181)槍ヶ岳・岳沢 3180m 百名山 :2015年8月1日〜8月3日 日本三百名山に戻る、2015年山の記録に戻る、2015年チョウのページに戻る 槍ヶ岳は、飛騨山脈(北アルプス)南部にある標高3,180mの山である。山域は中部山岳国立公園に指定されており、日本で5番目に高い山である。長野県松本市・大町市・岐阜県高山市の境界にある。初登攀は中田又重郎と修行僧の播隆上人。日本百名山、新日本百名山及び花の百名山に選定されている。名前の如く天に槍を衝く形が特徴的な高山であり、その形から「日本のマッターホルン」とも言われる。登山者でにぎわい、穂高岳などと共に多くの登山者の憧れの的となっている。深田久弥は、『日本百名山』の中で『富士山と槍ヶ岳は、日本の山を代表する2つのタイプである。(中略)一生に一度は富士山に登りたいというのが庶民の願いであるように、いやしくも登山に興味を持ち始めた人で、まず槍ヶ岳の頂上に立ってみたいと願わない者はないだろう。すなわち、登山をしない者にとって日本を代表する山は富士山だが、登山を愛好する者にとってのそれは槍ヶ岳である』と述べている。開山者は、播隆上人(1786年 - 1840年)である。宗教目的以外での初登頂は1878年のウィリアム・ゴーランドで、1892年のウォルター・ウェストンがそれに続いた。そのピラミダルな山容にふさわしく、槍ヶ岳は四方に尾根と沢を伸ばしている。尾根は東西南北に、東鎌・西鎌・槍穂高・北鎌の四稜、沢は東南に槍沢、南西に飛騨沢(槍平)、北西に千丈沢、北東に天丈沢の四沢である。梓川源流部の槍沢上部標高2,500m付近の天狗原に、天狗池があり周辺は氷河公園と呼ばれている。周辺は圏谷(カール)地形となっている。山頂の狭い北端には、祠が設置されている。山頂からは、北アルプス、八ヶ岳、富士山、南アルプス、中央アルプス、御嶽山及び白山などの日本の標高の高い山をほとんど望むことができる絶好の展望台となっている。(ウイキペディアより) 8月1日 JR守山駅(21:30出発)−平湯温泉あかんだな駐車場(1:00、4:30出発)−(タクシー)ー上高地(5:10、6:00出発)−河童橋(6:10、6:25)−岳沢ヒュッテ(8:10〜8:10)−周辺お花畑他の散策&チョウ観察(8:10〜10:50)−河童橋(12:12)−ビジターセンター前(12:15〜1230、昼食)−徳沢(14:00)−横尾山荘(14:45) 行動時間:8時間45分(休憩時間含む) 歩行距離:約21q 守山駅で大阪、南彦根、栗東の4人と合流し、高山経由、平湯温泉のあかんだな駐車場に向かう。途中、SAに寄り翌8月1日の1時ころに到着。駐車場が開く3時ころまで車の列に並ぶ。駐車場で更に休み、階段を下りたところで待機するタクシー(定額料金6000円)を利用して上高地に向かう。上高地への規制解除が5時であるが、早めにゲートが開き、5時過ぎに到着する。すでに登山者で溢れていた。ベンチで朝食と山準備を済ませ、河童橋に行く。ここで全員の記念写真を撮る。この後、私は4人と別れ、チョウ観察のため岳沢へ向かう。対岸の明神へ向かう山道をしばらく歩くと、前穂岳への道が現れる。ほとんどの人は明神池へ向かう。樹林帯の中の木道を進み1時間ほどで大きな沢沿いに出る。ここからは沢を左手に進む。焼岳がしっかりと見える。小屋が近づいてくると花も目立ち始める。稜線が前に現れ、振り返れば上高地が見える。澄み切った青空が背景になって素晴らしい景色だ。