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2006年1月後半

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06.1.31 (tue)
FX「IN MOTION」アメリカのメロディックロック87年作。軽いGtに多彩なシンセアレンジを施した、ある程度躍動感のある軽快な楽曲。"GIRL IN A WINDOW"や"CALLING OUT TO YOU"等、繊細で美しいメロディを聴かせる楽曲がある一方、浮遊感のあるKeyが淡く漂うアンビエントなムードの楽曲もあり。EIGHT SECONDSをより繊細にしたような雰囲気。
ERIN O'DONNELL「WIDE WIDE WORLD」アメリカの女性CCMシンガー03年作。AORというよりは、もっとポピュラリティのある女性シンガー歌モノ。オーガニックで繊細なアコギとピアノに少しテクノロジーを加えたモダンなアレンジに、ちょっと甘え系が入ったキュートなVoが爽やかで美しいメロディを歌い上げます。全体的にバラード調の楽曲が中心ですが、サビメロでグッと盛り上がる起伏のある展開なので、マッタリした印象はなく全曲楽しめます。
STEVE GREEN「WE BELIEVE」元WHITE HEARTのVoソロ91年作。これまでの彼のアルバムとほぼ同様の構成で、繊細で美しいピアノバラードを軸に、ストリングス入りの大仰でドラマティックな賛美歌調の楽曲、親しみやすいメロディのポップス等が収録されています。このアルバムは彼の作品の中では比較的宗教色が薄く、もの悲しい哀愁バラード"ALL ACROSS THE SKY"や、まるでBOB CATLEYのソロ作のような悲哀に満ちたドラマティックバラード"LET THE WALLS COME DOWN"等は秀逸な出来。
一応2005年のBESTを選んでみました。買ったまま放置の盤も山のようにあるので、とてもまともな選出とは良い難いですが、まあ、こんなモンかな、と。

06.1.30 (mon)
LIAISON「COOL WATER」アメリカの兄弟CCMデュオ98年4th。爽やかなウエストコースト的な楽曲に、ある程度ハードなエッジとROBBY VALENTINEを思わせるような多層コーラスを加えたメロディックロック。MICHAEL MORALESのような爽快ハードポップのタイトルトラックや、物憂げな憂いのあるAAA系モダンロック的な"THIS IS MY CARRY ON"、ストリングスを交えた美しい叙情バラード"THERES A PLACE"等、軸がブレない程度のバラエティもあり。コーラスの美しさは特筆モノで、3rdも悪くなかったですが、メロディの出来も更に良くなっており、会心作と言って良い出来。
INKER & HAMILTON「DANCING INTO DANGER」ドイツの男女ハードポップデュオの87年作。(前にスイスと書きましたが、やっぱドイツなのかな・・・)プロデューサーはENIGMAのMICHAEL CRETU。90年代のアルバムはアコギ主体の繊細な楽曲でしたが、このアルバムでは、厚みのある煌びやかなKeyアレンジを施した産業っぽいスタイルになっています。特に1曲目のタイトルトラックは、程良くハードなエッジのあるGtをフィーチュアした哀愁メロハーと言える楽曲。その他もクオリティの高いキャッチーな哀愁メロのハードポップ/AORがズラリ。これはかなり良い。MR.BIGもカヴァーしていた"WILD WORLD"もプレイしています。

