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2007年6月後半

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07.6.25 - 30 (mon - sat)
MOTORHEAD「ACE OF SPADES」何故かMOTORHEADを聴いてみたり。80年の最高傑作。やっぱ1曲目のタイトルトラックは強烈に格好良い。あとラストの"THE HAMMER"。この2曲が強力過ぎて、何か後の曲が地味に聴こえてしまったりするんですが、どの曲も荒くれた爆音でドライヴするヘヴィR&Rばかりで、"FIRE FIRE"や"BITE THE BULLET"の気持ち良い疾走感や、"LOVE ME LIKE A REPTILE"や"DANCE"のフックのあるGtリフとか、久々に聴いてみたけどやっぱ格好良いわ。サマソニ行こうかな・・・。

NOCTURNAL RITES「THE 8TH SIN」現在、最もクオリティの高い正統派HMを産み出せるバンド達の一角、スウェーデンのメロディック・パワーメタラーの07年最新作。前作「GRAND ILLUSION」で、メタリックで剛健な骨格と熱く芳醇なメロディに彩られた、威風堂々たる作風を確立した彼等ですが、2年振りの新作でも、その路線を見事に継承しています。

突進力のあるリフからメロディアスなGtフレーズへ雪崩れ込むイントロ20秒を聴いただけで恍惚の表情が浮かぶキラー・オープナー"CALL OUT TO THE WORLD"は、飛翔感溢れる印象的なサビメロも最強。"NEVER AGAIN"は、モダンなKeyサウンドと少しゴシック風味なダークテイストを取り入れつつも、サビでは如何にも彼等らしい熱く叙情的なメロディが紡がれます。コンパクトながらも情念の籠ったGtソロも素晴らしい。

"NOT THE ONLY"はストリングスをフィーチュアした大仰で重厚なミドルテンポですが、この曲ではJOHNNY LINDQVISTの色気と情感をビシビシと感じさせる超絶歌唱が映えまくりで、最早拳を握りしめ悶絶に顔を歪めながらヘッドバンギングするしか無い、強烈な楽曲。Gtのメインフレーズが咽び泣くように奏でられ、徐々に盛り上がって行くイントロ部分が堪らなく格好良い"TELL ME"は、ヴァースからサビメロへの展開も爆発力満点で超強力。

全体的にミドルテンポの重厚な楽曲で占められるアルバムの中で、比較的ドライヴ感のあるアップテンポ"NOT LIKE YOU"は、"CALL OUT TO THE WORLD"と同様、イントロの煽情力満点なGtフレーズと印象的なサビメロが強力なキラーチューン。ここまでの前半の流れは傑作だった前作を凌駕せんばかりの強烈さで、全く隙の無い構成。

"LEAVE ME ALONE"はKeyリフが楽曲をリードする彼等らしい重厚なミドルテンポで、悪くはないですが、彼等の水準からすると並の出来と言えるかも。"TILL I COME ALIVE"は叙情的なサビメロをフィーチュアしたパワーバラード的な楽曲。この2曲は高いレベルを保ちながらも、このアルバムの中ではややフックに欠ける印象もあります。

ガッツィーで強靭なGtリフからキャッチーなサビメロへ展開する"STRONG ENOUGH"が、やや中弛みしかけた流れに起伏を取り戻します。そしてアルバムの中でも一際異彩を放つ悲哀に満ちたピアノバラード"ME"。この曲でのJOHNNYの情感タップリの歌唱は、彼の今までの歌唱の中でも確実にハイライトと言える出来で、ヴィヴラートやブレスの取り方、声の裏返り方まで全てが聴き手の感情を揺さぶります。終盤でのLISA MISKOVSKYの姉妹CAROLINA MISKOVSKYとのデュエットも、楽曲の物悲しさを一層引き立てています。

日本盤では、続くこの位置に"COMING HOME"が挿入されています。スケールの大きいゆったりとしたGtリフとキャッチーなサビメロを有したこの曲は、アウトトラックとは思えないクオリティを備えてはいるものの、この位置に配したのは若干失敗なのかも・・・。というのも、続く"PAIN & PLEASURE"がストリングスを絡めた緊張感に満ちたイントロなので、"ME"の後を引き継ぐにはこの曲の方が良かったような。その後もイントロのスリリングさを保ったドラマティックな展開を見せる楽曲です。ラストの"FOOLS PARADE"は、アトモスフェリックなKeyサウンドに乗せてNILS NORBERGの泣きのGtが乱舞するスペーシーなインストで、余韻タップリにアルバムの幕を下ろします。

