33)仙丈岳3033m : 2019年8月8日 2019年山の記録に戻る、2019年チョウのページに戻る 、2019年花・鳥・その他に戻る 仙丈ヶ岳または仙丈岳(せんじょうがたけ・せんじょうだけ)は、長野県伊那市と山梨県南アルプス市にまたがる南アルプス国立公園内の赤石山脈の北部にある標高3,033 mの山である。 北東に小仙丈岳、南西に大仙丈岳の小ピークを従え、さらに大仙丈岳の南側には、南アルプス中部の塩見岳に至る長大な仙塩尾根が連なっている。また、尾根の間には、東側に小仙丈沢カール、北側に藪沢カール、南東側に大仙丈沢カールと三つのカール(圏谷)を擁し、山容は比較的穏やかであるが、西面は急峻で岳沢が沢登りや冬季の氷瀑登攀の対象となっている。高山植物の非常に豊富な山として知られている。男性的な山容の甲斐駒ヶ岳に比べて女性的ななだらかな山容から「南アルプスの女王」とも称されることがある。日本百名山、新日本百名山、花の百名山、新・花の百名山、山梨百名山、信州百名山に選定されている。山体は赤石層群の硬砂岩・粘板岩・チャートで構成されている。山名の由来信州側で古くは甲斐駒ヶ岳の前衛峰として「前岳」と呼ばれていた。『甲斐国志』や『新撰甲斐国地誌略』などでは、「千丈ヶ岳」と記載されている。「丈」とは長さの単位であり、「仙丈ヶ岳」という山名は、この山が高いことを比喩的に表したものだと考えられる。1丈の長さは約3.0303mであり、仙丈ヶ岳の標高を丈を単位として表すと約1000.79丈となる。頂上部のカールの広さの千畳から転じたものであるとする説もある。 登山ルートであるが、北沢峠までの交通の便がよく、東京方面からは1泊2日でも登頂可能である。多くの登山道が整備されており、日本の3,000 m峰の中では登頂しやすい山である。毎年7月初旬にメインの登山口の北沢峠で「南アルプス北部開山祭」と「長衛祭」が行われている。 @小仙丈尾根 - 北沢峠からの稜線ルートで、展望がよく利用者が多い。五合目の大滝ノ頭から薮沢へトラバースする枝道がある。 A仙塩尾根 - 南アルプスの縦走路で、山頂から大仙丈ヶ岳を経て塩見岳へ続く稜線ルート。 B藪沢ルート - 大平山荘からの薮沢に沿ったルートで、馬の背からの稜線に合流する。 C丹渓新道 - 戸台川の廃業した丹渓山荘からの北側の稜線ルート。 D地蔵尾根 - 西側の市野瀬からの地蔵尾根のルートがあるが、登山者は極めて少ない。 仙流荘(5:00朝食、5:40出発)−戸台バスセンター(5:45、6:05バス)−北沢峠(6:55、7:00出発)−4合目(8:14)−大滝ノ頭5合目(8:35〜8:40)−小仙丈岳2855m(9:43〜9:53)−仙丈岳3032.6m(10:36〜11:25)−仙丈小屋(11:50〜12:00)−藪沢コース分岐(12:25)−馬の背ヒュッテ(12:40)−谷筋出合い・大平小屋分岐(12:48)−大滝ノ頭(13:29〜13:34)−北沢峠(14:20、14:25臨時バス)−戸台バスセンター(15:10、15:25出発)〜高遠温泉さくらの湯(15:50〜16:45)〜守山駅 行動時間:7時間30分、 移動距離:9.5q、 累積登高:1216m 前日の宝剣岳と三ノ沢岳の歩きを終え、仙流荘に宿泊した。北沢峠のこもれび山荘に入れば、出発も早く余裕があるのが分かっていたが、温泉と食事には勝てなかった。朝のバスは6:05で、仙流荘は5:00からの朝食を準備してくれる。1人なら4:40まではゆっくりとするところだが、4:00きっかりに鶴の一声で準備にかかる。豪華な朝食でお腹をいっぱいにし、予定通り隣のバスセンターから乗車する。駐車場は従来の先にさらに整備された大きな場所が確保されている。2台目のバスに乗り込み、運転手の説明を聞きながら北沢峠に到着する。 準備を整え、樹林帯の中を進む。最初の小ピークまで30分ほどでそこそこの登りであるが、順調に高度を上げる。シラビソやコメツガの針葉樹林の中のつづら折りが続く。展望がなく、昨日の眺望や岩場歩きを話しながらもくもくと歩く。少し見晴らしの利くところからは栗沢山からアサヨ峰の稜線が見られる。すぐに4合目表示に出る、見通しはなく、シラビソの中である。登りが続き、やや平坦となった先が5合目になる大滝ノ頭である。藪沢コースへの分岐である。当初は同じ道の往復を考えていたが、仙丈小屋から藪沢コースを取り、沢筋で大平山荘への沢道を離れ、この大滝ノ頭に戻った。花も多く、涼しげな道で、変更は大正解だった。大滝ノ頭で小休止し、先に進む。左手の山腹にはマルバダケブキの群落があり少し癒される。間もなく、尾根筋の急な坂が続く。ダケカンバの樹林帯が続く。約1時間かかって小千丈岳に着く。ハイマツが続き、一気に展望が開ける。2人が先行し、後続の2人を待って休憩をとる。前方の仙丈ヶ岳、その前に広がるカール、振り返れば鋸岳〜甲斐駒ヶ岳〜アサヨ峰、さらに続く鳳凰三山、北岳とその稜線の上に富士山が望める。