13)大御影山 950m : 2018年4月29日 2018年山の記録に戻る、2018年チョウのページに戻る、2018年花・鳥・その他に戻る 大御影山(おおみかげやま)は、滋賀県高島市と福井県三方郡美浜町との境にある標高950mの山。滋賀県側からは、エドヒガンで有名な酒波寺の林道を通り、ビラデスト今津に入る。ここが登山口になる。駐車場のすぐ下には平池があって、5月下旬から6月上旬にカキツバタの写真を撮りに愛好家が集まる。一方、福井県側は、嶺南地方の最高峰になるが、国土地理院の地図には三等三角点のみが記載されている。この山は全長50q以上の高島トレイルの山の1つになっている。登山ルートは、@ビラデスト今津から近江坂経由、A大日尾根からのコース、B河内谷林道の本谷橋付近からのコース、C福井県側の能登又谷からのコースがある。よく利用されているのは、@のコースで、山頂までは7q以上だが、春はシャクナゲをはじめとした花々が見られ、人気のコースとなっている。山頂の西に大きな反射板があり、その先の大きな岩の上からは日本海が望める。 JR守山駅(6:50)−ビラデスト今津(8:30、8:40出発)−平池(9:30)−大御影山登山口(9:35)−渓流(9;40)−近江坂・バイパス分岐(9:55)−近江坂−合流点(9:53)−池(10:16)−シャクナゲ群生地(10:25〜11:05)〜滝谷山分岐(11:06)−展望場所(11:38)−粟柄河内谷林道出合(11:45)−昼食場所(11:50〜12:30、昼食)−県境尾根分岐・トレイル分岐(12:40)−大御影山山頂(13:18〜13:50、周辺散策)−県境尾根分岐(14:24)−粟柄河内谷林道(14:33〜14:38)−滝谷山分岐(15:00、小休止)−池(15:32)− 近江坂・バイパス分岐(15:40)−バイパス−合流点(15:56)−渓流(16:03)−大御影山登山口(16:08)−ビラデスト今津(16:30、16:50出発) 行動時間 7:50、 歩行距離約14.5km、累積登高約770m 連休中ではあったが、琵琶湖大橋から北小松駅の先の湖西道路合流点まではスイスイと進んだ。合流点からしばらくは、車の列が続いたが、渋滞とまでにはならなかった。高島からは解消された。箱館山スキー場とビラデスト今津の看板で161号線を離れ、左折後、さらに進んだ酒波寺の表示を見て右折する。道なりに進み、酒波林道のスタートとなる酒波寺横を通り過ぎる。寺内の大木のエドヒガンは4月中旬に見事な花を咲かせる。ここからは1本道である。ビラデスト今津が近ずくと八重桜並木で、散った花びらが道路を覆っている。入口ゲートで環境協力金300円/1人を支払い、園内のパンフレットをもらい、駐車場に入る。標高は500mを越し、大御影山とは高度差は450mを切るが、ここからは8qの長丁場、アップダウンンもあり、タフなコースになる。準備を整え、平池方面に下る。左手の平池の水面からは、カキツバタの葉が伸びてきている。1ヶ月もすれば開花を迎える。表示に従い、スギ林の中のセラピーロードを進む。左の道路脇にはヤマエンゴサクがある。 しばらく進むと大御影山登山口の表示が出てくる。標柱に書かれた「古道近江坂」は、高島市今津町と福井県若狭町を結ぶ峠道である。先に行くパーティーの後を追う。スギ林の中で大木に感心しながら緩やかな登りを進むと、先の登山客が渓流のそばで熱心に花を撮影している。何を撮影しているのかと聞くと、事前の調査で、渓流沿いにサンインシロカネソウが咲いていると言う。これ幸いと、3人が去った後、撮影にかかる。先週の金剛山で見たトウゴクサバノオによく似た葉と花の形であるが、花は本当に小さい。イカリソウも見られる。 サンインシロカネソウ、とても小さな花 流れのある沢を渡り、スギ林から離れる。いよいよ往復14kmの登山道が始まる。つづら折りの切り通しの道であるが、しばらくするとイワカガミの群生が現れる。イワカガミはさらに先のバイパス分岐からの近江坂(右手)にも多く、赤、白、ピンクと見事な咲きっぷりを楽しめる。落葉樹林の明るい道であり、写真撮影に忙しく、何度も立ち止まる。時には低く構え、予想以上に時間を使う。
