36)御在所岳1209m・鎌ヶ岳1161m : 2020年6月7日 2020年山の記録に戻る、2020年チョウのページに戻る、2020年花・鳥・その他に戻る @御在所岳(ございしょだけ)は、三重県三重郡菰野町と滋賀県東近江市の境にある標高1,212 mの山で、御在所山とも呼ばれる。鈴鹿国定公園の中に位置し、日本二百名山、関西百名山及び鈴鹿セブンマウンテンに選定されている。急峻な岩壁やツツジ科の花々が美しい、変化に富んだ山である。春にはツツジや桜、そして様々な植物、夏にはアカトンボ、秋には紅葉、冬には樹氷や冬山登山と、四季を通じて楽しむ山として最適であるが、一方では「藤内壁」(とうないへき)などの岩肌を有し、ロッククライミングの名所ともなっている。冬には藤内壁のアイスクライミングも楽しめる。三重県側の湯の山温泉から山頂直下まで御在所ロープウェイが通じている。広い山頂部は御在所スキー場となっており、そのリフトを利用して、一等三角点 のある西端の山頂まで行くことができる。 地形と地質だが、鈴鹿山脈は断層山脈である。このため三重県側から見た山脈の構造と滋賀県側から見た山の構造が著しく異なる。三重県側は切り立っており、そのため山稜の形もよく、各山からの眺望に優れている。御在所岳は花崗岩質が多く、太古に堆積した花崗岩が侵食により山肌に現れ、いろいろな形の巨岩・奇岩が見られるのが特徴である。中道登山道には「負ばれ岩」・「地蔵岩」・「立岩」、山頂付近には「大黒岩」と「富士見岩」、国見尾根には「天狗岩」と「ゆるぎ岩」がある。他に周辺には「石門」・「きのこ岩」・「鷹見岩」などがある。この地形を利用している生物がアキアカネである。このトンボは初夏に菰野や四日市などの水田、ため池、川などで羽化し、夏の日差しが強くなると、御在所岳へ暑さを避けて移動する。また、秋が近づき気温が下がると、下界に舞い戻り産卵するという特徴的な生態を示している。また、この鈴鹿山脈は多くの植物の南限としても有名で、ブナ・カラマツなども滋賀県側の登山道で見ることができる。このため南からの植物と北からの植物が入り乱れて咲いている。しかし、国定公園に指定されているにもかかわらず、近年、山野草を採取し持ち帰る者が多く、絶滅に近い植物も多く見られる。 登山ルートであるが、一般的には三重県側(菰野町側)から登る方が近鉄湯の山線、三重交通バスといった公共交通機関や湯の山温泉などの宿泊施設、観光施設が集積しているので便利(近鉄湯の山線湯の山温泉駅→三重交通バス)。表登山道(表道)、中登山道(中道)、裏登山道(裏道)、峠谷登山道、一ノ谷新道、武平峠コースなどの多くの登山道(登山ルート)がある 。そのほか裏道から分岐する藤内壁ルート(ロッククライミング)、藤内小屋から分岐して国見尾根を登るルートがあるが一般登山者には適していない。藤内壁は切り立った断崖であり、国見尾根ルートはガラ場を登るため落石が非常に多い。ロープウェイ利用以外では、国道477号の武平トンネル登山口からのルートが最短ルートである。片道だけ御在所ロープウェイなどを利用できるというのも三重県側からの利点である。その他に本谷などのバリエーションルートもある。湯の山温泉付近には、東海自然歩道がある。裏道と中道を結ぶバイパスの登山道が、新たに開設された。 ・御在所ロープウェイコース 御在所ロープウェイ湯の山温泉駅 - (約8分) - 山上公園駅 - 観光用リフト - 御在所岳(望湖台)、一般の観光客が利用する。 ・国見岳コース 湯の山温泉 - (蒼滝) - 日向小屋 - 藤内小屋 - 国見尾根(ゆらぎ岩・天狗岩) - 国見岳 - 国見峠 - 御在所岳山上公園 - 御在所岳 ・武平峠コース 武平トンネル登山口 - 武平峠 - 長者池 - 御在所岳 ・峠登山道 湯の山温泉 - 三滝川左岸 - 武平峠 - 長者池 - 御在所岳 ・表登山道 湯の山温泉 - 三滝川左岸 - 御在所岳山の家 - 山上公園 - 御在所岳 ・一ノ谷登山道 湯の山温泉 - 御在所岳山の家 - 鷹見岩 - キレット - 山上公園 - 御在所岳 ・中登山道 湯の山温泉 - (御在所岳山の家) - 負ばれ岩 - 地蔵岩 - キレット - 富士見岩 - 山上公園 - 御在所岳 ・裏登山道 湯の山温泉 - (蒼滝) - 日向小屋 - 藤内小屋 - 北谷左岸 - 富士見岩 - 国見峠 - 御在所岳山上公園 - 御在所岳 ・鈴鹿山脈縦走路 - 釈迦ヶ岳 - 根の平峠 - 国見岳 - 国見峠 - 御在所岳山上公園 - 御在所岳 - 長者池 - 武平峠 - 鎌ヶ岳 - 岳峠 - 水沢岳 - 、鈴鹿山脈には、主稜線に沿った縦走路がある。 A鎌ヶ岳(かまがたけ)は、三重県三重郡菰野町と滋賀県甲賀市にまたがる鈴鹿山脈南部の標高1,161mの山。鈴鹿国定公園内にあり、関西百名山及び鈴鹿セブンマウンテンのひとつに選定されている。山全体が花崗岩からなり、一部斜面では風化が進んでいる。鈴鹿山脈で最もアルペン的な山容の飛騨山脈の槍ヶ岳に似た鋭く尖った山容で、南側の水沢岳へと続く痩せ尾根は、鎌尾根と呼ばれている。「鈴鹿の槍ヶ岳やマッターホルン」と呼ばれることもある。三重県側の濃尾平野からや御在所ロープウェイからも、その三角錐の山容が望める。北側と南側からは均整のとれた三角形の山容で、東の一角から均整が崩れて湾曲した形に見えることが山名の由来とされている。別称が「冠ヶ嶽」。歴史であるが、古くは「冠峰」や「釜嶽」と呼ばれ、和歌や漢詩に詠まれていた。伊藤冠峰(いとうかんぽう、1717年(享保2年)-1787年(天明7年))の号「冠峰」は鎌ヶ岳の山名を意味し、鎌ヶ岳の鋭峰を詠んだ漢詩の石碑が御在所岳の山頂に建立されている。俳人の山口誓子が鎌ヶ岳を俳句に詠んで、その石碑が1961年(昭和36年)8月13日に御在所岳の山頂に建立された。 環境だが、ニホンカモシカが周辺の鈴鹿山脈の山域に生息、国の特別天然記念物の指定を受けている。北東斜面にはブナの天然林があり、「鎌ヶ岳ブナ原始林」が県の天然記念物の指定を受けている。山頂付近では、アカヤシオやシロヤシオ、ミツバツツジなどが多く見られ、山腹や谷筋ではシャクナゲ、山桜、イナモリソウ、イワカガミ、ショウジョウバカマ、バイカオウレン、ダイモンジソウなどが見られる。一部では、イワウチワ、イワザクラなども見られる。日本海側多雪型の植物のオオカニコウモリ、ハイイヌガヤ、ヒメモチなども分布している。 登山であるが、伊勢菰野藩の第10代藩主土方雄興が、「冠嶽記」の紀行文を残している。登山ルートであるが、多くの登山道が開設されている。 最短ルートは、武平峠からの鈴鹿山脈の主稜線のルートで、花崗岩の登山道は風化が進み溝状となっている箇所があり、山頂直下北側に急な岩場には鎖が設置されており、山頂直下の西側に新たに巻道となる迂回路が開設された。利用者が少ない、バリエーションルートもある。 ・鈴鹿山脈縦走路 国見岳 - 国見峠 - 御在所岳 - 武平峠 - 鎌ヶ岳 - 岳峠 - 水沢岳 -武平峠 湯の山温泉 - 御在所山ノ家 - 御在所岳表道分岐(覚明行者修行跡) - 武平峠 - 赤ガレ - 鎌ヶ岳 ・三ツ口谷 湯の山温泉 - 御在所山ノ家 - 三ツ口谷出合 - (大滝)- 武平峠出合 - 鎌ヶ岳 ・長石尾根 湯の山温泉 - 長石谷登山口 - 長石尾根 - 鎌ヶ岳 ・長石谷 湯の山温泉 - 長石谷登山口 - 犬星ノ滝 - 岳峠 - 鎌ヶ岳 ・馬の背尾根 湯の山温泉 - 三岳寺 - 馬の背尾根 - 雲母峰分岐 - カズラ谷分岐 - 岳峠 - 鎌ヶ岳 ・雲母峰(きららみね)からの稜線ルート 雲母峰 - 馬の背尾根分岐 - カズラ谷分岐 - 岳峠 - 鎌ヶ岳 ・カズラ谷 宮妻峡ヒュッテ - カズラ谷 - 岳峠 - 鎌ヶ岳尾川沿い(滋賀県側) (ウイキペディアより引用) 日曜日とあって、武平トンネルの駐車場はほぼ満車、三重県側でやっと場所を確保した。