか・・・っっ!?
君の笑顔は100万ボルトじゃありませんが、
私がはーさんなら、あの紫呉を間違いなく襲うでしょう。
伏し目で誘うように笑う、妖艶な紫呉も好きですけど。
さ、さ、爽やかな笑顔も、イイ!!(←段々、変態度が増してきたな自分)
此処最近、こういう表情にご無沙汰していただけに、
貴重な一枚ですよ、旦那。(誰)

と、可愛い紫呉の笑顔に一人、萌え萌えしている私ですが。
今年の文化祭に、はとりは来ないんでしょうかねぇ。
慊人のお守り役でも良いんで、彼の姿が見たいです。(切実)
私的には、はとりと紫呉が二人で文化祭に遊びに行って、
公衆の面前でラブイチャしてくれれば、嬉しいのですが。
勿論、そこにあーやが交わっても全然オッケーvv
あ、交わるって変な意味じゃないですよ、念の為。(←そんな妙な
妄想をするのは、お前だけだっつーの/爆)
何だか何が書きたいのか良く解らなくなってきましたが、
ブラック紫呉だけでなく、ホワイト紫呉が時折見せる、
あの花が綻んだような笑顔も最高です、ということが
云いたかったのです。高屋先生、素敵な紫呉をご馳走様でした。(笑)

           突然、次回予想!!

次のフルバは22号!!そんなわけで(?)それまでに、勝手に予想を
立ててしまおうという無謀な計画パート27。
今回の話から次回の話を予想するの・・・難しいなぁ。(苦笑)

希望予想1.テストが無事に終わった透の学校は、
文化祭の準備に向けて大忙し。
彼らの学校でもうじき文化祭があると知った慊人は、
今年こそ、文化祭に行きたいとはとりに駄々をこね・・・・・・?
次回、はとりの苦悩をお楽しみに。(←如何してもはとりが見たいらしい)

希望予想2.文化祭に慊人と紅野がやって来る!?
紫呉からそのことを知らされた十二支達は・・・?
そして、何も知らないうおちゃんは・・・?
次回、うおちゃんと紅野の禁断の恋(?)の行方が明らかに・・・っ!!

最悪予想1.スチャラカ生徒会が文化祭の準備を着々と進める中、
本家では当主を交え、ある密談が行われていた。
そこで、謎の人物・楝が暴れ出して・・・・・・?
次回、楝は慊人の姉だった・・・!?衝撃の真実をお見逃しなく!!

・・・・・・さて、果たして結果は・・・・・・?(←ノーコメントです)










2003年20号


「親子には"当たり"も"ハズレ"も無いんだ」


何とか死の合宿から無事に(?)生還しました綾瀬です。
今年は例年になく濃い合宿で、一人病院送りとなりました。
これで暫く自由になれるかと思いきや、また〆切&発表の連続ですし。
もう、こうなったからにはフルバでも読んで、現実逃避をするしか
ないってもんですよう!!
・・・と、私事の愚痴ばっかり書いて申し訳ないのですが。
実はまだ、本調子でなかったり。
今、書いてるこのフルバの感想。
前号の感想にそのまま上書きしちゃって、えらいこっちゃでした。
こんなにバカなミスを為出かしたのは、Talk始まって以来の出来事です。
というわけで、今回は合宿の後遺症を残したまま書いているので、
訳の解らなさに拍車がかかっているかもしれませんが、
どうぞ寛大な心で読んでやっていただけると助かります。(冷汗)

<フィルターなしの普通の感想>
■扉■
これはあまり扉と関係ないのですが、フルバのコミックス最新13巻は、
11月19日に発売されるようです。
で、肝心の巻頭カラーを飾ったのは、例の生徒会のメンバーでした。
「すすめ!学園防衛隊!!」の文字を読んで、とっても疲れたのは私だけ?
みんなのリーダー・眼鏡をかけた学園レッド(由希)は、書類落としてるし、
腕章まで"れっど。"だし。
「オレってクール☆」の学園ブラック(翔)は相変わらずふざけてるし。
意味もなくフェロモンを出す学園ピンク(公)に、短気な
学園ブルー(直人)、無愛想な学園イエロー(真知)。
こんなんで生徒会=由希の成長の場所と見なしていいんでしょうか。(悩)
またこれは余談なのですが、高屋先生が描かれたこの絵は
白泉社の公式サイトで見れます。→サイトを見る?