旧近江坂の道は深くえぐられた切り通しで、古の人々の生活がしのばれる。時には樹木を通して、一帯の山並みを見ることができる。新緑が目にも鮮やかである。やがてバイパス道が合流する。ここは琵琶湖が眺望できる見晴らしの良いところだ。イカリソウが咲いている。眺めは良く、海津大崎の右手に竹生島が見える。今日はとりわけ青空が綺麗だ。4月の上旬までは、黄砂で霞んでいた。 海津大崎の右手に竹生島、奥の伊吹山は霞んで見えない 近江坂をさらに進む。イワウチワに混じって、バイカオウレンが見られる。切り通しはいよいよ深く、はるか頭の上に崖がある。所々でシハイスミレやタチツボスミレも現れる。ウスギヨウラクは所々で見られ、色づいた花弁もある。 ウスギヨウラク ウスギヨウラク(ピンク系) バイパスの合流点から花を楽しみながら20分ほど歩くと、スギ林が左手になり、下ってゆく。先には小さな池があって、よく見るとアカハラが水の中で悠々と動いている。イノシシのものであろうか、一部、蒐場のようになっている。 アカハラ 登り返して進むと10分ほどでシャクナゲが右手に現れる。その右奥に更に津ずいているようだ。初めは断続的であったシャクナゲが、次第に数も多くなり、生け垣のように続く。花の数も多い。道の両側に、あるいは道を覆うように咲いている。開花時期は今が旬だろう。蕾を見られるが、ピンクが美しい。花の密度も高く、見事な咲きっぷりでに声をあげる。期待していたとはいえ、実際に見ると想像以上の素晴らしさに見とれる。写真撮影に時間をとられ、ゆっくりペースが続く。この間およそ30分くらいは続くであろうか。 次々現れる花の道も、次第にブナ林に変わる。青空を背景に新緑が広がっている。緑も見事な眺めだ。740mピークを過ぎ、浦谷山分岐に来ると、カタクリやイワウチワ(トキワカソウと呼ばれる)が多くなる。ここまで、バイカオウレンも見られた。、この浦谷山ポイントに来るといつも、機会があれば、帰りにでも浦谷山を経由して平池方面に行きたいと考えているが、いまだ実行には至っていない。 イワウチワ(トキワカソウと呼ばれる) バイカオウレン 稜線上の道からは北東方向に高島トレイルが時々見られる。林道出合まではまだまだかかる。780mピークを過ぎる。イワウチワは密度をまし、群生地が次々と現れる。そのうち、カタクリが増え始める。カタクリは林道出合に多くあるが、山頂まで続く。新緑の緑がまぶしく、所々で咲くタムシバの白が引き立つ。登り切った先から結構急な坂を曲がりながら下ってゆくと林道出合だ。林道への下りも、イワウチワが多い。林道出合までスタートしてから、3時間、コースタイム予定より30分以上は遅れた。これほどの花ではやむを得ない。林道には、キンキマメザクラ、カタクリ、途中ではわずかにしか見られなかったオオバキスミレ、マンサクが楽しめる。 オオバキスミレカタクリ キンキマメザクラ 林道の日陰には残雪がある。林道を離れ、登ろうと思った時、目の前のチシマザサの中にヒガラがとまっているのに気がついた。向こうは気付いているのかどうか分からないが、なかなか飛び立とうとしない。じっくりと撮影できた。 粟柄河内谷林道出合、残雪 目の前にヒガラがとまり、しばらくとまってくれた 林道から急坂を登り、しばらく進んだブナの大きな木の下で昼食にする。12時前ではあったが、朝食が早く、お腹が持たない。昼食は、4月になってから、カップ麺を助六弁当に替えた。持参のお湯でコーヒーを楽しむ。同行の人が持参した甘酒は、道中、無残にもこぼれ、1/3に減少、帰りに楽しむことになった。昼食タイム、40分の後、山頂をめざし、尾根筋を進む。歩きは少し早めにする。