御在所岳を往復後、鎌ヶ岳に向かった。登山道は、サラサドウダンやベニドウダンが見頃だった。鎌ヶ岳からは長石尾根を下り、分岐から三ッ口谷へ下った。途中、崩壊地があり、大滝経由で迂回し三ッ口谷に合流した。途中出会った人の話では、崩壊地を注意深く通過したとのことだった。快晴に恵まれ、暑い中ではあったが尾根筋では涼しい風も吹いた。 自宅−公園駐車場(6:30出発)−コンビニ−477号線−旧鈴鹿スカイライン−武平峠三重県側駐車場(8:10、8:21出発)−武平峠(8:31)−展望岩場1000m(8:50)−山頂周辺舗装道(9:21)−御在所岳山頂1209m(9:30〜9:35)−展望岩場1212m(9:39〜9:55)−御在所岳山頂(10:00)−長者池八大竜王1160m(10:10)−舗装道終点下山口(10:14)−武平峠(10:50)−展望岩場1000m(11:30〜11:35)−鎌ヶ岳山頂1161m(11:50〜12:30、昼食)−長石尾根−三ツ口谷分岐(13:07)−大滝迂回道(13:29)−合流点(13:40)−三ツ口谷分岐(14:05)−駐車場(14:37、14:47出発)−1号線−自宅 歩行時間:6時間16分、歩行距離:7.5q、累積登高:909m 自宅近くの公園駐車場で3名と合流し、武平峠に向かう。順調に走り、武平トンネルを抜けた大きな駐車場の手前の道路わきの駐車場所に何とか駐車する。戻る格好で進み、トンネル前の右手から登山道に入る。急坂を武平峠まで歩く。鳥の声がするが名前はわからない。オオルリの写真を撮ったことがあった。15分ほどで峠に到着する。御在所岳を目指す。落葉樹のトンネルを歩く。深くなった登山道がしばらく続き、次第に岩が突き出たごつごつとした道になる。それに伴って南方向が一気に広がり、鎌ヶ岳とその奥に鈴鹿山系の切れたった稜線が目に付く。イワカガミはほとんどが花の時期を過ぎている。ガマズミの白い花や、その他の白い花が多くなる。たまにベニドウダンが見られる。青空に緑が美しい。展望岩場からはさらに素晴らしい景色が展開する。 山頂付近の舗装道まで、3か所ばかり岩場の絶好眺望ポイントがあり、鎌ヶ岳の鋭鋒を眺めることができる。時期が遅いが、5月の初旬〜中・下旬は、シロヤシオやアカヤシオが見られる。急な辛い坂を登っていき、次第に緩やかになり、一旦は下ると山頂に通じる舗装道に着く。峠から約50分くらいである。ですぐの長者池八大竜王は帰りに回し山頂を目指す。舗装道を進む。道端にはサラサドウダンが美しい花を咲かせている。表示に従い、山頂への階段を登る。山頂は、観光客が多く賑わっている。皆で記念写真を撮った後、先にある展望岩場に向かう。 御在所岳山頂 ここからの眺めは素晴らしい。目の前には雨乞山を挟んでイブネ〜クラシの高原が広がっている。鈴鹿の北方向の稜線も展開する。 御池岳〜竜ヶ岳 雨乞山を挟んでイブネ〜クラシの高原 長めの休憩を取り、眺望を楽しむ。山頂に引き返し、帰りは遊歩道を歩く。長者池八大竜王に立ち寄り舗装道の終点から、元来た道を下る。登りにはきずかなかった花やチョウなどを確認しながら下る。鎌ヶ岳の山頂、さらに南の稜線を再度眺めながらの下りになる。 峠に戻りと、何組かのグループが休んでいた。我々と同じく、両方の山頂を登る人が多い。 