■リンのその後■
結局、その後リンは病院へ行ったようですが・・・
個人的には、もう少し透とリンの関係を掘り下げて描いて欲しかったかも。
前回の話に勢いがあっただけに、今回の冒頭部が粗筋のようになって
しまっていたのは、ちょっと残念。
でもその一方で、あれだけの内容を、由希のモノローグで
上手く纏めたのは流石だと思いましたね。

(俺とリンはひとつだけ似てると思った。求めたもの)

二人が求めたのは、透という存在。
母親の腕に抱かれているように、安心出来る居場所。
温かくて優しい温もり。
十二支という異質な存在を無条件で受け入れて、惜しみない愛情を
注いでくれる透は、傍目には普通の女の子でも、
彼らにとっては特別な存在なのかもしれません。

さて、再び入院することになったリンのことを、
春に報せたのは紫呉でした。
紫呉にはどうも他人の恋愛を無邪気に操って喜ぶ節があるようですね。
点滴を振り回すリンの姿に笑ったのは私だけではないはず。
それでも、如何しようもないくらいリンのことが大好きで、どれほど
邪険にされようと、病院へ通うと云い張る春がとても良かったです。
何時も以上に男前で、惚れ直しました。

■生徒会に敵、現る!?■
「プリンス・ユキ」のメンバーの殺気を煽るような校内放送をする公に、
ハートを乱舞させながら由希の元へやって来る翔。
登場時はそこそこ真面だったはずの翔は、どんどんふざけたキャラに
なってるなぁと嘆きつつ、「娘さんは必ずボクが倖せにします・・・!!」と
云うシーンで笑ったのは何を隠そうこの私です。
それにしても、春と由希の男の友情って良いですよねぇ。(しみじみ)
きっとリンのことを大切に思っているのと同じくらい、春は由希のことを
心配しているのでしょう。

「敵だ!!敵だよゆんゆん。遂に学園防衛隊に敵が現れたよ。
うわ。ウソ。ヤベェ。困ったなぁ!!いやっほう!!」

「めっちゃめちゃ嬉しそうなんですけど!」

学園防衛隊の敵は真知でした。(笑)
というのは冗談ですが、生徒会室でまた暴れていたのは
彼女だったようです。
別名"破壊魔"の真知のことを理解しているのは翔だけだと
即座に判断した由希は、その場を一旦、翔に預けるのですが・・・
この辺りのシーンからは、曲りなりにも、由希と翔の間にちゃんとした
信頼関係のようなものが築かれていることが読み取れるので、
少し安心しました。

そして、今回最大の衝撃の真実。
親しそうで恋人でもない翔と真知の関係がとうとう明らかになりました。
な・何と彼らは・・・"異母兄妹"だったようです!!!
不意打ちを喰らったような気分とは、まさにこのこと。
どうも真知は跡継ぎ問題に巻き込まれて性格が
歪んでしまったようですが、彼女の暴れる原因は
果たして翔の所為なんでしょうかねぇ。
翔はその件で彼なりに落ち込んでいたようですが。
自由奔放そうに振舞う彼にも、思わず卓袱台返しをしたくなるような
壮絶な過去(?)があったということが、今回の話で明らかになりました。
由希の母親が由希を道具としたように。
翔と真知の母親が財産相続のために子供を利用したように。
フルバって本当に"家絡み"の話が多いなぁと、今回の件で改めて実感。
幼い彼らにとって親は絶対的な存在であったという点で、
家の柵から自由になりたかったという点で、由希と翔はどこか
共通する感情を持っていたのかもしれません。

■親子らしく向き合うということ■

(色々なモノを色々な形で背負いながら生きてる。みんな。
翔だって、真知だって、俺や、"親"だって)

物の怪憑きで生まれた十二支が、それぞれの苦しみを持つように。
十二支の子供を持つ親にも、その当事者にしか解らない苦しみが
あるわけで。
そんな親の気持ちまで確りと考えて、前向きに生きようとする
由希の姿勢に好感が持てました。