06.1.29 (sun)
THE QUEST「DO YOU BELIEVE?」イギリスのメロディアスハード93年作。ポンプロック風のカラフルで起伏に富んだアレンジに爽やかなメロディを乗せた楽曲。PENDRAGONほど大仰なアレンジを施しているわけでなく、中期SAGAよりはメロディが印象的という感じで、美しいアレンジとメロディのメロディアスハードとして楽しめる一枚。
THINK OUT LOUD「SHELF LIFE」STEVE KIPNERとPETER BECKETTが結成したAORプロジェクトの97年2nd。MTMからのリリースだからなのか、AORと呼ぶには厚めのアレンジが施されています。特に派手な事をやっているワケでは無いのですが、どの曲もメロディの煽情力は半端ではなく、特に"CASTLES ON QUICKSAND"、"WAY BEYOND MY REACH"、"LET'S TALK ABOUT LOVE"といった楽曲でのサビメロの盛り上げ方は超強力で、ヴァース〜ブリッジとのコントラストが鮮烈。1stよりも良い出来かも。
LEVITICUS「KNIGHTS OF HEAVEN」後にXTを結成するBJORN STIGSSONが率いるスウェーデンのメロディアスハード89年作。プロデュースはELEFANTE兄弟で、VoはPEO。初期とは異なり非常に洗練されたサウンドになっており、適度にエッジのあるGtに煌びやかなKeyアレンジ、爽やかさの中に仄かな哀愁と透明感の感じられる、如何にも北欧メタル的な楽曲。比較的バラエティに富んだ前半も良いですが、クオリティの高い北欧メタルチューンを揃えた後半の出来は更に素晴らしく、"STRONG LOVE"、"MESSIAH"、"OVER THE HILLS"等はキラーな出来。
RIK EMMETT「IPSO FACTO」元TRIUMPHのGtの92年ソロ2作目。彼の懐の広さを感じさせるバラエティに富んだアルバム。TRIUMPHを思わせるスリリングなHR"STRAIGHT UP"、キャッチーなメロディを配したメロディックロック"BANG ON"、ハートウォーミングで叙情的なメロディが感動的な"LET LOVE CONQUER ALL"、サックスをフィーチュアした渋いAOR調の"DIG A LITTLE DEEPER"、彼お得意の繊細なアコギインスト"LICKITY BIT"、ブルーズをベースにした哀愁のメロディと泣きのGtソロが圧巻の"OUT OF THE BLUE"等々、彼の才能の豊かさを存分に感じ取れる内容。
PETRA「NO DOUBT」アメリカのCCM95年作。ELEFANTE兄弟プロデュース。先入観故に「どうせ駄盤だろう」と思っていたら、意外にも悪くないぞ。楽曲の骨格はモダンなアメリカンロック的で、そこに巧みなメロディと彼等お得意の厚みのあるコーラスアレンジを加える事によって、聴き応えのあるメロディックロックに仕上げています。往年の産業〜メロハー路線とは異なりますが、これはこれで良い作品だ。
CHARLIE「HERE COMES TROUBLE」イギリスの産業ロック82年6th。やや時代を感じさせる繊細ながらも煌びやかなKeyと、美しくハモるコーラスアレンジを施したキャッチーな楽曲は、NEW ENGLANDあたりに通じるものがあります。RENAISSANCEからの再発に伴ってボートラが加わっていますが、躍動感のあるポップな本編の楽曲に比べ、ボートラは翳りのあるムーディなAOR。
MICHAEL O'BRIEN「CONVICTION」アメリカのCCMシンガー96年作。ROY SALMONDとBILL BAUMGARTがエグゼクティヴ・プロデューサーに名を連ねています。張りのある力強くスムースな歌唱で歌い上げるAOR。美しいメロディのピアノバラードが中心ですが、ハートウォーミングなメロディが躍動する"LEAST THAT I CAN DO"、ポップなメロディがファンキーに弾ける"THINK ABOUT YOU"、ポジティヴな熱いサビメロのタイトルトラック等がアルバムのフック。なかなか良い感じ。
ALIAS「S.T」FREDDY CURCIをはじめとする元SHERIFFのメンバーとHEARTのメンバーで結成されたメロディアスハード90年作。SHERIFFやその後のFREDDY CURCIのソロ作に比べてかなりハードなサウンドで、正に80年代後半〜90年代前半のビッグプロダクションの王道アメリカンHR路線の楽曲。哀愁の効いたスリリングなHR、快活で爽やかなメロディのミドル、叙情的なパワーバラードと、典型的ながらもクオリティの高い楽曲が揃った好盤。
MICHAEL OMARTIAN「THE RACE」アメリカのCCM系名プロデューサー兼Keyの91年ソロ2作目。ほぼ全ての楽曲をMICHAEL ANDERSONと共作しています。ドラマティックなKeyソロが聴きモノの柔和なAOR"FAITHFUL FOREVER"、ややヘヴィなGtを含む重厚なアレンジを施した産業チューン"HEARTBREAK CITY"、キャッチーなメロディが弾ける"LET MY HEART BE THE FIRST TO KNOW"、アンビエントなムード漂う浮遊感のあるバラード"KINGDOMS"、アラビアンなフレーズを盛り込んだ異色曲"CRY FROM THE EAST"、コンテンポラリー度満点のメロウなAOR"MORNING LIGHT"、ゴスペル調の女性コーラスと共にファンキーに跳ねる"BURN IT UP"等、数々の名作を手掛けたプロデューサーらしく幅広いスタイルにチャレンジしながらも、高いクオリティをキープした楽曲は見事。
DAVID BRYAN「ON A FULL MOON...」BON JOVIのKeyのソロ94年作。全曲ピアノインスト。テクニックを駆使した作風ではなく、例えばGEORGE WINSTONのような優しく美しいメロディのイージーリスニング的な楽曲。"IN THESE ARMS"のピアノバージョン収録。
STEVE GREEN「WHERE MERCY BEGINS」元WHITE HEARTのVoのソロ94年作。PHIL NAISH、BROWN BANNISTER等のプロデュース。繊細で美しいメロディのホーリィなAOR。心洗われるような澄み切ったメロディのバラードがある一方、ある程度のポップ感覚のあるキャッチーな楽曲もある好盤。彼のアルバムの中では一番聴きやすいかも。
ヤフオク出品してます。またやってしまった。レア盤に大金突っ込んだ直後に再発。WAYSTEDに続きALEXA。この辺はそろそろ再発来るかな、と思ってはいたものの、今日支払って今日情報知るって、早すぎ!まあ、オリジナルを持ってる事に価値があるって事にしておこう。調子に乗ってSAFIREも。これも再発って事は無いよな・・・?ぶっちゃけ最近はCD1枚に1万、2万使うぐらいは何とも思わなくなってきた。ヤバい兆候だ。

