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2005年3月前半

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05.03.14 - 21 (mon - mon)
JUDAS PRIEST「BRITISH STEEL」超大胆なサウンドの変革を実行し、HMのイメージを決定づけた80年作・・・とは言え、後追いで聴いたのでそのインパクトは実感できませんでしたが、こうやって順番に聴いてくとその変貌はかなり明白。1曲目の"BREAKING THE LAW"からして、従来の彼らの美点であるドラマティックさや陰影の対比みたいなものを一切廃した、ソリッドで硬質なリフをメインにコンパクトかつキャッチーにまとめるという新しいスタイルを完璧に体現した楽曲。"RAPID FIRE"はベクトルを更にコアな方向に向けたヘヴィメタリックなファストチューン。Gtソロも無く非常にシンプルな構成ながらも中盤からの展開はメチャ格好良い。続く"METAL GODS"は正にアンセム。メタリックなリフが淡々とミドルテンポで続く曲で、何て事無い曲なんですが、ライヴで聴くと何とも言えないグルーヴが感じられるのが妙。何というか、鋼鉄製のロボットがノシノシと闊歩するような、そんなイメージ。グルーヴと言えば次の"GRINDER"。もう少し現代的な音でやれば「JAGULATOR」あたりに収録されていても違和感の無さそうなヘヴィなミドル。"UNITED"は前作の"TAKE ON THE WORLD"を彷彿とさせるシンガロング系アンセム。非常にライヴ映えしそう。ライヴ映えと言えば続く"LIVING AFTER MIDNIGHT"が極め付け。コレを観なけりゃ帰れないと言っても過言ではない定番中の定番。彼らのポップな側面が最大限に発揮された超ゴキゲンにキャッチーなパーティロック。"YOU DON'T HAVE TO BE OLD TO BE WISE"は、このアルバムの中では一番印象が薄いかな、という楽曲。それなりにキャッチーなリフの程良いポップさのある楽曲。悪くない。結構好き。"THE RAGE"は今後の彼らの定番のスタイルになる、翳りのある哀愁メロを伴ったパワーバラード(?)とも言えそうなスローナンバー。このサビメロなんかは最新作の「A.O.R.」あたりにも通じるものが感じられるな。ラストの"STEELER"は正にこのアルバムを締めくくるに相応しいリフに次ぐリフというアップテンポナンバーで、エンディングのしつこい位続くリフは圧巻。このアルバムのキーワードは、「メタリック」「コンパクト」「キャッチー」といった感じかな。個人的には彼らのアルバムの中でもかなり好きな部類に入る名盤。捨て曲皆無だもんね。
JUDAS PRIEST「POINT OF ENTRY」歴史に残る名盤の後がこれかよ!?と思わず首を傾げたくなる81年作。キーワードは「アメリカ」。やっぱコレに尽きるな、このアルバムは。ジャケもモロにアメリカ的だし、1曲目のタイトルからして"HEADING OUT TO THE HIGHWAY"だし。この曲は前作に収録されててもおかしくないキャッチーなアップテンポ。メロが明快。"DON'T GO"はシンプルなリフに明快でキャッチーなサビ・・・とこう書けば聞こえは良いけど、大した曲じゃない。まあこのアルバムの中じゃマシな方だけど。"HOT ROCKIN'"は前作の"RAPID FIRE"を彷彿とさせる勢いのある格好良い疾走チューン。強烈な失笑シーン連発のPVが見物でもあります。"TURNING CIRCLES"は、そうだなあ・・・"STARBREAKER"を腑抜けにしたような楽曲という感じかな?部分的に聴けば良いパーツはあるものの、何か締まりが無いのよね。"DESERT PLAINS"は名曲。前作"THE RAGE"の流れを汲む哀愁メロウチューン。憂いのある歌メロが素晴らしい。全体的に明朗快活な楽曲が多いこのアルバムの中では異質な楽曲。