「由希・・・・・・無・・・無駄遣い・・・しちゃダメよ」

携帯の契約には保護者の認印が必要だったから、と云う由希に
彼の母親が初めて云った"親らしい"言葉。
今回の二人のやり取りをみてフと思ったのですが、
由希は近い将来、本家に戻る気かもしれませんね。
でも、何故にヒミツの入り口から帰るよ由希。(苦笑)
正面玄関から帰れやと如何でもいいところで、
突っ込みを入れたくなりました。

親子の溝が全て埋まったわけではないけれど、
何か救いがあるような読後感が得られたのは個人的に
良かったと思います。
ボタンをかけ間違えたままでも、何時かはそんなこともあったねと
笑いあえる関係になれたなら。
彼らは今度こそ、本当の意味での"親子"になれるような気がします。

<フィルターありの邪な感想>
今号も彼らが登場してくれるなんて、そんな甘い夢を見ていたわけでは
決してないんですが、ね。(←ウソをつけ)
前回の喜びが大きかった分、今回の寂しさも一際大きかったです。
13頁の2コマ目だけ、誰かズームアップしてくれませんか?(シクシク)
ぐれさんは後ろ姿だけですし、はーさんは顔が見えないし、
何て切ない。(大泣)
せめて一言。一言くらい、話して欲しかった。
でも仮令1コマでも、二人揃って登場してくれただけ、
ありがたいと思わなければ、バチが当たるかもしれません。
そう、全ての妄想は1コマから始まるのです!!(力説)
で、SS書こうと思ったところまではいいんですが。時間なさ過ぎ。(号泣)
でも、書く。(苦笑)
今、別件でもう一本書いてますんで、すっごく短いです。
しかも今回は珍しく、リンの視点。
色気のない話で済みません。
短くて、かつ妖しい話でなくてもO.K.という方のみ、お読み下さい。




―――――――――――――――――――------→秋桜



ゆっくりと零れた木漏れ日は、石畳に影を落とした。
時折吹く風に、尾花の穂が一斉に背をくねらせ白く波打っている。
さわさわと葉擦れの音が耳朶を擽って、依鈴の艶やかな黒髪が
さらりと流れた。


「じゃあ、またね。リン・・・今度はちゃんと静養するんだよ」


視線を流してきた着流し姿の男を、依鈴は睨むように見上げた。
昨夜散々泣いた所為で、目は酷く腫れていたし、
気分は最悪だった。
変わりやすい秋空は、依鈴の瞳に青白く、病んで映った。


「病院に、元彼の春君・・・・・・呼んで欲しい?」


紫呉の黒い瞳に微笑が滲む。
瞬間。
茶化すような紫呉の言葉に。
依鈴の視界が、真っ白に染まった。


「余計なことを―――するなっ!!!」


烈しい感情が胸を突き上げて、
依鈴は渾身の力で紫呉に掴みかかった。
肩を怒らせて、これ以上ないくらいの大声で叫ぶ。
胸は締め付けられるように痛かった。
嫌な汗が背中を伝っていく。



「紫呉・・・っ!!依鈴を刺激するようなことを云うな。
お前も紫呉の冗談を真に受けるんじゃない」


突如取り乱した自分を宥めようとしたはとりの声が、
緊張を孕んだ空気を和らげる。
この馬鹿が、と続けざまに云ったはとりの罵りを、
紫呉が苦笑で受け止めたのが気配で解った。

必死で歯を喰い縛って痛みに、
溢れそうになる嗚咽に、耐える。
不意に目の縁が熱くなって、依鈴は右手で両目を覆った。


仄かに漂う秋桜の香り。
風に舞う秋桜の花弁は慰めるかのように、
依鈴の足元をそっと撫でた。





ゆらりと、影が動く。






「紫呉・・・・・・」


「はい?」


「あまり、調子に乗るなよ」


その一分も隙を与えないほどの低く硬質な声に。
つと草履の音を止めて振り返った紫呉の
男としては骨の細すぎる顔が、一瞬強張ったのを
依鈴は見逃さなかった。
哀しいような、悩ましげな、
それでいて何処か縋るような表情。
依鈴がこんな紫呉の顔を見たのは、初めてだった。