06.1.28 (sat)
KELLI REISEN「DREAM OF A LIFETIME」アメリカのCCM女性シンガーの92年作。ELEFANTE兄弟プロデュースで、ELEFANTE兄弟やRICK CUAが楽曲提供しています。美しいKeyアレンジを施した穏やかなバラード中心の楽曲。その中でもポジティヴなメロディと適度なドライヴ感のあるELEFANTE兄弟作曲のタイトルトラック、繊細で切なく物悲しいメロディが素晴らしい"COME AS YOU ARE"、ハードポップ的な躍動感のある"I WANNA BE READY"等がアルバムのフックを設けています。
ALDO NOVA「BLOOD ON THE BRICKS」カナダのマルチプレイヤー91年4th。ほぼ全ての曲をJON BON JOVIと共作しています。そのためなのか、彼のアルバムの中で最もHR色が強い作品になっています。メロウな哀愁が彼の持ち味でしたが、ここでは爽快でキャッチーなアメリカンHR的な楽曲がメイン。楽曲のクオリティは非常に高く、彼のソングライターとしての才能を十分に感じさせますし、Gtプレイもテクニカルでスリリング。
SAVATAGE「FIGHT FOR THE ROCK」アメリカの正統派HMの86年4th。HMのダークな部分を体現していたバンドが売れ線に走ろうとして模索していた頃のアルバム。カヴァーを2曲収録しているあたりは迷いが感じられますが、ここまで特異なサウンドを持ったバンドが売れ線に走れるはずもなく、中盤のドラマティックな佳曲"THE EDGE OF MIDNIGHT"、"HYDE"、"LADY IN DISGUISE"等は完全にSAVATAGE色満点。これ以降は自らの立ち位置を見直したのか、独自路線を追求していきます。彼等のアルバムの中で特に強力なアルバムというわけでは無いですが、これはこれで悪くない作品。
TARAXACUM「SPIRIT OF FREEDOM」STEEL PROPHET、EDGUY、ROUGH SILK等のメンバーで構成されたプロジェクト的なドイツのメロディックパワーメタル01年1st。MTMからリリースされているだけあって、かなりメロディアス。哀愁と爽快さが微妙に溶け合った独特なメロディのタイトルトラック、突進力のあるGtリフが疾走する"BLAST OFF"、浮遊感のある叙情バラード"ALONE"、アメリカンHR的な感触を持った"CIRCLE OF FOOLS"、ブルージーなトーンのGtをフィーチュアした渋い異色曲"LIFE GOES ON"、コンパクトなGtリフと爽やかなメロディがメロハー的な趣の"NEVER LET YOU GO"等々、一概にメロパワと括れない引き出しの多さを感じさせる楽曲群。実力派のバンドのメンバー故に演奏やプロダクションは一級品。
DIAMOND RIO「LOVE A LITTLE STRONGER」アメリカのニューカントリー系産業ロック94年作。RESTLESS HEART等と似たタイプで、洗練された爽やかなメロディを、アコギ中心のカントリー色のある楽曲に乗せたスタイル。数曲ある本格的なカントリー曲以外は美しく透明感のあるメロディが楽しめます。
AIDEAN「PROMISES」ドイツのメロディアスハード88年作。リマスター&ボートラ3曲追加しての再発盤。リヴァーヴたっぷりのブ厚いKeyに適度にハードなGtアレンジを施した欧州型哀愁メロハーで、KAROやROKOに近いタイプ。楽曲のクオリティも前述のバンドに遜色無い程度には高く、多少B級っぽさもあるものの、哀愁メロハー好きなら楽しめる一枚。
VAUGHN「SOLDIERS AND SAILORS ON RIVERSIDE」元TYKETTOのDANNY VAGHNが結成したアメリカのメロディアスハード00年作。ブルーズベースのGtで構成された楽曲に、ドライで爽やかなメロディを熱く艶のある歌唱で聴かせるアメリカンHR。軽快で爽やかななメロディックロック"IS THAT ALL THERE IS?"、ピアノをバックにポジティヴなメロディを感動的に聴かせるタイトルトラック等、佳曲と呼べる楽曲が何曲かあり。
PHOENIX DOWN「UNDER A WILD SKY」KANE ROBERTS率いるアメリカのメロディアスハード99年作。自作曲は、ブルーズベースのGtを軸にしたアメリカンHR的な楽曲。他のソングライターとの共作曲はやや趣を異にし、MIKE SLAMMERと共作した"RECKLESS"は、いかにもMIKE SLAMMERなフックのあるヘヴィなGtリフの格好良いHRチューン。JIM PETERIKと共作した"WALK"、"LOVE GONE WRONG"は哀愁のメロディを前面に出した楽曲で、流石天才JIM PETERIKと溜飲を下げる秀曲。DESMOND CHILDと共作した"REBEL HEART"もDESMOND色が強く出た楽曲で、メロディアスでキャッチーなサビメロが印象的な楽曲で良い出来。

06.1.27 (fri)
TWO TUNES「RAINDROPS TALKING」スイスのAORデュオ91年作。(以前ドイツと書きましたが、スイスだったようです。)ほぼ全編アコギをメインにした繊細なアレンジに、STINGを思わせるアンニュイでどこか郷愁を感じさせるメロディを乗せた、淡い色彩の楽曲。
RATATA「GULD 1981-1987」MAURO SCOCCOとJOHAN EKELUNDによるスウェーデンのAORデュオのベスト盤。発表順に並べた曲順のため、非常に軽いシンセポップ的な初期の楽曲から、徐々にサウンドのクオリティが上がり、最終的には軽やかなGtと冷ややかなトーンのKeyアレンジを施した北欧AORへ変遷していく様子が如実に分かる構成となっています。メロディ自体は、どの曲も軽快で爽やかな中に透明感のある哀愁を織り込んだ北欧的なもので一貫していて、北欧AOR〜ポップス好きならアルバム通して楽しめるものになっています。
CLAY CROSSE「MY PLACE IS WITH YOU」アメリカのCCMシンガーの94年作。穏やかで美しいメロディのバラード主体の楽曲をソウルフルな歌唱で歌い上げるAOR。ゴスペル調の女性コーラスを伴ってポップに弾ける楽曲もあり。いかにもCCMという雰囲気の手堅い一枚。

