4)柳生街道・笠置山 288m : 2017年3月25日 、2017年山の記録に戻る
 笠置山(かさぎやま)は、京都府相楽郡笠置町にある標高288mの山である。京都府南部の笠置町内にある山。府立笠置山自然公園に指定されている。
1331年に鎌倉幕府の倒幕計画が発覚した後醍醐天皇は三種の神器を保持して笠置山にて挙兵、篭城して元弘の乱の発端となった。 信仰の対象としての歴
史は弥生時代にまで遡るとされ、山中にはかつて修験道の行場であり1300年の歴史をもつ笠置寺がある。 桜、紅葉の名所としても有名である。国の史跡お
よび名勝に指定されている。
 笠置寺(かさぎでら)は、京都府相楽郡笠置町にある真言宗智山派の仏教寺院。山号は鹿鷺山(しかさぎさん)。本尊は弥勒仏。開基は大友皇子または天
武天皇と伝える。歴史的に南都(奈良)の東大寺や興福寺などと関係が深く、貞慶などの著名な僧が当寺に住したことで知られ、日本仏教史上重要な寺院で
ある。また、境内は鎌倉時代末期、元弘の乱の舞台となったことで知られる。山門をくぐると本坊、毘沙門堂(2004年建立)、収蔵庫、鐘楼(コンクリート造)な
どが建ち、その奥に一周約800mの修行場がある。修行場には「胎内くぐり」「蟻の戸渡り」「ゆるぎ石」などと名付けられた岩が点在しており、途中に弥勒磨崖
仏(現在は光背を残すのみ)、正月堂(弥勒磨崖仏の礼堂)、石造十三重塔、虚空蔵菩薩磨崖仏、後醍醐天皇行在所跡などがある。また、歴史的なものでは
ないが、笠やん追悼碑もある。これは、1990年代に笠置寺に住み着き、案内をする名物猫として有名になった野良猫「笠やん」の追悼碑である。2016年5月
23日、御蓋山山頂の春日大社摂社本宮神社(ほんぐうじんじゃ)の社殿が、当寺鎮守の椿本護王宮の隣に移築され、春日明神社として再興されることとなっ
た。鎌倉時代に貞慶により勧請された春日明神社であるが、元弘の乱で焼失の後今日まで再興されておらず、685年ぶりの再興となる。当寺は標高289メー
トルの笠置山頂にあるため、参拝はハイキングコースによる徒歩か山麓から山門付近まで伸びる車道を利用する。車道は狭隘で所々に退避ポイントがある
ものの離合困難な道路となっており通行には注意が必要である。
 柳生街道(やぎゅうかいどう)は奈良県奈良市を走る街道。奈良町から春日山と高円山の谷を越え、忍辱山を経て柳生へ繋がる。柳生より先は笠置や月ヶ
瀬・上野方面へ通じた。現在は奈良と春日山の間が往時の姿を留める。東海自然歩道指定。歴史の道百選選定。柳生街道の起源は定かではないが鎌倉
時代初期に存在したとする説がある。街道のうち奈良市高畑町から山中へと入り、能登川沿いを上る石畳の坂道を「滝坂の道」または「滝坂道」と呼ぶ。滝坂
の道の石畳は江戸時代の奈良奉行が命じて敷かせたとも、それ以前からあったとも伝わる。道のほとりの能登川は細かな滝を作って流れ落ちる。沿道には
いくつかの磨崖仏が残る。奈良側から石切峠までの間に寝仏、滝坂地蔵と三体地蔵、夕日観音、朝日観音、首切地蔵がある。首切地蔵は江戸時代の剣豪
荒木又右衛門が試し斬りをした伝説がある。街道は首切地蔵付近で能登川から離れ、石切峠(標高470m)までの間は上りが続き、峠までの間に春日山石窟
仏(国の史跡)がある。奈良奥山ドライブウェイ東側に超え、街道より南に下った谷に地獄谷石窟仏(国の史跡)が存在する。街道は誓多林、忍辱山、大柳生
、阪原を経て柳生へと至る。柳生街道は明治時代初期まで、柳生村の人々が村と奈良の町を往復する、また大阪へ向かう際に通行する主要道であった。人
は徒歩で往来し、貨物は駄馬を利用して運ばれた。1889年に柳生村から月ヶ瀬村へ通じる月ヶ瀬街道の、1891年に笠置村と通じる笠置街道の改修工事が
完了し柳生街道を経た通行の便が改良された。1897年11月になると柳生の北隣に関西鉄道笠置駅が開業した。それまで柳生街道を利用していた人々は笠
置を経由し、汽車に乗って奈良へ向かう時代となった。奈良・柳生間の交通は昭和初期以降、春日山の北側を走る県道にバス路線が整備された。1996年
11月、柳生街道は文化庁によって歴史の道百選に選定された。1998年に近接する春日山原始林が古都奈良の文化財の一部としてユネスコの世界文化遺
産に登録された。同年、奈良県は滝坂の道の石畳改修工事を行なった。1999年に地元の有志が「柳生街道・滝坂の道を守る会」を結成し、滝坂の道とわき
を流れる能登川で毎月1回、倒木撤去と石畳の修復、古道の清掃を行なう活動を続けている。(いずれもウイキペディアより引用)