はとりが紫呉の耳元で、何かを囁く。
その時、紫呉の瞳を切り裂くように鋭く流れた光が、
ひどく印象的だった。



一陣の秋風が吹き抜けて行く。



ぐれ兄、と呟いた依鈴の言葉は忽ち風に掻き消されて。
立ち去る間際、はとりがさり気なく紫呉の髪に唇を寄せたのを
彼女は見た。
目元を和ませた紫呉の顔が、視界の端に映る。
込み上げてくるのは男同士だからとか、
そういった感情ではなく。

依鈴にはその光景が、何故か眩しくて仕方がなかった。







先刻さっきは、済まなかったな」


戻って来たはとりの声は、驚くほど優しかった。
細い眉と切れ長の瞳が、自分を見守っている。
はとりは自分のことを、それほど依怙地な奴だと
思っているのだろうか。
依鈴は静かに首を横に振った。


紫呉あいつも悪気があって云ったんじゃない」


すっと眼差しを細めたはとりの目には、
誰かを愛おしむような色が浮かんでいた。
依鈴は無言で、秋桜に戯れる蜻蛉を見詰めた。
万感の想いを込めて、秋桜に指を伸ばす。


自分にも―――
あんな風に心配してくれる人がいるだろうか。



「行くか・・・・・・」


穏やかな、はとりの声が頭上から降ってくる。
紫呉の姿は、もう見えなくなっていた。
照れを含んだようなはとりの苦笑。
その時、依鈴は、自分にも支えてくれる人が
欲しかったのだと、漸く解った。
あの人は、まだ自分のことを想ってくれているのだろうか。


秋風に漂う、つがいの蜻蛉を見ながら、
二人が無性に羨ましいと、依鈴はそう思った。




        了 ←――――――――――――――――――――


           突然、次回予想!!

次のフルバは21号!!そんなわけで(?)それまでに、勝手に予想を
立ててしまおうという無謀な計画パート26。
余裕があろうがなかろうが、結局、的中しないのが私の予想。(涙)

希望予想1.リンのお見舞いに行く春を偶然発見したはとり。
お前が唆したんだろうと云うはとりに、笑って返した紫呉の心意とは?
次回、紫呉の活躍をお楽しみにvv(←ありえねー)

最悪予想1.透の頭から翔の記憶が消えていた理由が
遂に明らかに・・・っっ!?
その時、由希は!?
巻き込まれた他のメンバーの運命は!?
次回、透VS真知の壮烈な戦いをお見逃しなく。

・・・・・・さて、果たして結果は・・・・・・?(←もう止めろという幻聴が聴こえる)










2003年18号


「はとり・・・聴こえてこないか?」



Q:「此処は一体何のサイトですか?」

A:「はとり×紫呉をこよなく愛する管理人が運営している
  漫画『フルーツバスケット』のFanサイトです」

Q:「メインは何ですか?」

A:「・・・・・・・・・」

駄目ですね。答えられません。
そのくらい、何も更新出来ていません。
しかも、Talkを読んでいない方は、(日記を更新していないので)
管理人が生きているのか死んでいるのかすら、
判らないのではないでしょうか。
これは由々しき事態です。
裏の方も何とかなったことですし(?)これはそろそろ
表を如何にかしないといけませんねぇ。(溜め息)

・・・と、何時になく長い前置きですが。
今回の感想、邪一色で埋め尽くしちゃ駄目ですか?
私、自分の煩悩を抑えて、私見を交えずに(いや、何時も交えてますが)
冷静に本誌を語れる自信が全くないんですけど。(滝汗)
・・・・・・・・・あぁ、嘘です!!御免なさい。我慢します。
我慢しますから、石は投げないでぇぇぇっっ〜〜〜!!!(泣叫)

<フィルターなしの普通の感想>
■表紙■
透&猫(夾)&鼠(由希)のカラーです。
ちょっぴり上目遣いな透が可愛いくて萌え〜
特に生脚にご注目。(←お前はどこぞの親爺かよ)
スカートの上にちょこんと乗っている猫と鼠も
愛嬌があって良いですわ。
何ともほのぼのとした爽やかなワンショットです。
ときに、透の傍らに置いてある2冊の本。
あれが私に"読書の秋"を彷彿させたり。(苦笑)

■扉■

「青空はきらい。きれいすぎて さみしくて
泣いてしまいたくなるから・・・・・・」

一人孤独に青空を眺めるリン。
彼女の後ろ姿を見ていると、かの有名な谷川俊太郎氏の
「かなしみ」という詩を思い出します。
青空は、リンが大切にしていたものの象徴。
きっとリンは、それを何処かに落としてきてしまったのでしょう。
その屈折した感情が"きらい"という言葉になって表れてきているように
感じられます。

