49)大台ケ原(日出ヶ岳1695m、西大台) : 2020年8月4日  
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 大台ヶ原山(おおだいがはらやま)は奈良県と三重県の県境にある標高1695.1m山である。深田久弥によって「日本百名山」に選ばれたほか、日本百景、日本の秘境100選にも選ばれている。1980年(昭和55年)に国際連合教育科学文化機関の生物圏保護区(ユネスコエコパーク)に登録された(登録名:大台ケ原・大峯山・大杉谷)。最高点の一等三角点は基準点名が「大台ヶ原山」であるが、国土地理院による地図には日出ヶ岳(ひでがだけ)と表記され、三重県の最高峰である。三津河落山(さんずこうちさん)や経ヶ峰(きょうがみね)など、標高1400mから1600mの複数の山と、これらの山に囲まれた東西5 kmほどの台地状の地帯は大台ヶ原(おおだいがはら)と呼ばれ、奈良県吉野郡上北山村と同郡川上村および三重県多気郡大台町(旧宮川村)にまたがっている。大台ヶ原は吉野熊野国立公園の一部として指定され、特に景観を保護するために特別保護地区に指定されている。大台ヶ原は中央構造線の南に位置し、海洋プレートがユーラシアプレートの下へ潜り込む際に、海洋プレートに堆積した砂岩やチャートがユーラシアプレートの縁へと押し上げられて隆起した地形であると考えられている。大台ヶ原は日本では希な非火山性の隆起準平原であるとされているが、一方で、今から1500万年前に巨大噴火が起こり、大台カルデラが形成されていたとする説もある。西部と南部は山地隆起と削剥によって標高差1,000mの深い谷筋が形成され、硬い岩石で構成された地質が鋭く切り立った地形を作り上げている。南東方面は熊野灘に面するリアス式海岸で、大台ヶ原は海岸線からの急峻な斜面の頭頂部にある。南東の急峻な斜面を海上から湿った風が吹き上げるため大台ヶ原では年間を通じて降水量が多く、屋久島に並ぶと言われるほどの多雨地帯である。特に日本列島の太平洋側を台風が通過する際には南東からの風が強くなるため、10月ごろを中心に降水量が多い。1920年(大正9年)には年間8,214ミリの雨量を記録し、1923年(大正12年)9月の台風時には一日に1,011ミリの降水記録がある。大台ヶ原の南東部、正木ヶ原や牛石ヶ原ではトウヒの立ち枯れと笹原が見られる。これは、1959年(昭和34年)に近畿地方を襲った伊勢湾台風が森林を破壊して地表に日光が差し込むようになり、コケ類が衰退してミヤコザサが繁茂し始めたためである。ミヤコザサの繁茂はこれらを主食とするニホンジカの生息数増加を招き、大台ヶ原の森林を構成する樹木の幼木や樹皮がシカに採食されるようになった。このほかにも人為や地球規模での環境変化など、複合的な要因によって森林衰退が進んでいると考えられている。環境省ではシカが環境に与える影響が大きいとして個体数の調整(捕獲)を実施してきているが、自然保護団体からは、シカと環境変化の因果関係は不明であり駆除を行うべきでないという意見も出ている。
 登山・観光:大台ヶ原は吉野熊野国立公園のひとつに指定されていて、中心付近の標高1,573.7m地点には大台ヶ原の自然や歴史を紹介する施設として「大台ヶ原ビジターセンター」が建てられている。ビジターセンターには200台以上を収容できる駐車場が整備され、周辺には売店や飲食店、宿泊施設が営業している。登山道はビジターセンターを起点に周回する複数のルートが整備されているほか、東側山麓の大杉渓谷からのルートが知られている。1961年に大台ヶ原ドライブウェイが開通してからは、手軽に訪れることができる山となり、登山者や観光客が増加したことも自然に影響を与えていると推定されている。
@東大台:ビジターセンターから東の区域は東大台と呼ばれ、一般登山者向けのコース「東大台ヶ原自然観察路」が整備されている。日出ヶ岳山頂は東大台の北東端にあり、登山道は尾根沿いに南西へ牛石ヶ原(うしいしがはら)や正木ヶ原(まさきがはら)を通りながら大蛇ー(だいじゃぐら、ぐらの字はやまかんむりに「品」)まで続いている。
A西大台:ビジターセンターから西の区域は西大台と呼ばれ、自然環境を保持して自然体験の場を提供するため、環境省により立ち入り人数が制限されている(曜日や時期に応じて1日につき30人から100人)。また、立ち入りに当たっては事前申請を行って手数料を納付した上、当日までにレクチャーを受けなければならない。西大台へはビジターセンターから入るゲートと、南西の逆峠から入るゲートがある。(ウイキペディアより引用)

