pseudology by yas-noMAININDEXLISTBESTCD HUNTLINK

BACK

2006年4月前半

NEXT

06.4.9 - 15 (sun - sat)
THE BANK「S.T」スイスの元祖HRと言われるTOADやMARK STRACEと組んだBLUE等に在籍したVIC VERGEAT率いるスイスのAORハード82年作。スペーシーなKeyと適度にハードなGtが躍動するややプログレハード色のある楽曲に、キャッチーなメロディを乗せた楽曲。カテゴライズが難しいサウンドですが、強いて言えばTHE TUBESなんかに近いような気がします。かなりクオリティの高い楽曲揃い。
JAMIE SLOCUM「GRACE CHANGES EVERYTHING」アメリカのCCMシンガーの99年作。アコースティックなアレンジに爽やかなメロディを乗せた朗らかな楽曲がメイン。それらも悪くないのですが、RICHARD MARXを思わせる切なく物悲しいメロディの"WOUNDED"、RICK PRICEを思わせる繊細なメロディの"ONE OF THESE DAYS"というバラードの出来が特に素晴らしい。
JAMIE SLOCUM「MY HEART KNOWS」アメリカのCCMシンガーの03年作。アレンジに多少モダンなエレクトロニクスが導入されていますが、叙情的なバラードに、時折フックとして軽快な楽曲を織り交ぜる基本路線は変わらず。JEFF LYNN的な軽快ポップロック"TOP OF THE WORLD"、ハートウォーミングで感動的なメロのミドル"BY YOUR SIDE"、RICHARD MARX的な強力な悲哀バラード"BETTER THAN I KNOW MYSELF"等、過去作と比べても特に充実した出来映えの好盤。
THE WALTER EUGENES「S.T」WALTER PAUL ROBINETTEとRICK EUGENE MAYの二人によるアメリカのCCMデュオ91年作。スペーシーで柔和なKeyアレンジを施した大らかな楽曲は、カナダ産の産業ロック的なスタイルを感じさせます。ポジティヴなメロディが躍動する"NEVER CHANGING HEART"、"BACK TO THE BASICS"、"SIMPLY YOU"といった楽曲ではBOULEVARDやGLASS TIGER等を連想させます。なかなか良いアルバム。
SIMON CHASE「THE WITCH DOCTOR」カナダのメロディアスハード96年作。LONG ISLANDから再発された「THRILL OF THE CHASE」では、いかにも80年代的なキャッチーなメロハーをプレイしていましたが、このアルバムでは大らかなメロディをフィーチュアしたアメリカンHR的な楽曲が増えた印象で、最近のBON JOVIなんかに近い雰囲気かも。なかなかメロディアスな佳曲が揃っており、良い感じ。
KICK THE KANGAROO「BITS & PIECES」デンマークのメロディアスハード03年作。甘く爽やかでポップなメロディをガッツィーなアレンジで聴かせるパワーポップ系のサウンドで、同郷のNICE LITTLE PENGUINSからオルタナ色を抜いたような感じか?AAA系のバンドをもっとポップにしたような雰囲気もあり。ド真ん中のメロハーではないですが、メロディアスかつキャッチーな楽曲揃いの好盤。
OCHSENKNECHT「S.T」ドイツの産業ロックシンガー92年作。熱くパワフルな歌唱でアメリカンHR的な楽曲を歌い上げる様が、STAN BUSH等を思わせます。ヘヴィなエッジのあるGtリフに乗せて渋いヴァースメロ〜キャッチーなサビメロという展開の1曲目"CRUEL TEARS"が、異常にクオリティが高いのでクレジットを見てビックリ。MARK SPIRO/MICHAEL THOMPSONの二人に加えてHEARTのWILSON姉妹という強力な布陣。その後もカヴァーの"ONLY ONE WOMAN"を除いて全曲MARK SPIROが作曲に絡んでおり、共作でCHICAGOのJASON SCHEFF、DAN HUFF、ROBBIE BUCHANANといった錚々たる顔触れが参加。これで内容が悪いハズもなく、MARK SPIROのどことなく憂いを帯びた繊細なメロディを、HR的なアレンジで聴かせる素晴らしい楽曲揃い。MARK SPIROファンなら必聴。特にDAN HUFFとの共作"ONE MAN,ONE HEART"のメロディは超強力!80年代のMARK SPIROはドイツでソングライター活動をしていたらしいので、発表年を考えると、ソロデビュー前のMARK SPIROの楽曲を聴く事ができる数少ない一枚とも言えます。うーん、これはハッキリ言って隠れた名盤でしょう。驚いた。
OCHSENKNECHT「GIRLS CROSSING」ドイツの産業ロックシンガー94年作。このアルバムでも半分くらいの楽曲でMARK SPIROが作曲に絡んでいます。熱いアメリカンHR的な楽曲は「S.T」同様ですが、今作ではややブルージーな要素が強くなった印象で、STAN BUSHというよりは、PAUL SABUやJIMMY BARNESといった趣。今作の目玉は、MARK SPIRO/DANN HUFF/MIKE RENOという共作によるドラマティックなバラード"STILL IN LOVE"。MARK SPIROのソロにも収録されていた、JIM VALLANCEとの共作による感動的なサビメロが超キラーなアップテンポ"I'LL BE THERE"も収録。「S.T」に比べるとややレイドバックした感はありますが、これもなかなか。
ZIKATO「INCARNATION」ドイツの産業ロック92年作。浮遊感のあるスペーシーなKeyと軽やかなアコギアレンジを施したポップな楽曲。少しひねくれたメロディが多く、捉え所のない楽曲もありますが、軽快に躍動するアップテンポの"SCREAM AND DANCE"やポジティヴで爽やかなサビメロが印象的な"TURNSTYLE GIRL"等は非常にキャッチー。
FANMAN「GIANTS IN YOUR BED」ドイツの産業ロック94年作。割とヘヴィなディストーションGtと多彩なKeyアレンジを施したダンサブルなポップス。ビッグなサウンドがDEF LEPPARDをちょっと思わせる"THE GOOD DOING BAD"やポジティヴなメロディを高揚感のあるバッキングに乗せた"HEAR YOU CALL"等は聴き所があるものの、全体的に今一つ。