■リン、透に母の面影を重ねる■
優しい匂い。懐かしい温もり。
心をも包んでくれるような透の柔らかい手を、
母親の手と間違えたリン。
しかし、完全に意識が覚醒したリンは、
予想通り、透を拒絶します。
そこには透に近付きたくても近付けない
彼女なりの理由が隠されていました。
リンの一連の不可解な行動は、余りにも優し過ぎた彼女の感情の
発露の結果から、生じたものだったのです。

「依鈴。病院に行くぞ。用心に越した事はない」

馬になったリンが人に戻るのを待ち、
その後、はとりを呼んだ紫呉。
けれども、はとりの口から"病院"という言葉を聞いた彼女は
パニックになり、部屋の窓から飛び降りようとします。
トラウマ、とでも云うのでしょうか。
リンにとって病院とは母親に捨てられた場所。
家族が崩壊した場所でもあって・・・・・・
そこへ行けばこれ以上ないくらいの悲しみが、押し寄せて来るのでしょう。
う〜ん、彼女の心の傷は、想像以上に深そうです。

「リン、自分の体調管理ぐらいできるようになったら?そんなに他人に
構われたくないなら尚更必須だよ。僕らも振りまわされないで済むしね」

この紫呉の言葉を、厳しい言葉だと非難する人がいるかもしれません。
ただ、私はこれを自立を促す、紫呉なりの優しい言葉だと、
そう受け止めたいですね。
最も、リンに対して同じようなことを透やはとりが云った場合、
もっとソフトな言葉が出てくることは間違いないでしょうが。(苦笑)
いずれにしろ、透の制止の叫び声と、紫呉のこの言葉で、
リンは冷静さを取り戻します。

■崩壊への序曲■
落ち着いたリンを見て、一旦、本家へ戻ることにしたはとり。
紫呉と共にはとりを見送る透は、何故リンがあんなに辛そうになってまで
紫呉の宅へ来たのかを頻りに気にします。
聡いはとりは、そこで直ぐにリンが紫呉に会いに来たと解ったのですが。
紫呉はその場の雰囲気を読まずに、何時も通りの口調で透に向かって、
冗談を云うわけですな。「僕とリン付き合ってるんだぁ」と。(笑)
普通の人なら冗談だと解るんでしょうが。
天然の透は勿論、それを本気にして謝るわけですよ、紫呉に。

「もう少し、時と場合と人を見てから軽口を叩け」

このはとりの突っ込みが尤もで。
思わず、クスリと笑ってしまいました。
此処まで素直な子だと、さしもの紫呉も、「嘘です。ごめんなさい」と
云うしかありませんよねぇ。(苦笑)

「(中略)なんだかあの子、必死に十二支の呪いを解く方法を
捜してるんだ。一人で」

この後、はとりと二人きりになった時に云った紫呉の言葉。
私は当然、はとりもそのことを知っているものと思ったのですが。
どうも、本当に知らなかったようですね。
63頁1コマ目で驚愕の表情を浮かべたはとりに、私も吃驚しましたよ。
あわや、本誌を取り落すところでした。
だって、こう云っちゃなんですが、はとりって何があっても
動じそうにない男じゃないですか。
時折優しい表情も見せたりしますが、大抵何時も無表情ですし。
だから、逆に重みがありましたね。
一人で"呪いを解く"ということが、どれほど大変なことかを。
まざまざと、見せ付けられたような気がしました。

「途方もない・・・話だ・・・」

はとりの背中が妙に哀愁を帯びているように見えるのは、
決して気の所為ではないでしょう。
しかし、そんなはとりに対して、紫呉は楽しそうに云います。

「そう・・・"途方もない話"。でも本当に?はとり・・・聴こえてこないか?」

「何が」

「壊れていく音」

出ました。ブラァァァッック!!!!(叫)
此処で夾が帰って来たので、紫呉は平生通りに表情を戻しますが。
64頁4コマ目の表情と云い、核心を衝いた言葉と云い、
紫呉が何かを知っているのは明白でしょう。勿論、はとりもですが。
それにしても、彼女らは如何してはとりに呪いを解く方法を
訊かないのでしょうかねぇ。
私なら、紫呉や藉真に訊く前にそうしますが・・・・・・
前々からそれが不思議で仕方なかったのですよ。
特に、紫呉に借りを作るなんてリスクが大き過ぎるじゃないですか。
あの時も、大胆なことをしたもんだなぁ、リンは・・・と妙に感心した
記憶があります。