八ヶ岳も見慣れた山容だ。中央アルプスから北アルプスも雲がかかり始めたくらいではっきりと見える。 鳳凰3山〜北岳、その間に富士山 鋸岳〜甲斐駒ヶ岳〜アサヨ峰〜鳳凰三山、左手後方は八ヶ岳連峰、甲斐駒の右は金峰山、瑞牆山、乾徳山、甲武信ヶ岳方面 富士山〜北岳〜間ノ岳〜農鳥岳(白根3山) 小仙丈ヶ岳、後方は仙丈カールと仙丈ヶ岳 中央アルプスから北アルプスの眺望、この時間では穂高から槍がはっきりと見える 小仙丈岳からはほんのしばらく緩やかな道で、ここからお花畑も現れる。4人そろっての出発になったが、つかず離れずから次第に山頂に近ずくころには距離も広がる。最後の登りはそれぞれのペースで思い思いに歩いた。カールを巻き込む形で緩やかな登りが続き、小仙丈岳から45分弱で山頂に着いた。一番乗りでしばらくは360度の大パノラマを楽しんだ。大仙丈ヶ岳からはるか塩見岳に続く縦走路が見渡せる。ずいぶん前に歩いた行程を思い出した。北岳〜間ノ岳〜農鳥岳につずく3000mの稜線は迫力満点である。北岳の横に富士山が裾野を広げる。北アルプスもこの時間では雲がかかっているが遠くに見られる。昨日の中央アルプスも目の前だ。本当にすばらしい景色である。岩の間にはミヤママンネングサが咲いている。チシマギキョウ、イワベンケイ、イワツメグサ、ミヤマミミナグサ、イワウメも新鮮だ。 仙丈ヶ岳山頂 大仙丈ヶ岳からへて塩見岳へ縦走路が続く ョウはヒオドシチョウ、キアゲハが盛んに飛び回る。記念写真とお腹を満たし、仙丈小屋に下りる。下りにも花を楽しむことができる。コゴメグサ、ミヤマダイコンソウの度が多い。地蔵尾根の分岐を別け、仙丈小屋に向かう。 尾根分岐、奥には中央アルプスの大きな山容 下った先にはミヤマシシウドの群落がある。 仙丈小屋で長めの休憩を取る。同行者がコーラを購入、おいしそうな様子で私も購入する。冷たくてとてもおいしい。小屋からのカールは迫力満点だ。小屋の受付で下山を確認する。元の小仙丈ヶ岳へは山腹を登らなければならない。藪沢コースは下りで、馬の背ヒュッテから谷筋出合いから大平小屋の藪沢コースに出るか、そのまま山腹を大滝ノ頭に出るかであるが、どちらも特に問題はないという。大平小屋からの北沢峠への登りを避け、大滝の頭に出て元の道を取ることにした。谷筋の花が咲く道を下る。こちらを取る登山客がほとんどだ。岩がごろごろしているが、特に歩きにくいわけでない。やがてハイマツの尾根筋に出て緩やかな道を進む。.振り返れば藪沢カールが一層大きく見える。 藪沢カールと仙丈小屋 尾根筋から次第に山腹を歩く格好で高度を下げる。花は多く、お花畑は網で保護されていて、その中を歩く。分岐を経て谷筋への下りと続く。マルバダケブキの群落があってなかなか良い雰囲気が感じられる。 マルバダケブキの咲く道、馬の背ヒュッテはすぐだ こちらのコースもなかなかに素晴らしい。期待のチョウも多く、クモマベニヒカゲが複数飛びかう。花や道端の岩に止まってくれる。クジャクチョウはマルバダケブキで吸蜜し、絶好にショットになる。しばらくで馬の背ヒュッテで、仙丈小屋から約40分である。さらに花を楽しみながら下ること10分弱で大平小屋への分岐が続く。大滝ノ頭への道の踏み跡が多い格好だ。沢はそこそこ大きく、冷たい水で顔を洗う。グンナイフウロが多い。沢を渡り、ほぼ水平な山腹を歩く。 大平小屋への分岐のある沢出合い 多少のアップダウンがあるが、比較的涼しい道がつずく。大滝ノ頭までの道はいろいろな花が多く、3人が先に進む格好である。もダイモンジソウ、トリカブト、トリアシショウマその他の花が多い。皆、快調のペースである。沢の水音も涼しさを感じさせる。 針葉樹林を歩き、谷筋出合いから40分で5合目の大滝ノ頭に戻った。ここからは急な道が続くが、一歩一歩気を付けて歩く。ペースは順調、途中、2度の登り返しをこなし、予定よりやや早めの14:20に北沢峠に戻った。バスの待合はちょうど人数に近く、ほとんど待つことなく臨時のバスが出た。バスではまた違った案内があり、これを聞きながらバスセンターに戻った。今日はコース中、見晴らしも良く青空いっぱいの1日だった。車は帰り支度を済ませており、汗を流す高遠温泉さくらの湯に向かった。ゆっくりと汗を流し、休憩所で蕎麦とアイスクリームでお腹を満たした。帰りでは、途中、駒ヶ根SAでお土産を買った。そのあとはノンストップで守山駅に到着した。3日間の山旅は女性お二人のお天気元娘さん(おばさん)のパワーで素晴らしい天気に恵まれた。平均年齢70歳を超す、4人のパワーもすごかった。 チョウ クモマベニヒカゲ(藪沢コース) クジャクチョウ(藪沢コース) ヒオドシチョウ(山頂) キアゲハ(山頂) 花々
行程MAP(YAMAPを引用) (国土地理院の地図を引用) 2019年山の記録に戻る 作成日:2019年8月15日 |