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2007年4月後半

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07.4.16 - 5.3 (mon - thu)
MANOWAR「GODS OF WAR」久々の新譜07年作。笑っちゃうくらいの大仰さがウリのMANOWARですが、今作の内容はそれを極限まで突き詰めた、コッテコテのMANOWAR流漢メタルが全編にわたって漲りまくってます。つうか今回は流石にやり過ぎのような気が・・・。今回は北欧神話のオーディンをテーマにしたコンセプトアルバムという事で、如何にも彼等らしいテーマという感じなんですが、ジャケの表記も全てルーン文字にしているという凝り様。何が書いてあるか一切読めません。クラシカルな序曲"OVERTURE TO THE HYMN OF THE IMMORTAL WARRIORS"から幕を開ける本作ですが、これがいきなり6分強もあります。そしてまたもやSEとコーラスのみの序曲的な"THE ASCENSION"。一体いつ本編が始まるんだ?と思わせた頃、ようやくファストなGtリフと共に"KING OF KINGS"が始まります。この曲は過去の焼き直し的な雰囲気もありますが、彼等らしいパワフルな佳曲。またもコーラスのみの小品"ARMY OF THE DEAD,PART I"を挟んで"SLEIPNIR"に。サビメロが秀逸なアップテンポチューンで、この曲は過去の名曲と比べても遜色無い程に良い出来。やや単調ながらもノリの良い"LOKI GOD OF FIRE"、美しいバラード"BLOOD BROTHERS"と続く流れを聴いたあたりまでは、「今作は結構良いかも?」と思ってました。しかし、ここからがキツかった。またしても仰々しいクラシカルなインスト"OVERTURE TO ODIN"が始まったかと思ったら、続く"THE BLOOD OF ODIN"はナレーションだけで4分。焦らしに焦らして始まった"THE SONS OF ODIN"は"BLOOD OF MY ENEMIES"を思わせるような重厚なミドルテンポ。単体で聴けば悪くない曲なんですが、この流れで聴かされると少し物足りなさを感じてしまいます。続く"GLORY MAJESTY UNITY"はまた5分弱のナレーション。彼等お得意の手法だとはいえ、流石に今回は多過ぎ・・・。そこから続くタイトルトラック"GODS OF WAR"も勇壮で大仰な展開のアンセム的なミドル。ここでまたコーラスのみの小品"ARMY OF THE DEAD,PART II"が挿入され、またまた重厚かつ勇壮なミドルテンポ"ODIN"に。そして賛美歌的な雰囲気を醸し出すパワーバラード調の"HYMM OF THE IMMORTAL WARRIORS"で仰々しく本編の幕を閉じる雰囲気。で、最後にアンコール的に重々しいグルーヴ感を持ったミドル"DIE FOR METAL"でアルバム終了なんですが・・・。とにかく中盤以降がタルい。序曲やナレーションがやたら多いのはMANOWARだから許すとしても、それに続くのが殆どミドル〜スローな楽曲なので何となく不完全燃焼感が伴うんですよね。雰囲気満点に整えて、丁寧で執拗な愛撫を繰り返して焦らしまくって、いざ本番になったら「え?それだけ?」みたいな。どれもそれ単体で聴けば悪くない曲だけに勿体無い。もう少し構成をシンプルにして終盤にファストチューンを数曲加えてたら、もっと印象が良いアルバムになったかも?という気はするんですが・・・。まあとにかく良くも悪くもMANOWARらしさが強烈に出ていて、「どうだ!?付いて来れるか!?」というような彼等の開き直りさえ感じられる、やりたい放題なアルバムでした。
VICIOUS RUMORS「WARBALL」アメリカの正統派パワーメタル06年作。プレイボタンを押すや否や、超音波系ハイトーンVoのシャウトと勇ましいシンガロングでのタイトルコールからファストなGtリフに雪崩れ込んでいくオープニングの掴みは完璧。この"SONIC REBELLION"1曲でライヴが観たくなっちゃいます。ヘヴィメタリックな本来の姿に戻った印象もありますが、往年の楽曲スタイルとは若干違いも感じられて、ヒステリックなVoやグイグイと前に出てくる突進力は、U.D.O.の「TIMEBOMB」やHALFORDのアルバムを彷彿させます。特に"IMMORTAL"なんかはHALFORDの新曲と言われても全然違和感無いくらい。随所に野太いシンガロングパートが設けられており、ライヴを意識した作りになっているような気がします。(実際ライヴ映えも抜群でした。)充実の復活作と言えると思います。
