22) 藤倉山〜鍋倉山」〜湯尾峠(福井県今庄) 643.5m :2020年4月3日 、ギフチョウ、カタクリ、春の花  
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 2016年以来になる。藤倉山と鍋倉山は、北国街道と北陸道が合流する山間の旧今庄宿の里山にあたる。この時期には、新羅神社と湯尾峠のカタクリ、山麓、尾根筋・稜線上のギフチョウが楽しめる。登山道には、カタクリのほか、タムシバ、スミレ、イワウチワが咲き、芽吹き始めたブナの原生林がある。山頂からは白山、荒島岳、能郷白山が展望できる。八十八ヶ所霊場からの下りはお地蔵さんが見守ってくれる。途中の展望は、日野川、356号線、JR北陸本線、北陸道の家並が楽しめる。  

守山駅(8:19)−近江塩津(9:33、9:37)−敦賀(9:50、9:53)−今庄駅(10:07、10:15出発)−正龍寺()−新羅神社上の道−燧ヶ城址道へ−燧ヶ城址(10:45〜10:50)−送電線鉄塔2系列(11:15)−山頂1.1qポイント−送電線鉄塔(11:47)−P602 (11:54)−藤倉山643.5m(12:07〜12:47)ー右折ポイント(13:01)・鍋倉山1.4qポイント−鍋倉山517m(13:44〜13:50)−送電線鉄塔・チョウ撮影(14:20〜23)−八十八ヶ所霊山 弘法寺(14:25)−湯尾峠(14:40〜14:45、湯尾城址)−湯尾峠登山口(14:50)−明治天皇行在所(旧本陣跡)(15:06)−今庄駅(15:13、15:47JR)〜長浜駅(16:53、16:57)〜守山駅(17:45) 
       歩行時間 : 4時間58分 (休憩時間を含む) 歩行距離:9.7q  累積登高:838m

 乗り合わせた4名が今庄駅に向かう。青春18きっぷの第3弾である。行きも帰りも1時間に1本の各駅停車利用になるため、この時間になった。予定時間通り、今庄駅に到着した。駅内の観光案内で簡単な山の案内をもらい、入れたての一番濃いコーヒを飲みながら歩く。駅前をまっすぐに進む。2016年には道にはカタクリと書いた旗が出ていたが、イノシシに食べられたか、ここ2〜3年は花は見る影もなく、旗も立っていない。すぐに左折し、正龍寺神社に入る。カタクリ、ヤマエンゴサク、イカリソウが見られる。新羅神社に向かう。新羅神社を下に、のカタクリ群生地を過ぎる。花は少ない。害よけの網の効果はまだまだ先のようである。途中、1匹のギフチョウがかすめていった。

落葉樹林帯の中を燧ヶ城址へ向かう。急な道のジグザグ道から、やや直線的な道に変わる。芽吹きも始まり、足元にイカリソウやシハイスミレ、タチツボスミレも見られる。しばらく登ると、見晴らしの良い城址に着く。今庄の町が見渡せる。快晴の天気、ここまで30分ほどである。
燧ヶ城址から今庄の風景

燧ヶ城址

汗がにじむ。先へ進む。越冬のヒオドシチョウが現れる。落ち葉で覆われた平坦な道が続く。少ないながら、ギフチョウが現れ、時にはテリ争いをする。余り撮影に固守することなく先に進む。

少し登った先で、網を持った採取者に出会う。声をかけると個体を見せてくれた。やや変種であるとのことだったが、普通種に近い気がした。先に進むが、追いつかれる。しばらく話した後、別れる。彼はここまでのようでさらに先には進んで来なかった。

しばらく歩き、下がったところが山頂まで70分のポイント、北陸電力の巡視路で、左手に急な坂が下っている。以前はカタクリが少し見られたが、クマザサが強くなったせいか、全く見えない。3人の待つ登山道に急いで戻る。急な坂が始まる。ギフチョウも良く飛び出し、止まったところで撮影をする。普通種ばかりである。平坦になれば蝶の数は多く、よく止まってくれる。周辺はすべて広葉樹林帯で明るい。足元はスミレが咲き、タムシバの白い花が目立つ。いずれも綺麗だ。送電線の2系列の鉄塔があり、広場になっている。見晴らしも良い。山頂まで1.1q38分表示を過ぎ、急な道を登った先が次の鉄塔で、左斜面が大きく伐採されている。低木のユズリハも多い。この後の登りでは、ブナ林が続く。緑はユズリハである。青空が映える。

ブナ林が続く

大きな幹回りの木も混在している。新芽はまだ先のようだ。この時期の登山は気持ちが良い。巡視路分岐が何回か現れ、最後に登りきれば山頂につく。
山頂にも広場があるが、見晴らしはなく、その前の鉄塔、反射板が設置されているところが絶好の場所になる。ここからの北東方向の眺めはすこぶる良い。白山、その横に荒島岳、少し右方向に能郷白山の山並みが続く。何度も撮影を繰り返す。昨年に登った経ヶ岳も見える。その奥が白山で、全山真っ白でひときわ目を引く。

白山、その横に荒島岳、少し右方向に能郷白山の山

山頂では、ヒオドシチョウが飛んでいる。ギフチョウは少ない。鉄塔の4つの足場のコンクリートの上でそれぞれが腰掛け、用意のカップ麺とコーヒを入れ、撮影をしながらの昼食タイムになる。40分ほどの休憩は素晴らしい景色を見ながらの贅沢なひと時だった。その後、記念撮影をして、鍋倉山に向かう。

