06.1.16 (mon)
ALLIES「LONG WAY FROM PARADISE」アメリカのCCM89年4th。このアルバムもブルーズ/ソウル的な側面がやや強く出たメロディックロック。SAMMY
HAGER等を思わせるブルーズベースのGtリフのハードドライヴィンなHRのタイトルトラック、ハートウォーミングなメロディをソウルフルに聴かせるGLEN
HUGHES風の"TRUST IN GOD"、爽やかでキャッチーなコーラスの"ALL DAY,ALL
NIGHT"、美しくホーリィなピアノバラード"TAKE ME BACK"、クラシカルなストリングスをバックにした華麗な哀愁バラード"WALK
WITH ME SILENT"等、適度なブルーズ/ソウル風味がフックになったアダルトなHR。力強さとしなやかさを兼ね備えたBOB
CARLISLEのVoはファンク、ソウルのみならず、パワフルでブルージーなHRを歌わせても絶品。
THE LENNY MAC DOWELL PROJECT「LOST PARADISE」LENNY
MAC DOWELLなるフルート奏者が指揮を執った産業ロックプロジェクト90年作。これはちょっと凄いアルバムなんでダラダラ長く書きます。(全く詳細が分からないので情報を調べてから書こうと思ったんですが、ググッてもよく分からない・・・。インナースリーヴからの推測で書きますので間違ってるかも。)簡潔に言うと、LENNY
MAC DOWELLがTOM GALLEYの役割を担ったドイツのPHENOMENAと言って良いのではないかと思います。彼のコンセプト(地球環境がどうのこうのといった内容のようです。)に基づいた楽曲をドイツの名うてのミュージシャンがプレイした産業ロックコンセプトアルバムになっています。演奏陣には、有名所ではDOMINOEの天才プロデューサーROBERT
PAPSTとCASANOVAのMICHAEL VOSSがそれぞれGtで参加してます。楽曲の内容は、概ね大仰でシンフォニックなアレンジを施した爽やかな産業ロックという雰囲気ですが、楽曲毎に作曲、プロデュース、シンガー等がバラバラなので、詳しくは各曲ごとに書きます。当然フルート奏者が仕切っているワケで随所にフルートソロがフィーチュアされているんですが、これが実に効果的なフックになっていて良い感じ。さて、ようやく各曲の説明。オープニングの"THE
CREATION OF EARTH"はクラシカルなインストで、VSOP(VIENNA SYMPHONIC ORCHESTRA
PROJECTという意味みたい)がプレイ、作曲はオーストリアの作曲家/指揮者であるCHRISTIAN KOLONOVITS。フルートソロを存分にフィーチュアした大仰なクラシックチューン。まるで映画のオープニングのような雰囲気。徐々に雰囲気を盛り上げて次の曲に繋げます。"TURN
AROUND"は、VoはDAVID HANSELMANN、プロデュースはFREIHEITを手掛けるARMAND
VOLKER。透明感のあるハイトーンVoを活かした爽快感満点のサビメロとシンフォニックなアレンジが素晴らしい産業チューン。"LONELY
IS THE NIGHT"は、JULIAN MCCALLがVoですが、詳細は不明です。DAN LUCAS似のややハスキーなハイトーンで、ゆったりとしたハートウォーミングなメロディを感動的に歌い上げます。"AMAZON
CALLIN'"は、プロデュースがWARLOCKのプロデュース/作曲を手掛けるHENRY STAROSTE、プレイがQUEEN
OF SPADESという哀愁メロハーで、感動的なサビメロがZENOを彷彿させるキラーチューン。間奏のフルートソロも素晴らしい出来。ちなみにQUEEN
OF SPADESはドイツのAOR男女デュオで、ノルウェーのAVALANCHEを形容する時なんかに良く出てくるアーティストです。"WHAT
ABOUT TOMORROWS CHILDREN"はMAGGIE REILLYがVoの、仄かに憂いを含んだ叙情的なバラード。MAGGIE
REILLYは、MIKE OLDFIELDのアルバムに多数参加しているようです。"GIMME A SIGN"はVoにDOMINOEのJORG
SIEBER(=JAY SEEVER)、プロデュースはあの"TOP GUN ANTHEM"を始め数々の映画音楽を手掛けるHAROLD
FALTERMEYER。爽やかでハートウォーミングなメロディのキャッチーなハードポップで、正にDOMINOEの2ndの楽曲を思わせる素晴らしい出来。"DIRTY
TRICKS"は、プロデュースがHENRY STAROSTE、Voが何とあのJOHN LAWTON。小気味良いGtリフがリードするコンパクトにまとまったキャッチーなメロハーで、JOHN
LAWTONの歌唱が映える格好良いナンバー。LUCIFER'S FRIENDの楽曲を思わせます。"NOWHERE
TO HIDE"は、MERVIN SPENCEことO'RYANがVo。ジワジワと盛り上がってキャッチーで爽やかなサビメロで爆発。O'RYANのソウルフルでハートフルな歌唱も素晴らしい。そして"SAVE
THIS WORLD"が大団円的な楽曲。HAROLD FALTERMEYERプロデュースで、Voを今まで歌ってきたシンガーが順番に務めます。DOMINOEのシンガーと、JOHN
LAWTONと、O'RYANが同じ曲で歌うなんてこの曲以外ありえないでしょう。ゆったりとした大仰で感動的なメロディ、サビメロはみんなで大合唱というアンセム的なパワーバラード。ラストの"IT'S
NEVER TOO LATE"もクラシカルなインストで、1曲目と同じメンツ。フルートソロをフィーチュアしたダークなムード漂う導入部から爽やかに展開していくクラシックチューンで、映画で言えばエンドロールのような位置付けかな。・・・疲れた。クレジットされてる名前をひたすらググッて情報を集めてみましたが、もしかしたら、僕が知らないだけでもっと他にも著名な人が絡んでいる可能性はあります。とにかく、参加メンツの凄さだけでなく、内容も伴った名盤と言って良いでしょう。ちなみに、LENNY
MAC DOWELLは他にもアルバムを出しているようですが、こんな産業ロックをやってるかどうかは不明。イージーリスニングやアンビエントにジャンル分けされてたので、フルートのアルバムなのかも。 |
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