守山駅(7:45)−京都駅(8:12、近鉄京都駅8:31)−近鉄奈良駅(9:16、バス9:45 )−忍辱山円成寺バス停(10:15 〜10:23、円成寺庭園見学)−山口神社(
11:
00〜11:05)−南明寺(1140)−おふじの井戸(1148)−峠最高点(1214)−疱瘡地蔵(1228〜12: )−柳生公民館広場(12:37〜
13:10、昼食)
−八坂神社(13:16)−家老屋敷(13:24)−十兵衛杉前(13:29)−附対の石仏(13:46)−笠置寺山門(14:16〜15:11、笠置寺修行場め
ぐり、
最高点14:49)−笠置寺山門(15:11)−JR笠置駅(15:40、14:51)−JR柘植駅−草津駅−守山駅 
     所要時間:6時間45分  歩行時間: 5時間35分  歩行距離 15:7q  

近鉄京都駅の急行乗り場にて14名がそろう。終点近鉄奈良駅で下車、バスに乗車する。月ヶ瀬方面にはこの時期臨時バスが出ているが、人数が多くその後
の通常の時間のバスに乗車した。皆坐ることができ、ホッとする。30分ほどで、円成寺バス停に着く。時間の制約もあり、境内の見学は取りやめ、庭園を
見て、出発する。車道から表示に従い、山口神社の向かう。2.3qとある。

バス停からすぐの車道を離れる。道標に山口神社へ2.3q

下り坂の丘陵地の棚田風の道を進む。道端にはタチツボスミレが咲いていた。やがて、右手にスギ林、左手雑木林になり、竹林も出てくる。田圃が現れたり、
雑木林になったりと、山道が続く。集落や田畑を左に見て、スギ林を進むと、バス停から40分弱で山口神社に着く。こんもりとした森の中の延喜式内社である
。本殿に参拝し、小休止をとる。
 山口神社

次の目標となる南明寺に向かう。あぜ道風の田圃ののどかな中を進む。ウメの花が綺麗に咲いている。水木古墳を過ぎ、集落を進む。マンサクが満開であ
る。白梅・紅梅との対比が美しい。大柳生の里の田園風景を満喫しながら、緩やかな登り、下りを繰り返す。やがて、奈良市青少年野外活動センターに出る。
ベンチや芝生があり、別のグループが休んでいる。しばらくで南明寺である。集落にはウメの花が美しい。アブラチャンの黄色い花、枝先にいっぱいの黄色い
花をつけたギンヨウアカシアはとりわけ見事だった。南明寺簡素なお堂のみであるが、鎌倉時代に建てられた寄棟造の古刹で、薬師・釈迦・阿弥陀の3如来
が安置され、重文と説明がされている。ここで小休止をとる。トイレも利用できる。

         
 タチツボスミレ  マンサク  ギンヨウアカシア  リュウキンカ  アブラチャン

右、90度に曲がる格好で進み、お藤井戸という古井戸を通る。柳生の殿様が洗濯中のお藤と問答をし、それがきっかけで妻に迎えたというロマンス井戸であ
る。道端の畦には所々リュウキンカの黄色い花が美しい。棚田風の道を進み、かかしや大柳生の集落を見ながら、やがて阪原峠に向け、樹林帯の中の林道
をすすむ。舗装はしてあるが、今は車は乗り入れられないらしい。峠を過ぎ、集落にありるところに疱瘡地藏ががある。大きな岩に刻まれた地蔵さんが、いか
にも歴史を感じさせてくれる。
棚田の中の道を進む

山に入り、峠を越え、ここまで約30分である。お昼の柳生公民館広場まであと15分である。集落内を歩く。花やウメを楽しみながらの歩きである。柳生の里の
名所案内が表示されている。広場はサクラが多いが、まだまだ先である。芝生の大きな広場で思い思いにお弁当を広げる。ぽかぽか陽気で話も弾む。今回
は、鳥観察の名人も参加で、あちらこちらで解説を受ける。ウソの鳴き声がしきりにするが、ここらあたりでは嫌われ者らしい。30分強のお昼休みを終え、出
発する。表示に従い、八坂神社、家老屋敷をめざす。途中、色あせた大きな木にいっぱいの花をつけたロウバイが目を引いた。家老屋敷は門からの観察に
とどめた。説明板には由来や変遷、山岡荘八の名前も出ていて大変に興味深かった。
ロウバイ

曲がるところや、道が分岐するところには道標が整備され、迷うことは全くない。集落内の道をゆっくりと進む。十兵衛杉は落雷により、枯れ果てた無残な姿
を見せている。30mの高さとあるが、さぞかし立派な杉であったことだろう。ここから15分ほどで、附対の石仏である。大きな岩に仏さまが刻まれている
。橋を渡り、車道にでる。そばにフキノトウが芽を出していた。何本か収穫する。
十兵衛杉 附対の石仏

ゴルフ場を右手に、立派な車道を進む。登り切った先は工事中、山肌が露わになっている。ここから、笠置寺の境内に進む道を右手に分け、左手
の山腹の道を進めばしばらくで笠置寺の山門に着く。
300円を払い、笠置寺修行場めぐりに入る。巨岩、摩崖仏、胎内くぐり、太鼓岩、後醍醐天皇行在所
、天武天皇勅願所など見どころも多い。山頂近くの二の丸跡で小休止を入れ、約1時間弱の周遊となった。道中、木津川の眺めも素晴らしいものだった。
摩崖仏 巨岩が続く

木津川の眺め   二の丸跡

毘沙門堂を見学した後、JR笠置駅に出た。10分待ちの列車で、ピッタリと繋ぎ、充実のハイキングであった。次回は奈良〜円成寺間を歩きたい。

行程マップ(栢さんより拝借)



(国土地理院の地図より引用)
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作成日:2017年3月28日