山頂からは緩やかな下りで、少ないながらイワウチワが見られるが、まだ完全には開花していない。ササもあり、ギフチョウも相変わらず見られる。ギフチョウは、この先湯尾峠直前まで見ることができた。しばらくはブナ林の気持ちの良い稜線歩きが楽しめる。山頂からすぐに下の宮コースの分岐があらわれる。15分で、鍋倉山1.4q・右折ポイントにつき、ここからは一旦急な坂に変わる。岩混じりで、慎重に下る。ミツバツツジも少し見られる。右手の斜面には少ないながらミヤマカタバミが花を咲かせている。朝、電車で一緒だった2人の女性に出会い、イワウチワの群生地が綺麗だと告げられ、楽しみに先を進む。

やがて平坦な稜線を歩くことになる。時々、見晴らしが良くなる。鎌倉山への登り道、聞いた通り、イワウチワの群生に出会う。思っていた以上の群生で、いずれも旬で綺麗なピンクをしている。その後もしばらく続く。タムシバの花も綺麗だ。40分ほどの歩きで鍋倉山に着く。あまり変わり映えのしない山頂だが、眺望はきく。ここから、右手帰り方向に分岐が出ている。光明聖寺跡に行くことができる。

山頂からも同じような道が続く。まず、鉄塔部分で視界が広がる。たくさんお花を付けたタムシバ、マメザクラ、鮮やかなキノコ、話題に事欠かない。

先に 弘法寺の屋根が見えだすと、2系列の鉄塔が現れ、崖そばを左に巻いた形で登りになる。ふと足元を見ると交尾中のギフチョウを見つけた。急いで写真に収める。
交尾中のギフチョウ

タチツボスミレもかなりみられるところである。鍋倉山から20分ほどで八十八ヶ所霊山 弘法寺に着く。お地蔵さんがあり、古い雰囲気を感じさせる。トイレもあり、休憩に良いところである。


ここから先の道は、湯尾峠にまわる。目印とな岩屋不動明王から左手にとって、急な坂を下る。杉林を下りきれば湯尾峠に到着する。峠から右手に取れば今庄の宿場跡を通ってJR今庄駅に着く。

湯尾峠にある案内図

3人と別れ、1人でカタクリの撮影に向かう。この付近も群生地で、そのまま直進する格好で坂を上がる。行きついた先が湯尾城址にあたる。それまでの左右がカタクリの見られるところであるが、こちらも花の数が極端に少ない。シカの害であろうか。特に左手の崖にカタクリは見る影もない。しばらくうろうろとして、うす暗い道を今庄に向け下る。この峠は、昔の要所であった。JRのトンネルの上をまわる格好で右手に下って進むと先には、少しばかり花が見られる。カタクリに吸蜜するギフチョウを見つけ、カメラを向けるがチャンスを逃す。それでも、イワウチワに吸蜜する瞬間をとらえることができた。峠からはすぐに登山口に出る。林道が通じている。
イワウチワに吸蜜するギフチョウ

道脇にはムラサキケマン、ヒメシャガ、ヤマブキもあって最後まで楽しく歩ける。先に進むと八十八ヶ所霊山からの登山口に出る。更に町中を歩き、途中、 明治天皇行在所(旧本陣跡)に立ち寄り、満開のサクラを撮影し、駅に戻った。

明治天皇行在所(旧本陣跡)

渇いたのどを観光所で購入したコーヒーでのどを潤す。30分ほどの休憩を取って、1時間に1本の電車に乗り滋賀県に戻った。

   
カタクリ ミヤマカタバミ イワウチワ シハイスミレ マメザクラ
         
イカリソウ ヤマブキ クロモジ ヤマエンゴサク
         
   タチツボスミレ  タムシバ    

− 紹介−
@北国街道今庄宿
 今庄観光協会によれば、北国街道 今庄宿 について次のように書かれている。
 今庄宿は、古くから幾重にも重なる南条山地は北国街道・北陸道の難所であり、山中峠、木の芽峠、栃ノ木峠、湯尾峠のいずれかの山越えの道を選んで今庄に至り、京または江戸へ行き来する人々が宿泊した宿場町でである。今庄は、江戸時代を通じ宿場として越前でもっとも繁栄した。初代福井藩主 結城秀康は、北陸道を整備するにあたり今庄については重要な宿駅として計画的な町並みを造らせた。文化年間(1804年〜1818年)には、街道に沿って北から上町、観音町、中町、古町、新町の5町あり、その町並みは約1キロメートルに及び、家屋が櫛の歯のようにぎっしりと立て込んでいた。特に中町には、福井藩、加賀藩の本陣や脇本陣、問屋、そして多くの造り酒屋、旅籠が集まり、高札場もあった。北国街道は、江戸参勤には最短路であり、越前各藩は必ずと言っていよいほど、今庄宿を利用した。江戸時代中期以降は、商用や京への寺参り、伊勢参りなどの旅人の宿泊が急増し今庄宿は繁忙を極めた。
A現在の南越前町今庄
 南北方向に北陸本線(北陸トンネル)と国道365号が貫通している。また、敦賀市とは北陸自動車道と国道476号木ノ芽峠トンネルが通じている。北陸自動車道には今庄インターチェンジが設置されている。町内にある駅は、南今庄駅、今庄駅、湯尾駅である。日野川の最上流部になり、広野ダム、桝谷ダム、夜叉ヶ池がある。大野市、和泉村、福井市、勝山市、敦賀市に次いで県内自治体で6番目に広い面積であり、町村に限定すると和泉村に次いで県内2位である。(ウイキペディアより)

行程マップ

(国土地理院の地図を引用)


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作成日: 2020年4月6日