WITHIN TEMPTATION「THE HEART OF EVERYTHING」オランダが誇るフィメール・ゴシックメタル最高峰の一角、麗しき歌姫SHARON DEN ADELを擁するWITHIN TEMPTATION待望の新作07年作。実は、最初聴いた時の印象は、何かえらくコンパクトにまとめてきたな・・・というもので、ぶっちゃけ少し肩透かし気味でした。過去2作の充実振りや、B!誌での「前作を超える出来映え」との煽りによって高まり過ぎた期待のせいもあるとは思うんですが、ちょっと今回の出来はどうなのよ!?と、ややネガティヴな感想を抱いてしまったのでした。"WHAT HAVE YOU DONE"や"FINAL DESTINATION"はEVANESCENSEみたいだし、"HAND OF SORROW"はNIGHTWISHじゃん!みたいな。で、とりあえず5周くらいリピートしてみたんですが、今は、まあこういうのもアリかな・・・と思うに至っています。大仰さと美しさを極めた前作と比べると、よく言えばキャッチーに、悪く言えばベタになって、コンパクトに洗練された楽曲は、非常にヒットポテンシャルが高いんではないかと。天上界におわした女神が下界に降臨されたというか。あと、SHARON DEN ADELの歌唱は一層表現力を増しています。今作では美しさだけでは無い深みも十分に感じられ、声域や表情の使い分けは見事としか言い様がありません。割と類型化してしまい易いこのテのジャンルの中で、微妙にスタイルを変えつつクオリティの高い作品を出し続けているのは凄い事だと思いますし、前作との比較の上での印象を語っているだけで、今作単体で聴けば非常に優れたアルバムなのは間違いなく、キャッチーさという意味で言えば、過去最高という意見にも頷けなくはないかな。EVANESCENSEの2ndでの凋落振りに落胆した人が次に聴くべきアルバムはコレでしょう。少なくとも楽曲のレベルで10倍、シンガーの実力で100倍、そしてルックスで1000倍くらいの差があるかと。
FINTROLL「JAKTENS TID」フィンランドのフォーク・ブラック01年作。どこかファニーな雰囲気も漂う民謡的なフレーズやアンサンブルを大胆に導入しまくった独特な楽曲。特にアコーディオンをフィーチュアした疾走シンフォ・ブラック"SLAGET VID BLODSALV"なんかは妙なハマリ具合に失笑しつつヘドバンしてしまう感じ。面白いなコレ。
また更新をサボってしまいました・・・。4/19(木)に、VICIOUS RUMORS/RIOTのカップリングライヴ@渋谷クアトロに行って来ました。金欠だったので行くかどうか迷っていたんですが、やはりVRだけは観ておかないと一生後悔するに違いないと思ったので、急遽参戦決定。思い起こせば15年前、VR初来日公演。この時も行くかどうか迷ってチケット買うのが遅くなってソールドアウトになってしまったのでした。(このクラスのライヴでソールドアウトになるなんて、何て幸せな時代だったんでしょうか・・・)その後、CARL ALBERTが不慮の死を遂げ、僕はチケットを買うのを躊躇った事を、激しく激しく後悔したのでした・・・。ということで、早々に仕事を抜け出し渋谷へ。まずはRIOT。前回の公演を観てないので、僕は今回がMIKE TIRELLIでの初めてのライヴ。ライヴではヘロヘロだったMIKE DIMEOに比べると、ハイトーンが全然出てる!超絶ハイトーンが要求されるTONY MOORE時代の楽曲も難なくこなしてます。前半に比較的新しめでノリの良い楽曲を集めて適度に観客を暖めておいて、中盤以降は怒涛の名曲連発。このVo で聴く"THUNDERSTEEL"は格別。本編ラストにはライヴで初めて聴く隠れた名曲"DANCE OF DEATH"まで飛び出して、かなり満足。で、お目当てのVR。いきなり最新作から3連発。当日に買って摘み聴きしといて良かった。1曲目から「SONIC REBELLION!!」とシャウトしまくりですよ。ベテランバンドだとナツメロ大会になって昔の曲しか盛り上がらないなんてパターンが往々にしてありますが、今回のVRは最新作の出来が良かった事もあって、新曲の盛り上がりも上々。しかし、やはり4曲目の"DON'T WAIT FOR ME"で盛り上がりは更にヒートアップ。そのまま"DIGITAL DICTATOR"〜"MINUTE TO KILL"への流れで場内は最高潮に!ヤヴァい!メチャクチャ気持ち良い!誰も押してこないし、ジャンプもしてないし、つか、俺も含めて誰もステージ見てねえよ!全員ヘドバンしてるよ!みんな素敵だ!これだよこれ、メタルのライヴってこうだよね!いやーマジで最近こんなにメタルメタルしてるライヴないよ。その後"ON THE EDGE"〜"ABANDONED"〜"YOU ONLY LIVE TWICE"の悶絶3連発で精根尽き果てた僕は完全にヨレヨレ。ヘドバンのしすぎで持病の偏頭痛も発生してきて、もう駄目だ・・・と思ったらオーラスに名曲"HELLRAISER"!殺す気か!と思いつつも最後の気力でヘドバン&シャウトを繰り返したのでした。いやー凄かった。無理して観に行ってホントに良かった。

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