  20年ぶりの大台ケ原になった。今回は初めてになる西大台で、コケと原生樹林を楽しんだ。このコース唯一の展望台で昼食を取ったあとビジターセンターに戻り、日出ヶ岳を往復した。湧きあがる雲で熊野灘は見えなかったが、大峰山の稜線が続く大展望を満喫した。帰りには西大台利用で頂いた無料券で日帰り温泉に立ち寄り、汗を流した。

市民公園集合(4:55出発)−大台ケ原駐車場1570m(8:04着、8:45出発)−ビジターセンターレクチャー(8:30〜8:45)−西大台入口(8:49)−大台教会(9:35、9:45出発)−入口チェックポイント(10:07)−周回コース分岐(::22)−ナゴヤ谷上流部1520m(10:〜10)−中ノ谷渓流1460m()−ブナ林・七ッ池(10:35)−コケ群生地−カツラ谷(11:27〜11:32)−開拓地跡1323m(11:26〜11:40)−開拓分岐1300m(15:15)−渡渉ポイント()−展望所(、昼食)−開拓分岐(15:15)−逆川吊橋(13:15)−タカラ水(13:25)−中ノ谷渓流1410m(10:〜10)−ナゴヤ谷渓流(13:40)−周回コース合流(::22)−大台ケ原駐車場(13:25着、13:30出発)−分岐・展望所()−日出ヶ岳山頂(14:01〜)−大台ケ原駐車場(8:04着、8:45出発)−日帰り入浴()−市民公園
     行動時間: 6時間17分 、歩行距離 12.5km  累積登高 722m

 5時前に集合し、三雲付近から広域農道を利用し、途中、307号に出てしまい若干の遅れはあったが、壬生野IC〜針ICとつないで大台ケ原駐車場に到着した。このルート、想定よりも短時間で行くことができる、160q弱、3時間10分で到着した。8:30からの西大台探索のための事前レクチャーには十分間に合った。注意事項や自然の多様性を学習した後、出発する。
 戻る格好で駐車場の入口から、表示に従い西大台のチェックポイントに向かう。教会前で左に入り、ミヤコザサの中の道をしばらくで監視員の待機する小さな小屋で許可書を見せる。少し倒木があるが、ササ原を下る。この周回コース、開拓地分岐が最低点でほぼ下り、後半は登り一方になる。一気に下った先が最初の渡渉ポイントナゴヤ谷の上流側である。広い、なだらかなところで、カワチブシ(トロカブト)やバイケイソウが見られるが、花の時期はやや遅い印象である。
ナゴヤ谷の渡渉ポイント

川を渡ると今までとは違い、ゆるやかな多少のアップダウンをしながら、左手に谷を見ながら中腹を歩く。途中、右手の切り立った崖の上に駐車場への舗装道が確認できる。しばらくで、ブナ林の緑豊かな下りに差し掛かる。小さな沢を渡り、しばらくで七つ池と表示があるが、池らしきものがなく、さらに下っていく。
七つ池、あたりに池らしきものはない


ササ原が続く。しばらく行くと、湿っぽい雰囲気になり、カエル、キノコ、見慣れないコケなどが続く。緑が鮮やかである。ここでもコガラが飛んでいる。。岩や木に苔が着いたぐん湿っぽい雰囲気で、緑が広がる。見上げるような木の全体が苔で覆われ、思わず感嘆の声をあげる。皆、写真に熱中する。
  苔の道