06.1.26 (thu)
LISA MISKOVSKY「S.T」スウェーデンの女性シンガーの01年1st。モダンな味付けを施した適度なハードエッジのあるメロディックロック。強烈な哀愁メロが炸裂するキラーチューン"DRIVING ONE OF YOUR CARS"、大らかな広がりのあるメロディがエモっぽい雰囲気の"WHAT IF"、切なく仄かな哀愁を軽やかなGtに乗せた"SAD LULLABY"、アコギをバックに北欧トラッド的な郷愁メロを聴かせる"MARY BELL"等、力強いロック感と北欧の繊細な憂いを同居させた楽曲群。ブレスに色気を感じさせるキュートな歌唱も良い感じ。
LAVA「ALIBI」ノルウェーのAOR05年作。前作では如何にも北欧的な冷ややかな透明感のある楽曲が中心でしたが、今作ではよりバラエティに富みつつも、彼等のルーツでもあるソウル色が割と強く出た作風になっています。AOR全盛期を彷彿させるアーバンでメロウな哀愁チューン"CLOSET"、まるでアメリカのモダンロックを思わせる大らかで爽やかなメロディの"COVER ME"、サックスの音色が美しいRICHARD MARX的なバラード"TEARS ARE NOT ENOUGH"、粘りのあるグルーヴ感が心地良いソウルフルなタイトルトラック、ファンキーなグルーヴ感がSTEVIE WONDER等を思わせる"DANGEROUS GAME"、繊細で爽やかなメロディックロック"LONELY PLANET"、冷ややかなメロディの北欧哀愁バラード"CHANGE"等々、ある程度曲調に幅を持たせつつも、メロウで美しいメロディを終始聴かせます。AORアルバムとして非常に充実した出来。
KURT NILSEN「I」ノルウェーのAORシンガー03年1st。2ndではアコギ中心の割と枯れたアレンジになっていましたが、このデビュー作ではディストーションの効いたGtとストリングスを絡めたモダンなアレンジで、近いのはPATRIK ISAKSSONかな。深みのある地声とファルセットの使い分けが絶妙で、物凄くエモーショナルに聞こえます。絡みつくような濃密な哀愁メロが強力なキラーチューン"HERE SHE COMES"、ポジティヴで爽やかなメロディを軽快なテンポで聴かせる"ALL YOU HAVE TO OFFER"、ストリングスが哀愁メロを盛り上げるPATRIK ISAKSSON的叙情バラード"BREATHE YOU IN"、ポップで切ないメロディが軽やかに駆け抜ける"LAST DAY OF SUMMER"、ヘヴィなGtリフが面白い重厚なミドル"SUE ME"、エモっぽい叙情的なメロディの"WEDDING'S OFF"、ラストを飾る悲哀に満ちた美しいピアノバラードのタイトルトラック等、非常に素晴らしい楽曲揃い。最初に聴いた2ndも良かったが、この1stは更に強力だった。名盤。
やっぱ北欧モノは良いなあ、と感じた今日の3枚でした。

06.1.25 (wed)
FAME「GIVE ME YOUR LOVE」スウェーデンのAOR男女デュオ03年作。ややダンサブルなアレンジのポップを施した、北欧らしい透明感と仄かな憂いを帯びた爽やかなメロディの楽曲。CHARLOTTEのような爽やかなポップさ、ANDERS JOHANSSONのような仄かな哀愁、ARENAのような透き通るような透明感といったキーワードを連想させるキャッチーな楽曲揃い。特にEUROVISIONエントリー曲の"GIVE ME YOUR LOVE"は素晴らしい出来。
DEGARMO & KEY「HEAT. IT. UP.」アメリカのCCMデュオ93年作。アメリカンロック色の強い楽曲に適度にキャッチーなメロディを乗せた楽曲。このアルバム以降の彼等の作品は枯れたブルーズロックに傾倒していきますが、このアルバムではまだ躍動感のあるキャッチーな楽曲が楽しめます。フックのあるGtリフが印象的な"SELECTIVE AMNESIA"、躍動感のあるHRのタイトルトラック、ハートウォーミングなメロディの"TALK TO ME"等が佳曲と言える出来。
GIUNTINI PROJECT「VOL.1」イタリアのALDO GIUNTINIなるGtのプロジェクトの94年1st。プロデュースはDARIO MOLLO。欧州的な翳りのあるメロディをフィーチュアした、やや様式美的な正統派HR。Voの歌い回しがTONY MARTINを思わせる事もあり、TONY MARTIN在籍時代のBLACK SABATHの楽曲を彷彿させます。重厚な様式美を感じさせる"THE PRICE OF LOVE"や"NOW THOSE DAYS ARE GONE"、欧州型Key入り哀愁メロハー的な"MAKE ME FEEL SO GOOD"、正に「HEADLESS CROSS」時代を彷彿させる"WHEN THE DREAM HAS DIED"、スリリングな疾走チューン"MASQUERADE"、少しYNGWIE的な様式チューン"S.W."等、非常にクオリティの高い楽曲が揃っています。
BRITTON「UNTIL THE DAY WE DIE」カナダのメロディアスハード94年作。頭2曲がやや気怠げでダークなムードの楽曲で掴みが悪いんですが、中盤から後半にかけては仄かな哀愁を含みつつも爽やかなメロディを聴かせる、カナダ産メロハーらしい楽曲を聴かせてくれます。憂いのあるヴァースからポジティヴなサビメロへ展開する"HOLD ON"、哀愁を帯びたキャッチーなサビメロの"THAT LITTLE VOICE"、リリカルなKeyに繊細な哀愁メロを乗せた哀愁キラーチューン"SUPERMAN"等、オーソドックスなメロハーながらも、なかなかの佳曲が収録されています。