現在の彼等には尋常でない期待を寄せてますが、その欲求に完璧に応えられる傑作でした。前作の比較で言うと、今作は若干歌メロが前面に出てきて、キャッチーなメロディ主体に組み上げられた楽曲という印象があり、楽曲自体のもたらす緊張感やカタルシスのようなものは、前作に軍配が上がるのかな?という気はします。しかし、それを補って余りあるのが、メタルシーン最強Voの一翼を確実に担うスーパーシンガーJOHNNY LINDQVISTの熱く滾る歌唱の魅力。ホント凄いVoだわ。

AGNES「WHEN THE NIGHT FALLS」フィンランドの女性ハードロッカーのデビュー作です。フィンランドの強力なソングライター陣の楽曲提供による充実した楽曲と、中音域が魅力なしっかりした歌唱によって、モダンなアレンジでアップデートされた正統派メロディアスハードの好盤に仕上がっています。

1曲目の"BLEED"は、オープニングに相応しい勢いのあるHRチューン。メロディ自体はさほど強力ではないですが、キャッチーなサビメロもあって気持ち良く聴ける楽曲。続くタイトルトラック"WHEN THE NIGHT FALLS"はタイトなGtリフと透明感のある北欧哀愁メロが絡むアップテンポ。あのURBAN TALEのKIMMO BLOM作曲。"I THOUGHT WE WERE LOVERS"もKIMMO BLOM作曲ですが、飛翔感のあるポジティヴなメロディが絶品のアップテンポ。さすがKIMMO BLOMという珠玉の2曲です。

"CHANGE"はEUROPEのJOEY TEMPESTとTHUNDERのLUKE MORLEYという異色のソングライターチームによる楽曲で、メランコリックなメロディが映えるバラード。"EVIL EMPIRE"はゴシック風味のアレンジを施したダークな哀愁が漂うミドル。"DANGER IN LOVE"はMR.LORDI作曲のキャッチーなHRチューンですが、正にこれはLORDIそのままの80年代MTVメタル。アレンジは名職人T.T.OKSALA。

"CLOSED THE GATES"はSONATA ARCTICAのTONY KAKKO作のメロウな憂いを帯びたパワーバラード的な楽曲。"HEARTACHE"は何となくHIM的な雰囲気が漂う甘くメランコリックなゴシック風味の楽曲。"JUST A NUMBER"は冷ややかなKeyアレンジとダイナミックなリフのコントラストが面白い重厚なHRチューン。"GHOST IN MY HEART"は、"EVIL EMPIRE"と同様のダークでヘヴィなGtリフと陰りのあるメロディが絡むゴシックチューン。ラストの"WHO WOULD EVER LET A LOVE LIKE THIS GO"は切ないヴァースメロから大らかな広がりを感じさせるサビメロへ展開する大仰なバラード。

ボーナストラックはカヴァー曲が3曲。フィンランドのメロディックロックTHE RASMUSの"IN THE SHADOWS"、同じくフィンランドのメロスピSONATA ARCTICAの"TALLULAH"、意外な選曲でOZZY OSBOURNEの"MAMA,I'M COMING HOME"。強力なキラーチューンがあるわけでは無いのですが、どの曲も及第点を軽く超える佳曲ばかりで、かつ嬉しい事に僕好みの哀愁フレーバーがアルバム全編に漲っており、非常に楽しめるアルバムでした。

GOTTHARD「DOMINO EFFECT」スイスのBON JOVIことGOTTHARDの07年最新作。実は最近ノーチェックだったんですが、BURRN!誌はじめ、どこのサイト見ても軒並み好評価だったので今作は買ってみました。いや〜、やっぱ噂に違わぬ傑作でしたね。間違い無く最高傑作。