次作に収録されてそうな雰囲気だな。"SOLAR ANGELS"は・・・何というか、かっタルいとしか評しようの無い大味かつ旨みの無いミドル。何故ROBはこの曲を気に入ってるのか良く分からん。"YOU SAY YES"は、例えば"KILLING MACHINE"を脳天気にしたような、という雰囲気かな?ヴァースのROBの歌唱はあの当時の歌い方を彷彿させるものはあるな。大した事無い曲だが妙なグルーヴはある。"ALL THE WAY"は前作の"YOU DON'T HAVE TO BE OLD TO BE WISE"をよりアメリカンな雰囲気にしたような感じかな。まあ悪くないが、印象は薄い。続く"TROUBLESHOOTER"は"LIVING AFTER MIDNIGHT"の路線を狙ったのかな?と思わせるキャッチーかつポップな楽曲ですが、所詮劣化コピーという感は拭えない。"ON THE RUN"は何か"ISLAND OF DOMINATION"みたいなノリがあるな。当然もっと陽気でアメリカンな雰囲気になってますが。これは悪くない。こうして改めて聴いてみると、アメリカで一発当てるぞ!みたいな意図がかなり明白。前作で確立したシンプルかつコンパクトな楽曲構成をトコトン極め、かつメロディは明快で分かりやすく薄味に。アメリカ狙いで日和ったのか、メロディのコクを失ったのがこのアルバムの印象を薄くしてる原因かな。最初のCD化から外されたのも頷ける内容。当時日本盤が無かったので、これだけ輸入盤で買いました。
週明けから風邪引いてしまい体調最悪。そんな中、先日和解した娘とのランチ&女性デザイナーさんとの3回目の定例飲みだけを楽しみに乗り切る。いやー楽しかった。法事のため嫁の実家の広島へ。時間潰すためにロクなモンが無いので1年以上放置していたBOOK OFFに行ってみる。カス棚をザッと見たところ何か良さげな雰囲気が漂ってたので気合い入れてチェック。予感はズバリでザクザク250円盤をカゴに入れていく・・・と、何とREFUGEE「BURNING FROM THE INSIDE OUT」が!!!!うおおぉ!!これはマジで鳥肌たったわ。まさかBOOK OFFで250円で見つかるとは思いもよらんかった。今までで最高に熱かったのはFRONTRUNNER「WITHOUT REASON」見つけた時だけど、今回は確実にそれを超えたな。でもその内再発されるんだろうな・・・。

05.03.11 - 13 (fri - sun)
JUDAS PRIEST「PRIEST IN THE EAST」日本公演を収録したライヴ盤の名作79年作。ジャケも最強。収録曲の全てがスタジオトラックより1.5倍くらい魅力を増してます。アタマ4曲の"EXCITER"〜"RUNNING WILD"〜"SINNER"という疾走曲3連発はあまりにも強烈。初期の楽曲もスタジオトラックではサウンドのせいもあってか、若干弱々しい印象を受ける部分もありましたが、ここでは厚みのあるサウンドで非常にパワフルな仕上がりになってます。「KILLING MACHINE」収録曲もより一層ライヴ感を増しており、"RUNNING WILD"や"HELL BENT FOR LEATHER"なんかは壮絶な出来。"DIAMONDS AND RUST"も今やってるようなアコースティックよりもこのアルバム収録のアレンジの方が良いな・・・。
VANILLA NINJA「TRACES OF SADNESS」エストニアの女性4人組ガールズ・ハードポップ04年作。PVをちょっと見て気になってたバンドですが、こんなに良いとは!ブレーンはユーロビート系のライターらしいですが、ここで聴けるのは多少モダンなアレンジを取り入れた懐かしい産業ロック系の楽曲。昔のCHERあたりの楽曲にディストーションの効いたGtとモダンなKeyサウンドを乗せた感じかな?どこかFALCOの"ROCK ME AMADEUS"を思わせる"TOUGH ENOUGH"、ACE OF BASEっぽい哀愁メロが良い感じのタイトルトラック、ビッグなコーラスが印象的な哀愁産業曲"DON'T GO TOO FAST"、憂いを帯びたヴァースから爽快なサビメロへの展開が超気持ち良い名曲"HEARTLESS"、ちょっとEVANESENCEっぽい雰囲気もある(?)