12)白山山系(三ノ峰〜別山): 2016年4月30日〜5月1日、 2016年山の記録に戻る2016年花・鳥・その他に戻る
 主峰である白山は、最高峰の御前峰(標高2,702m)、剣ヶ峰(2,677m)、大汝峰(2,684m)の「白山三峰」を中心として、七倉山(2,557 m)と四塚山(2,520 m)な
どの周辺の山峰の総称である。また、別山と三ノ峰を加えて「白山五峰」という。更に、その南の二ノ峰、一ノ峰まで峰が連なっている。狭義の白山連峰はここ
までである。一方、北側の妙法山、野谷荘司山、三方岩岳、笈ヶ岳までの領域を含めて、広義の白山連峰という。高山帯を有する西限となる山域で、豪雪地
帯で高山植物の種類と数が豊富。一帯の主要な山域は、白山国立公園の指定を受けている。

別山(べっさん)
別山は、石川県白山市と岐阜県大野郡白川村及び高山市にまたがる白山国立公園内両白山地にある標高2,399mの山である。山頂には二等三角点があり
、北側に白山を望むことができる。山頂のすぐ西には別山神社がある。古来より、白山は信仰の山として登られ、岐阜県側からの美濃禅定道がここを通過し
ている。山頂からは銅製の経筒と法華経の朱書などが出土している。白山から南に少し離れたところにあることが山名の由来で、「べっさん」と呼ばれている
。別山の南の別山平と呼ばれる平坦な場所には、御手洗池(みたらしいけ)がある。ここには、別山室跡と加宝王子社跡。別山室は、白山登拝者の宿泊施設
となっていた。両白山地の主峰の白山は、火山活動によりできた火成岩であるが、別山は隆起による水成岩である。別山の南面は、大平壁と呼ばれる岩壁
となっている。山頂付近は、森林限界のハイマツ帯である。初夏には、ハクサンイチゲ、シナノキンバイなどの高山植物が見られる。別山平周辺ではハクサン
コザクラ、ニッコウキスゲ、タカネザクラなどの花が見られる。周辺は豪雪地帯であり、1年の半分以上が雪に覆われる。登山ルートは以下の通り。

@北側の白山からの縦走路。途中の南竜ヶ馬場の南竜山荘には、白山の登山道上で唯一のキャンプ指定地がある。
A福井県大野市の上小池からのルートは、よく利用される最短ルート。
B石徹白の大杉の下の登山口からの美濃禅定道のルートは、アップダウンが多く健脚向きのコース。
C西側の石川県白山市の市ノ瀬からのチブリ尾根のルートは、標高差が大きい、健脚向きのコース。

三ノ峰(さんのみね)
三ノ峰は、石川県白山市と岐阜県高山市の境にある白山国立公園内の、両白山地の標高の2,128mの山。古来より白山は信仰の山として登られ、岐阜県側
からの美濃禅定道がここを通過している。山頂の南側には、福井県と岐阜県の境にある各都道府県の最高峰(福井県)の標高2,095 mの小ピークがある。二
つのピークの間のコルの岐阜県側には、三ノ峰避難小屋がある。このすぐ南西が、石川県と福井県と岐阜県の三国境となっている。周辺は豪雪地帯であり、
1年の半分以上が雪に覆われる。山頂付近は、クマザサに覆われていて、ダケカンバ、ナナカマド、タカネザクラなどの木が自生している。三ノ峰避難小屋の
北側には遅くまで雪渓が残る。この雪解けと共に、ハクサンコザクラやシナノキンバイなどの高山植物が見られる。登山ルートは以下の通りである。

@別山からの縦走路 - 北側の別山から別山平を経て山頂に至るルート。
A上小池からのルート - 福井県大野市の上小池から六本檜と三ノ峰避難小屋を経て山頂に至るルート、よく利用される最短ルート。上小池の登山口の東側
約1qの位置に刈込池があり上小池刈込池自然研究路が整備されている。
B石徹白からのルート - 石徹白大杉の下の登山口からの美濃禅定道のルートは、アップダウンが多く健脚向きのコース。途中で石徹白大杉、神鳩の宮避難
小屋、銚子ヶ峰、一ノ峰、ニノ峰、三ノ峰避難小屋を経由して山頂に至るルート。(ウイキペディアより)