■長く、孤独な闘いの果てに■

「春は今もリンを好きだよ。とても好きだよ」

由希の言葉がどのくらいリンに届いたかは解りませんが、
私としましては、これで二人の縒りが戻ってくれれば良いなぁ、と。
しかし、リンの回想に出てくる春って、実物よりもちょっとばかり
美化されているように感じるのは私だけ?
Love is blind.

「お優しい人間は、お優しい世界で生きていけばいいんだ!!」

もう、これ以上優しい人間が傷付く姿を見たくはないから。
リンは透を十二支の世界に拘らせたくなかったのでしょう。
でしゃばるな、と忠告するリンに、とうとう透が叫び返します。

「嫌です。出しゃばります!!」

真逆、透が云い返してくるとは・・・
リンとしても、意外だったんでしょうねぇ。
呪いを解きたくても、春を解放したくてもその方法がない、と
パニックになってその場から逃げ出すリン。追う透。
此処に至って漸く、リンの本音が明らかになります。

(泣いてしまいたかった。駆け出して、あの膝に躰をあずけて
心をあずけてしまいたかった。母親の元に泣いて帰る子どもみたいに。
弱すぎる自分の弱音をぶちまけたい。そしてそれを許してくれるんじゃ
ないかって。受けとめてくれるんじゃないかって)

初めて透を見た時、リンもまた彼女に"母"を感じた人間の一人
だったのでしょう。

「彼女はどこか他人を・・・丸くさせる所がある」
(注:コミックス3巻・111頁参照)

透のことを、こう評したのは、はとりですが。
やっぱり彼女にはそういうオーラがあるんでしょうねぇ。
在りのままの自分を受け止めて、
見返りを求めない無償の愛を注いでくれる存在と云いますか。

それでも優しい人間だけ、弱い人間に一方的に縋られて、求められて、
寄生されるなんてあんまりだから。
透も春も優し過ぎて、可哀想だから。
彼らを巻き込むくらいなら、いっそ嫌われたまま独りでいた方がいい。
それがリンの出した結論でした。
む〜ん・・・この辺りの心理描写は絶妙ですね。
感情移入のし易いシーンであったと思います。

そうして家を飛び出して独りで泣くリンの肩に、手を添えようとする透。
一度は拒絶された手ですが、きっとリンも限界だったのでしょう。
ピンと張り詰めた糸が切れ、リンは小さな子供のように
透に縋りついて泣きます。

「・・・もう、どうしたらいいかわからないの・・・っ・・・(中略)・・・
できない一人で、一人じゃ」

「孤独は・・・恐いです」

(元気をだして。なんでもするから。なんでも言って。いかないで。
もどってきて)」(注:コミックス12巻・153頁参照)

リンの言葉に、幼い頃の記憶を重ね合わせる透。
思い出すのは、死んでしまった父親の跡を追うように玄関から
出て行く母・今日子の後ろ姿。届かない心の叫び。
眼前で閉まる、冷たくて重い扉。

たった独りで、今まで走り続けてきたんだね。
苦しかったよね。恐かったよね。偉かったよね。
そんな思いを込めて、透はリンを抱き締めたのかもしれません。
言葉にしてしまえば、色褪せてしまいそうだから。
敢えて何も語らず、透はリンと共に泣くことで、少しでもその苦しみを
共有しようとしたのではないでしょうか。
心の傷の原因は他者にあるかもしれないけれど、
結局、傷の克服は、当人にしか出来ません。
今のリンには当たり障りのない言葉よりも、
気持ちの安らぐ場所、甘えられる場所、それが必要だったのでしょう。
大きな愛でリンを包んであげる、あのラストの透の後ろ姿が、
私には、とても印象的でした。

・・・と云うことで。
粗筋ばかりの感想でしたが、今回はこれにて終了。
我慢に我慢を重ねてみましたが、もう限界なので、
テンション上げます。
この後、私の異常なテンションについて来れる方のみ、
↓の<邪な感想>をお読み下さい。