時間が早くチョウはまだ見かけない。睡眠がほとんど取れなかったこともあって、足取りはイマイチであった。2時間程度で岳沢ヒュッテに着く。8時過ぎとはいえ、日差しが強く、汗が噴き出る。15分ほど更に登った急坂のお花畑や天狗沢周辺のお花畑を歩く。ベニヒカゲが多い。それに混じってクモマベニヒカゲが見られる。本命のタカネキマダラセセリは全く姿が見えない。子供連れの同じ目的の男性と話をする。友人から先週の日曜日には何とか観察できたことを聞きつけ、やってきたのだという。天気は申し分ない。時期が遅かったと判断せざるを得ない。それでも結構粘ったが、11時前には諦めた。来年は、7月20日頃に来る必要がありそうだ。天狗沢周辺のお花畑は広く、種類も多い。これほどの規模であるとは驚いた。花を目当てに、ここまでくる人も結構な数になっている。奥穂から下りてくる韓国人パーティともすれ違う。帰りは、沢沿いの花畑に入ってみる。ベニヒカゲ、ヒメシジミ(やや時期遅)やコヒョウモンなどを観察できた。下山の道は登ってくる人、下る人で結構賑やかだった。河童橋の手前で登りの際の撮影時に落としたタオルを無事回収する。橋を渡り、ビジターセンター前の木陰のベンチで昼食を取る。しばらく休み、10q先の横尾山荘まで、気力を振り絞り淡々と歩いた。山荘で残りの4人と合流した。4時にお風呂に入り、5時に夕食を取る。最近の小屋らしく、綺麗で食事もおいしかった。徹夜移動のせいか薬の力も借りて、ぐっすりと眠ることができた。
8月2日 横尾山荘(5:40)−一ノ股(6:30〜6:35)−二ノ股(6:45)− 槍沢ロッジ(7:11〜7:21)−槍沢雪渓(8:11〜8:21)−天狗原分岐(9:20〜9:25)−小刻みに小休止−槍ヶ岳山荘(11:52、13:20)−槍ヶ岳 (13:50〜14:15)−槍ヶ岳山荘(14:40) 5時の朝食を済ませ、5:40に出発する。梓川上流、二ノ股谷に続く渓流沿いを進む。ヤマジノホトトギス、ソバナ、ツリフネソウなどが見られる。途中、槍見岩があり、槍の先がちらりと見える。元気のいい2人が岩の上でポーズを取る。吊り橋を渡り、出発してから1時間30分で槍沢ロッジに到着する。清水でのどを潤し、甘いものを口にする。雲一つない青空だが、暑く汗で体がびっしょりだ。ここからは谷筋で、前方に雪渓が見える。次第に近づき、振り返ると蝶ヶ岳だろうか山容が迫る。雪渓の上で休みを取る。風はないが、幾分涼しい。谷方向は見下ろすと見ごたえのある風景が広がる。写真をも代わり代わるに撮る。大きなカーブの大曲を過ぎ、谷筋のごろごろした道を進む。次から次へと花が現れ目を楽しませてくれる。前方には大きな山容の中岳が控えている。小刻みに休みを入れながら、花の写真を撮りながらの登りである。傾斜も結構あり、結構つらい。天狗原分岐付近には、シナノキンバイの大群落とハクサンイチゲの大群落が入り混じり、白と黄色が何とも美しい。ミヤマダイコンソウ、イワギキョウ、ミヤマキンポウゲが見られる。ベニヒカゲが少ないながら飛んでいる。ジグザグのつらい岩場の道を進む。子供の方が元気そうだ。それにしても人が多い。登山道は長い列ができている。天狗原分岐からさらに2時間30分弱をかけやっと槍ヶ岳山荘に着く。槍ヶ岳の山頂は、なかなか見えなかったが、目の前に見えてからが結構時間を必要とする。槍ヶ岳山荘にはちょうどお昼時間に到着する。 お昼を食べ、ゆっくりとして体力の回復を待って、山頂に登る。