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2005年11月後半

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05.11.30 (wed)
LAKE「NO TIME FOR HEROES」ドイツのプログレハード/産業ロック84年作。僕の持っている「LAKE/PARADISE ISLAND」のカップリングからすると、初期は如何にもな古き良き時代の爽やかなプログレハード系の楽曲中心でしたが、このアルバムでは、より厚みのあるKeyとキャッチーなメロの導入によって産業化が進行した作風になっています。そのせいでセールス的には失敗したらしいんですが、その内容は、もう超絶的に素晴らしい!シンフォニックに楽曲を彩るKey、芳醇な泣きのプレイを次から次へと繰り出すGt、そして時に爽やかに時に湿り気を帯びた哀愁タップリに綴るキャッチーな歌メロと、これぞ理想的な産業ロック黎明期のサウンドスタイル!・・・って昨日もPRISMで同じ事書いたけど、これは更に強力だ!名曲クラスが目白押しなんですが、特に中盤、ゆったりしたヴァースから徐々にテンポアップして秀逸な哀愁サビメロ〜叙情的な泣きのGtフレーズと展開する"HEROES"、爽快で勇壮なKeyフレーズとSURVIVORあたりを思わせるポジティヴな魅力満載のサビメロとコーラスアレンジの"NEVER SAY NEVER"、泣きまくりのGtをフィーチュアしたドラマティックなインスト"INSTRUMENTAL NO.1"の3連荘の破壊力は超強力。名盤だ!

05.11.29 (tue)
PRISM「SEE FOREVER EYES」カナダのプログレハード78年2nd。BRUCE FAIRBAIRNプロデュース。スペーシーなKeyが快活に駆け巡る様は、初期STYXやNEW ENGLAND等のキャッチーなプログレハード勢を彷彿とさせます。爽快な歌メロと朗々としたコーラスワークが抜群に気持ち良い。ただキャッチーなだけでなく、スリリングなプレイも随所に聴かせてくれる好盤。
PRISM「ARMAGEDDON」
カナダのプログレハード79年3rd。BRUCE FAIRBAIRNプロデュースで、このアルバムからBRYAN ADAMSが数曲作曲に絡んでいます。彼の起用によって、従来のプログレハード的な側面に更にキャッチーな要素が加わった印象。縦横無尽に駆け巡るスペーシーなKeyと、芳醇なソロプレイを聴かせるGt、そして爽快で親しみやすいキャッチーなメロと、産業ロック化する直前のアメリカンプログレハードの理想的なサウンドスタイルで、全編ハイクオリティな楽曲が楽しめます。

05.11.27 - 28 (sun - mon)
CHRISTIAN「VELKOMMEN TIL BEGYNDELSEN」デンマークのAORシンガー02年作。アコギを絡めたモダンロック調のアレンジは前作と同じような雰囲気ですが、今作ではストリングスはほとんど用いられていません。メロディの方も、北欧的な哀愁というよりはアメリカのAAA系に近づいたような感じかな・・・と序盤は思ってたんですが、5曲目の"SKRIFTEN PA VAEGGEN"から一転、前作で聴かせた物悲しく叙情的な哀愁メロの連続。今回のキラーチューンはタイトルトラックで、仄かな哀愁を帯びつつもポジティヴさを感じさせるアップテンポ。前半もPATRIK ISAKSSON的な"MIN FREMTID"、朗らかなメロがポップに弾ける"SAGNET OM MYREN"等、内容自体は悪くない。このアルバムも充実の好盤でした。