ヘヴィな"LIAR"、正に理想的な哀愁産業メロと泣きのGtフレーズが素晴らしい"DON'T YOU REALIZE"、HEART的な切ないメロを聴かせるパワーバラード"WHEREVER"、タイトルそのままにヘヴィなGtと共に疾走する"METAL QUEEN"、これも典型的な哀愁産業的展開を見せる佳曲"LOOKING FOR A HERO"と、ほとんど全曲シングル切れそうな位クオリティが高い。あざとい位にツボを押さえた曲作りで、出来過ぎ感が鼻に付くくらいに良く出来た楽曲揃い。往年の産業ロックファンには是非是非聴いて欲しい一枚。特に"HEARTLESS"は爽快メロハー好き、"DON'T YOU REALIZE"は哀愁メロハー好きなら直撃かと。AVRILよりも気に入った。
「ついに彼らはアメリカン・マーケットに匕首をつきつけやがった。」最悪の週末だった・・・。初めて鍵開け職人の技を間近に見たけど、恐ろしい程簡単にドアって開いちゃうのね。ものの10分程。もう少しちゃんと防犯しようかな。VANILLA NINJAはマジで良い!ネーミングセンスは最悪だけど。

05.03.04 - 10 (fri - thu)
JUDAS PRIEST「KILLING MACHINE」重要作である「STAINED CLASS」と「BRITISH STEEL」の間に挟まれ、更に次作がライヴ盤の名盤中の名盤「PRIEST IN THE EAST」という事もあってか、何となく目立たない位置付けのような気がする78年5th。"DELIVERING THE GOODS"はワイルドに弾けるアップテンポで、彼等の楽曲の中でも最も「ロックしてる」曲のような。ROBの歌唱も一聴して分かる通りハイトーンをほとんど使わず中低域で歌ってます。これもROBのVoの魅力だな。"ROCK FOREVER"は程良いドライヴ感とフックのあるリフが気持ち良い佳曲。繊細なヴァースから明快なコーラスへの展開が鮮烈なコントラストを描く"EVENING STAR"はこれまでの彼等には無かったようなポップセンスの萌芽を見て取れるメロディアスな楽曲。"HELL BENT FOR LEATHER"は彼等のレパートリーの中でも抜群の疾走感を誇る名曲。ライヴの定番になるのも頷ける格好良さ。ここまでの流れが最高に良い感じ。A面ラストの"TAKE ON THE WORLD"はマーチ風というかアンセム風というか、ビッグなシンガロングパートをフィーチュアしたQUEENの"WE WILL ROCK YOU"的な雰囲気のある楽曲。これもライヴ映えしそうだけど、聴いた事なんだよな。"BURNIN' UP"は異色中の異色というか、凄くセクシーなグルーヴのある楽曲で、ROBの歌い回しで聴かせるナンバーかな。昔はなんてツマラン曲だ、なんて思ってましたが、今聴くとそれなりに味わいがあるな。"GREEN MANALISHI"はFLEETWOOD MACのカヴァー、との事ですが、これも原曲を知らない。この曲も昔は好きじゃなかったんですが、ライヴでGtソロ部分の「ヲーーヲーヲーヲー」をやってる内に好きな曲になったなあ。続く"KILLING MACHINE"も"BURNIN' UP"同様グルーヴ感のあるHRナンバーで、これも昔は好きじゃなかったなあ。この曲もROBの中低域を活かした歌唱が映える楽曲。このアルバムって昔はB面入った途端にしょうもなくなるなあ、なんて思ってたような気がする。"RUNNING WILD"は"HELL BENT FOR LEATHER"的な疾走感が格好良い佳曲。この曲はアルバムより次作のライヴ盤でより一層強力に。"BEFORE THE DAWN"は彼等のバラードの中でのベストトラックと思ってる楽曲。超センチメンタルで物悲しいメロが最高。ラストの"EVIL FANTASIES"はまたまたヘヴィリフとグルーヴのあるリズムセクションが絡む粘っこい楽曲。