山頂までは行列ができ、なかなか到着しないが、最後の梯子を登り切った途端、何も遮るもののない空間、360度の大パノラマが広がる。祠におまいりし、その前で全員の記念撮影となる。 以前通った縦走路や山々を確認しながら思いにふける。餓鬼岳〜燕岳〜大天井の表銀座縦走路、常念岳〜蝶ヶ岳の稜線、片や劔岳、立山連峰〜薬師岳に続く縦走路、黒部五郎岳も堂々の迫力、烏帽子〜野口五郎岳〜水晶岳〜鷲羽岳〜西鎌尾根の裏銀座縦走路、見飽きることのない素晴らしい眺望が開ける。同行の4人は今回が初めてのことで喜びもそれなりのものとなった。韓国からの登山客も多く、さすがは名高い槍ヶ岳のことはあるなと感心した。私は100名山踏破の最後がこの槍ヶ岳で2006年以来、10年ぶりになる。感激に浸りながら十分な時間山頂にいた。足場に気をつけながら山荘に戻った。夕暮れ時はガスがかかり、夕焼けは期待ほどではなかった。興奮冷めやらぬ中、7時過ぎには布団の中だった。
8月3日 槍ヶ岳山荘(6:10)−飛騨乗越(6:20)−小休止(7:20〜7:30)−槍平小屋(8:50〜9:07)−白出沢(11:36〜11:50)−奥穂高温泉ロープウエイ駅(13:20、13:30バス)−平湯温泉(14:00、14:05)ーバス(無料)−あかんだな駐車場(14:12) 朝食は5:00からだが、軽装でご来光を待つ。岩場の上で待つこと20分、槍ヶ岳山頂の右横から太陽が顔を出す。雲海から姿を現すその瞬間は感激ものだった。大喰岳が染まり、雪渓も美しい。その右手の乗鞍岳や御嶽も雲海にシルエットとして浮かびあがる。笠ヶ岳〜双六岳の稜線、黒部五郎岳、三俣蓮華〜鷲羽岳〜水晶岳に続く裏金座縦走路も昨日とはまた違った様子を見せる。5時を過ぎてから小屋に戻り朝食を取る。6時に出発する。飛騨乗越からは岩混じりの単調な下りだ。花は少なく、足元に気をつけながらの下りが続く。1時間ほどで樹林帯に入る。何組かのパーティや、単独の登山者とすれ違う。槍平小屋には2時間40分で着く。ほぼコースタイムである。ここでも冷たい清水で喉を潤す。ボトルの水を入れ替え、同じような樹林帯の中の道を下って行く。時には軽い登りも入る。更に白出沢まで2時間30分、大きな沢に出る。大水で岸が崩れたとかで改修修理の状態だった。工事用の人と車があって、登山者用の休憩所が設置されている。淡々と歩いてきたが結構長い。大休止を取る。ここの水はあまり冷たくなく、美味しさもイマイチだった。白出沢から奥穂高温泉まで砂利道の林道が更に1時間30分続く。予定を少々オーバーした時間で奥穂高温泉にたどり着く。タクシーはどこも予約が一杯で、バスを乗り継ぐことになったが、幸いほとんど待つことなく乗車できた。白出沢に出るまでの道ではアイノミドリシジミが、奥穂高温泉までの林道では、イチモンジチョウ、アサギマダラ、サカハチチョウなどが現れた。平湯温泉でも待つことなく、上高地からあかんだな駐車場行きのバスに乗ることができた。下山後は、奥飛騨温泉郷平湯温泉「ひらゆの森」で食事と温泉で疲れを癒し、お土産を買った。16:30には出発する。帰り道は280q強、3時間30分の行程だった。無事遠征を終了し、JR守山駅で解散した。好天に恵まれた山行だった。
チョウ関係
花々
槍ヶ岳・岳沢行程マップ(同行のF氏より拝借) (国土地理院の地図を引用) 日本三百名山に戻る、2015年山の記録に戻る、2015年チョウのページに戻る 作成日: 2015年8月10日 |