05.11.26 (sat)
MAGNUM「SLEEPWALKING」ブリティッシュHR92年作。この時期のMAGNUMは落ち目と思われていますが(いや確かに全盛期に比べると落ちるのは仕方ないのですが)先入観無しに聴けば、仄かな翳りと堂々とした風格と洗練されたキャッチーなメロディが同居する、やや渋めのメロディアスハード作として十分に評価できるアルバムだと思います。ハートウォーミングでキャッチーな"YOU'RE THE ONE"、重厚感のあるHRチューン"JUST ONE MORE HEARTBREAK"、ポップな"ONLY IN AMERICA"、ドラマティックでメロディアスなタイトルトラック等、楽曲自体の出来は良いです。
SAMMY HAGAR「VOA」
VAN HALEN加入前のソロ84年作。TED TEMPLEMANプロデュース。パワフルで広い声域のVoを存分に活かした、爽快なアメリカンHRのお手本のような楽曲。これぞSAMMY HAGARといったヒット曲"I CAN'T DRIVE 55"、細やかなアレンジの妙が光る"SWEPT AWAY"、アンセム的な重厚なミドル"ROCK IS IN MY BLOOD"、大らかで爽やかな"TWO SIDES OF LOVE"、スリリングなHRチューンであるタイトルトラック等、名曲・佳曲揃いの好盤。
MANOWAR「HELL ON STAGE LIVE」
MANOWARの2枚組ライヴ盤2作連続リリースの2枚目99年作。前作のライヴ盤が、所謂定番曲やキャッチーな楽曲を集めた入門編とするなら、今作はよりマニアックな選曲や大作を中心に収録しています。"DARK AVENGER"〜"MARCH FOR REVENGE"〜"HATRED"〜"GATES OF VALHALLA"〜"BRIDGE OF DEATH"〜"WILLIAM'S TALE"〜"GUYANA(CULT OF THE DAMNED)" という、流れもへったくれも無い怒濤の重厚長大な楽曲の連続は、真のMANOWARファンしか付いてくるな!と言わんばかりで、まるで踏み絵のよう。
HONEYMOON SUITE「RACING AFTER MIDNIGHT」
カナダのメロディアスハード88年3rd。TED TEMPLEMANプロデュース。前作に比べてかなりエッジのある仕上がりになっており、切れ味鋭いリフが小気味良くドライヴする"LOOKIN' OUT FOR NUMBER ONE"や"OTHER SIDE OF MIDNIGHT"等はかなりハードな印象。その他、爽快でキャッチーなメロディの"LONG WAY BACK"、STEINBERG/KELLYの名曲カヴァー"COLD LOOK"、哀愁のフックを持った産業チューン"LOVE CHANGES EVERYTHING"、同名映画のテーマ曲であるバラード"LETHAL WEAPON"等、硬軟バランスの取れた楽曲。メロディアスハード作品としての完成度としては、彼等のアルバムでも随一。
BRENT BOURGEOIS「A MATTER OF FEEL」
元BOURGEOIS TAGGのCCMシンガー92年作。ややハスキーなスモーキーVoに、R&B的なグルーヴを交えたアーバンでスムースなAOR。
LAURA BRANIGAN「BRANIGAN 2」
アメリカの女性シンガー83年2nd。GtにMICHAEL LANDAU、KeyにROBBIE BUCHANAN参加。艶のある伸びやかなVoを活かした哀愁ハードポップといった雰囲気。カヴァーながら爽やかで力強いサビメロが印象的な"SOLITAIRE"、悲哀に満ちた強烈な哀愁を発するROBBIE BUCHANAN作曲のバラード"CLOSE ENOUGH"、DIANE WARREN作曲の秀逸な哀愁アップテンポ"I'M NOT THE ONLY ONE"、ラストを飾るに相応しい哀愁ロマンティックハードネスのお手本のような名曲"DON'T SHOW YOUR LOVE"等々、ハイクオリティな楽曲揃い。全体的に哀愁を帯びた曲調が多いのが嬉しい。
DRAGON「GREATEST HITS VOL.1」
オーストラリアのメロディックロックの初期ベスト盤79年作。リリカルなピアノと爽やかなメロディをフィーチュアした古のメロディックロックという雰囲気の楽曲。叙情的でドラマティックなアレンジと爽快なメロが絡むアップテンポ"THIS TIME"、繊細な泣きと洗練されたアーバンなメロディの"SHOOTING STARS"、スリリングな哀愁HRチューン"THE DREADED MOROCZY BIND"等が良い感じ。
ZURICH「INCOMMUNICADO」
アメリカの産業ロック89年作。スペーシーで厚みのあるkeyアレンジで、ややニューウェーブ色もある翳りを帯びたポップなメロディを聴かせる楽曲で、中期のSAGAに似たスタイル。ゆったりとしたシルキィな耳触りの繊細な哀愁メロディは、なかなかのクオリティ。
BACK TO BACK「CRACKSTREET」
デンマークのAORデュオ89年作。繊細な透明感のあるKeyアレンジに加えて、BとDrのアタックが強くなり、よりタイトな印象に。またファンク的なグルーヴ感も若干取り入れた事により、アルバムのメリハリが強調されています。涼しげなメロディラインは前作通り充実しており、同郷のTIME GALLERY等に似た雰囲気も感じられます。
MICHAEL FALCH「STAEVNEMODER」
デンマークのAORシンガー96年作。軽快ながらもロック色のあるGtを中心としたアレンジに、ポップで躍動感のある楽曲。特に前半が良い出来で、オープニングから2曲続くキャッチーなアップテンポ"OPTIMISTISK POPSANG"〜"NUER DU MIN"のツカミはかなり強力。その後も大らかでポップなメロディの"NAR JEG KOMMER HJEM"、郷愁を帯びたメロディが躍動する"SOM TIDEN GAR"、ブルージーな泣きを発するバラード"DU ER ET MESTERVAERK"等、佳曲がズラリ。後半ややマッタリするのが少し気になりますが、アルバム全体としては非常に印象の良い出来だと思います。

