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2007年12月後半

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07.12.30 - 08.1.3 (sun - thu)
LACUNA COIL「WITHIN ME」イタリアのゴシックメタル07年来日記念EP。メランコリックなスローチューンのタイトル曲、国内未発表曲の"VIRTUAL ENVIRONMENT"、"CLOSER"のアコギVer、あとライヴ5曲という構成。未発表曲は、ヘヴィでタイトなリフに乗せてダークなメロディがゆったりと浮遊するゴシックっぽい楽曲。ライヴは素晴らしくタイトで、LOUDPARKの熱演が思い出されます。

GOTTHARD「THE CALL」スイスのメロディアスハード07年来日記念EP。超哀愁バラードのタイトル曲、ラジオ・エディットと、国内未発表曲"CAN'T BE THE REAL THING"という構成。未発表曲は、エッジのあるGtリフが躍動する軽快なシャッフル・ナンバーで、アルバムに入っていても遜色無い程度の、なかなかの出来映え。

VANISHING POINT「THE FOURTH SEASON」オーストラリアのメロディック・メタル07年作。重厚なGtリフにKeyの装飾を散りばめたアレンジは、STRATOVARIUS系のメロパワっぽい雰囲気があるんですが、曲調自体は疾走を抑えて、歌メロや構成で聴かせるKAMELOTやNOCTURNAL RITESっぽい印象。勿論そこまでのクオリティには到達していないと思いますが、悪くない出来。1曲目"EMBODIMENT"の高揚感と哀愁の交錯したメロディ展開などは秀逸。B!の点数を見て、どんな出来なのかと思ってましたが、あの点数は酷い。

KENNY MARKS「MAKE IT RIGHT」アメリカのCCMシンガー87年作。ポジティヴで爽やかなメロディを聴かせる、ポップで産業ロック的なAOR。数曲大味なR&Rチューンが収録されているのが個人的にはウザいんですが、ハートウォーミングなメロディが軽やかに流れる"HOLY EYES"、JOHN PARRを彷彿させる"NEVER BEEN A STRANGER"、BRYAN ADAMS的な熱い軽快ハードポップ"I'D DO IT ALL OVER AGAIN"等、出来の良い楽曲が揃っています。

TESLA「FIVE MAN ACOUSTICAL JAM」アメリカのブルーズHR90年作。アコースティックブームの嚆矢となった作品。僕はアコギバラードは嫌いな方なんですが、リラックスした中にも切ない哀感を潜ませた楽曲が何曲かあり、それは良い感じ。特に"PARADISE"は名曲。

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。色々な都合で殆どCDが買えなくなってしまい、去年はどこでも紹介されているようなCDの感想ばっかで、このサイトの存在意義が危うくなってしまいました・・・。今年はもうちょいワケの分からんCDの感想も書きたいな、と。

07.12.29 (sat)
LEAVES' EYES「VINLAND SAGA」元THEATRE OF TRAGEDYのLIV KRISTINEを擁するゴシックメタル05年作。今作はヴァイキングをテーマにしたコンセプト・アルバムのようですが、サウンド自体は前作とほぼ同様、WITHIN TEMPTATIONを彷彿とさせる、お手本のような女声ゴシックメタルです。ただ、今作ではトラッド/フォーク色がやや強くなり、アルバム全体の起伏がより明確になった印象で、メロディ自体の魅力もアップしているような気がします。悲哀に満ちた切ないメロディがドラマティックに舞うキラーチューン"ELEGY"、アコギメインのアレンジに優しい歌声が乗るトラッドなバラード"LEAVES' EYES"、繊細なトラッドチューン"ANKOMST"、ボートラにしておくのが勿体無いくらいサビメロが秀逸な"SENSES CAPTURE"等が強力な出来。

LEAVES' EYES「LEGEND LAND」06年のミニアルバムですが、僕が聴いたのは、07年に出た「VINLAND SAGA」とのカップリング盤。ほぼ前作と同じような雰囲気の作風なんですが、ややデス声のフィーチュア度が高まったようで、若干タフな面が強化されているような。普通はデス声が無くなっていく方向に走りがちですが、個人的には女声Voとデス声の絡みは好きなので、この方向性は歓迎です。タイトルトラックの"LEGEND LAND"とか最高に良いんですが、WITHIN TEMPTATIONの未発表曲と言われても全く気付かない程雰囲気が似てる・・・。

DOWN「OVER THE UNDER」元PANTERAのPHIL ANSELMO率いるヘヴィ・ロック07年作。ヘヴィなグルーヴが重々しくウネるヴィンテージ感溢れるHR。PHIL ANSELMOのVoも、荒々しい咆哮だけでなく、非常にエモーショナル。僕はあんまりこのテの楽曲を聴いた事はありませんが、SPIRITUAL BEGGARSなんかに近い雰囲気でしょうか。