これは2nd以降の彼等の楽曲の中で一番ツマランのとちゃうかと思ってしまう曲。但しROBのドスの効いた歌唱は最高というのが何とも・・・。前作の「STAINED CLASS」って何というか物凄い緊張感があって、どことなく窮屈な感じがあったんですが、このアルバムではそれが全く無くなって、開放感があるというかメジャー感があるというか垢抜けたというか。従来の彼等の魅力であったアンダーグラウンドな翳りの部分が余り感じられなくなった一方で、鋼鉄神たる風格みたいなのが徐々に出始めたアルバムというか。またしても前作から相当な変化を見せてるばかりか、このアルバムって彼等の作品の中でも結構浮いてる作風のような気がする。ROBの歌唱法やグルーヴを感じさせる楽曲という意味で、最新作との共通性を指摘したカキコを2chで読んだけど、実は僕も最初に「A.O.R.」を聴いた時に思ったのが「KILLING MACHINE」っぽいか?って印象だったりします。今はそんなに感じてないけど。好きなアルバムではあるんですが、このアルバム収録の良い曲は、次作のライヴでより一層凄みを増してプレイされてるので、どうしても印象が薄くなっちゃうのは否めない気もする。
「もし僕が息絶える時がきたら、その夜は一晩中このアルバムを流し続けていてほしい。」何か忙しくなってきた・・・。しかしマジで仲直りできて良かった・・・居心地良いわ。

05.03.03 (thu)
JUDAS PRIEST「STAINED CLASS」彼等のキャリアの中でも重要な位置づけを占める、HRからHMへの変遷の端緒となった78年4th。ロゴマークもこのアルバムからお馴染みのものに変わってます。"PAINKILLER"の元ネタとも言えそうなDrから始まる名曲"EXCITER"は今後の彼等の楽曲の基本形になるような構成を持つHMチューン。勿論リアルタイムに聴いてたワケが無いので想像でしか無いですが、硬質なリフ、ハイトーンなスクリーミングVo、キメのフレーズをハモるツインGtといったHMのフォーミュラを用いた極々初期の楽曲なんじゃないかと。メチャ格好良い。今回のライヴで聴けるのが楽しみ。"WHITE HEAT,RED HOT"はタイトかつコンパクトにまとまったアップテンポ。"BETTER BY YOU,BETTER THAN ME"はフックのあるGtリフがグルーヴを誘発するミドルテンポで、サビでメランコリックに展開するのが良い感じ。"STAINED CLASS"はザクザクと小気味良く刻まれるGtリフとエキセントリックな歌メロが絡みつつ複雑に展開するプログレッシヴと言っても良い楽曲。アルバムで聴いてる分には良いですが、HALFORDのライヴで聴いた時にはちょっとノリが掴みにくかったのも確か。次の"INVADER"は対照的に非常にストレートでキャッチーな曲調のアップテンポ。UFOの雰囲気を出してるのか、スペーシーなGtイントロが印象的。次の"SAINTS IN HELL"と"SAVAGE"は個人的にはあんまりピンと来ない。やや大味なGtリフに翳りのある歌メロとシャウトスタイルのコーラスを配した楽曲なんですが、どうもフックに欠けるような。昔からそう思ってましたが、改めて聴いてもやっぱ前半に比べると弱いなあ。でも大した事無いような曲なのに何か変なグルーヴがあって聴けてしまう。単に慣れの問題か?"BEYOND THE REALMS OF DEATH"はライヴの定番でもある彼等屈指の名バラード。この曲での泣きのGtソロは正に名演。ラストの"HEROES END"も先の"SAINTS IN HELL"とかと似たような印象。何故か聴き応えがある。信者マジックだろうか?というワケで、実はこのアルバムって名盤と言われてますが、個人的には彼等のアルバムの中では好き度が低い方なのでした。特に後半が何か地味に感じちゃうのよね。意図的に装飾を取り去ってタイトなリフ重視の構成にした楽曲が時に地味さを感じさせるんかな。緊迫感というか音の密度感というか、そういったHM的な要素が前作に比べると格段に増したアルバムで、その変化はかなりドラスティック。リアルタイムで聴いてたファンはこの変化をどう受け取ったのか興味があるな。