05.11.25 (fri)
KAYAK「NOSTRADAMUS-THE FATE OF MAN」オランダのシンフォ・プログレ・ポップの最新05年作。前作の「MERLIN」完全版に味を占めたのか、今作は更にボリューム満点の2枚組コンセプトアルバム。正直言うと、彼等の魅力は、気品溢れるメロディをコンパクトかつキャッチーにまとめた楽曲にあると思ってたので、今回は冗長なんじゃないかな・・・と危惧してたんですが、それは杞憂だったようです。従来よりの彼等の魅力である、クラシカルで品格のある美しいメロディ、ややトリッキーでポップな展開、繊細な哀愁といった要素に加え、壮大なオーケストレーションやHR的なスリリングな展開といったものも完全に身に付け、それらを目眩く展開で小気味良く聴かせていく様は、冗長さとは全く無縁。このバランス感覚は流石KAYAKならではの立ち位置を弁えているという感じ。まだ3周聴いたくらいで、この重厚長大なアルバムを全く咀嚼出来てないんですが、聴けば聴くほど楽しめそうな、傑作の雰囲気ビンビン。

05.11.24 (thu)
CHRISTIAN「DU KAN GORE HVAD DU VIL」デンマークのAORシンガー01年作。PATRIK ISAKSSONの楽曲を2曲カヴァーしてるんですが、その他の楽曲も、アコギとストリングスによる繊細なアレンジをモダンにまとめたメロディックロックで、相通じるものを感じます。全体的には北欧的な透明感と叙情味のあるメロディを大らかに歌い上げる楽曲が多いんですが、1曲目の"MOD DIG SELV"だけが、強烈な哀愁を振りまきつつ疾走する超キラーチューンであまりにも素晴らしい!
BACK TO BACK「GLODER AF HAB」
デンマークのAORデュオ。軽やかなGtと程良い厚みのKeyアレンジを施した涼しげな北欧ウエストコースト。どの曲もスムースなタッチで緊張感のある雰囲気ではないですが、穏やかで爽やかなメロディを堪能できる一枚になっています。