06.1.24 (tue)
BANGING RUSH「HOLIDAY IN EDEN」「ISLAND NIGHTS」で有名なTONY SCIUTO率いるメロディックロック97年作。甘くメロウな哀愁AORのイメージのある彼ですが、ここでは適度にハードなGtをフィーチュアしたアメリカンロック色の強い楽曲をプレイしています。哀愁を帯びた軽快なアップテンポ"WELCOME TO THE SHOW"、軽やかなGtに爽やかなメロディのハードポップ"LAST WEEKEND"等が良い感じ。
CAROLA「FRAMLING」非常に多くのアルバムを残しているスウェーデンのベテラン女性シンガーの83年作。歌謡アイドル的なジャケからの想像通り、やや歌謡曲的な臭みのある哀愁曲とキャッチーなポップソングがメイン。爽やかなサビメロがABBAを思わせるタイトルトラック、歌謡曲調の哀愁メロの"SAG MIG VAR DU STAR"、ポジティヴで高揚感のあるハードポップ"GLORIA"、あのゴリエもカヴァーしていた"MICKEY"、爽やかな産業ロック風アップテンポ"14 MAJ"、リリカルで煌びやかなKeyアレンジのエレポップ"DU FORSVINNER I NATTEN"等、想像以上にハイクオリティな楽曲に嬉しい驚き。やや平坦ながらも伸びやかなハイトーンVoも良い感じ。
NIGHTINGALE「THE BREATHING SHADOW」元EDGE OF SANITYのDAN SWANOのソロプロジェクト95年1st。ニューウェーブからの影響を受けたエレクトロニクスなアレンジを施したダークでメランコリックな楽曲。"NIGHTFAIL OVERTURE"や"THE DREAMREADER"等での憂いを帯びたメロディは素晴らしい出来。

06.1.23 (mon)
MACHINE MEN「SCARS & WOUNDS」フィンランドの正統派HM03年作。BRUCE DICKINSONに激似のVoに、ソリッドかつ重心の低いリフと流麗なツインリードを奏でるGtワークが構築する、ダイナミックかつメタリックな楽曲の数々は、今のIRON MAIDENにやって欲しい曲はこんなのなんだ!と言いたくなります。どの曲も非常に良く出来てますが、ツインリードのハモリが強力な超MAIDENタイプ、というかBRUCE DICKINSONのソロ作タイプな"SILVER DREAMS"が最高に良い。
BALTIMOORE「ORIGINAL SIN」スウェーデンのメロディアスハード00年5th。NIKOLO KOTZEVが脱退し、THOMAS LARSSONが復帰したアルバム。DEEP PURPLE〜RAIBOWに影響を受けたHRという路線は同じですが、様式美系の楽曲から、滋味溢れる渋いGtをフィーチュアしたブルーズベースのHRという方向にシフトしたようです。やや地味ですが味わい深い曲もあります。

06.1.22 (sun)
HARROW「THE PYLON OF INSANITY」オランダのパワーメタル94年1st。ザクザクした硬質感あるGtリフが重厚でドラマティックな展開をもった楽曲を構築しています。疾走感のある"CATSTRIKE"、コンパクトなGtリフが楽曲にキャッチーさを与えるアップテンポ"ROAD TO NOWHERE"等、なかなか格好良い楽曲が揃っています。
AVALON「S.T」アメリカのCCM4人組コーラスグループ96年作。美しいコーラスをフィーチュアしたスムースでポップなAOR。ダンサブルな味付けをしたアップテンポなアーバンポップ"THIS LOVE"、厳かなストリングスをフィーチュアしたバラード"THE GREATEST STORY"、切なく繊細なメロディのバラード"DON'T BE AFRAID"、R&B的なアレンジに憂いのメロディを絡めた"HERE TO DELIVER"等、安心して楽しめるCCMアルバムになっています。
A.N.D.「MADMENS OVERTURE」JUDAS PRIESTの初代シンガーのAL ATKINSのソロアルバムでバックバンドを務めた事で知られる、イギリスの正統派HRの92年2nd。英国産らしい翳りと湿り気を帯びたオーセンティックなHMサウンドは、同郷のSTAIRWAY等にも通じるものがあります。哀愁メロハー的なHRチューン"THUNDER IN THE SKIES"、Gtリフがクドい程に延々と繰り返される大仰な"LIVE IT UP"、切れ味鋭いリフが疾走するタイトルトラック、3分以上に及ぶ繊細な泣きのGtソロをイントロとして重厚なGtリフをフィーチュアしたヘヴィチューンに雪崩れ込むドラマティックな"SOME DAY-UTOPIA"等、初期JUDAS PRIEST等の影響を感じさせるブリティッシュHMが収録されています。
BANGALORE CHOIR「ON TARGET」元ACCEPTのVo、DAVID REECE率いるアメリカンメロディアスハード92年作。前半にSTEVE PLUNKETT、CURT CUOMO、ALDO NOVAといった外部ライターによるキャッチーな産業風味のHR曲を、後半にJOHN SYKES在籍時のWHITESNAKEを思わせる程良いブルーズ風味を上手く取り入れた熱いアメリカンHRを配した構成。DAVID REECEの歌唱もDAVID COVERDALEを彷彿させる素晴らしい出来で、どの曲も確かなクオリティを感じさせる格好良いアルバムに仕上がっています。
ABSTRAKT ALGEBRA「S.T」CANDLEMASSのLEIF EDLING率いるダークで重厚なHM95年作。VoはMATS LEVIN。CANDLEMASSを聴いた事のない門外漢なので、比較論ではなく、単純にこのアルバムだけを聴いた感想です。メタリックで暗く沈み込むようなGtリフに、ザラついたハスキーな声質のVoが絡みつくように情感豊かな歌メロを乗せていく楽曲はかなり格好良い。SEやKeyの装飾で更に荘厳さや絶望感を加味しているのもポイントが高く、タイトルトラックの導入部や、"APRIL CLOUDS"の繊細なアコギから荘厳なKeyフレーズへの展開等が非常に良い雰囲気。
FLYING SKULL「REVELATION」ドイツの正統派パワーメタル93年作。メタリックなリフとドラマティックな構成で聴かせる楽曲。全体的に芳醇なGtソロを含んだ長尺の楽曲が多く、10分超え"FORGOTTEN WORLD(GENESIS)"や9分超えの"TAKE MY HAND"などは、多様な展開を見せる楽曲。ちょっと歌メロが垢抜け無いのがB級っぽさを感じさせますが、この楽曲の長さをして、あまりダレた印象無く聴かせてくれるのは、それなりの実力の現れと言えるでしょう。
POVERTY'S NO CRIME「THE AUTUMN YEARS」ドイツのプログレメタル96年2nd。展開に富んだテクニカルな楽曲と叙情味を帯びたメロディが融合した楽曲。繊細なKeyアレンジを施したメロウなパートからIRON MAIDENばりの疾走パートまで激しく場面展開しつつも、緊張感を保ったタイトな演奏と魅力ある歌メロで聴かせる充実した楽曲。楽曲の輪郭を掴むのにやや聴き込みが必要なものの、それに見合う作品かと。