足元には、オオバキスミレ、イワウチワ、カタクリが続く。 しばらくして、東の大谷山・抜土からの高島トレイルと合流する。私の高島トレイル全縦走は、抜土とこのポイント間だけが残っている。この残った部分を、滝谷山の組み合わせで成就しようと決めている。 このトレイル合流点から40分弱、見事なブナ林の分水嶺の県境尾根を歩き、山頂に到着する。 何度も現れるブナ林の新緑 山頂表示の足元にはイワナシが咲いている。やや痛んでいて撮影には不向きな気がした。とはいえ、かがみこんでの撮影になる。その後、タイマーを使って山頂記念撮影をする。山頂表示の先には、右手から大谷山〜赤坂山〜三国岳、その奥にトレイルの最北端である乗鞍岳に続く稜線が続く。いくつか立った受送信用鉄塔が目印になる。 結局は頼んで撮影してもらった写真 山頂から北 前方(三国岳〜赤石山〜大谷山)、後方(乗鞍岳がある高島トレイル最北端稜線) 少し北西へ歩くと、関西電力の反射板が立っている。その先に大きな岩があり、日本海(若狭湾)が見える。昨年は、三重嶽から大日岳を経由し、この大御影山まで歩いた。そして、この反射板のところから河内林道に下山した。西方向にその稜線が望める。ブナの花や、ここにもあるカタクリ、ミヤマカタバミを撮影した後、戻る。なお、福井県の白谷登山口からのルートである大日尾根利用の道は、ブナの巨樹が楽しめるのだそうだ。戻った山頂で、集合写真を頼まれ、そのお返しに3人で写真を撮ってもらう。まずまずの出来栄えとなった。山頂の出発は、周辺での散策の後、13:50になった。30分余りの滞在であった。返?は逆方向からの花や景色を楽しみながらの道だった。下り坂であって、やや快調のペースである。取り残しの写真や、遠くに見える南西の三重岳や東の大谷山〜赤坂山を見ながらの下山になる。林道に下り、反対の日差しで一層美しく映えるキンキマメザクラを再び鑑賞する。ここで、カタクリで吸蜜するミヤマセセリを撮影した。今年最初である。来る時には、コツバメのチャンスがあったが、ピントの加減でシャッターが落ちず残念なことをした。 カタクリで吸蜜するミヤマセセリ 林道からの登りは少々きつかったが、イワウチワを下から眺めながらのため、あまり苦にはならなかった。来る時に通った池を過ぎ、再度登り返せば、シャクナゲを再び楽しむことができる。樹間に鳥がとまった。頭が赤い。夢中で撮影する。アカゲラと思ったが、あとで確認したところ、頬のアカ、翅が緑っぽいことでアオゲラとわかった。ずいぶん前の北海道以来の出会いになった。 アオゲラ 滝谷山への分岐で、パーティーから離れ、休んでいる婦人がいた。年のせいで、途中から引き返し、ここで待っているのだということだった。山頂出発からここまで1時間10分、おしゃべりをしながら休みをとる。お昼から延ばしていた残った甘酒をホットでいただいた。更に私はコーヒを飲んだ。帰りは日差しも違い、新緑も一味違う。旧近江坂とバイパス分岐では、下りはバイパスを選ぶ。びわ湖をしばらく眺めることが出来、眺望のコースである。こちらのコースは、赤主体のイワカガミが多く、密度も濃い。 イワカガミが斜面いっぱいに 登山口まで2時間、ほぼ予定通りの時間だった。舗装道直前では、川の中の魚に気づき、望遠で撮影した。浅いところで、川底に魚影が写り、一人悦に浸った。 舗装道には、クロモジの花、コツバメとベニシジミが観察された。素晴らしい花の道を歩き、皆、大満足の1日だった。帰りは高島付近で渋滞に巻き込まれたが、おしゃべりをしながらなのでそれほど苦にならなかった。5月連休ゆえ、仕方のないことだった。花と新緑を楽しんだ1日だった。 春の花
行程MAP 2018年山の記録に戻る、2018年チョウのページに戻る、2018年花・鳥・その他に戻る 作成日:2018年5月2日 |
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