07.12.25 - 28 (tue - fri)
LEAVES' EYES「LOVELORN」元THEATRE OF TRAGEDYのLIV KRISTINEを擁するゴシックメタル04年作。LIVの透き通ったスムーズな女声Voが、やや音圧が低いもののエッジの効いたメタリックなGtリフの骨格にシンフォニックなアレンジを施した楽曲に乗るというスタイルは、典型的な女声ゴシックメタルという感じで、WITHIN TEMPTATIONなんかに非常に近い雰囲気。なかなか良い感じではありますが、WITHIN TEMPATIONと比べると、歌メロの煽情力に欠けるような気も。

07.12.24 (mon)
LANA LANE「RED PLANET BOULEVARD」アメリカの女性シンガー07年作。企画モノ以外での最近の彼女のアルバムは、メタリックなアレンジを施したり、やや浮き気味なファストチューンをプレイしたりという部分が、どことなく強引な印象を受けていたんですが、この最新作ではやや趣が異なり、初期に通じるようなファンタジックかつメロディアスなメロディを、少しプログレハード的なアレンジで聴かせるという路線に回帰しているような。(ライナーの中でERIK NORLANDER自身も「LOVE IS AN ILLUSION」を彷彿させると語っています。)また、いつも足を引っ張っていたLANA LANE自身が作曲した楽曲も、今回はなかなかクオリティが高く、タイトなGtリフに憂いと幻想を帯びたメロディを乗せた"THE FROZEN SEA"、2ndのジャジーなムードを感じさせる"LAZY SUMMER DAY"、スケールの大きなメロディ展開を見せるスロー/ミドルの"NO TEARS LEFT"等、駄曲と呼べる程酷い曲は見当たりません。ERIK NORLANDERの書いたプログレハードチューンはいつも通りの冴えを見せており、特に強力なキラーチューンは無く、一聴したところ地味な印象を受けますが、アルバム全体の雰囲気は久々に僕好み。これは繰り返し聞く程に味が出そうな予感がしています。

ICED EARTH「FRAMING ARMAGEDDON-SOMETHING WICKED PART 1」元JUDAS PRIESTのTIM OWENSが加入して2作目となる、アメリカのパワーメタル07年作。前作を聴いてないので、コレがTIMのVoでのICED EARTH初体験となるんですが、予想通りドンピシャにハマってますね。メタリックで硬派な楽曲に、強力なTIMのVoが映えまくっています。ただ、肝心の楽曲が・・・。多彩なアレンジに彩られつつも、タイトなGtリフが構築するドラマティックなメタルチューンは、正に正統派HMの鑑とも呼ぶべき剛健さに溢れていますが、ややスリリングさに欠け、その流れるような構成のせいもあってか、いつの間にか耳を素通りしてしまっている部分も多いです。リリカルな序曲"REFLECTIONS"から、勇壮なメロディが突進する"TEN THOUSAND STRONG"への流れは非常に格好良いです。

SHAMAN「IMMORTAL」元ANGRAのANDRE MATOSが結成しながらも本人が脱退してしまい、Drが一人で新たにメンバーを集めて作り上げた07年作。オープニングの"RENOVATTI"が、オーケストラをフィーチュアしたクラシカルなインストだったので、やはりANGRAの路線を継承した楽曲が中心かと思ったんですが、一概にそうも言い切れないようです。楽曲のベースはメロディック・メタルに、気品のあるクラシカルなアレンジや民族的なフレーズを絡めていくという感じなんですが、ANGRA的な要素はそんなに強く出ていないんじゃないか?というのが正直な感想で、なかなかクオリティの高いメロディック・メタル作品と素直に捉えられる佳作になっていると思います。ちなみに、Voはかなりの実力者。何かブラジルのメタル・シンガーって妙にレベルが高いような・・・?

ANTHEM「S.T」日本のHMの85年1st。硬質なGtリフが、時にNWOBHM的な性急さでスピーディーに疾走し、時にACCEPTのようにミドルテンポで重厚に突き進む楽曲は、このデビュー作で相当格好良いです。

07.12.23 (sun)
GARY HUGHES「VERITAS」TENのVoのソロ07年作。ハードさやドラマティックさに焦点を置いた最近のTENに比べると、ソロ作の「PRECIOUS ONES」に近い柔和でVoオリエンテッドな作風になっており、ある程度の差別化がされています。路線的には、名盤1stに近いと言えるかもしれませんが、当然の事ながらあのクオリティには達していません。しかし、歌メロを聴かせるこの路線こそが、僕がGARY HUGHESに求めているものであり、どの楽曲にも、哀愁と仄かに漂う威厳に包まれた水準以上のメロディが感じられます。TENの1st収録の楽曲の趣が若干感じられる哀愁ミドル"SEE LOVE THROUGH MY EYES"、安っぽいシンセサウンドが郷愁を誘うマイルドな哀愁ポップチューン"I PRAY FOR YOU"、朗らかなメロディがキャッチーに躍動する"I KNOW IT'S TIME"などが良い感じ。GARY HUGHES、まだまだ才能は枯れていないようです。

