41)段ヶ峰 1103m : 2019年10月06日 関西百名山、2019年山の記録に戻る 、関西百名山に戻る
 段ヶ峰(だるがみね・だんがみね)は、兵庫県朝来市生野町栃原と宍粟市一宮町千町の境に位置する標高1103.41mの山である。播但国境に位置する生野高原にある草原状のなだらかな山容を持つ山として知られており、関西百名山、ふるさと兵庫50山にも指定されている。また、希少種でもあるイヌワシの西日本では数少ない生息地でもある。また、山頂には二等三角点が設置されている。市川と円山川の谷(=播但連絡道路やJR播但線の走るルート)の西側には千町ヶ峰、砥峰高原、峰山高原、生野高原の4つの高原地帯が連なる。その中で昔から播州高原といわれてきたのが、本頁で紹介している段ヶ峰からフトウガ峰にかけての生野高原である。生野高原は生野銀山で名高い生野町の西側にあって、フトウガ峰を合わせると、広さでは峰山高原とほぼ同じくらいになる。段ヶ峰は、この生野高原の最奥部に位置し、山頂は、笹等の草原が広がっている。この山頂からは氷ノ山や暁晴山、笠形山、千ヶ峰など、近隣の山々はもちろんのこと、はるか南方の六甲山までも見渡す事ができる故に、「山頂からの展望は特にすばらしい」と評されることもある。また山域は雪彦峰山県立自然公園にも指定され、そのなだらかな山容や四季折々の自然(特に秋のあたり一面にドウダンツツジが咲く頃)や風景などは、昭和30年代の中頃に、関西の登山愛好家に広く紹介されたのをきっかけに、これまで数多の登山愛好家を魅了してきた。標高が約1100mと高すぎず低すぎずであるということや、初心者向けコースも設定されていること等から、初心者も気軽に山を訪れている。 山頂までのコースは初心者向けの杉谷コースの他に、見晴らしのいい尾根道を行ったりや滝登りをしたりするなど、様々なルートが存在する。かつては、倉谷川の倉谷最高峰だった事から、倉谷山と呼ばれていたが、地形図作成時に近隣にある標高912mの山、達磨ヶ峰を誤記した事から、「だるがみね」の名前が付き、やがて一般化したと地元ではいわれている。
登山コース
ここでは、旧生野町のホームページに紹介されていたものを中心に複数のルートを紹介する。
@段ヶ峰縦走コース:このコースは播但連絡道路生野ランプからは車で凡そ5分の生野高原ゴルフ場を起点に、達磨ヶ峰とフトウガ峰を尾根づたいに歩き段ヶ峰山頂へ行く片道3時間程度の初心者向けコースである。このコースは、生野高原ゴルフ場(標高570m)を出ると、達磨ヶ峰山頂まで高低差約350mの急勾配の山道を登らねばならない。稜線上に上がりきり達磨ヶ峰山頂が近づいてくる辺りで、銀山湖、三国岳、千ヶ峰などが見渡せる位置になる。起点の生野高原ゴルフ場からこの尾根付近にかけては、過去には牛の放牧地であったこともあり、現在でもススキ等の草が多いのは、当時、頻繁に野焼きが行われていたからであるとされている。この達磨ヶ峰からフトウガ峰の間の区間には、2つの大きな起伏があり、それぞれのコブの頂上付近以外は、大半が雑木林であり、登山道はその中を歩く形になる。さて、達磨ヶ峰より、大凡20分程度歩を進めると、通称最低コルと呼ばれる鞍部に到達する。ここからフトウガ峰山頂までの区間の勾配はかなりきつい為、注意が必要である。急坂の区間を抜け、勾配も緩やかになり、周りに笹原が広がり、大岩がそこかしこに点在しはじめると、フトウガ峰山頂は間近である。フトウガ峰山頂を過ぎると間もなく杉谷コースと合流する。ここから先、段ヶ峰までの区間は、起伏もほとんどないなだらかな尾根道を進んでいく。このあたりの山肌は秋には紅葉で赤く染まる。さて、フトウガ峰を出て大凡40分程歩き続けると1本の大きな松の木が見えてくる。これが段ヶ峰山頂である。
A杉谷コース:杉谷コースはフトウガ峰山頂と町道を結ぶ最短のコースであり、フトウガ峰山頂付近で、段ヶ峰縦走コースから分岐し段ヶ峰から楽に下山するルートとして使われる事が多いという。初心者でも安全に歩くことのできるルートであるが、急勾配の杉林の中をジグザグに通っていくルートであるので、足元には十分な注意が必要である。
段ヶ峰ウインドファーム:かつて、段ヶ峰を中心とする山域には、風力発電所の建設が計画されていた。計画では、尾根上に高さ100〜130m、直径70〜88mの風車22基が並ぶことになり、建設されれば国内最大級の風力発電所になる予定であった。この風車建設予定地は達磨ヶ峰、フトウガ峰、段ヶ峰、奥段ヶ峰と続く兵庫の山の中でも特に人気の高い縦走コースに重なっていた。2000年代前半に行われた生体調査では、ここに絶滅危惧種であり、兵庫県はじめ西日本では個体数、繁殖数ともに減少し続けているイヌワシが飛来していることが分かり、更に近くにその巣があることも確認された。それ故、風車へのイヌワシの衝突を危惧する声が上がったこともある他、イヌワシは食物連鎖の頂点にある動物である事から、その構造物(建設・管理の為の道路なども含む)永らく形成・維持されてきた生態系の破壊につながる危険性を指摘する者もいた。 (ウイキペディアより)