06.4.8 (sat)
FRANZ BENTON「LOVE IS THE OCEAN」ドイツのAORシンガーの91年作。アイリッシュなムードを導入した大らかなタイトルトラック、バグパイプの音色が朴訥なムードを醸し出す"MY HOUR(CARRY ME BACK)"、BLACKMORE'S NIGHTを思わせる繊細で中世的な哀愁メロが琴線を震わせる"LOVE'S DOMAIN"等、今作ではややフォーキーなアレンジを導入した作風になっています。彼の本領とも言える悶絶哀愁バラード"FOOL'S PARADISE"、"HERE I AM"も溜飲の下がる出来映え。穏やかで美しいメロディが存分に味わえる好盤。いやあFRANZ BENTON、マジで良いわ。
FRANZ BENTON「DUST TO GOLD」ドイツのAORシンガーの94年作。前作同様このアルバムでもアコースティックでフォーキーなアレンジが前面に出た繊細で美しいバラード中心の構成。爽やかなアイリッシュメロディの"WOULD YOU"、郷愁をそそるメロディが軽やかに流れる"SOMETHING THAT YOU DO"、ハートウォーミングでキャッチーなアップテンポ"DO YOU REMEMBER"、悲しみに満ちた叙情バラード"STRANGE FRUIT"、繊細なアコギとコーラスの絡みが美しい"STILL LOVE YOU"等々、もはやAORというよりACやイージーリスニングと言った方がしっくり来るくらいメロウな楽曲が多いですが、メロディの美しさは絶品です。
FRANZ BENTON「FRAGILE」ドイツのAORシンガーの98年作。このアルバムでは、フォーキーというよりは、普遍的なアコースティックロック調のメロウな楽曲が中心。朗らかで爽やかな"ONE BY ONE"、繊細な叙情バラード"WHY"、郷愁を誘う哀愁メロのフォークロック"LEAVING HOME"、ストリングスを交えた悲哀のメロディが秀逸な現地語バラード"WOLLT' DIR NOCH SAGEN"、ラストを軽快に締める爽快アップテンポ"DON'T GO"等々、彼ならではの持ち味が若干薄れたような気がしますが、メロディの出来は相変わらず高いです。
FRANZ BENTON「CARRY ON」ドイツのAORシンガーの99年作。このアルバムでもアレンジはアコースティックですが、やや躍動感が戻ってきた印象。爽やかなメロディが軽快に駆け抜ける"CRAZY"、フラメンコGtをバックにラテンのメロディが躍動する"JIMENA DE LA FRONTERA"、ハートウォーミングなメロディを軽やかに聴かせる"THERE MUST BE A WAY"、大仰なサビメロでドラマティックに盛り上がるタイトルトラック、爽快で美しいコーラスをフィーチュアしたサビメロが気持ち良いフォークロック"HERE'S TO YOU"、STING的な寂寥感のある哀愁バラード"CLOSE YOUR EYES"等、全体に爽やかなメロディが多め。個人的には彼の哀愁メロが気に入っていたので、ちょっと残念ですが、メロディのレベルはやはり高い。
OUTLAW BLOOD「S.T」アメリカのメロディアスハード91年作。JEFF PARISプロデュース。ENUFF ZNUFFを快活にしたようなアメリカンHRで、スリージーで気怠げなムードのグルーヴィーな楽曲がある一方で、小気味良いGtリフにキャッチーなメロディを乗せたHRチューンもあり。演奏・プロダクションもメジャー級で確かなクオリティを備えた格好良いアルバム。
TOKIO「TRIANGLES」スペインのメロディアスハード00年作。VINNY RECORDS盤。煌びやかで厚みのあるKeyアレンジを施した哀愁を含んだキャッチーなメロディの楽曲は、同郷の91 SUITE等と同様の初期BON JOVIスタイル。Voの歌唱力やアレンジにまだまだ甘さが残っており、91 SUITEというよりはHIROSHIMAレベルかな。メロディやKeyフレーズの出来には光るものがあるので、B級でも聴ける人なら楽しめると思います。