SEBASTIAN BACH「ANGEL DOWN」元SKID ROWのVoのソロ07年作。硬質なGtリフと荒々しいスクリームをフィーチュアしたヘヴィなミドルテンポがアルバムの印象を決定付けており、個人的にはちょっと厳しい内容。アルバムの制作陣から連想するに、HALFORDの2ndのつまらない曲を集めたような雰囲気というか・・・。ただ、何曲かアルバム全体のトーンから浮いた楽曲があり、その出来が非常に良いというのが始末に悪い・・・。哀愁メロが軽やかに駆け抜けるメロハー的な"YOU DON'T UNDERSTAND"、SKID ROW時代を彷彿させるパワーバラード"BY YOUR SIDE"、DESMOND CHILDが最高の仕事をした感動的な哀愁バラード"FALLING INTO YOU"の3曲は素晴らしい出来。

07.12.17 - 22 (mon - sat)
BIFFY CLYRO「PUZZLE」UKロック07年作。UKロックっぽい繊細でメランコリックなGtフレーズ、エモっぽいハートウォーミングなメロディ、変拍子と凝ったGtリフといったプログレッシヴな展開などを取り込みつつも、全体的な印象はキャッチーなHRという雰囲気。形容の難しいサウンドですが、結構気に入りました。

07.12.16 (sun)
AIRTIME「LIBERTY MANIFEST」元TRIUMPHのRIK EMMETTが、VON GROOVEのMIKE SHOTTONと組んだ、カナダのHRプロジェクト07年作。この組み合わせだけで興味をそそられましたが、正にRIK EMMETTのキャリアを物語るような、期待通りの充実したアルバムに仕上がっています。フュージョンタッチのテクニカルなGtソロから躍動感のある展開に雪崩れ込む"EDGE OF YOUR MIND"は、TRIUMPH時代には無かった新境地で、彼等のアーティストとしての現役度合いの感じられる佳曲。一方で、繊細なアコギインスト"HEADSTREAM"から熱いパッションが漲った硬派なHRチューン"RIVER RUNS DEEP"への流れは、正にTRIUMPHでの入魂に一曲に匹敵するキラーチューン。メロハー的なキャッチーさが心地良い"FIND YOUR WAY"、ファンキーなブルーズHR"CODE 9"、JIM PETERIKと組んだ哀愁HR"RISE"、何故かANGRAを思い浮かべてしまった浮遊感のあるバラード"MOVING DAY"等、バラエティ豊かかつ確かなクオリティを備えた一枚。しかし、全曲最高!と言い切れない所もまたTRIUMPH的だったりもします・・・。

TRIUMPH「SURVEILLANCE」RIK EMMETT在籍でのラスト作にして、僕が一番好きなアルバムである87年作。前作もかなり好きですが、何と言っても冒頭の流れが格好良過ぎるので、僕はこちらに軍配を挙げました。咽び泣く都会的なフレーズのGtインスト"PROLOGUE:INTO THE FOREVER"から、勇ましくも哀愁を帯びたメロディが胸を打つミドルテンポ"NEVER SAY NEVER"へと流れ、そして彼等のファストチューンの中でも随一の格好良さを誇るGtリフが躍動するキラーチューン"HEADED FOR NOWHERE"が炸裂、という序盤の展開はマジで神。その後も、お得意のメロウなアコギインスト"ALL THE KINGS HORSES"に続くドラマティックな展開持つ"CARRY ON THE FLAME"、繊細でメランコリックなヴァースからポジティヴでキャッチーなメロディに展開する"ON AND ON"、ラストを締めるに相応しい哀愁メロディアスハード"RUNNING IN THE NIGHT"等、強力な楽曲が揃っています。しかし、中盤に少し弱い楽曲が散見されるのも、やっぱりTRIUMPH的。昔、初めてTRIUMPHを買う時に、三ノ宮のブルーベル・レコードの店長にオススメを聴いたら、「TRIUMPHは楽曲にバラつきがあるけど、どのアルバムにも必ずRIK EMMETT入魂の一曲があるので、全部買ってベストを自分で作ってください。」と言われたのを思い出します。で、結局全部買ってしまいましたが、その言葉に嘘は無かったです。

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