「僕は歩兵でいい。」朝会社に行くとメーカーから「saku saku」のDVD発売中止のFAXが来てた。マジかよ!何で今頃アーティストの許諾が得られないなんつう理由で発売中止になるワケ?そこだけカットすりゃ良いじゃん、とか思っちゃうのだが、それも出来ないくらい全編に出てるアーティストなのか?コブクロ?いや、もしかしてカエラか?あり得るかもな・・・。ちょっとブレイクしかけてるし。

05.03.02 (wed)
JUDAS PRIEST「SIN AFTER SIN」メジャーに移籍し、プロデューサーにもROBER GLOVERという大物を迎えた77年3rd。ドラマティックな展開はそのままにキレの良いリフとキャッチーな歌メロを導入した疾走曲"SINNER"が1曲目。割と展開も凝ってて長尺な曲ですが、全く長さを感じさせない名曲。続いてはカヴァー曲の"DIAMONDS AND RUST"。原曲を聴いた事が無いので何とも言えませんが、かなり大胆なアレンジを施してるようで、雄々しいメロディが格好良いHRチューンに仕上がっています。"STARBREAKER"は非常にキャッチーな楽曲で、彼等のポップな側面が初めて現れた曲かと。所謂「ラジオ向け」という感じの曲ですが出来は良い。"LAST ROSE OF SUMMER"も新しい引き出しを開けてきた感じの楽曲で、ロマンティックでムーディーなスローバラード。これ以降もこの引き出しは開けてないような気がする、彼等のキャリアの中でも珍しいスタイル。続く"LET US PREY"はこのアルバムの中で僕が一番気に入っている疾走チューン。開放的なGtイントロから祈りのようなROBのシャウト、そこから雪崩れ込むようにファストなリフが駆け抜ける展開がメチャクチャ格好良い!これも一度はライヴで聴いてみたいなあ。"CALL THE PRIEST/RAW DEAL"は彼等お得意のドラマティックな展開を見せる連作。まるで次作の布石のような装飾を取り去ったストイックでタイトなリフ主導のミドルテンポから、ブレイクを挟んでシンガロングを伴ってテンポアップする部分が非常に格好良い。"HERE COME THE TEARS"はソフトでメロウな曲調ながらも、どこか宗教的な重厚さと暗さを伴った如何にも彼等らしいバラード。サビは慟哭のようなROBのシャウトから泣きのGtと重々しいタイトルコールが絡むドラマティックな展開に。ラスト"DISSIDENT AGGRESSOR"は後にSLAYERもカヴァーしたように、彼等の楽曲の中でも一際ヘヴィかつ重厚な楽曲。ボトムの効いた演奏陣とROBのヒステリックなシャウトのコントラストが光る秀曲。何度も何度も「ドラマティック」と書いてますが、このアルバムでは前作のようなアルバム全体の構成美というよりは、1曲の中でそれを表現してるような気がします。また楽曲構成もかなりコンパクトになってきており、前作でやや感じられた冗長さは全く無くなってます。楽曲単位の完成度は前作を上回ってる気がします。これも名作。アートワークも重厚で宗教的な雰囲気があって素晴らしい出来。
「そっとその名前を口ずさんでみる。ジ・ュ・−・ダ・ス・プ・リ・−・ス・ト!素敵だ。」後に伝説となる伊藤"Judas"政則氏のライナーはこのアルバムから始まります。今の彼のライナーは「セーソク語」と言っても良い常套句をこねくり回した堅苦しい大上段な文章でつまらないんですが、この頃のJUDAS PRIESTへのライナーは、若さというか何というか、バンドへの愛情が溢れ出まくってる文章で、書きながらチンコ勃ってんじゃねえの?と思うくらい感情剥き出しで非常にオモロい。僕がJUDAS PRIESTに執着する事になった一因は、このライナーの文章に煽られたというのもあるかもしれないと思ったり。

05.03.01 (tue)