4月30日
守山自宅(4:25)- 勝原駅合流(7:35、8:00出発)−上小池駐車場920m(8:50、9:10出発)−登山道入り口950m(9:30)−六本檜1430m(11:10〜11:25)−剣
ヶ岩1671m(12:30〜12:35)−黒坊上平1900m(13:20〜13:25)−三ノ峰避難小屋(14:10) 
      行動時間: 5時間、歩行時間:4時間35分(休憩時間25分) 、歩行距離:5.93km 累積登高:1379m
 
 自宅を出発、名神高速道、北陸自動車道と経由し、福井ICにて下りる。途中2箇所で小休止した。コンビニで昼食やパン・飲料を購入し、合流
場所である勝原駅に7時40分前に着く。予定通り2人が到着、登山口のある上小池駐車場(920m地点)には8:50に着いた。途中、白山神社のカツラ
の巨木前で停車、写真を撮る。幹回り15m、人と比べればその大きさは一目瞭然である。また、オオヤマザクラの前でも三ノ峰を背景に写真を撮
る。駐車場で、早々に支度をして出発する。天気は良好、ミヤマキケマンの黄色が鮮やかである。大栗の木のそばを通り、下って行く。林道を歩
き、20分で登山口に着く。ルリシジミらしきチョウが何度か見られるが、とまってはくれなかった。杉林の中の道であるが、足元にはタチツボス
ミレが咲いている。サンカヨウ、ユリワサビの白い花が目立つ。白と薄紫のアズマイチゲもかわいらしい。ユキザサもつぼみで、少しで開花だ。
高度を上げるにつれ、視界が広がる。刈込池があると思われる崖の向こうには山並みが見える。花は、ニリンソウ、エンレイソウ、ショウジョバ
カマが加わり、キスミレの鮮やかな黄色とスミレサイシンの薄紫が加わる。花の道といったところだ。眼下にはピンクがかったサクラがあちらこ
ちらに見える。オオヤマザクラであろうか。急な坂を登り、分岐点となる六本檜には出発して2時間がかかった。見晴らしも良くなる。早い朝食
だったので、ここでお腹を膨らませる。その後、しばらくを緩やかな道であるが、次第に急坂になり、…と緩急がつく。長い尾根歩きが続く。剣
ヶ岩への急登、更に黒坊上平への急登が続く。視界が広がり、行く先には三ノ峰、明日の目的地の別山、右後ろには荒島岳、右手に、野伏山〜大
日ヶ岳、後方に赤兎山と奥に大日山、等々、素晴らしい眺望である。剣ヶ岩を過ぎるころから、空には雲が広がり、気温が下がりだす。視界には
、雪渓が迫る。緑と岩の色とのコントラストが目を引く。避難小屋までは雪を踏むことはほんのわずかであった。アラレとも小雪とも判断のつか
ないものが降り、ガスがかかり湿っぽくなってやっと小屋が見えだした。当初は二ノ峰の往復を考えていたが、こちらはやめにした。気温は零下
になり、そのうち雪もようになった。寒さも一段と厳しくなった。小屋には、1人の荷物があって、我々3人が小屋にある毛布を最初に使った。
1人が別山から戻り、7人が入り、最後には2人が加わり、13人の泊りになった。賑やかになった小屋の中で、準備してくれたレモン鍋で温まり、
8時前には就寝した。外は風が強く、雪交じりであった。深夜、外に出ると下界は加賀市であろうか、夜の光が見えた。

     
 白山神社のカツラ  オオヤマザクラと三ノ峰  打波ノ頭と三ノ峰

5月1日
三ノ峰避難小屋(5:40)−三ノ峰2128m(5:50〜5:55)−鞍部2060m(6:10)−御手洗池2208m(7:15)−稜線2330mポイント(7:25〜7;50、コース探索)−別山
山頂2399m(8:00〜8:10) −御手洗池2208m(8:40)−鞍部2060m(9:20)−三ノ峰2128m(9:45)−三ノ峰避難小屋(9:50)−打波ノ頭(越前三ノ峰)(10:00)
−三ノ峰避難小屋(10:05〜10:45)−黒坊上平1900m(11:20)−釼ヶ岩1671m(11:50)−六本檜1430m(12:25〜12:40、昼食)−休憩場(13:30〜13:40)−
登山道入り口950m(13:55)−上小池キャンプ場(14:20、14:40出発)−鳩ヶ湯(14:55〜15:50、温泉入浴)−福井IC(16:55)−賤ヶ岳SA(17:45〜17:55)〜(
北陸自動車道、名神高速道)〜守山自宅(19:20)