05.11.22 - 23 (tue - wed)
CONTENDER「FIGHTING TO WIN」アメリカのクリスチャン・メロディアスハード90年作。一応味付け程度にKeyは入ってますが、基本はGtオリエンテッドなアレンジで、適度なハードさを持った快活なメロディの楽曲。キラーチューンと呼べる程の楽曲は無いんですが、ホーリーな爽快さを感じさせる"SO I'M SINGING"、重厚なKeyアレンジと共に哀愁メロをゆったりと聴かせる"I KNOW YOU'RE THERE"等はまずまずの出来の佳曲。
STETNA「SET THE WORLD ON FIRE」
アメリカの女性Vo男女メロハーデュオ92年作。Gtをメインにしたアレンジに、どことなく欧州風の翳りのあるメロディを乗せた楽曲。歌メロ自体は大した事無いんですが、ドラマティックな展開や芳醇なフレーズを紡ぐGtプレイは聴き所が多いです。
GEORGIE RED「HELPLESS DANCER」ドイツのハイテクAORデュオ88年作。珍しい白人と黒人のペア。厚みのあるKeyとスムースなトーンですがそれなりにエッジのあるGtアレンジに、爽やかで少しソウルフルなムードのあるメロディ。そこそこキャッチーなメロで、軽やかなムードの楽曲はそれなりに楽しめるかな。

05.11.21 (mon)
STEVE CAMP「SHAKE ME TO WAKE ME」アメリカのCCMシンガーの85年作。名作「FIRE AND ICE」と「ONE ON ONE」の間に挟まれて影の薄い(?)アルバムですが、当然ながら出来はハイクオリティ。「FIRE AND ICE」がシリアスな哀愁産業ロックで、「ONE ON ONE」がAOR化しつつある産業ロックなら、このアルバムはハードポップ調のキャッチーなメロが満載の産業ロックという感じ。アップテンポでノリの良い"HELP IS ON THE WAY"、憂いのメロディを重厚なリズムで聴かせる"BAD NEWS FOR MODERN MAN"、CCMらしいホーリィなミドル"STRANGER TO HOLINESS"、ポップなメロディが躍動する"ON THE EDGE"、ポップなヴァースから秀逸なサビメロへ展開するタイトルトラック等、キャッチーで高品質な楽曲揃い。この時期のSTEVE CAMPのアルバムはどれも強力!
VITESSE「BACK ON EARTH」
オランダのベテランメロディアスハード92年作。70年代から数多くの作品を残しているようですが、これがラスト作になります。爽快でハートウォーミングなメロディを軽快なアレンジで聴かせるポップな楽曲は、欧州風の湿り気よりは、大陸的なカラッとした爽やかさの方が強く、アメリカのSSW系アーティスト、例えばSTAN BUSHやBRETT WALKERあたりを連想させます。かなり良い感じ。

05.11.20 (sun)
MERLIN「WIEDER AUF'S GANZE」ドイツの産業ロック91年作。重厚なKeyと美しく透明感のあるコーラスアレンジを施した、キャッチーで躍動感のある楽曲。FREIHEITの繊細さとPURのキャッチーさをミックスしたような雰囲気。ポップな疾走感満点の"DER HIMMEL UBER MIR"、FREIHEITに通じる繊細でメランコリックなバラード"ZWISCHEN JETZT UND IRGENDWANN"、サックスがムーディな雰囲気を醸し出す"REGEN"、スペーシーなKeyアレンジと軽快なドライヴ感が気持ち良いハードポップ"BLEIB' EINFACH HIER"等、超ハイクオリティな楽曲の連続。正に躍動感のあるFREIHEITという雰囲気がピッタリ来る極上のアルバム。
MISS B. HAVEN「S.T」
デンマークの女性5人組のメロディックロック92年作。コケティッシュな色気を漂わせたVoに、アメリカ西海岸の夕暮れ、みたいな、爽やかだけどどこか憂いを帯びたムードのある楽曲。サウンドは想像以上にタイトなバンドサウンドで、何となくTRANSVISION VAMPのような雰囲気もあり。
SCHULZE「ICH HANG AN DIR」
ドイツの産業ロック94年作。92年作の「PARADIESVOGEL」同様、抜群にキャッチーなノリの良いハードポップ調のスタイルはそのままですが、アレンジがシンセサウンドから生ピアノ、Gtもちょっと軽めのアコギを入れたりして、全体的にオーガニックなアレンジに変わった印象。全盛期のBRYAN ADAMSに近いような雰囲気もあり。軽快なピアノサウンドに導かれる極上のノリノリオープニングチューン"MORGEN"、暖かみのあるメロディがドライヴするタイトルトラック、憂いを帯びた叙情的なメロが冷やかに流れる"NIE WIEDER TANZEN"、軽やかなアコギリフと共に爽快に疾走する"ICH WEIB NICHT WIE"、繊細で叙情的なピアノバラード"WALZER"等々、強力な楽曲揃い。素晴らしい。
ヤフオク出品しました。

