BOB CATLEY「LEGENDS」MAGNUMの
Voのソロ99年2nd。1stもメロハー史上に残る傑作でしたが、僕の中では、この2ndもそれに匹敵する評価。1stに満ちていた威厳と風格はやや欠
けていますが、それに替わって更に湿り気を帯びた哀愁メロが充満しています。緊張感と哀愁に満ちたアップテンポ"THE
PAIN"、リリカルなKeyフレーズから憂いを帯びたメロディまで、どこを聴いても哀愁だらけのミドル"SHELTER FROM THE
NIGHT"、威厳を感じさせる雄大なバラード"CARPE DIEM"、悲哀に満ちた慟哭のメロディが胸を抉る激情バラード"TENDER IS
THE NIGHT"、VINNY
BURNSのGtが躍動するスリリングなHRチューン"MEDUSA"、叙情的でキャッチーなサビメロの"HYDRA"、仄かな憂いを帯びつつも包容力の
あるメロディが暖かい"A BEAUTIFUL NIGHT FOR LOVE"、アンセム的なスケールの大きなサビメロを持つ"TOO
LATE"、タイトなGtリフで構築された威風堂々とした趣のミドル"THE
LIGHT"、神聖な趣すら感じさせる繊細かつ大らかなバラード"WHERE THE HEART IS"と、全編隙無し。これも傑作。
BOB CATLEY「MIDDLE EARTH」GARY
HUGHESとのコラボ最終作となった01年3rd。「指輪物語」をテーマにしたコンセプトアルバムになっています。方向性自体は前作までとほぼ同様なが
らも、より整合感を増した印象で、BOB CATLEYの声から滲み出る威厳と、GARY
HUGHESが生み出すファンタジックで憂いを帯びたメロディが、コンセプトと完璧に合致した見事な完成度を誇っています。実は出た当時は、どうもこの破
綻の無い整合感のせいか、前作までと比べてこじんまりとした淡白な印象を受けてしまっていたんですが、改めて聴いてみると、やっぱこれも良いアルバムだな
と再認識したのでした。特に新境地とも言える爽やかに躍動するKeyフレーズと歌メロが印象的な"CITY WALLS"、GARY
HUGHES流哀愁チューンの集大成とも言える"WHERE YOU LEAD I'LL FOLLOW〜STORMCROW AND
PILGRIM"、これもお得意のスリリングなHRチューン"THIS GALLANT BAND OF MANIC
STRANGERS"等は秀逸な出来映え。このコンビの締め括りに相応しい総決算的な一枚と言えるでしょうか。
URGENT「CAST THE FIRST STONE」カ
ナダのメロディアスハード84年1st。
印象的なKeyリフの哀愁アップテンポ"RUNNING BACK
"は、サビはタイトルを連呼するだけの単純なものですがブリッジからの流れが良くてとても格好良い曲。間奏はコンパクトにまとまった泣きのGtソロ。続い
てもKeyリフが非常に格好良いアップテンポ"SAY GOODBYE"。ヴァースの哀愁メロが良い!。底抜けに爽快なアップテンポ"CAST THE
FIRST STONE"は、Gtソロも爽快。
"LOVE CAN MAKE YOU
CRY"は、とても静かな美しいバラード。薄いヴェールのようなKeyに包まれて終始穏やかな曲。リズミックなミドルテンポ"PAY
UP"は、今一つのメロディ。"LOVE HIM OR LEAVE HIM"は、コーラスが元気で爽快なアップテンポ。
"DEDICATED TO LOVE"は、哀愁のギターリフが格好良いアップテンポで、初期BON
