9)岩籠山(福井) 765m :2017年4月30日 2017年山の記録に戻る
 岩籠山(いわごもりやま)は、福井県敦賀市に所在する標高765.2mの山である。岩篭山とも表記される北方は敦賀市街、東方は笙の川、西方は黒河
川を挟んで野坂岳と対峙し、南方は 乗鞍岳に連なる。花崗岩質の山であり、山頂付近には「敦賀山野会」が命名した「インデアン平原」というなだらか
な起伏のある平原があり、所々に花崗岩の巨石が露頭している。また、同じ尾根に夕暮山(720.4m)もあり、手頃な登山向けの山である。歴史であるが
江戸時代には、小浜藩の敦賀郡「御上御山」(おかみおやま)の一つであり、伐採は厳しく制限されていた。また、藩の「御鷹山」(おたかやま)も設置
され、鷹狩用の鷹の繁殖地として保護されていた。現在は福井森林管理署の松原森林事務所管轄の国有林である。「敦賀三山」(野坂岳、西方ヶ岳、
岩籠山)の一つであり、沢や草原、奇岩など変化に富んだコースがあり、さらに山頂からの展望は四方に広がっている事から、登山者やハイカーに人
気がある。市民や県民はもとよりアクセスが比較的便利な為、関西や中京の登山客も多い。残雪期の春山登山や、黒河川からの沢登もでき、熟練度
に合わせ様々に楽しめる山である。
登山ルートは主に以下の3つある。
@市橋コース
 国道8号沿いの市橋からのルート。国道の市橋交差点を曲がり、北陸本線のガードをくぐり、岩篭林道終点に駐車場がある。もっともよく利用されてい
る登山コースだが、沢沿いを登るため増水期は注意が必要である。谷川を何度も渡渉しながら進むと、石積みの堰堤が現れる。5つ目の堰堤を過ぎる
と、尾根に上がる急坂となる。尾根で左右に道が分かれ、左が山頂方面である。なお右は夕暮山を経由し、山地区へ下る道となる。山頂には三等三角
点(基準点名「嵐山」)が設置されている。山頂から東側へ少し下ると奇岩が点在するインデアン平原である。
A山コース
あまり使用されていないが、黒河川上流の山地区からの北西尾根ルートである。鳴谷川砂防ダムを2つ過ぎ、尾根を上がっていくと、途中に背の低い
松が点在する日本庭園風の場所がある。さらに進むと四等三角点(基準点名「夕暮山」)のある夕暮山である。少し先の反射板を過ぎると、市橋コース
と合流する。
B駄口コース
国道161号沿い駄口からの東尾根ルート。登山口は北陸線 新疋田駅から2kmである。登山道は四等三角点(基準点名「奥野」)を経由する。途中に大
きく斜面が崩落した箇所があり、接近しないよう注意が必要である。インデアン平原を過ぎ、山頂に至る。(ウイキペディアより)

今回は滋賀県から都合の良い駄口からにした。最もよく利用されるコースである。新緑の映えるコースを歩いた。

守山自宅(7:50出発)〜北小松駅(8:25、8:50出発)−登山口駐車場(9:50、9:55出発)−大岩(10:25)−P677(11:16) −インディアン平原分岐(11:48)−
山頂(11:58〜12:25、昼食)−インディアン平原−平原大岩(12:35〜11:45)−インディアン平原−尾根筋分岐(13:25)−駐車場(14:20)
    歩行時間: 4時間25分(休憩時間約45分)

ピックアップする北小松駅には35分で到着した。一人が朝のぎっくり腰で取りやめになり、2人になった。ここから登山口まで45qほど、50分で到着した
。ドライブインしのはらの反対の駐車場は本当に大きく、7〜8台が駐車していた。大きなヤマザクラが見事であった。道路の反対側、ドライブインの
横にある登山口から登り出す。

ドライブイン、道路を挟み駐車場 ヤマザクラ

歩きだしてすぐにフェンスがあり、これに沿って登る。沢沿いで落葉樹林帯である。小さな沢を越え、スギ林の斜面を登る。階段状の急な
道を登りきれば広場に出る。ここまで15分程で、山頂への表示もある。これから尾根筋を登る。左手がスギ、右手は落葉樹の雑木林で、な
だらかな尾根はしばらく続く。道はやや急となり、コブを越えていく。20分弱で杉も終わり、ここから山頂までは長い時間、落葉樹林帯の
明るいと雑木林である。ブナの原生林も何度か出てくる。足元には、シハイスミレ、イワカガミ、イカリソウが次々現れる。イワカガミは
特に多い。スギ林が途絶え、10分ほどで、岩場(大岩)に着く。ロープもあるがその必要はない。
岩場を通過

尾根道は、左右、岩が点在する。右からの尾根と合流し、さらに進むとすぐに標高
550mのピークに出る。前方に2つのピークが現れ、崩壊
地が痛々しく見える。左手のピークに向かう。
南側方面の展望が開け、三国岳が目に入る。ブナの林が現れ、そこを過ぎると、P677手前の
右折点に出る。
急な下りとなる。右手の斜面の崩落のため、う回路として付けられた道のようである。ここを下りきると、素晴らしいブナ
林が現れる。足元は、クマザサが一面にある。


ここを越えると、やがて低木が主になり、展望が良くなる。急な登りとなるが、山頂方面も望まれる。しばらくで、道は
P708の左側直下を
巻いて行く。左手には、ブナ林が広がり、この辺りから先は、気持ち良い所である。やがて、急な登りとなり、しばらくの頑張りで、イン
ディアン平原の左端に出る。右に進めば、すぐにインディアン平原の大きな岩にたどり着く。とりあえず山頂を目指す。ササ原で気持ちが
良い。足元にはキスミレが鮮やかである。少し登ると岩籠山山頂に着く。山頂からは、「敦賀三山」の残り、野坂岳と西方ヶ岳が敦賀湾と
ともに見える。反対方向は、滋賀の三重嶽、更に山並みが続き、乗鞍岳が見える。ブナを始め、芽吹いたばかりの新緑がまばゆいばかりだ
。遠くには冠山〜能郷白山の所々白い山並みが見えた。
山頂からの展望1

山頂からの展望2

山頂
少し下った低木のブッシュの中で風を避け、昼食とする。その後、山頂に戻り、写真を撮る。キスミレも見られる。十分休んだ後、イン
ディアン平原の大きな岩場を目指す。途中、コツバメが止まってくれた。インディアン平原の岩場から景色を眺め記念写真を撮る。先ほど
の山頂もゆったりとしている。
山頂から見たインデイアン平原。

帰りは、元来た道を引き返す。アブラチャン、マメザクラ、撮り残しの花を写真に収める。緑は一段と映え本当に素晴らしい。帰りも2時
間ほど、素晴らしい天気の山行になった。
チョウは、山頂でヒオドシチョウ、下山時にコツバメに出会った。花は、キスミレ、ショウジョバカマ、イカリ
ソウ、イワカガミ、シハイスミレ、ミヤマカタバミ、タムシバなどが咲いていた。

チョウ類
コツバメ ヒオドシチョウ ヒオドシチョウ

花々
         
 シハイスミレ  キスミレ  イカリソウ  イワカガミ  アブラチャン
         
 アセビ  ミヤマカタバミ  ガマズミ    

行程マップ

(国土地理院の地図より引用)

岩籠山説明図(登山口)


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作成日:2017年5月2日