JUDAS PRIEST「SAD WINGS OF DESTINY」楽曲のクオリティ(ついでにアートワークとタイトルのセンスも)が飛躍的に向上した76年2nd。現在でもライヴの定番になっている大作"VICTIM OF CHANGES"から幕を開けます。ヘヴィなリフとエキセントリックかつ特徴的な歌メロ、繊細なパートを含んでドラマティックに展開する中間部という構成は、前作でやりたかった事を結実できた念願の楽曲という感じ。多分本人達は「これだ!」という手応えを得た楽曲で気に入ってるんだろうな、と。タイトルに相応しい切れ味鋭いリフで始まる"RIPPER"は僕が好きな曲を10曲選べと言われれば必ず入れるだろう大好きな楽曲。3分に満たないコンパクトな楽曲の中に独創的なリフ、ドラマティックな構成、ヒステリックなハイトーンVoと、彼等の魅力が存分に詰まった傑作。本人達でさえこの曲に似た楽曲を書けないだろうと思えるくらいオリジナリティに溢れてるな。続く"DREAMER DECEIVER〜DECEIVER"はこのアルバムで顕著に見られるリリカルなバラードからアップテンポへとドラマティックに展開するパターンの一つ。"DREAMER DECEIVER"終盤の泣きのGtソロの煽情力がハンパでは無く、噎び泣くようなGtに絡むROBのハイトーン・シャウトとリリカルなピアノ、そして堂々としたリフを奏でる"DECEIVER"へ繋がっていく部分は、もう何度聴いても鳥肌モノ。"DECEIVER"単体で聴いても意味が無く、やはりこれは2曲で1曲と捉えるべき。クラシカルで威風堂々たるイントロ"PRELUDE"から問答無用の超名曲"TYRANT"へ。ワイルドにドライヴするヴァースからシンガロングを交えたブリッジ、そして彼等が生み出した歌メロの中でもトップクラスに位置するであろう強力なサビメロという構成が素晴らしい。中でも超メロディアスな2回目のGtソロからサビへ展開するパートは悶絶必至。次の"GENOCIDE"は劇的な楽曲が続くこのアルバムの中では唯一普通の楽曲というか。前作のヌルいリフの捨て曲を巧く昇華させてキャッチーなグルーヴを感じさせる楽曲にまとめあげたというか。次作のタイトルである"SIN AFTER SIN"というフレーズが出てくるのはこの曲。"EPITAPH"はリリカルなピアノとヴォーカルハーモニーで構成された美しい小品。その静かな余韻を引き裂くようなザクザクとしたリフとヒステリックなシャウトと威厳の感じられる歌メロでラスト曲"ISLAND OF DOMINATION"が始まる。格好良いフックのあるリフとダイナミックな構成のHR曲で、この名作の幕を下ろすに相応しい楽曲。地下室的な翳りを帯びつつも様式美の極地と言えそうなドラマティックな展開にとことん拘ったアルバムという印象。例えば"HELLION〜ELECTRIC EYE"のように、楽曲単位でのドラマを感じさせる展開は今後も彼等の得意技になっていきますが、アルバム全体をここまで徹底的に様式美で固めたのはこのアルバムだけじゃないかな、と。そういう意味でも非常に意義深い作品だし、なにより楽曲のクオリティが超高い!傑作!まあ、この後も5枚くらい名作、名盤、マスターピースが続きますが・・・。
政則氏のライナーを読んでるとという盛んに出てくる「運命の翼」というアルバム。当時のレンタル屋に在庫が無く、聴いたのは「RAM IT DOWN」までのアルバムを全て聴いた後だったですが、これは最初聴いた瞬間から衝撃を受けたアルバムでした。アルバム全体のトータルな完成度、というか閉じた世界観の緻密さというか、そういう点では今でもこのアルバムがベストかな、という気がしてます。「MASUDA IS PUPPETS」最高!なんか曲名も色々いじってたな。何て書いてあったんだろ?1曲目が"TOTTORI"とかになってたような。十字架の墓石にジゴロウの顔とか入れて欲しかったな。

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2005年3月前半

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