JOVIの哀愁曲という感じ。哀しいメロディのピアノバラード"ONLY YOU"は、泣きのGtソロが秀逸で、終盤はドラマチックに盛り上がります。
"SO THIS IS
PARADISE"は、どっしりとした哀愁メロのミドルテンポで、哀愁系アメリカンハード的楽曲。"TELL THE
BOYS,NO"は、R&Rノリのアップテンポ。ラストはまたも"RUNNING
BACK"ですが、アレンジ違い。恐らく2ndに収録されたヴァージョン。
BURRN!の「いにしえのメロディック・ロック特集」に「2ndでメロディの質が落ちた」と書かれていて、その時2nd
しか持ってなかった僕は、「2ndも結構良いのに・・・」と思ってたんですが、この名盤1stを聴いた後には納得してしまったのでした。
DAVID MEECE「7」アメリカの
CCMシンガーの85年作。彼の作品の中で最も産業度が高い一枚。もちろんメロは繊細でメロウ。哀愁系の曲が多いのも僕好みです。
荘厳で賛美歌チックなKeyイントロから始まる哀愁産業チューン"YOU CAN
GO"は、郷愁を誘う切なげな歌メロ&Keyがたまらないキラーチューン。中間部でコーラスが入ってグッと盛り上がるパートのメロもバッチリです。
"TUMBLIN'
DOWN"は、鋭い切れ込みのGtと重厚なKeyアレンジのド産業哀愁アップテンポ。歌メロも最高に格好良い!大仰で感動的なバラード
"FORGIVEN"は、熱いGtソロでエンディングを迎えます。
"THE
LADDER"は、爽やかなミドル。優しげなVoや繊細なKeyアレンジですが、Drのアタックの強さが楽曲をタイトにしてます。"THE
ALIEN"は、キラキラした切ないKeyと渋いサックスで始まる哀愁ミドル。隙間の多いアレンジで、これはAORって感じです。
"WE CAN OVERCOME IT
ALL"は、厚みのあるアレンジの産業曲。ヴァース〜ブリッジの歌メロ展開がSURVIVORを思わせます。"THE UNKNOWN
SOLDIER"は、優しげなメロディのポップな曲。サビではきれいな女性コーラスが入ってきます。
"LEAN ON EACH
OTHER"は、緊張感のある歯切れの良いAORハード。どっしりとしたタイトなリズム。ラストの"I CAN
SEE"は、締めに相応しい、強烈に美しく哀しいバラード。繊細な歌メロとストリングスとピアノが絡み合いながら劇的に盛り上がっていきます。
ICON「NIGHT OF THE CRIME」ア
メリカのメロディアスハード85年作で、Keyを大胆に導入した2nd。1stのエッジのある格好良いHRも良いですが、メロディの充実度という点では文
句無しでこのアルバムの方が好き。音楽性の変化の過程で産まれた好盤。
キラキラしたキーボードで始まる哀愁ハードポップ"NAKED
EYES"は、軽いGtをバックにしっとりと歌い上げるヴァースからバンドが入って盛り上がるコーラス。コンパクトにまとまった泣きのGtソロという展
開。"MISSING"は、1曲目と似たような展開の湿った哀愁メロのミドル。"DANGER
CALLING"は、ややハードなGtリフのメロハー。この曲も哀愁系で随所に泣きのギターフレーズ。
"(TAKE ANOTHER)SHOT AT MY
HEART"は、細かく刻むリフの爽快系アップテンポ。仄かな哀愁のあるキャッチーなサビメロが格好良い。"OUT FOR
BLOOD"は、アコギと泣きのGtの絡みに勇壮なKeyが入ってくるドラマチックなイントロに続き、激しくリフを刻むGtリフへの展開が格好良い!