<フィルターありの邪な感想>

★・。・。☆・°\( ̄▽ ̄)/°★・。・。☆・°オメデトウゴザイマス

綾瀬:「や・やりましたっっ!!全国お茶の間の皆様!!
    私は遂にやりましたぞぉぉっっっ〜〜〜〜!!!
    前回の私の予想はとうとう当たりました。
    待望の・・・待望の、はとりと紫呉のツーショットです!!!
    何度、一体何度、この夢を見たことか。
    “はぐれFan”なら、誰もが待ち望んでいたこの瞬間!!
    ある者は喜びのあまり噎び泣き、ある者は感動に打ち震え、
    ある者は気が狂わんばかりに『歓喜の歌』を唄い始めた
    ことでしょう。
    嗚呼。神はまだ私を見捨ててはいなかった・・・」

はとり:「おい、落ち着け。お前の予想が的中したのは、
     俺が登場するという部分だけだ」

綾瀬:「今号を本屋で立ち読みしていなくて良かったと、
    私は心の底からそう思いましたね。
    若しも本屋で本誌を読んでいたら、その場で高笑いを始めたか、
    或いは勢い余って本誌を破っていたかもしれません」

はとり:「正気の沙汰とは思えん行動だな・・・捕まるぞ」

綾瀬:「注目すべきは64頁!!さぁ、貴方も今直ぐ、64頁に
    注目するのです!!!
    紫呉がはとりを久し振りに名前呼びする、あのシーンですね。
    あの4コマ目の、紫呉の首に貼られたトーン・・・
    あれって如何見たって、はとりのキスマークに見えません?」

紫呉:「えぇっ!?あれってやっぱりそうだったのっ!?
    いやん、はーさんってば。
    公共の場だって云うのに・・・不潔う〜!!」

綾瀬:「よっ、ご両人!!!熱いねぇ」

はとり:「貴様ら・・・・・・」

綾瀬:「さらに、その後!!5コマ目のはとりの表情を御覧下さい!!
    これはもう艶やかな紫呉に目が眩んだに違いありません!!
    えぇ、何処見てるんですか貴方!!と思わず突っ込んでやりたく
    なりましたよ。
    勿論、あの色香にあてられたはとりは・・・」(以下延々と続く)

はとり:「いい加減にしろ!!!」(怒)(注射器を取り出してプスっとな)

綾瀬:「ぎゃぁぁぁっっっ〜〜〜〜〜!!!!!」(断末魔の悲鳴)

紫呉:「ね、ねぇ・・・はーさん?急に静かになったんだけど。
    今、一体何を投与したの?」

はとり:「・・・安心しろ。ただの安定剤だ」

紫呉:「安定剤!?あれがっ!?口から泡吐いてるのに・・・っっ!?」

はとり:「紫呉、世の中には知らなくていいことが沢山あるんだ」(遠い目)

紫呉:「は、はーさん・・・・・・」(目線が泳いでいる)

はとり:「ん?何だ?紫呉」(極上の微笑)

紫呉:「僕だけは最後まで君の味方だからね・・・って、あれ?何だろう?
    この死にかけた管理人が手に持ってるもの・・・・・・
    『もう少し時間が欲しかったよう、えぐえぐ』???
    はーさん、これって真逆・・・・・・」

