32)竜ヶ岳 1099.6m : 2020年5月24日(日) 2020年山の記録に戻る2020年花・鳥・その他に戻る
 竜ヶ岳(りゅうがたけ)は、三重県いなべ市と滋賀県東近江市の境にある標高1,099mの山。鈴鹿山脈中部に位置し、鈴鹿セブンマウンテンに選定されている。ホタガ谷付近を境にして北側が石灰岩、南側が花崗岩の山である。ホタガ谷は石灰岩質のため、谷の上部まで流水がある。石榑峠へ向かう表道登山道には、「重ね岩」と呼ばれる花崗岩の巨石がある。一部の斜面では風化が進んでいる。山容は女性的な穏やかな櫛形状である。山名の由来は、郷土資料の『員弁史談』によると、「昔この地の豪族が竜神を祀って雨乞祭をした故事によって竜ヶ岳と名付く」という雨を呼ぶ竜神にちなんだとされている。古くは雨乞いの山として登拝され、南側の山腹にはこれにちなんだ「白龍神社」がある。登山ルートは、三重県側の宇賀渓の登山口などから登山道が開設されている。宇賀渓系にはキャンプ場があり、魚止滝、長尾滝など多くの滝がある観光スポットになっている。ホタガ谷にはサンショウウオが生息し、山ヒルを見ることがある。
@裏道登山道(ホタガ谷) - 谷筋で急斜面を横切る危険箇所がある。
A中道登山道(ヨコ谷) - 谷筋は砂防堰堤の北側を巻くルートとなっていて、コンクリートの垂直な壁面に鉄柱の階段が設置されている。
B表道登山道(石榑峠への鈴鹿山脈の主稜線) - 竜ヶ岳への最短ルート。
B縦走路(治田峠からの鈴鹿山脈の主稜線) - 銚子岳と静ヶ岳へ分岐する枝道がある。
B遠足尾根 - 裏登山道の北側の尾根のバリエーションルート。 途中に青川峡方面の大鉢山へ向かうバリエーションルートの分岐がある。宇賀渓へ下る途中には、三等三角点(点名:大日向、標高696.17m)がある。
C金山尾根 - 裏登山道の南側の尾根のバリエーションルート。
 周辺に咲く花については、山頂部はクマザサに覆われていて、シロヤシオなどの樹木が点在する。周辺の登山道ではヤマツツジ、オヤマリンドウなどが多く見られ、山腹ではイワカガミ、タニウツギなどが見られる。 (ウイキペディアより引用)

シロヤシオの時期が来た。昨年は俗にいう裏年だった。今年は期待度が高く、山の報告をチェックしていた。どの報告も芳しいものでなく、特に山頂から見る羊は数が少ないらしい。我が目で確かめる昨年と同じコースで挑戦した。直近の天気予報もころころ変わり、快晴のはずが午前中は曇り空に変わった。石榑峠からの直登を変更し、谷筋から中道経由で竜ヶ岳山頂に行き、表道を下って峠に降りた。山頂はガスの中、下りの途中でやっと晴れ上がった。今年も何とか花が撮影できる程度だった。来年に期待。渓谷は水量も多く、滝や新緑を満喫することができた。

      自宅−守山駅−友人宅−奥永源寺道の駅(8:05、8:17出発、忘れ物8:23)−石樽峠(8:28)−小峠口(8:44)−砂山分岐(8:58)−長尾滝(9:07〜9:16)−中道分岐(9:25)−尾根筋への取付きポイント・休憩場所(10:18〜10:23)−ガレ場上部・展望箇所(11:08〜11:48、昼食)−竜ヶ岳山頂(12:13〜13:30)−稜線上平坦部(13:35)−重ね岩(13:09〜13:19)−石樽峠(13:58)−駐車場所(14:03)〜奥永源寺道の駅〜自宅

          行動時間 5時間47分、 歩行距離7.4km、累積登高836m

      守山駅でUさん、途中でTさん、Nさん をピックアップし、登山口の石墫峠へ向かう。八風街道(421号線)に入り、途中奥永源寺道の駅に立ち寄った後、新石墫トンネル前で旧道に入る。石墫峠まで、結構長い林道を走る。曇り空でガスがかり、引き返してくる車と林道で鉢合わせになる。石墫峠は車で一杯、行きついた先でU−ターン、300mくらい下ったところで何とか駐車する。三重県、滋賀県、その他の他府県が並ぶ。準備を整え出発するが、最初に撮影したところでメデイアなしのサイン、車のオーディオようのSDカードを抜き去る。このため、出発は5分遅れになった。三重県側の林道を先に進んだ。25分ほど進んだところに小峠口と書いた案内があり、その先には長尾滝、砂山の表示がある。ここからは谷に下り、谷筋に沿った道が続く。15分ほど歩いたところで、砂山の分岐が現れる。谷筋をさらに下る。水量が昨年より多い。谷筋の道は、滑りやすい岩の上を伝っての渡渉が何回かある。滑らにように気を付けて足を運ぶ。
何ヶ所か渡渉ポイントがある

