05.06.10 - 12
(fri - sun)
SIMON CHASE「THRILL OF THE CHASE」カナダのメロハー88年作。RIK
EMMETプロデュース。LONG ISLAND CLASSICシリーズ。このシリーズには隠れた名作が何枚かありましたが、このアルバムはその中でもトップクラスに位置する名作と言って良いと思います。煌びやかなKeyをフィーチュアした躍動感のあるキャッチーな楽曲で、時に爽快に時に哀愁をタップリ含ませたメロディの出来も秀逸。"PARADOX
IN THE MATRIX"ではメロウな泣きのGtが駆け巡るフュージョンテイストのインストで懐の深さも見せてくれます。超爽快な"TRY
TO LEAVE IT"、"LONG DISTANCE RIDER"、初期BON JOVIを思わせる哀愁ハード"DON'T
LET GO"等、素晴らしい楽曲満載ですが、極め付けのキラーチューンがラストの"SURRENDER"。哀愁を帯びたメロウなヴァースから仄かな憂いと爽快感が融合した絶妙のメロディラインを誇るサビへの展開が最高に良い。
VANCOUVER「S.T」詳細は良く分かりませんが、MICHAEL
CURTIS率いるカナダのメロハー。発表年も不明、というか彼の手掛けた楽曲のコンピのようなアルバムかもしれません。しかしそのクオリティはかなり高く、厚みのあるKeyとコーラスをフィーチュアした快活な楽曲と爽やかなメロディが全編で楽しめます。一方、泣きのGtフレーズが印象的な哀愁チューン"HEART
OF THE CITY"や"THE LAST TIME"も秀逸な出来で、所々であのNEW ENGLANDを思わせる楽曲展開を見せます。ちなみにこれもLONG
ISLAND CLASSICシリーズ。
URGENT「TIMING」カナダのメロハー84年作。LONG
ISLAND CLASSICシリーズ。KLAUS MEINE似の湿り気を帯びた声質のVoが、泣きのGtを存分にフィーチュアした叙情的な哀愁チューンを全編で歌い上げる様は、TRIUMPHの哀愁曲を集めたような雰囲気。こと哀愁という側面に関してはこのLONG
ISLAND CLASSICシリーズの中でも随一で、個人的にも1,2を争うほどに好きなアルバム。
BYSTANDER「NOT SO INNOCENT」アメリカのメロハー87年作。LONG
ISLAND ROCK CLASSICシリーズ。厚みのある柔和でリリカルなKeyと爽やかなコーラスアレンジをフィーチュアしたキャッチーな産業ロック的な楽曲。比較的爽やかな楽曲が多い中で、1曲目の"WELCOME
TO THE REAL WORLD"は強力な哀愁メロのキラーチューン。その他の楽曲も全体的にハイクオリティ。
NENA「99 LUFTBALLONS」タイトルトラックがビッグヒットとなったドイツの産業ロック84年作。抜群にキャッチーなシンセポップのタイトルトラックだけでも聴く価値アリですが、"JUST
A DREAM"、"KINO"といった同系統のポップな楽曲から、しっとりした叙情メロをフィーチュアした"?"や"HANGIN'
ON YOU"等佳曲もあります。
JOHNNY VAN ZANT「BRICKYARD ROAD」あの産業ロックの名盤「VAN
ZANT」を残したJOHNNY VAN ZANTの90年ソロ。楽曲の骨格はサザンロックなんですが、メロディやKey、コーラスアレンジ等に産業ロック的な面影を見る事ができます。特に叙情的なKeyをフィーチュアした哀愁バラード"LOVE
IS NOT ENOUGH"、爽快で軽やかなメロディックロック"THREE WISHES"、レイドバックした泣きのブルーズGtと哀愁産業ロックが融合した"YOUNG
GIRLS"等は「VAN ZANT」に収録されていても違和感の無いような秀曲です。
MICHAEL MORALES「S.T」アメリカのシンガーソングライター89年1st。ROY
THOMAS BAKERプロデュース。99年にDEF LEPPARD的なアルバムを出した彼ですが、この1stではもっと軽快かつ爽快なメロディックロックをプレイしています。アルバム全編キャッチーでハイクオリティな楽曲満載の好盤。
MICHAEL MORALES「THUMP」アメリカのシンガーソングライター91年2nd。1stに比べて厚みのあるサウンドになりロック色が増した印象。Gtソロもしっかり用意され、ドラムの音もタイトかつビッグになり、コーラスの重ね方もDEF
LEPPARDのようにファットになっています。メロハーファンにはこちらのサウンドの方が肌に合うかも。メロディも変わらず高品質。
GO WEST「DANCING ON THE COUCH」イギリスのハイテクAORデュオ87年2nd。薄いヴェールのような柔和なKeyが全編を覆うハイセンスなポップスで、GLASS
TIGERあたりをソフィスケイトしてスムースにしたような楽曲。意外な程Gtサウンドもフィーチュアされており、躍動感ある楽曲もあり。
SKAGARACK「A SLICE OF HEAVEN」デンマークのメロハー90年3rd。"TALK
DIRTY TO ME"や"ROCK THIS CITY"での大味なリフで聴かせる楽曲で顕著なように、全体的にアメリカナイズドされてきたな、と感じさせるアルバム。とは言えメロのクオリティは依然として高く、"ANSWER
TO YOUR PRAYERS"や"ANYTIME,ANYWHERE"あたりでは北欧らしい透明感のある仄かな哀愁メロも健在。
SKAGARACK「BIG TIME」デンマークのメロハー93年4th。このアルバムからアメリカナイズドされてダメになった、とずーっと思ってたんですが、いざ聴き直してみるとアメリカナイズドされたのは3rdからだし、このアルバムも全然悪くない。確かに哀愁という面で見るとサッパリですが、洗練された爽やかなメロは非常に出来が良く、例えばEUROPEの「PRISONERS
IN PARADISE」的な質の高さが感じられます。・・・と言いつつ、「PRISONERS IN PARADISE」って好きじゃないアルバムなんですが、今聴き直したら良く聞こえるんだろうか? |
|