はとり:「恐らく何時もの駄文だろう。即興だそうだ。
     あの腐れ管理人の書いたモノだが暇だったら読んでやってくれ」




―――――――――――――――――――------→夜思



黒白あやめも分かぬ闇の中、
はとりは疾うの昔に逝った春を思い出していた。
珠よりも鮮やかなかつての夢が、
はとりの胸に蘇る。

それはもう、二度と見ることのない
―――過去の夢。



神の慈しみの賜物は―――呪いだった。
十二支じぶんたちは、意志を持つことを許されない
神の神聖な玩具に過ぎなかった。

累々と受け継がれてきた血の絆は
永遠に変わらないと思っていたが。
紫呉の胸の内をめぐる夢は、
もう眼前に迫っているのかもしれない。

神の張った結界が壊れていく音に
はとりは憂いを抱かざるを得なかった。



「紫呉・・・此処まででいい」


昏黒の遠景を背に、立ち止まる。
前方の闇は疎らだったが、目が慣れて来たのであろう。
墨で塗ったような空間に距離感が生まれ、
ゆるりと闇が振り返った。


「そぉ?残念。でも、また明日も来るんでしょ?」


「あぁ・・・・・・」


「きっと明日にはリンも―――良くなってるよ。
これも総て、透君の御蔭だね」


答えることは、憚られた。
自分もまた、彼女を利用していることに
何ら変わりはないのだ。
視線を落とすと、やや傾いた黒い樹木の幹を
いましめる縄が続いていた。



「ねぇ、はーさん・・・・・・若しも、呪いが解けたら、
はーさんは―――如何する?」


―――何を莫迦なことを」


声は、憂鬱な森の中に溶け込んだ。
乾いた草の匂いが鼻腔を擽って。
はとりは半空に聳える杉を見上げた。
遠くで獣の啼く声がする。



その時。



歩を進めた紫呉がひらりと石に載った。
反動で、空気が揺れる。


「はとり」


闇が蠢き――――
半歩先に立った紫呉が、自分の心を見透かしたように、
口を開いた。



「僕も、本気だよ」



善く透る声だった。
はとりは自分たちの周囲を取り巻く闇の延長上に、
燦然たる星々がうかぶのを見た。


「俺は、お前が傷付くことを望まない」


凡ての変化を受け入れた時のことを
考えるだけで恐ろしい。
はとりは心の底で、そっと溜め息を吐いた。
夢を見るに心を奪われた男の瞳に、
きっと自分の姿は映っていないだろう。
星は、光輝と秘密に充ち溢れていた。


「お前が斃れる姿は、見たくないんだ」


その言葉には、絶望が滲んでいた。
虚空に満ちた不安が、風と共にはとりの頬を撫でる。


「大丈夫。僕はそんなにヤワじゃない―――
それに・・・その時は、はーさんが助けてくれるんでしょ?」


闇に消え入りそうな声。

自然とはとりの手が、伸ばされた。
紫呉もまた、それに応えるように手を伸ばす。





―――指先が、触れた。




灼けつくような願い。
決して愛情に飢えているわけではないのに。
如何してその凡てを欲しいと、思ってしまうのだろう。
そのまま引き寄せたい衝動に駆られる。

はとりは手で緩慢ゆっくりと紫呉の頬に触れた。
熱い吐息を求めて顎に手を添え、深く接吻ける。
指を絡ませるように紫呉の手が―――重なった。



「吸い過ぎだよ―――煙草」


唇が離れるなり、容赦のない言葉が飛んで来た。
彼の黒い聡明な瞳が、曇る。
それでもはとりは、奇妙に甘くて感傷的な惑溺を、
その温もりから受け取った。


夜の静寂しじまが優しく二人を包み込む。



腕の中の存在を愛しく感じながら、
はとりは自分を目覚おどろかせた
妙に哀切な響きのある紫呉の言葉を、反芻していた。




        了 ←――――――――――――――――――――

           突然、次回予想!!

次のフルバは20号!!そんなわけで(?)それまでに、勝手に予想を
立ててしまおうという無謀な計画パート25。
あぁ・・・今回も時間がありませんねぇ。(滝涙)
例の如く、いい加減ではありますが、外れてもO.K.という寛大な方は、
序でに目を通してやって下さいなん。

希望予想1.リンの様子を看るために、再び紫呉宅を訪れたはとり。
そこでほぼ全快したリンを見て安堵したはとりは、雑談をすべく、
紫呉の書斎の戸を開けるが・・・・・・!!
次回、あの余裕の彼は一体、何処へ行ってしまったのか!?
前回に引き続き、紫呉の虜になってしまったはとりを
須く見るべし!!(←嘘です。冗談です。ちょっと云ってみたかった
だけなんですぅぅ・・・/涙)

最悪予想その1.話は再び生徒会編へ。透に云い寄る翔を
遠くから不安そうに見守る由希。一方、紫呉は本家に居るはずの
謎の人物"楝さん"と密会を重ね、着々と計画を進めていた。
次回、遂に隠蔽された透の過去が明らかに・・・!!

・・・・・・さて、果たして結果は・・・・・・?(←希望的観測ばっかじゃん!)