19)横山岳 関西百名山 1132m 花と蝶の山 : 2018年6月2日 
   
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 横山岳(よこやまだけ)は本峰の西峰[3]と東峰からなる双耳峰であり、西側の北陸本線木ノ本駅からどっしりとしたその山容を望むことができる。西峰の山頂には、二等三角点(点名が「横山岳」、標高1,131.69 m)が設置されていて[1]、気象観測施設(日本気象協会のアメダス)が設置されていた。滋賀県と岐阜県との県境稜線から南西側へと延びる枝尾根上にある。南面の白谷本流にある経の滝と五銚子の滝の間には延喜式内社の横山神社があったとされていて、古くから山岳霊場として栄えていた山である[9]。経の滝は、南麓の杉野の神宮寺の僧侶が般若経を書写する際に身を清めた場所であることに由来する。五銚子の滝は、横山神社に捧げるお神酒の銚子を清めたことに由来する。山名はこの横山神社に由来する。関西百名山の一つに選定されている。冬は深い雪に覆われる。春にはカタクリやヤマシャクヤクなどの花の山として知られている。東尾根にはブナの原生林が広がる。登山であるが、地元の杉野山の会により登山道が整備されていて、毎年5月第3日曜日の山開きや登山大会が開催されている。登山道の急坂などにはロープが設置されている。山頂部からは周辺の山並みや余呉湖、琵琶湖に浮かぶ竹生島などを望むことができる。「横山岳から望む琵琶湖と余呉湖」が長浜市の大切にしたい長浜の景観「ながはま百景」の一つに選定されている。登山適期は4月中旬-11月中旬。春先の残雪期に雪山登山されることもある。
 以下の登山コースなどが利用されている。
・白谷本流コース:白谷登山口 - 太鼓橋 - 経の滝 - 五銚子の滝 - 横山岳
・東尾根コース:白谷登山口 - 網谷林道 - 東尾根登山口東峰 - 横山岳
・コエチ谷からのコース:コエチ谷登山口 - 鳥越峠 - 三高尾根 - 横山岳
・墓谷山からのコース:墓谷山登山口 - 南野寺観音堂 - 墓谷山 - 鳥越峠 - 三高尾根 - 横山岳
(ウイキペディアより引用)

上記のコースの組み合わせのうち、「経ノ滝」「五銚子ノ滝」を眺める白谷本流コースとブナの自然林を歩く東尾根コースを組み合わせるのがベストなコース設定だろう。雪深い湖北にあるため、年によっては4月下旬でも渓流沿いには雪が残り、五銚子ノ滝経由の登山道は禁止されることがよくある。ふもとのサクラの開花も4月中旬以降となる。5月の連休後半は、ウスバシロチョウが優雅に舞う時期で、透き通った翅は春の訪れを感じさせてくれる。他にもたくさんのチョウに出会える。6月の登山は、2010年以来になった。また、ここ10年で7回の登頂になっている。五銚子ノ滝からの急登は、なかなかにタフなコースで、暑さのせいで辛く感じた。花やチョウは当時と比べあまり変わりはなかった。

守山駅(7:03)〜長浜駅(7:57、8:00乗り換え)〜木之本(8:15、8:38バス)〜杉野小学校前(9:10、9:20出発)−白谷登山口(260m)( 950、10:00出発) −林道太鼓橋 (10:45)−経ノ滝(11:04)−五銚子ノ滝(11:50)−山頂まで300m表示(13:05)−横山岳頂上(1132m)(13:23〜14:04)−東峰(14:33〜14:40)−金居原分岐(15:18)−東尾根登山口(16:12)−夜這ノ水 16:135/15:10−白谷登山口(260m) (16:45)−杉野小学校前(17:28、17:43バス)〜木之本駅〜長浜乗り換え〜守山駅
       行動時間:8時間8分(休憩時間含む)、歩行距離:約12.5q 

守山駅に集合、電車を乗り継ぎ、木之本駅で下車する。20分強の待ち時間で、湖国バスに乗車する。学生がたくさん乗り込みバスは溢れんばかりである。杉野小学校前で下車し、早々に出発する。快晴で、早々に汗ばむ。林道を歩くのはここ10年で初めてで、途中、これから登る横山岳や東峰への稜線が見られる。
横山岳と東峰

道端ではチョウが見られ期待が膨らむ。卯の花(ウツギ)の白い花が満開で、蜜を求め、チョウが飛び交っている。クロアゲハ、イチモンジチョウ、テングチョウなどが目につく。白谷登山口には立派な小屋と案内板があり、花の情報や、案内図が置いてある。駐車場は整備が行き届き、トイレも設置されている。特に、周辺の駐車場は全面舗装され、十分なスペースが確保されているのには驚いた。以前に貼られていた田部井淳子さんの写真入りのポスターは今回確認できなかった。じっくりと見なかったせいかもしれない。小屋にある上等な紙のガイドマップを1枚頂いた。準備中の皆と少し離れ、この時期の目玉である、ウスバシロチョウの撮影の時間を取った。サカハチチョウ、ヒメキマダラセセリ、イチモンジチョウ、モンキアゲハなどが卯の花で盛んに吸蜜している。