タイトに刻むGtリフに陰りを帯びた歌メロを乗せたハードドライヴィンなアップテンポ"MASTER OF ILLUSION"で幕を開ける本作。出だしから緊張感が漲っています。オープニングのハードな雰囲気を引き継ぐようにエキゾチックなフレーズをユニゾンで奏でるGtとKeyリフが印象的な"GONE TO FAR"はコーラスのメロディ展開も秀逸。続くタイトルトラックの"DOMINO EFFECRT"は重厚感とグルーヴを感じさせるミドルテンポですが、メインのGtリフが最高にクール。サビのリフレインもキャッチーでライヴ映えしそう。

物悲しいストリングスとピアノに導かれる悲哀に満ちたパワーバラード"FALLING"、切なくメランコリックな泣きのメロディが胸を抉る"THE CALL"とバラードが2曲続きますが、どちらも凄まじく煽情力の高いメロディで、全く緊張感は緩みません。

やや穏やかなムードを切り裂くようなストリングスを絡めたスリリングなGtリフで始まる"THE OSCAR GOES TO.."は、このアルバムのみならずGOTTHARD史上最強のキラーチューンと言って良いクオリティを誇る哀愁アップテンポ。続く"THE CRUISER(JUDGEMENT DAY)"は正にGtリフで聴かせる楽曲という感じで、抜群のキレを有したリフが非常に格好良いです。

まるでACCEPTの「BALLS TO THE WALL」収録の楽曲を思わせる重厚なリフで始まる"HEAL ME"は、歌メロも見事。ボトムを支えるベースラインも気持ち良く鳴っています。振り絞るように切々と歌い上げる哀愁バラード"LETTER TO A FRIEND"に続くのは、正にスイスのBON JOVIの呼び名が相応しいアメリカの広大な大地を思わせる大らかで感動的なバラード"TOMMORROW'S JUST BEGUN"。

トーキングモジュレーターを使ったり女性コーラスを入れたりとアレンジに凝ったグルーヴィーなHR"COME ALIVE"、初期のGOTTHARDを彷彿させるダイナミックなリフ主体のHR"BAD TO THE BONE"といったあたりは、前半から続いて来た強烈な緊張感と密度感から比べると、いつも通りのGOTTHARDといった雰囲気も感じられ、人によっては中弛みと感じるかも。

しかし、そんなややネガティヴな印象も続く"NOW"を聴けば軽く一蹴。硬派なメロディアスハードの醍醐味を存分に感じさせる哀愁ハードチューン。本編ラストの"WHERE IS LOVE WHEN IT'S GONE"はこの傑作の最後を締めるに不足の無いセンチメンタルなメロディのバラード。ボーナストラックの"SUPERMAN"は若干蛇足とも取れますが、小気味良くドライヴするGtリフに印象的な歌メロが乗る彼ららしい佳曲で、まあ正にボーナスという位置付け。

GOTTHARDってこんなに良かったっけ!?と驚く程に、本当に良かった。実はライヴが凄いらしい彼等。僕はまだ体験してないんですが、こんなに良いアルバムを聴かされたら、9月の来日公演は是非とも行かねばなるまい・・・。

VICKY BEECHING「YESTERDAY,TODAY & FOREVER」イギリスの女性CCMシンガーの05年作。軽やかななアコギに乗せて、仄かな憂いを帯びつつもポジティヴで爽やかなメロディを聴かせる楽曲。「仄かな憂い」というのがポイントで、ジワリと胸に沁みるようなメロディラインが実に良い感じ。切なく静かなヴァースからサビでヘヴィに爆発するコントラストが鮮烈な"CREATED"、哀感を帯びたヴァースからサビへの盛り上がりが秀逸なアップテンポ"CALL TO WARSHIP"、エモっぽい大らかなサビメロが気持ち良い"NOTHING IS IMPOSSIBLE"、アトモスフェリックな浮遊感の中にゆったりとした歌メロが舞う"TURN YOUR EYES"等々、クオリティの高い楽曲が揃っています。