守山駅(6:26)−JR尼崎−JR三田駅(8:15、8:25出発)−高速道−生野IC(9:30)−段ヶ峰生野登山口(9:40、9:50出発)−達磨ヶ峰913m(10:50)−915mピーク(11:20)−フトウガ峰1082m(12:15〜12:40)−フトウガ峰分岐(12:45)−段ヶ峰(13:20〜13:30)−フトウガ峰分岐(13:55〜14:00)−杉谷コース−杉谷出合(14:45)−登山口(14:55)−登山口(16:00、16:15出発)−神崎北IC(16:45)−神戸・三田IC(17:25)−JR三田駅(17:40)〜守山駅
   行動時間:6時間10分 歩行時間: 5時間35分、歩行距離:12.85q、累積登高:858m

JR三田駅に集合、生野の登山口に向かう。1時間15分で到着する。登りは縦走コースを選ぶ。出るときは多少青空があり、天気を期待したが、近ずくに連れ曇り空、登山口に着くころには降ったりやんだりの雨模様となった。カッパを着用、広葉樹林の中の、濡れたササが茂った道をかき分けながら登る。
背の高いススキの間を抜け高度を上げる。アカマツの木も確認できる。視界が開けるが、遠くは雲やガスに覆われている。

登山口の生野ゴルフ場が眼下に

所々でヒルが出てくる(私は雨具らスパッツにヒル2匹を自宅まで持ち帰り、足首を吸血された)。ススキの中を進むとやがて達磨ヶ峰に着く。

達磨ヶ峰
ここまで1時間、これからは稜線上の穏やかな縦走路を進む。ササ原、やがてアセビが茂り、クリの木もあって、小さいながらも実を拾うことができる。 気持ちの良い、樹林帯の中の道で、シダが茂った中から、スギ林の森になる。

縦走路を進む

最低コルに下る、前方はしか不良

最低コルに下り、急な道を登り切るササ原が広大な平原になる。ササ原を進むとフトウガ峰に着く。平坦な山頂で、山頂といった雰囲気ではない。視界は不良。風が強く、アセビの陰に隠れて昼食とする。

フトウガ峰、段ヶ峰方向は視界不良

短い昼食の後、ササ原の高原を進む。アセビが多い。晴れていれば素晴らしい展望が楽しめるところであるが仕方ない。ほんのしばらくでフトウガ峰分岐に着く。帰り道はこちらの尾根筋を下ることになる。ササ原を進み、菖蒲沢分岐を過ぎ、左方向に進む。なだらかな登りで、距離が稼げる。相変わらず視界がないが、雨がおさまっているだけで幸いだ。道には、センブリやリンドウ等が咲いている。山頂直前には、オトギリソウの黄色い花が目を引いた。フトウガ峰から40分で段ヶ峰の山頂に着いた。

段ヶ峰山頂

集合写真を撮った後、元来た道を引き返す。午後には回復するとの予報もむなしく、降ったりやんだりの天気が続く。フトウガ峰分岐まで戻り、小休止の後、杉谷コースに入る。しばらくは穏やかな広葉樹林帯、両側はアセビの低木がびっしり生えている。春には白い花で満開だろう。

アセビの道を杉谷へ向かう

やがて東方向に尾根筋の急な下りが続く。雨で足元は滑りやすく時には木に?まリながら慎重に下った。ジグザグに杉谷に向け下る。下った谷筋は、大きな岩があり、沢登りの道のコース表示が出てくる。赤い花がついた低い植生が一面に広がっている。
杉谷出合

それを見ながら谷筋をしばらく下れば林道に出る。
杉谷登山口

舗装道の道を4q強歩いて駐車場に戻った。道わきにはこの時期に咲く花と、オタカラコウを楽しむことができた。別荘地では、ギンモクセイ、アケビの赤い実などが目を引いた。林道歩きは1時間強、やっとの思いで駐車場に戻った。靴の泥を払い、雨具をしまい込み、JR三田駅に戻った。

         
 リンドウ  センブリ  オタカラコウ  アケボノソウ  オトギリソウ

行程マップ

(国土地理院の地図を引用)
(Google Earth より引用)

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作成日:2019年10月12日