1stの"UNDER THE GUN"を彷彿させるHRチューン。
"RAISE THE
HAMMER"は、リフオリエンテッドで重厚なミドルテンポ。ゆっくりと行進するようなリズムに乗せて重々しく歌われるヴァースが格好良い。
"FROZEN TEARS"は、割と淡泊なメロディのスロー。"THE WHITES OF THEIR
EYES"は、大味なGtのアメリカンハードな曲。哀愁のメロと泣きのGtで濃厚に聴かせてきたここまでの流れからするとちょっと異質。
"HUNGRY FOR
LOVE"は、穏やかなKeyとアコギに乗せてしっとりと歌い上げるイントロからGtリフへと展開する哀愁ミドル。"ROCK MY
RADIO"は、サビのコーラスがアンセム的なミドル。ライヴでシンガロングしたら盛り上がりそうな曲。
KHARMA「WONDERLAND」ア
メリカのメロディアスハード00年作。往年の産業ロック/プログレハードの美味しいトコどりに北欧フレーバーを加えた楽曲をGORAN
EDMANがソウルフルに歌い上げる逸品。コーラスも随所に凝ったアレンジをしています。
キャッチーで爽快なアップテンポ"FREE
YOURSELF"は、割とストレートな楽曲。タイトルトラックの"WONDERLAND"は、ミドルテンポのSTYX風プログレハード。結構起伏のある
展開で聴き応えアリ。何重にも重ねられたコーラスが気持ち良い。"KNOWING
YOU"は、爽快メロのサビメロに気持ち良いコーラスがこれでもかというほどに絡んで高揚感をアップさせる楽曲。"BURN
FOREVER"は、哀愁メロのバラード。優雅なサビメロが秀逸でソウルフルな歌唱が映える1曲。悲哀を湛えたピアノソロ〜アコギソロも最高。
"IN
CHAINS"は、北欧臭を感じさせるヴァース〜ブリッジの哀愁メロが素晴らしい産業ナンバー。イントロのキーボードがいきなり胸を打つ。
"STANDING ALONE"は、哀愁メロハー風に始まってサビでいきなり爽快になるミドル。"PART TIME
LOVERS"は、アコギに乗せてソウルフルに歌い上げるスロー。サビの歌い回しなんかはグレン・ヒューズばり。ハモンドのソロも良い感じ。"ANGEL
EYES"は、どことなくYNGWIE MALMSTEENを思わせる哀愁劇的バラード。終盤大仰に盛り上がっていきます。
"RAY OF
SUNSHINE"は、モロKANSAS的な展開を見せるプログレハード。ピアノに乗せて軽やかなヴァース〜突如疾走する哀愁メロディ〜爽快なコーラス〜
フルートを交えたドラマチックなソロパートといった感じ。ちょっとこれは露骨かな・・・。次はFOREIGNER風の"SPELL ON
YOU"。冷ややかなキーボードに哀愁の歌メロ。サビメロがめちゃ好き。"DON'T CLOSE YOUR
EYES"は、北欧風哀愁メロディの産業ロック。Gtソロが格好良いです。
"HOLD
ON"は、またしても北欧風メロディ・・・というかこの人が歌ってるとそう聞こえてしまうのか?な産業ロック。ヴァース〜サビにかけてのコーラスが気持ち
良いです。"WINGS OF
HISTORY"は、静謐なKeyに乗せて歌われるホーリィなヴァースメロから壮大で感動的なメロのコーラスへ。徐々にバンドが入ってきて盛り上がってい
き、また最初の感じに戻って幕を閉じます。"COLD AS ICE"は、アーバンAORなメロディのアップテンポのシャッフルナンバー。
THE REACH「UNDER THE SAME SKY」IN
REACHの前身でもある、アメリカのCCM89年作。DAVID
ZAFFIROプロデュース。クリアトーンのギターを軸にした繊細で透明感のあるアレンジ。Voは柔和な感じでスムースに哀愁メロディを歌い上げます。
"VOGUE"大味なギターであっけらかんとしたメロディのミドルで、何故か1曲目が一番退屈。ツカミが相当悪い。
"RIGHTFUL ONE"は、繊細なクリアトーンのGtが切ないメロを奏でる哀愁AORハード。透明感のあるハモリが美しいコーラス。"BIG
TIME"は、朗らかでコンパクトにまとまったAORハード。"1 LUFTHGIR"は、"RIGHTFUL
ONE"のサビメロをただ単に巻き戻しただけという意味不明な小品。
タイトルトラックの"UNDER THE SAME
SKY"は、クリアトーンのGtとアコギが絡む軽いアレンジに乗せて哀愁メロを優しげに歌うミドル。"TONIGHT"は、比較的ヘヴィなGtリフに切な
いクリアトーンGtと柔和な歌メロが乗る哀愁ミドル。
繊細なハーモニーが美しい。"B-4-1-GO"は、泣きのGtフレーズをフィーチュアした緩やかな曲。リリカルなクリア
トーンGtがアクセントになってます。"YOU ARE THE
LIGHT"は、重厚なKeyと緊張感のある哀愁メロのヴァースから開放感のあるコーラスに展開するアップテンポ。"1000
CANDLES"は、小気味よいギターリフの爽快アップテンポ。
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