S.I.N.「EQUILIBRIUM」ドイツのメロディアスハード05年2nd。バラエティ豊かに色々なタイプの楽曲を収めたデビュー作に比べて、よりヘヴィなアレンジで欧州的な憂いのあるメロディを聴かせる方向にアルバム全体をシフトさせており、メロハーというよりは、QUEENSRYCHEの影響を受けた欧州パワーメタル的な趣。アレンジやクオリティ等は着実にレベルアップしていると思いますが、焦点が絞れたが故に、楽曲の個性が似通ってしまい、全体としてメリハリの無い流れになってしまったような・・・。個々の楽曲は良い感じのものが多く、MICHAEL VOSSとのデュエットで哀愁メロを堂々と聴かせる"IT'S FOREVER"やキャッチーなサビメロを豪華なコーラスで装飾した"FIGHT FOR MY LIFE"なんかは非常に良い感じ。芳醇なフレージングを聴かせるGtプレイもグッド。

07.6.24 (sun)
ANATOMIC「IN FOR THE THRILL」アメリカのメロディアスハード00年作。JOHNNY LIMAの名前がクレジットにありますが、80年代アメリカンHRを指向した楽曲スタイルは、JOHNNY LIMAの音楽性に似たものを感じます。憂いのあるメロディをフィーチュアしたミドルテンポ"UNTIL YOU'RE GONE"、アコギアレンジを施した爽やかで軽快な"DRIFT AWAY"、アコギとピアノによる叙情的なバラード"OUT OF MY HEART"、LAメタル的な朗らかな快活さが気持ち良い"GOODBYE TODAY"等、良質なインディ・アメリカンメロハーが楽しめる一枚。

ALEXANDER「HERE I AM」ドイツのアイドルシンガーの04年作。快活なポップソングよりは甘いバラードが多く、良い曲ばかりなんですが、ANDERS JOHANSSONの3rdを聴いた時のような物足りなさが残ります。その中でも、軽やかなアップテンポ"SUNSHINE AFTER THE RAIN"、適度なGtアレンジも入った大らかな産業ロックチューン"ANOTHER HEART IS BROKEN"、ムーディな哀愁メロをフィーチュアしたポップチューン"DON'T BE COOL"あたりがアルバムのフックとなっています。

CRYSTAL MAZE「LOST IN CRYSTAL MAZE」ドイツのプログレハード97年作。往年のアメリカン・プログレハードを思わせる煌びやかなKeyアレンジと、時に朗らかな、時に叙情的な繊細な歌メロをフィーチュアした楽曲。展開はさほど複雑ではなく、むしろメロディアスハード的な趣で、BAGHEERAやEQUINOXなんかに近い雰囲気かと。リリカルなKeyと泣きのGtが煽情力満点な"DON'T SAY NEVER"は強力な出来。

EMERALD RAIN「SHORT SIGHTED」カナダのメロディアスハード03年4th。今作では元HAREM SCAREMのDARREN SMITHがDrで参加。今一つパッとしなかった前作に比べ、メロディの魅力や躍動感がグッと増したような気がします。どの曲も「MOOD SWING」時のHAREM SCAREMを彷彿とさせるフォロワー臭さは未だに感じさせますが、例えば正統派HM的な骨太なリフが格好良い"SECOND SIGHT"、哀愁のGtフレーズが映えるHRチューン"BENEATH THE BLUE"等では彼等なりの魅力の一端を感じさせます。

07.6.18 - 23 (mon - sat)
A.C.T「SILENCE」スウェーデンのメロディアス・プログレハード06年作。IT BITESのプログレッシヴでテクニカルな捻くれポップと、VALENTINEの華麗なアレンジと甘いメロディを合わせて、切ない哀愁を加えたような、彼等ならではの音世界は久々の今作でも健在。傑作だった前作と同レベルか更に上回るクオリティを誇っているのは見事としか言い様も無く、キラキラと輝きながら万華鏡のように縦横無尽に展開する楽曲は、秀逸なメロディラインを伴っているためか全く強引さを感じさせずスムーズに流れていきます。僕にとっては、IT BITESと最近のVALENTINEのイマイチ物足りない部分を完全に相互補完した傑作。素晴らしい。