緩やかな樹林帯の歩きになる。まだ苔は敷き詰められている。ヒノキの植林、カツラ谷の渡渉をの後も緩やかで自然豊かな中を歩く。開拓跡と表示された辺りはそれらしい雰囲気ではあるが、なぜこんなところを開こうとしたか、雰囲気からは想像もつかない。渡渉を重ね、バイケイソウ、カワチブシの花を少し眺めた後、開拓分岐に着く。表示が出ている。ツガ林でもある。

 
ここからは周回コースの戻りになるが、ミズナラ巨木が途中にある、展望所に向かう。土手のようなところを越すと比較的広い川に出る。飛び石伝いに川を渡る。広々とした雰囲気の緑の樹林帯を登ってゆく。途中、右手に下部がカボチャのようになったミズナラの巨木が現れる。レクチャーの案内で見たDVDに出ていた木である。なるほどと感心しながら足を止める。

カボチャのようになったミズナラの巨木

ここからしばらく登ったこんもりとしたピークが展望所である。
東方向に大蛇ーの絶壁の壁、その左下には中の滝と説明されているが、よく分からなかった。葉がない季節には確認できるのであろうか。
東大台と大蛇ーの絶壁

日光を避け、昼食タイムとする。大きな木の花には、チョウが纏わりついている。食事の手をとめて、何回か撮影する。
用意のおやつやコーヒを最後に楽しみ、元来た道を引き返す。
先の開拓分岐に戻る。
帰りの川には、橋が架かっている。まず手始めに赤い吊り橋2つを渡る。
2つ目の赤い吊り橋

植生も豊かである。ヒノキの林も通る。足元が歩きにくい。結構な登りに加え、大きな石がごろごろとした歩きにくいガレ場が続く。単調な道が続く。ため息混じりに声に出す。岩が見られるようになって、巨岩と湧水のあるたたら力水と表示のあるところを過ぎる。湧水のようだがとても口に含む気にはなれない。
たたら力水と大岩

右手は切り立った崖、緑豊かなところである。中ノ谷渓流の下部の橋を渡り、やや苔むした石畳を歩く。ずっと渓流沿いの道を歩く。ナゴヤ谷渓流の木橋を渡れば、急なササ原の道が200mくらい続く。登り切った先がコースの合流点で、出入口でチェックを受け、元の駐車場に戻った。
ここまで歩きは、時間分、距離は、登高差 mの歩きになった。
 大台ケ原に見て日出ヶ岳を踏破しない手はないと、トイレを済ませ、少しの休みを取って、もうひと頑張りする。暑さで疲れているが、互いに励まし合いながら進む。ミヤコザサの平坦な道を進み、少し登った先がへの分岐点で、展望台が置かれている。熊野灘は湧きあがる雲で見えなかった。ここからは一気に山頂に登る。展望台の上に登り、西方向に大峰山系を眺める。北には台高山脈が続く。良く知った名前の山容が続く。記念写真を撮り、しばらく休んだ後、引き返す。
山頂展望台

弥山・八経ヶ岳を中心に大峰山系

北方向の台高山脈

立ち枯れ木の正木ヶ原

昨日は15:00頃猛烈な雨になったとのことで、指導員の方から脅かされていたが、無事戻ることができた。結構長い歩き、早朝発で結構疲れていたが、終わってしまえば心も軽やかになった。西大台の登録には1000円の協力金が必要だが、日帰り温泉の無料券が出る。薦められた、道の駅の所にあるホテル(フォレスト かみきた)の温泉で汗を流した。コロナ対策もばっちり、清潔で大きなお風呂で汗を流し、すっかり体力を回復させた。

帰りも順調で、更に短縮した道を帰ることができた。皆様ご苦労様。

花と鳥
   
バイケイソウ群落  カワチブシ(トリカブト)      ヒガラ
チョウ
   
アカタテハ ミドリヒョウモン    
その他、モンキアゲハ、テングチョウ、クロヒカゲ

コースマップ

国土地理院の地図から引用


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作成日:2020年9月2日