06.1.21 (sat)
VAN ZANT「S.T」JOHNNY VAN ZANT率いるカナダの産業ロック85年作。重厚なKeyアレンジを施した哀愁の産業ロック。カヴァー曲の"I'M A FIGHTER"、"2+2"を含めて、とにかく全曲超ハイクオリティで、爽快でキャッチーなサビメロが印象的な"MIDNIGHT SENSATION"、濃密な哀愁メロが胸を焦がすキラーチューン"SHE'S OUT WITH A GUN"、ゆったりとしたヴァースから哀愁のサビへの展開が秀逸な"YOU'VE GOT TO BELIEVE IN LOVE"、リリカルなKeyフレーズがドライヴ感のある楽曲に絡む産業曲"HEART TO THE FLAME"、ラストを飾る哀愁キラーな"LONELY GIRLS"等々、哀愁産業好きなら絶対マストな名盤。ムチャクチャ好きな一枚。
HUSH「S.T」3〜ALLIANCEのROBERT BERRYが最初に在籍したバンドの79年作。軽やかなGtとピアノアレンジをフィーチュアしたNEW ENGLAND等を思わせる古のメロディックロック。爽やかな躍動感のある"OUT ON THE STREET"、リリカルな哀愁を帯びた"SATURDAY NIGHT"等、サウンドはやや古さが感じられるもののメロディのクオリティは高く、流石ROBERT BERRYと思わせる出来。
MELODICA「LONG WAY FROM HOME」元DANGER DANGERのVoであるTED POLEY率いるアメリカのメロディアスハード00年作。煌びやかなKeyと適度にハードなGtアレンジに、爽やかなメロディのJOURNEY型メロハー。美しいコーラスをフィーチュアした飛翔感のある爽快な楽曲の数々は、かなりレベルが高く楽しめるんですが、TED POLEYの高音が出ない詰まり気味の歌唱がしっくり来ず、楽曲に煮え切らない雰囲気を与えてしまっているのが惜しい。STEVE PERRYが、いやせめてHUGOが歌っていれば傑作と呼べたかも、なんて。
KEVIN CONNELLY「SON OF THE SUN」カナダの男性シンガーの96年作。アコギとピアノを軸にしたアレンジに、軽やかで叙情的なメロディが胸に染みるメロディックロック。やや枯れた渋みのあるトーンのGtがハートウォーミングなメロディに絡む"THE HAND THAT FEEDS YOU"、軽やかなGtがドライヴするキャッチーなサビメロの"NEVER GONNA FIND A LOVE LIKE MINE"、叙情的で繊細なピアノバラード"HANGIN7 BY A THREAD"等が良い感じ。