BRUNOROCK「INTERACTION」イタリアのVo兼Gtのソロプロジェクト05年3rd。前作ではアレンジに色々と趣向を凝らした楽曲が多かったんですが、今作では至極オーソドックスなアレンジのメロハー真っ向勝負という感じになっています。そのせいか、何となくぎこちない雰囲気が感じられた前作よりアレンジに整合性が出てきており、またメロディのクオリティも格段にアップしており、大きなステップアップを達成した一枚になっていると思います。欧州メロハーの旨味を充満したアップテンポ"IT'S ALL BEEN DONE 4 ME"、アコギをバックに朗らかで優しいメロディを綴る"LET ME THE ONE"、キャッチーで力強いサビメロを備えた"TAKE THE TROPHY"、爽やかなハードポップ"HARD WORKING DAY"、泣きのGtが存分にフィーチュアされた"NO MORE PROMISES"、ALIENあたりを思わせる哀愁メロハー"LA FONTE DEI SOGNI"等々、秀曲・佳曲が目白押しの好盤。

BLACK STAR「S.T」元HAREM SCAREMのDr、DARREN SMITHの結成したメロディアスハードの05年1st。プロデュースはHARRY HESS。このバンドではDrではなくVoとしてややハスキーでパワフルな歌声を披露しています。"KEEP THE SPIRIT ALIVE"と"WHY DO I"は本家HAREM SCAREMをモロに彷彿とさせる躍動感溢れるメロハー曲。タイトルトラックは渋いブルージーな泣きのGtが哀感を滲ませるバラード。その他の中盤の楽曲は何故かカヴァー曲が多いんですが、どの曲もキャッチーなメロディを配した楽曲で、アルバム全体のイメージにマッチした選曲になっています。このバンドを結成する前に在籍していたJUICEの楽曲がボーナストラックとして収録されていますが、ヘヴィなGtリフをフィーチュアしたダルな楽曲ばかりで、良く言えば参考資料、悪く言えば蛇足という感じ。

DARKEST HOUR「UNDOING RUIN」アメリカのメタルコア06年作。今まで聴いたメタルコアの中でも一番北欧メロデス色が強いかも。AT THE GATESを彷彿させる切れの良いGtリフが疾走する"WITH A THOUSAND WORDS TO SAY BUT ONE"、一昔前のIN FLAMESを思わせる叙情をタップリ含んだメランコリックなGtフレーズが乱舞する"CONVALESCENCE"、SLAYERのインテンスなムードを纏ってクレイジーに爆走する"THIS WILL OUTLIVE US"、DARK TRANQUILLITYの慌ただしい疾走感を感じさせる"SOUND THE SURRENDER"、アコギの序所的なインスト"PATHOS"から、またもAT THE GATES的な"LOW"へ、そして叙情的なインスト"ETHOS"で締める構築美、ハードコアの出自を感じさせるブルータルな"DISTRICT DIVIDED"、またもIN FLAMES的な叙情とアグレッシヴさが絡み合った"PARADISE"、ラストはタイトルは意図的か?と思う程にDARK TRANQUILLITYのドラマティックな展開を感じさせる"TRANQUIL"と、結構色んなバンドの美味しいトコ取りという雰囲気で、オリジナリティには相当疑問を感じさせますが、とにかくクオリティは高く、格好良いアルバムに仕上がっています。

AMBITION「S.T」元TRILLIONのVo、THOM GRIFFINのプロジェクト06年作。GtはTOMMY DENANDERで、楽曲提供にBLANC FACESのBRIAN LA BLANCや名ソングライターJOEY CARBONE等が参加しています。(もう一人のメインソングライターCHRISTIAN WOLFFって、RAGEのアルバムに参加してた人でしょうか・・・?)楽曲の方は、往年の産業ロック/AORを彷彿させるものではありますが、ややハードなアレンジが施されており、楽曲スタイルとしてはFREDERIC SLAMAのA.O.Rに非常に近い雰囲気。しっとりとした哀愁メロの"HOLD ON"、泣きのGtイントロから静かなヴァースを経てテンポアップする高揚感満点の"HYPOCRITES"、爽やかでキャッチーなサビメロが気持ち良い"MAKE IT ALRIGHT"、ロングトーンの泣きのGtが痺れる激哀愁AORハード"TOO MUCH"等、秀曲・佳曲が満載。素晴らしい出来です。

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