行動時間(歩行時間)@三ノ峰〜別山往復:4時間25分(3時間45分)、A三ノ峰避難小屋〜上小池:3時間35分(3時間10分)、合計8時間45分(6時間55分)
歩行距離(累積登高、下降):@三ノ峰〜別山往復:7.19q(1143m)、A三ノ峰避難小屋〜上小池:5.93q(1379m)、合計下降2522m

5時前には起きだし、朝食の準備にかかる。昨夜は薬のおかげもあって、さっと眠りについた。ラーメン鍋の昼食、コーヒーを入れ、5:40に出発した。寒さはな
かなか厳しかった。クマザサの緩やかな道を10分で三ノ峰2128mに着く。前方の別山は、山頂に重ぐるしい雲がかかっている。尾根筋には雪の道が続いてい
る。左右の崖は雪の壁になっている。夏道を下り、最低鞍部にかかると、雪渓歩きになる。この後は雪の道、夏道と交互になる。右手の斜面はどこまでも続く
雪の壁といったところだ。雪の景色はそれなりに素晴らしいが、寒さも厳しい。御手洗池まで1時間30分、最後の登りにかかる。前方はハイマツが待っていて、
稜線を左手にとるが、踏み跡がなくなる。昨夜の風と雪で分からなくなる。ハイマツが切れたところに顔を出すが、先は崖っぷちのように感じた(実はこの先に
踏み跡があった)。元に戻り、ハイマツ沿いに右手を進む。雪の斜面を転げ落ちないように進み、上の方で、踏み跡らしき地点に出る。あたりは霧氷がつき、
氷の世界だった。登り切ったところが別山で、別山神社の祠がある。風よけに良く、小休止をとる。山頂の二等三角点で写真を撮り、下りにかかる。夏道から
すぐに雪道にかかり、踏み跡を戻ると先に顔を出した狭い稜線に着く。ここを越え、先の見失った場所に出る。御手洗池、鞍部、下りは早い。三ノ峰に戻り、
避難小屋には山頂から1時間40分で戻った。小屋の先にある打波ノ頭(越前三ノ峰)を目指す。こちらも踏み跡を見つけることができず、適当にクマザサの中
を進む。小高い場所から、山頂表示のあることを確認し、それに向かって進んだ。帰りは踏み跡を何とかすることができた。福井県の最高峰とかで、打波ノ頭
、越前三ノ峰の名前が付けられている。小屋に戻り、コーヒーとおやつで長めの休憩を取る。下りには天気も回復に向かい、気温も上がった。下山道、別山
山頂の確認、素晴らしい眺望、花々を楽しみ、若干の収穫(同行のSさんがコゴメ収穫)、等々を楽しみ、無事下山した。帰り道では、4月29日より営業開始し
た鳩ノ湯で温泉に入り、汗を流した。賤ヶ岳SAで2人と別れ、混雑の始まった名神高速道は蒲生スマートICでおり、スムースに自宅に戻ることができた。ニュー
スで北アルプスでの遭難事故を知った。なかなか厳しい天候であった。

     
 三ノ峰への途中から避難小屋  三ノ峰から鞍部への下り、先の別山山頂に雲がかかる  棚田のような雪渓
山頂への最後の急登で振り返る。後方奥が三ノ峰 凍りついた別山神社の祠、後方は山頂表示 振り返れば雲が晴れた別山の山頂が
 赤兎山と奥に大日山 何段にもなったサコサガ滝
出会った花々
         
 サンカヨウ  ユリワサビ  ショウジョバカマ  イワナシ  エンレイソウ
         
 スミレサイシン  キスミレ  ヤマエンゴサク  ニリンソウ  タチツボスミレ
         
 アズマイチゲの群落  ウマノアシガタ      
登山口の案内図


行程MAP(同行のSさんのGPS記録を拝借)

(国土地理院の地図を引用)

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作成日:2016年5月3日