06.1.20 (fri)
WAVE「NOTHING AS IT SEEMS」カナダのAORデュオ01年作。繊細なアコギに打ち込み系のテクノロジを織り込んだモダンなアレンジを施した、爽快で穏やかな楽曲。美しいコーラスを交えたハートウォーミングなメロディは叙情感タップリに胸に染み入る非常に素晴らしい出来、RICK PRICEあたりを思わせる雰囲気。
LORDI「GET HEAVY」ゾンビを模した派手なコスチュームに身を包んだフィンランドのメロディアスハード02年1st。80's王道メタルに北欧の哀愁をプラスしたような作風は、どこか猥雑なムードとややダミ声で漢臭いVoの雰囲気も相まって、例えるなら「TRASH」の頃のALICE COOPER meets HIMという感じか。サビメロがALICE COOPER的な"DEVIL IS A LOSER"、重厚で雄々しいメロディがACCEPTを思わせる"ROCK THE HELL OUTTA YOU"、強力な哀愁のサビメロを有する"WOULD YOU LOVE A MONSTERMAN?"、北欧メランコリックゴスの寂寥感のあるムードを漂わせる"ICON OF DOMINANCE"、TO/DIE/FORを彷彿させるノリの良い"HELLBENDER TURBULENCE"等々、非常に強力な楽曲揃い。素晴らしい。
LEE AARON「CALL OF THE WILD」カナダの女性メタルシンガーの85年3rd。カナダの名バンドWRABBITのJOHN ALBINIがソングライター兼Gtとして参加。2ndに比べるとGtリフのエッジがやや丸くなり、メロディアスハード寄りになった印象ですが、ソロでの構築美に溢れたフックあるプレイは健在。哀愁のメロディは更に磨きがかかり、どの曲も良い出来ですが、ヘヴィで重厚感のある"ROCK ME ALL OVER"、キャッチーなコーラスが印象的な"RUNNIN' FROM THE FIRE"、スリリングな哀愁メロの"LINE OF FIRE"、スムースでAORハード的な趣の哀愁チューン"PARADISE"、泣きのGtフレーズを存分にフィーチュアしたキラーチューン"DANGER ZONE"等が特に良い。
BEAU GESTE「S.T」カナダの産業ロック82年1st。歌詞はフランス語。このアルバムでのメインソングライターはBRYAN HUGHESではないようで、メロウな哀愁メロが中心だった2ndとは印象が異なり、爽やかで軽快かつポップな楽曲が中心。これはこれで出来の良い楽曲になっています。
HAYWIRE「DON'T JUST STAND THERE」カナダのハードポップ87年2nd。1stに比べて躍動感をやや抑えて、哀愁度を高めたような雰囲気。全曲レベルの高い楽曲を揃えていますが、切ない憂いの感じられる"FIRE"や透明感の中に仄かな哀愁を潜ませたキャッチーな"SEPERATE DREAMS"等が特に良い。

06.1.19 (thu)
LEE AARON「METAL QUEEN」カナダの女性メタルシンガーの84年2nd。Gtオリエンテッドな楽曲に、雄々しい哀愁を帯びつつもキャッチーさの感じられるメロディが、何となくWARLOCKを思わせます。歌メロの裏ではコンパクトなリフを刻むGtが、ソロパートでは芳醇なソロプレイを聴かせてくれるのもグッド。非常に格好良いアルバムに仕上がっています。
TUSK「TALES FROM A HAUNTED BOOK」ドイツのメロディアスハード。何年作かは不明ですが、LONG ISLAND盤なので多分95年くらいの作品。硬質感のあるGtを前面に出した楽曲に、翳りと臭みを帯びたメロディを乗せた、いかにもドイツ産らしい欧州型メロハー。疾走するワケでは無いですが、メタリックなリフを刻む適度なドライヴ感のある楽曲はなかなか格好良く、またメランコリックなアコギをフィーチュアした叙情的なバラードもあったりして、B級臭さはあるものの楽しめるアルバム。
STEVE GREEN「THE MISSION」元WHITE HEARTのVoソロ89年作。繊細で美しいピアノバラード、ストリングスを大フィーチュアした大仰でドラマティックな賛美歌調の楽曲、親しみやすいメロディのポップス等を、どれもマイルドで優しげなVoで歌い上げます。
「白夜行」2話目。あの二人の間には、こんな事もあったろうなあ、と原作の行間を見せる内容。これはこれで面白いな。

06.1.18 (wed)
HUMAN RACE「DIRT EATER」スウェーデンのメロディアスハード01年作。RAINBOWをヘヴィかつダークな雰囲気のモダンなアレンジにしたような欧州型正統派メロハー。熱い歌唱を聴かせるシンガーが歌う欧州風の翳りのある力強いメロディと、骨太なGtリフが構成するグルーヴ感ある楽曲は、なかなか聴き応えあり。RAINBOWの"TAROT WOMAN"のカヴァー収録。
MUHL「MANDOLINA」デンマークのAORシンガー兼Keyの97年作。穏やかで優しいメロディのAOR。どこかクラシカルな雰囲気もあるソフィスティケイトされた肌触りの良いアレンジに、深みのある歌唱でムーディに歌い上げる楽曲。
JEZEBEL'S TOWER「LIKE EVERY MOTHER'S SON」ドイツの正統派HMの93年1st。効果的にKeyを導入したやや様式美色のあるドラマティックな楽曲を、PAVLOV'S DOGのDAVID SIRCANPUを思わせる個性的なハイトーンVoが歌い上げます。欧州的な翳りと臭みを帯びた叙情的なメロディの出来も良く、正統派HMの醍醐味が堪能できる好盤。
海外と取引するときには翻訳サイトが必須なワケですが、多分ココが最強。メチャクチャ使えます。

06.1.17 (tue)
EYE Q「LET IT SPIN」デンマークの女性4人組ポップグループ01年作。モダンなテクノロジーを導入したMADONNAのようなポップソング。ラテンのムードを導入した哀愁ポップな"I WANT WHAT SHE'S GOT"、アコギのアレンジがアットホームなムードを感じさせる心温まるメロディの"LET THE RECORD SPIN"、TUESDAY GIRLSを思わせるキャッチーでハートウォーミングなメロディの"THE REST IS YET TO GONE"、等、モダンなアレンジを導入しつつも、親しみやすい歌メロを聴かせるポップアルバムに仕上がっています。

