05.03.25 - 27
(fri - sun)
JUDAS PRIEST「TURBO」傑作の後の問題作。時代の変化に合わせて自らのサウンドを変えていく彼らの真骨頂とも言える86年作。ポップさ、キャッチーさを強調して露骨にアメリカ狙いなのは「POINT
OF ENTRY」に近い位置付けか。(と、政則もライナーで書いてる。)ただ、重要な違いは、このアルバムは楽曲の出来が非常に良い事。"TURBO
LOVER"は、シンセサイザーを導入しつつも楽曲のスタイルは前作の流れを組む、重厚で翳りを帯びたミドルテンポの名曲。中盤の展開もドラマティックだし、Gtソロも良い。今回のセットリストに入ったのはかなり嬉しい。"LOCKED
IN"はキャッチーなメロディを配した疾走感溢れるアップテンポ。格好良い。ここからの3曲がこのアルバムの問題作たる所以かと。"PRIVATE
PROPERTY"はシンガロングが気持ち良さそうなビッグなコーラスをフィーチュアした楽曲。"PARENTAL
GUIDANCE"は彼らの楽曲の中で最もポップな楽曲で、メチャクチャキャッチー。続く"ROCK YOU
ALL AROUND THE WORLD"はアップテンポなんですが、非常に脳天気で明快なメロで今までの彼らの速い曲のイメージとは余りにも違和感がある。ただ、僕が最初に聴いた彼らのアルバムって、実は「PRIEST...LIVE!」で、それ故この辺りのポップな曲に対する違和感が全く無いのよね。確かに順番に聴いてきてこのアルバムを聴かされると「え・・・?」となるような気がしますが、そういう意味ではこのアルバムの楽曲を素直に楽しめる僕はラッキーだったのかも。"OUT
IN THE COLD"は"NIGHT COMES DOWN"系の哀愁メロウな楽曲を重厚なミドルテンポに仕立て直したような楽曲。昔はあんまり好きじゃなかった曲ですが、今聴くと良い。僕がこのアルバムの中で苦手な曲を強いて挙げるなら次の"WILD
NIGHTS,HOT & CRAZY DAYS"かな。どことなくダンサブルなリズムで、"LOVE
BITES"を脳天気にしたような、そんな雰囲気。"HOT FOR LOVE"は「AFTERBURNER」を出した頃のZZ
TOPのような楽曲。褒めてます。格好良い。ラストは超名曲"RECKLESS"。素晴らしくメロディアスな哀愁曲で、メロハー的な視点から見れば彼らの楽曲の中で最も完璧な1曲と言えるかもしれません。というワケで、割と駄作扱いされてるこのアルバムですが、僕は大好きな一枚。「SCREAMING〜」より好きです。アメリカ狙いって事で言うと、歌詞にもそれが顕著に現れてるのかも。昔のROBの歌詞って、凄い難しい単語を結構使ってるんですが、このアルバムだと凄く平易な英語なんですよね。
NICE LITTLE PENGUINS「FLYING」デンマークのポップロック94年作。美しいVoハーモニーとアコギを巧く活かした軽やかなアレンジに親しみやすいメロディを聴かせるコンパクトにまとまったポップな楽曲。03年の「FREE」ではモダンな気怠さも顔を出していましたが、このアルバムではアルバム全編に爽やかな空気感が満ちています。北欧的な憂いも随所に感じられるのも個人的には非常に嬉しい。
WAYNE WATSON「FIELD OF SOULS」アメリカのCCMシンガー95年作。プロデュースにDAVID
PACK、MICHAEL OMARTIAN参加。大らかでハートウォーミングなメロディのAORがメインですが、切ないメロディが映えるバラード"ONE
TIME IN EACH FOREVER"、躍動感のある爽快なアップテンポ"DON'T YOU REMEMBER"、物悲しいピアノのイントロからダイナミックな盛り上がりを見せる"EVERY
WAKING MOMENT"、ケルティックな美しさを感じさせるバラード"BLESSED ARE"等バラエティを感じさせる内容。
WAYNE WATSON「THE WAY HOME」アメリカのCCMシンガー98年作。MICHAEL
OMARTIANプロデュース。ハートウォーミングなメロディのAORを中心に、メロディックロック的な躍動感を感じさせる楽曲もあり。ポジティヴかつ爽やかなメロディが気持ち良い"WOULDN'T
THAT BE SOMETHIN'?"、ややレイドバックした哀愁が渋い"THE URGENCY"、まるでMAGNUMのような威風堂々たるメロディをフィーチュアした"PERCEPTION"等が特に良い。
ROBERT TEPPER「NO REST FOR THE WOUNDED
HEART」アメリカの産業ロックシンガー96年3rd。過去作と異なりオーガニックなアレンジを施した楽曲は深みを感じさせるもので、穏やかながらも円熟味に満ちたメロディは非常にクオリティが高く、彼の最高傑作と言ってもおかしくない出来。
BENNY MARDONES「S.T」アメリカの産業ロックシンガー89年作。ソングライターにMARK
MANGOLD、ROBERT TEPPER、STEVE KIPNER、MARK SPIRO等が参加。ダイナミックで堂々としたVoに、適度なハードさを伴った厚みのあるアレンジの産業ロックチューン。安心して楽しめる高品質な楽曲が満載の好盤。