鎌ヶ岳に向かう。初めは緩やかだった道も次第に急坂になる。風化した花こう岩があり、歩きにくい。高度を上げるにしたがって視界が広がり、新緑が目に鮮やかだ。ヤマツツジの時期になっている。展望のきく岩場では、御在所岳が目の前に見える。左手には雨乞岳が続き、陰に隠れて見えなかった綿向山も見えるようになる。急な坂では、ロープや岩につかまりながら慎重に登る。ざらざらと風化した花こう岩で滑りやすい。そこそこの難所だ。展望所は2か所ほどあるが、大きなガレ場のところで、ヤギを連れてきている家族に出会う。ヤギを背景に御在所岳もおさめる。 ヤギを背景に御在所岳 ガレ場の道は今は通れなくなっており、右手に山腹を巻く格好に進む。こちらもサラサドウダンに加え、ベニドウダンが見られる。最後の一登りで山頂に着く。南側は、鎌尾根が続き、水沢岳から仙ヶ岳〜能登岳の稜線が一望できる。東には、伊勢湾が望まれ、工場群が目につく。 鎌ヶ岳から北縦走路 細長いが山頂スペースは結構ある。中心に祠が鎮座している。この祠、水沢の人たちが、石の祠(ほこら)に堅固な玉垣をめぐらし、 石鳥居まで建て伊勢の神を祭っていた。昭和28年の台風により南側の急斜面が大崩壊を起こし、 祠も鳥居も深い谷へ崩れ落ち、その代わりの祠だけが大岩のかげに祭られていた。その後、修復され写真のように回復された。5月3日は特別な日とあって、祠には刀が添えられ、お供えもあるそうだ。備えられていたお神酒は集落の方から登山者に振る舞われた。山頂直下の東側には、県の天然記念物指定の「鎌ヶ岳ブナ原始林」がある。このブナ林は、太平洋側の代表的な林となっているが、まっすぐな巨木の根元には、日本海側の多雪地植物のヒメモチ、ハイイヌガヤなども見られ、寒暖両地帯の植物が仲良く住み分けている珍しい植物相を見せているのだそうだ。前は南側で昼食を取ったが、今回は北側の岩場に入り込み、今行ってきた御在所岳を見ながら、昼時間とする。 左から綿向山〜雨乞山〜イブネ〜御在所岳 カップ麺、パン、コーヒを楽しむ。景色を眺めながらのランチタイムは格別だ。 さて、下山にかかるが、時間次第でどのコースにするか決めていなかったが、十分に早いので、三ツ口谷を下ることにしていた。過去には、ガレ場の中の途中から、この谷へ分岐する道があったが、現在は難しいので、一旦は山頂から出ている長石尾根を下り、途中から谷へ下るコースを取る。いきなりの急な下り、木や岩につかまりながら慎重に下る。しばらくで左手にガレ場の岩場が見られる。やがて細尾根だが普通の尾根道になる。遅いイワカガミも見られる。やがて穏やかな尾根筋になり、37分で、三ツ口谷への下りになる。 三ツ口谷分岐 下った先はやがて岩が張り出し、少々荒れ果てた谷筋で、歩く場所を確認しながら右岸、左岸と歩く。水量が豊富な時は一苦労だ。一旦は山腹を歩くことになるが、本来の三ツ谷は崩壊が著しく、大滝経由が安全だと表示が出てくる。尾根筋で出会った女性の2人は何とか通過したとのことだったが、登りと下りでは条件も違い、疲れも考慮して表示に従う。まき道は、これはこれで急な坂、谷筋にありるまで気が抜けなかった。途中、大滝らしき滝を横目に谷へ着く。 大滝 同じようなあららしい谷をしばらくで、本道と二股で合流する。ここからさらに25分頑張りがいる。 前面には、岩場が迫力ある姿を見せ、御在所ケーブルがちょうどすれ違っている。る。 赤いケーブルカーがすれ違う 表示が出て、回り込むような格好で駐車場に戻る。30分強、さすがに暑い。途中、ガードを越え、舗装道に出てしばらくで駐車場だ、登山以外にも、ドライブを楽しむ家族も多く、駐車場は一杯だった。 汗をぬぐい帰り支度をして出発した。
サラサドウダンの中を飛び交う二匹のヒオドシチョウ |