06.1.16 (mon)
ALLIES「LONG WAY FROM PARADISE」アメリカのCCM89年4th。このアルバムもブルーズ/ソウル的な側面がやや強く出たメロディックロック。SAMMY HAGER等を思わせるブルーズベースのGtリフのハードドライヴィンなHRのタイトルトラック、ハートウォーミングなメロディをソウルフルに聴かせるGLEN HUGHES風の"TRUST IN GOD"、爽やかでキャッチーなコーラスの"ALL DAY,ALL NIGHT"、美しくホーリィなピアノバラード"TAKE ME BACK"、クラシカルなストリングスをバックにした華麗な哀愁バラード"WALK WITH ME SILENT"等、適度なブルーズ/ソウル風味がフックになったアダルトなHR。力強さとしなやかさを兼ね備えたBOB CARLISLEのVoはファンク、ソウルのみならず、パワフルでブルージーなHRを歌わせても絶品。
THE LENNY MAC DOWELL PROJECT「LOST PARADISE」LENNY MAC DOWELLなるフルート奏者が指揮を執った産業ロックプロジェクト90年作。これはちょっと凄いアルバムなんでダラダラ長く書きます。(全く詳細が分からないので情報を調べてから書こうと思ったんですが、ググッてもよく分からない・・・。インナースリーヴからの推測で書きますので間違ってるかも。)簡潔に言うと、LENNY MAC DOWELLがTOM GALLEYの役割を担ったドイツのPHENOMENAと言って良いのではないかと思います。彼のコンセプト(地球環境がどうのこうのといった内容のようです。)に基づいた楽曲をドイツの名うてのミュージシャンがプレイした産業ロックコンセプトアルバムになっています。演奏陣には、有名所ではDOMINOEの天才プロデューサーROBERT PAPSTとCASANOVAのMICHAEL VOSSがそれぞれGtで参加してます。楽曲の内容は、概ね大仰でシンフォニックなアレンジを施した爽やかな産業ロックという雰囲気ですが、楽曲毎に作曲、プロデュース、シンガー等がバラバラなので、詳しくは各曲ごとに書きます。当然フルート奏者が仕切っているワケで随所にフルートソロがフィーチュアされているんですが、これが実に効果的なフックになっていて良い感じ。さて、ようやく各曲の説明。オープニングの"THE CREATION OF EARTH"はクラシカルなインストで、VSOP(VIENNA SYMPHONIC ORCHESTRA PROJECTという意味みたい)がプレイ、作曲はオーストリアの作曲家/指揮者であるCHRISTIAN KOLONOVITS。フルートソロを存分にフィーチュアした大仰なクラシックチューン。まるで映画のオープニングのような雰囲気。徐々に雰囲気を盛り上げて次の曲に繋げます。"TURN AROUND"は、VoはDAVID HANSELMANN、プロデュースはFREIHEITを手掛けるARMAND VOLKER。透明感のあるハイトーンVoを活かした爽快感満点のサビメロとシンフォニックなアレンジが素晴らしい産業チューン。"LONELY IS THE NIGHT"は、JULIAN MCCALLがVoですが、詳細は不明です。DAN LUCAS似のややハスキーなハイトーンで、ゆったりとしたハートウォーミングなメロディを感動的に歌い上げます。"AMAZON CALLIN'"は、プロデュースがWARLOCKのプロデュース/作曲を手掛けるHENRY STAROSTE、プレイがQUEEN OF SPADESという哀愁メロハーで、感動的なサビメロがZENOを彷彿させるキラーチューン。間奏のフルートソロも素晴らしい出来。ちなみにQUEEN OF SPADESはドイツのAOR男女デュオで、ノルウェーのAVALANCHEを形容する時なんかに良く出てくるアーティストです。"WHAT ABOUT TOMORROWS CHILDREN"はMAGGIE REILLYがVoの、仄かに憂いを含んだ叙情的なバラード。MAGGIE REILLYは、MIKE OLDFIELDのアルバムに多数参加しているようです。"GIMME A SIGN"はVoにDOMINOEのJORG SIEBER(=JAY SEEVER)、プロデュースはあの"TOP GUN ANTHEM"を始め数々の映画音楽を手掛けるHAROLD FALTERMEYER。爽やかでハートウォーミングなメロディのキャッチーなハードポップで、正にDOMINOEの2ndの楽曲を思わせる素晴らしい出来。"DIRTY TRICKS"は、プロデュースがHENRY STAROSTE、Voが何とあのJOHN LAWTON。小気味良いGtリフがリードするコンパクトにまとまったキャッチーなメロハーで、JOHN LAWTONの歌唱が映える格好良いナンバー。LUCIFER'S FRIENDの楽曲を思わせます。"NOWHERE TO HIDE"は、MERVIN SPENCEことO'RYANがVo。ジワジワと盛り上がってキャッチーで爽やかなサビメロで爆発。O'RYANのソウルフルでハートフルな歌唱も素晴らしい。そして"SAVE THIS WORLD"が大団円的な楽曲。HAROLD FALTERMEYERプロデュースで、Voを今まで歌ってきたシンガーが順番に務めます。DOMINOEのシンガーと、JOHN LAWTONと、O'RYANが同じ曲で歌うなんてこの曲以外ありえないでしょう。ゆったりとした大仰で感動的なメロディ、サビメロはみんなで大合唱というアンセム的なパワーバラード。ラストの"IT'S NEVER TOO LATE"もクラシカルなインストで、1曲目と同じメンツ。フルートソロをフィーチュアしたダークなムード漂う導入部から爽やかに展開していくクラシックチューンで、映画で言えばエンドロールのような位置付けかな。・・・疲れた。クレジットされてる名前をひたすらググッて情報を集めてみましたが、もしかしたら、僕が知らないだけでもっと他にも著名な人が絡んでいる可能性はあります。とにかく、参加メンツの凄さだけでなく、内容も伴った名盤と言って良いでしょう。ちなみに、LENNY MAC DOWELLは他にもアルバムを出しているようですが、こんな産業ロックをやってるかどうかは不明。イージーリスニングやアンビエントにジャンル分けされてたので、フルートのアルバムなのかも。

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2006年1月後半

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