05.11.18 - 19 (fri - sat)
PUR「LIVE」ドイツの産業ロック92年ライヴ盤。「NICHTS OHNE GRUND」アルバムのツアーを収録。産業ロック化を始めた「PUR」からの4枚からメインに選曲されており、非常にキャッチーな楽曲揃い。観客のリアクションも非常に良く、臨場感のある良いライヴ盤になっています。
RECKLESS「HEART OF STEEL」
レアなカナダのメロディアスハード84年作。Gt中心のタイトなアレンジで、哀愁のメロディを随所に聴かせる楽曲。哀愁のサビメロが素晴らしいタイトルトラック、仄かな憂いを帯びながら軽快に疾走する"DRIVIN' YOU MAD"、ドラマティックなイントロの展開が秀逸な哀愁ミドル"ONLY AFTER DARK"等、中々のクオリティを備えた楽曲揃い。
CINEMA FACE「S.T」
カナダのメロディックロック94年作。スペーシーなKeyと美しいコーラスをフィーチュアしたドラマティックな楽曲は、プログレハード的な趣もやや感じられます。トリッキーなリフをフィーチュアした癖のある"UGLY SISTERS"、ドライヴ感のある哀愁チューン"FOR YOUR OWN GOOD"、プログレハード的な展開を見せる"CALLIN' THE SHOTS"、爽快なメロディが細かなGtリフと共に駆け抜ける"LEAD US ON"、叙情的なバラード"HEAVEN KNOWS"等、一筋縄では行かない個性的な楽曲が揃っています。
TALON「S.T」
アメリカのメロディアスハード02年作。泣きのGtフレーズと哀愁のメロディを随所にフィーチュアしたメロハー。メインのGtフレーズの泣きが堪らない"WRECKING BALL"、ソリッドなリフと哀愁のサビメロが格好良い"FIRE IN YOUR SOUL"、叙情的なヴァースからドラマティックに盛り上がる"STILL YOU RUN"等々、哀愁好きの溜飲を下げる非常に出来の良い楽曲揃い。前身のVOXENから数段クオリティアップした好盤。
MAURO SCOCCO「TILLBAKS TILL VARLDEN」
元RATATAのスウェーデンのAORシンガー99年作。アダルトで渋く落ち着いた雰囲気のあるスムースなAOR。ジャジーな気怠さを感じさせる"EN BILD I MIN PLANBOK"、物悲しい憂いを帯びた"HJARTAT DROJER SIG KVAR"、爽やかなメロディが軽やかに流れる"HIMLEN TILLHOR DIG OOH MIG"、叙情的なピアノに乗せて切々と歌い上げる"TVARS OVER MITT HJARTA"、ジャジーなスイング感が気持ち良い"KOM IGEN"等、穏やかなメロディに浸れる、大人びたビターなテイスト満載のアルバム。
BIG FAT SNAKE「RUNNING MAN」
デンマークのメロディックロック00年作。渋く枯れた味わいのあるメロディを乗せた骨太のグルーヴ感のある楽曲。仄かな憂いを帯びたメロがドライヴする"TWO THINGS"、気怠げなムードで心地良くスイングする"GOODNIGHT"、渋くブルージーな泣きのメロディを奏でる"PATIENCE"、哀愁のメロディが秀逸なアップテンポ"HAVE A SEED"等、かなり聴き応えのある佳曲が揃っており、アダルトな格好良さを持ったアルバムになっています。
MATTHEW WARD「FORTRESS」
アメリカのCCMシンガー90年作。DrにDEAN CASTRONOVOが参加。透明感のあるハイトーンVoに、HR的なエッジを感じさせるメロディアスな楽曲。ドラマティックな展開に勇壮な歌メロが絡む名曲"WARRIOR"、仄かな哀愁を伴いつつ舞い上がるような飛翔感のあるメロディがドライヴする"HEAVEN IS CALLING"、繊細で叙情的なバラード"SINCE I FOUND YOU"、プログレッシヴな展開を見せるインスト"PSALM 33:3"、大仰なコーラスを伴って目まぐるしく展開する大作タイトルトラック等、非常にハイクオリティな楽曲が揃った好盤。
JETTE TORP「HERE I AM」
デンマークの女性シンガー98年1st。プロデュースとアレンジをJAN GLAESELが手掛けています。朗らかなメロディのロックチューン"DON'T NEED NO REASON FOR LOVIN' YOU"、繊細なバラード"BLOWIN' IN THE WIND"、リリカルなピアノで叙情的なメロディを彩るタイトルトラック、R&B的なグルーヴ感のあるファンクチューン"EXPERIENCE"、ゴスペル調のムードがある"DON'T LET THE SUN GO DOWN ON ME"等、JAN GLAESELのアルバム同様、かなり幅の広い音楽性。
JETTE TORP「WHAT IF I DO」
デンマークの女性シンガー99年2nd。プロデュースとアレンジをJAN GLAESELが手掛けています。非常にスムースで美しいメロディのAOR。ゆったりと憂いを帯びたメロディを歌い上げる"AN ANGEL IN MY HEART"、北欧ならではの郷愁に満ちたメロの"AIN'T MOUNTAIN"、素朴でシンプルな雰囲気の"JUST LIKE YOU"等が良い感じ。
JETTE TORP「SNOWFLAKES IN FIRE」
デンマークの女性シンガー02年4th。前作同様ニューカントリー系の楽曲が主体。爽やかなメロディが軽快に躍動する"I HAVE FALLEN IN LOVE AGAIN"、朴訥なアレンジに乗せてハートウォーミングなメロディを聴かせる"GOOD TIMES"、叙情的なアコギと郷愁を誘うメロディが印象的な"WE'VE COME SO FAR"等、メロディのクオリティは高いです。