皆にせかされ、出発する。鮮やかな緑の登山道である。、白谷の渓流を、気をつけながら何回か渡渉する。水量と勢いは雨の後のせいか迫力があった。沢傍の登りとは言え、暑さが辛い。
花は5月のころと比べ寂しいが、花もそこそこで、ミヤマハコベ、ナルコユリ、などを楽しむことができる。歩きだして45分で林道に出て、太鼓橋に着く。日差しが強く先に進む。沢沿いの道を進む。ウスバシロチョウは相変わらず多く、沢の上を下ったり、逆に上に飛んで行ったりする。渓流の岩の間からはヒメレンゲが群落を作っている。渡渉もある。 
渡渉 ヒメレンゲの群落

同じような道が続き、太鼓橋から20分ほどで経ノ滝に出る。これから五銚子ノ滝までさらに45分、沢沿いの登りが続く。ミヤマハコベは多く、ミヤマキケマン、ミツバフウロなど花は続く。

ガクアジサイでウスバシロチョウ(交尾)

小刻みに休みを入れながらの登りである。急なジグザク道を歩く。沢に足をとられそうになりながら注意して何回か渡る。比較的細い沢で怖さはない。五銚子ノ滝まで、登山口から1時間50分、やや時間がかかっている。直前で足の調子が思わしくない1人が下山することになり、2人が同行する。滝は勢いよく流れ落ちている。持参のカメラは望遠で全体が入らない、代わりに滝全体を撮影してもらう。
五銚子ノ滝

しばしの休憩で、ホッとする。顔をすすぎたいところであるが、先に進む。急で、崖っぷちの細い道をゆっくりと登る。ここからが本格的な急登、山頂直前まで続く。つづら折りの急登で、岩や木の根が露出した道になる。ところどころにロープが下がっている。12時半になり、10分ほど時間を取って、お腹におやつを入れる。私は、持参のコンビニ弁当を食べてしまった。沢沿いの道は、直射日光で暑かったが、ブナの森の中の道、多少は風があってましである。岩の間や、根っこの道にムカデがぞろぞろとうごめいている。その数も半端なものではない。ただ、動きが緩慢で、気になるほどではないが、気持ちが悪い。
次から次に現れるムカデ

この後、暑さと急登にめげず進むと、「あと300m.頑張れ」の標識が出てくる。皆は一休み、私は200m、100mの表示を過ぎ、一頑張りで山頂へ着く。まずは、眺望はよくないが、木々の間から琵琶湖を見ることができる。不釣合いなプレハブ物置に梯子が掛かっている。展望が得られる。年々ガタがきている。とりあえず屋根の上から北方向の山々や、琵琶湖を眺める。カラスアゲハがしきりに飛び交う。ミヤマセセリも俊敏で、時々止まってくれる。しばらくして皆が到着する。お弁当を広げるが、私はすでにお腹の中、おやつを食べる。昨日の後に収穫したビワを配る。1人4個、冷えて美味しい。40分の休憩で元気を回復する。これから東峰へは多少のアップダウンですむ。集合写真を撮って東峰に向かう。


稜線はここち良い風が吹き、眺望も良い。北東に冠山、濃郷白山、そして蕎麦粒(ソムギ)山などの濃越国境、奥美濃の山々、北に金糞山などの湖北の山々、そして西には琵琶湖、余呉湖が望める。疲れも吹っ飛ぶ。足元には、ユキザサ、ギンリョウソウがある。ユキザサの葉は固く、ゆがいても美味しくいただけそうにない。アカモノも見られる。ホツツジは咲いていない。
竹生島と対岸の高島の山々東峰へ


軽いアップダウンを繰り返し、最後に登り切った先が東峰である。山頂から29分、360度のパノラマである。進む先には金糞岳、先に伊吹山の山頂が一部分ではあるが見える。
冠山、濃郷白山、そして蕎麦粒(ソムギ)山などの濃越国境、奥美濃の山々

東峰からは、いよいよ下りになる。すぐの所にサラサドウダンが美しい。最後に眺望を確かめながら下って行く。
サラサドウダン
 そのうち、気持ちの良いブナの原生林が現れ、ずっと続く。この後、長い急坂が続く。滑らない様に注意しながら下る。一旦は平地に出、さらに進むとブナの大木が根をむき出しに倒れている。特に大きい木が無残な姿を現している。

ブナ林の中を進み、金居原への分岐を過ぎると急な下りになる。眺望が開け、目の前にスギ林が現れるといよいよ林道が近い。登山道を右手に一気に下ると林道が見え、東峰登山口に着く。疲れは頂点である。私は、夜這いの水に寄り道する。顔と頭をざっと洗い、豊富な水を口に含む。冷たい水が、疲れた体に染み渡る。ここからは林道を歩く。ここから、白谷登山口へ戻る。途中、アサギマダラ、ミスジチョウ、ヒメウラナミジャノメを見ることができた。小屋でバス時間に合わせ、休みをとる。同じ道を杉野小学校バス停に出て、その後は電車を乗り継ぎ守山駅に無事戻った。

花々

   
ミヤマハコベ ギンリョウソウ ミツバフウロ ナルコユリ  コアジサイ
   
アカモノ ユキザサ サラサドウダン シライトソウ   ミヤマキケマン

チョウたち
   
アサギマダラ  サカハチチョウ  ヒメウラナミジャノメ クロアゲハ   ウスバシロチョウ
   
 イチモンジチョウ  ミヤマセセリ テングチョウ  ヒメキマダラセセリ  ミスジチョウ

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ルートマップ
国土地理院の地図を引用

作成日: 2018年6月5日