コースは、踏み跡がしっかりとしていて随所にテープ表示がある。いなべ市の発行する竜ヶ岳の案内図には、数字でポイントが記載しており、コース上にもポイントの表示があって、これを確認しながら先を進んだ。危険な渡渉個所ではロープが張られ、安全対策がしてあるが、十分に気を付ける。 堰堤を回り込み、最後にほぼ垂直になったハシゴの階段を下った先が長尾滝である。4人ずれで、1人ずつ慎重に下りる。
滝は水量も多く、休むにはうってつけの場所になる。ただし、ヒルには気を付ける必要がある。ニアミスにあった。
滝へ下る鉄梯子

長尾滝

ここから先、上流からみて右岸を進む。さらに少し先で左側に渡り、最後に谷を渡った先が五階滝の表示に出る。メインから離れ、左手の谷筋に入る。 ここからが中道の道となる。こちらも谷の道である。しばらく進むとまた五階滝・駐車場の表示が出てくる。ここから、堰堤が何度も出てきて、その都度登山道が遮られる格好になる。そのため、堰堤にかけられた鉄ハシゴを登る、あるいは横にある急な崖のガレロープを利用して切り抜ける。一番高いところでは、鉄ハシゴが20段にもなる場所も出てくる。石がごろごろしており、足元に気を付ける必要がある。
20段の鉄ハシゴ

   随所で両手を使い、腕に力を入れる場所が出てきて、全身を使った登りの連続になった。そんな苦労の登りであったが、変化にとんだ渓谷や新緑を楽しみながらの歩きでもあった。この谷筋に入り、50分ほどで中道の尾根筋への取り付け点(表示)にやっと到着する。ここで休憩を取る。      このポイントから一旦戻るような格好で反時計回りに急坂を登る。尾根筋まではしばらくであるが、急な尾根筋が続く。ガスは晴れず、緑の中に真紅のヤマツツジが咲く中を高度を上げる。

山頂でちょうどお昼の時間帯で進んできたが、ガスが晴れず、風も強いことから昨年と同じガレ場の一番上のところで昼食を取ることにした。草地になっていて、崖向こうに石榑峠から三池岳への稜線が続く。ガスっている中で、時に薄日が差し、景色が見られる。天気が良ければ、鈴鹿山系の南の部分が一望できる。三池岳〜釈迦岳の稜線、その奥には国見岳〜御在所岳、その右手には雨乞岳〜綿向山の稜線となるところである。
昼食場所で、ここで40分の昼食時間を取る。持ち寄りのおやつやチーズを楽しむ。昼食場所から左手の崖上にはシロヤシオの木があって、少ないながら花を楽しむことができる。
   昼食の後、比較的穏やかな道を進む。しばらくで、右手の樹林帯の中に子供6匹を連れたシカの親子に出会う。距離もあり、こちらもじっとしているからいつまでもじっとして動かない。ガスもかかり、幾分安心感があるのだろう。

先に進み、樹林帯からクマザサの山頂への道になるとシロヤシオの咲くところに出る。何本かに1本は満開で、撮影をする。青空が見えず、映えない状態であるが、全体が真っ白であればと想像しながら鑑賞する。下山してくる登山客にも出会うが天気のせいか足早である。。シロヤシオがしばらく続くが花がないものが多く、今年もウラ年になったなと、ややがっかりしながら先を進む。
尾根筋を登り切った先は一面のクマザサになる。右手の谷向こうはシロヤシオの林が広がっているが、ガスがかかり全く確認できない。昨日のYAMAPの記録を見てもまばらな白のじょうたいであった。今年もさっぱりの様子である。山頂に到着した時にもガスは晴れず、幾分ましになったかと思うと、また白くなってしまった。20分ほど橋で粘ったが、あきらめて下山にかかる。
山頂写真   
   クマザサの中の平坦な道を南に向かう。雨はすぐに止んでくれるが、風は強く、吹き飛ばされそうになる。右手に点在するシロヤシオには花が見られない。しばらく歩けば、平坦なクマザサの道から、いよいよ石榑峠への急坂になる。足元は滑りやすく、余分な力が入る。木々の枝や幹につかまりながら、慎重に足場を確保する。ここはシロヤシオの花も幾分ましである。重ね岩から上の部分はシロヤシオのトンネルではあるが、ここでも満開の木は数が少ない。しかも花の大きさも寂しい限りである。
  シロヤシオ

   山頂を出発してから30分で重ね岩に着く。視界が開け、峠に止めた車を確認することができる。鈴鹿山系の眺望もよい。このあたりのシロヤシオの写真を撮ったり、 重ね岩に取り付いたりと少し時間を取って休憩する。
新緑にヤマツツジが美しい

重ね岩 
      ここから先には、ヤマツツジ、イワカガミ、ベニドウダン、マルバアオダモなどの花を楽しむことができる。泥まみれの道も、花崗岩の砂利混じりの道となって歩きやすくなる。重ね岩から30分弱で石榑峠に戻る。朝の車はほとんどなくなっていた。それぞれ登山靴の泥を払い、峠を後にする。途中、奥永源寺道の駅に立ち寄り、買い物をする。道の駅で2台の車は分かれ、我々2人は守山駅に向かった。皆さん、お疲れさま。

         
ニョイスミレ  イワカガミ  ツクバネウツギ  ベニドウダン  ジャケツイバラ
         
 オトコヨウゾメ  ニシキゴロモ      

行程MAP

(国土地理院の地図を引用)
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作成日:2020年5月27日