06.4.4 - 7 (tue - fri)
ROBBY & SPLASH「CHANGES」元JOJOのGt、ROBBY MUSENBICHLER率いるドイツのメロディアスハード02年作。軽やかなアレンジと爽やかで親しみやすいポップなメロディの"IN YOUR EYES"、渋く味のある叙情バラード"BAD GIRL"、キャッチーなサビメロが躍動する"IT WILL NEVER BE THE SAME"、BEATLES的なポップなメロディをアコギでしっとりと聴かせる"TAKIN IT EASY"等、比較的軽めのアレンジで親しみやすいメロディを聴かせる楽曲が多め。なかなか良い出来。
CHRIS RICE「PAST THE EDGES」アメリカのCCMシンガー98年作。プロデュースにMICHAEL W. SMITHが絡んでいます。繊細なアコギをバックに、朴訥ながらも美しく叙情的なメロディを穏やかに聴かせる楽曲。一聴した印象はやや地味に感じますが、聴く程に味を増しそうな雰囲気のあるアルバム。
TOMMY TYSPER「YOUNG AND ROCKIN' CRAZY」スウェーデンのメロディアスハード90年作。Gtオリエンテッドな楽曲に適度にメロディアスな歌メロを乗せたLAメタル的な楽曲。グルーヴ感のあるビッグなコーラスが印象的な"EXCITED"、朗らかでキャッチーなタイトルトラック、広がりのある爽やかなメロディが良い"HOUSE ON FIRE"、泣きのGtと叙情的なメロディが映えるミドル"FIRE IN MY HEART"、スリリングなGtリフがスピーディーに疾走する哀愁チューン"IN MY PARADISE"等、なかなか粒揃いの楽曲。
NICKNAME「S.T」NIKOLAJ STEENのデビュー作でもある、デンマークのAOR88年作。ややファンキーでポップなメロディが躍動する"DET GAR UFATTELIGT GODT"やアーバンソウル的なアダルトなムードの"NAR REGNEN FALDER"といったソウル/ファンク色のある楽曲がある一方で、北欧的な繊細なメロディが胸を打つ叙情バラード"LANGT VAEK"、"VAR DET FORBI"、"I DINE OJNE"といった楽曲もあり。TOTO的な疾走感のあるAORハードな"LOOKING FOR SOMETHING"がアルバムの中では浮いているものの秀逸な出来。なかなか楽しめるアルバムに仕上がっていると思います。
TROELS SKOVGAARD「S.T」元BAMBOO BROTHERSのGtのソロ02年作。軽やかで爽やかなウエストコーストAORにブルージーなGtプレイを導入した楽曲。ブルージーに泣くGtソロが渋いバラード"ALMOST A SIGH"、爽やかなウエストコースト"ROSIE"、繊細で親しみやすいメロディを穏やかに聴かせる"THE SUN BEHIND THE RAIN"、ストリングスを交えた叙情バラード"QUEST'ESTATE"、軽やかなアコギと爽やかなコーラスが映える"TILL I FOUND YOU"等が印象的。繊細で味のあるGtプレイも良い感じ。
RETURN「FOURPLAY」ノルウェーのメロディアスハード91年4th。初期のイモ臭さもほぼ無くなり洗練されたサウンドながらも、彼等独特の郷愁をそそる哀愁メロディは健在。繊細でメロウな泣きメロが素晴らしいバラード"TELL ME(THAT YOU WANT ME TO STAY)"、小気味良く刻むGtリフにキャッチーかつ哀愁のメロディを絡めた"RELY ON ME"等は彼等の真骨頂。一方爽やかで軽快な"ALL HE EVER WANTED"、ややアメリカンでグルーヴィなリフが主導する"STILL WAITING"等もあり、バランスの取れた好盤。
STATEMENT「LOVE BITES」ドイツのメロディアスハード95年作。ドイツ的な臭みのようなものは感じられない、割と快活でアメリカナイズドされた雰囲気が強め。ピアノとアコギのアレンジが目立ち、軽やかでハートウォーミングな雰囲気のある楽曲が印象的。これといったキラーチューンは無いものの、まずまずの出来。
RALPH VAN MANEN「FACE THE FEELING」オランダのCCMシンガーの93年1st。近年の作品に通じる、柔和でハートウォーミングなメロディの魅力は既にこの頃から発揮していますが、このアルバムは彼のアルバムの中でも最も産業ロック色が強く、適度にハードなGtをフィーチュアした楽曲も何曲かあります。爽やかなメロディが躍動する"CROSS MY HEART"、寂寥感と透明感のあるバラード"STAY CLOSE"、雄大な広がりを感じさせるメロディの"INDEPENDENT HEARTS"を始めとして強力な楽曲が揃っており、彼のアルバムの中では間違いなくベストの出来。