05.11.17 (thu)
LABAN「DE STORSTE NARRESTREGER」LECIA JONSSONとIVAN PEDERSENによるデンマークの男女シンセポップデュオ97年ベスト盤。82年1stから87年5thまでの5作から収録。初期と後期では微妙に音楽性が異なり、初期の頃はABBAあたりを思わせる朗らかでキャッチーなポップソング。一方後期は、ぐっと哀愁を増してGtソロも導入したハイテクAORっぽい雰囲気になり、ノルウェーのAVALANCHEを連想させる楽曲が多くなります。特に4th収録の"LOVE IN SIBERIA"、"KUN ET SEKUND"、5th収録の"FANGE I NATTEN"、"ASIAN HEART"等は哀愁AOR好きには堪えられない出来。オリジナル盤が欲しい。

05.11.16 (wed)
POCKETS「S.T」デンマークのハードポップ97年作。BEATLES的なポップなメロディを、ガレージっぽいサウンドで聴かせるスタイルは、ENOUGH ZNUFFなんかを連想します。どの曲も非常に親しみやすいキャッチーなメロばかりで、何も考えず気楽に楽しめる一枚。"HERE COMES THE SUN"のパンキッシュなカヴァー収録。
THOMAS HELMIG「SAY WHEN」プロデューサーとしても著名なデンマークのAORシンガー93年作。今は割とポップ畑の仕事をしていますが、本来はもっとロッカー然とした人で、この頃のアルバムには、まだその名残が十分に感じられます。どちらかというとR&R系のルーズで大らかなノリのアメリカンな雰囲気の楽曲が多く、北欧色はあまり感じないかな。ヴィンテージな渋いメロを聴かせる"THE WAY I'VE GOT IT FIGURED"や小気味良く跳ねるリズムとリフが心地良い"FOREVER"、しみじみとした叙情メロを聴かせるバラード"ROSIE'S HOMECOMING"なんかが良い感じ。

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2005年11月後半

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