FEE WAYBILL「DON'T BE SCARED BY THESE
HANDS」TUBESのVoの97年2ndソロ。RICHARD MARX & BRUCE GAITSCH組がプロデュースからソングライティングまでを手掛けています。STEVE
LUKATHERとTOMMY DENANDERも少し絡んでいるようです。1stソロではモロTOTO/AIRPLAY路線でしたが、今作ではもう少し捻りの効いたメロディで、ある意味TUBESに近いと言えます。が、そこはRICHARD
MARXが絡んでいるだけあってサビにはキャッチーなフックを設けています。
WORLD TRADE「S.T」UNRULY CHILDのBRUCE
GOWDYが在籍していたプログレッシヴなメロディアスハードのレアな89年作。KEITH OLSENプロデュース。BRUCE
GOWDYのバンドというよりは、ブレーンはBILLY SHERWOODで、「90125」以降のYESを思わせる浮遊感のある独特なメロディとコーラスワークに重厚かつ細かく展開する楽曲。展開は結構複雑ですが、メロディが非常にキャッチーなので取っ付きやすいです。
CHINA「SIGN IN THE SKY」スイスのメロディアスハード89年2nd。1stでのアメリカナイズドされた爽快なキャッチーさはやや影を潜め、その代わりに欧州風の湿った叙情メロを前面に出した楽曲が多くなっています。
DAYTONA「THE BEST OF...SO FAR」スイスのメロディアスハード93年作。外れ無しのROBERT
PAPSTプロデュース作の中でも間違いなくトップクラスに位置する名盤。煌びやかなKeyアレンジを施した躍動感溢れるキャッチーな楽曲で、とにかく全編爽快でハイクオリティなメロディのオンパレードの傑作です。
BILLY BRANIGAN「MAKE A MOVE」アメリカの産業ロッカー87年作。GtにJACK
PONTI参加。躍動感溢れる軽快で爽やかな楽曲は、初期HAYWIREタイプ。
SUN RED SUN「S.T」故RAY GILLENの遺作であるアメリカの正統派HM95年作。DrはBOBBY
RONDINELLI。硬質でヘヴィなGtリフがドライヴするHM。"I KNOW A PLACE"のサビメロは秀逸。
THE KRY「I'LL FIND YOU THERE」アメリカのCCM95年作。前作同様アコギを軸に据えた軽やかなメロディックロックをプレイしていますが、今作ではよりダイナミックなアレンジになり、楽曲にメリハリが出ています。ハートウォーミングなメロディの魅力も一層増しており、また時折哀愁を帯びたフックも感じられるようになり、確実にレベルアップしたアルバムになっています。
ARVID「SA LAENGE DET SWINGER」デンマークのAORシンガーの89年作。洗練されたアダルトなグルーヴを感じさせるメロディに適度なドライヴ感を伴った楽曲、抑制が利いていて尚かつソロではフックのあるプレイを聴かせるGt、深みのあるソウルフルなVoと、AORの美味しい所を見事に押さえたアルバム。これは良いわ。
SIRENIA「AT SIXES AND SEVENS」ノルウェーのゴシックメタル02年作。TRISTANIAのメンバーが結成したらしいが・・・TRISTANIAを知らん。割とノリの良いアップテンポの楽曲に、ゴージャスなシンフォアレンジと可憐な女性Voを乗せるという、ある意味典型的なサウンド。このバンドが僕の嗜好にフィットするのは適度な程々さ。ストリングスバリバリの余りにも大仰なシンフォアレンジって実はあんまり好みじゃなくて、SIRENIAのピアノを交えたアレンジがかなり良い感じ。女性Voがオペラティックに歌い上げるタイプじゃなくて、朴訥な萌え系ヴォイスなのも好み。オペラ系の女性Voって苦手なのよね。あと基本的なトコでメタリックな感じがちゃんと全面に出てきてるのも良い感じ。あ、ヴァイオリンの音色も良いフックになってるね。かなり気に入った。
MAROON5「SONGS ABOUT JANE」日本でも売れたらしいアメリカンロック03年作。何というか非常にジャンルに括り難いサウンドで、ファンクやR&B的なフレーバーを随所に散りばめながらも、しっかりロックなGtのエッジを感じさせるグルーヴィーな楽曲に、どこか懐かしい雰囲気のポップな歌メロが乗るというスタイル。まあ僕の耳で聴くと、楽曲の懐の深いメロディックロックというような感じに聞こえます。良い。 |
初めて花粉症になってしまった。こんな辛いモンだとは思わんかった・・・。COLESKEダメか・・・。まあダメな人もいるだろうなあ。自分がここまで絶賛してるのを気に入ってもらえないと何か申し訳ない気になってくるよ。サンプルもあるみたいだし、それ聴いて判断するのが一番良いんだろうが、俺が本気で良いと思ってるのは嘘でも誇張でもない。 |
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