06.4.2 - 3 (sun - mon)
ANIMAL LOGIC「S.T」元POLICEのDrのSTEWART COPELANDがジャズ畑のバカテクBのSTANLEY CLARKE、女性シンガーのDEBORAH HOLLANDと結成した産業ロック89年1st。Gtは当時無名だったAOR界のGt職人MICHAEL THOMPSON。STEVE HOWEの名前もクレジットされています。内容の方は、随所でセンスのあるテクニカルなプレイとアンサンブルを聴かせつつも、全体的にキャッチーで躍動感のあるポップソングにまとめた楽曲。スリリングなBラインをバックに繊細な哀愁のヴァースから躍動感のある爽快なサビメロへ展開する"I STILL FEEL FOR YOU"、軽快なバンジョーと共に疾走するアップテンポチューン"SOMEONE TO COME HOME TO"等が特に秀逸な出来。なかなかの好盤。
BETSY「ROUGH AROUND THE EDGES」元BITCHの女性シンガーのソロ94年2nd。往年のメタルサウンドはすっかり影を潜め、ここではアコースティックを主体としたオーガニックなアレンジに、ハートウォーミングなメロディを乗せたアメリカンロック的な楽曲をプレイしています。"DRAGGIN' IT BACK"のような躍動感のある楽曲もありますが、どちらかというとブルーズ/カントリー色が強め。感動的なメロディを軽やかなリズムに乗せた"ALL OVER MY HEART"や大仰なサビメロで盛り上がるバラード"THIS HOUSE"等は非常に良い出来。
WINTER'S REIGN「THE BEGINNING...」イギリスのメロディアスハード87年作。EUROPEの"FINAL COUNTDOWN"を彷彿させるKeyイントロからALIENの"BRAVE NEW LOVE"を思わせる歌メロに展開する名曲"WHITE FURY"を始めとして、何故か全編超インディ北欧メタル風。Voの歌唱は甘いし、アレンジ・プロダクション共にB級丸出しなんですが、驚くべきはそのメロディの煽情力。大げさなのは承知の上で、ALIENに近いものがありますよ、コレは!メチャ良い。

BACK

2006年4月前半

NEXT