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2007年10月後半

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07.10.29 - 11.4 (mon - sun)
SATYRICON「NEMESIS DIVINA」ノルウェーのブラックメタル96年作。禍々しい暴虐感と冷ややかな美しさの双方を伴いながら、ドラマティックに展開しつつ疾走する楽曲は、当時の北欧ブラックメタルの理想的な姿という印象。物悲しくも美しいアレンジを随所に取り入れつつも、あくまでブラックメタルらしい激烈な疾走感に拘っているのが素晴らしい。アレンジやメロディだけでなく、Gtリフの格好良さやブラストビートのキレといった基本的な骨格部分の秀逸さも、このアルバムの出来を支えています。

DARK MOOR「THE HALL OF THE OLDEN DREAMS」スペインのメロディック・スピードメタル01年作。彼等のアルバムを聴いたのはこれが初めてなんですが、噂に違わず強烈にクサクサなメロスピですね。RHAPSODYを思わせるイナタさを残したクサいメロディを、STRATOVARIUS的な北欧ネオクラシカル疾走チューンに乗せたような楽曲は、全編凄まじい煽情感を放ちまくっています。いやー、これは凄い。

FRA LIPPO LIPPI「LIGHT AND SHADE」ノルウェーの北欧AOR87年4th。洗練された上質なポップ感覚が軽やかに躍動する楽曲。北欧らしい透明感のある音作りですが、憂いの要素は少なく、どことなく朗らかで爽やかな雰囲気のメロディが支配的。やや淡白ですが、爽やか系の北欧AOR/ポップが好みなら聴いて損の無い出来。

ADRIAN GURVITZ「CLASSIC」イギリスのAORシンガー兼Gtのソロ82年作。ポップなシンセを大胆に導入したエレポップ"NO FEARS IN THE NIGHT"が印象的ですが、全体的にそんな雰囲気になったかと言うとそうでもなく、"HELLO NEW YORK"や"END THE STORY"のような、リリカルなピアノと渋いGtをフィーチュアした繊細でソウルフルなAORチューンが中心で、ややポップになったものの、1stソロの「SWEET VENDETTA」から大きく路線はブレていない気がします。ハートウォーミングなバラードのタイトルトラックはヒットしたらしいです。

S.I.N.「THE 13TH APOSTLE」ドイツのメロディック・パワーメタル07年3rd。2ndでの初期QUEENSRYCHE的な路線を更に押し進めた作風で、今作ではコンセプトアルバムになっているようです。本人達曰く「LYNCH MOB meets EDGUY」らしいですが・・・LYNCH MOB???意味不明です・・・。このスタイルをプレイするに十分なクオリティを有しているとは思うんですが、個人的な嗜好が最近はこのテの楽曲にピンと来ないので何とも・・・。よっぽどメロが秀逸だとか、張りつめた緊張感とスリルがあるとか、殊更耳を惹くものがあれば別ですが、良くも悪くも及第点レベルという印象が拭えません。ハイトーンを売りにしていたVoが脱退しているんですが、新任Voもなかなかの実力者で、そこは問題無しです。

07.10.28 (sun)
MUSTASCH「LATEST VERSION OF THE TRUTH」スウェーデンのHR07年作。グルーヴィなBとヘヴィなGtリフを中心に据えた、70年代的なオールドスクールHRをモダンなサウンドで再構築したような楽曲がメインなんですが、そこに時折ストリングスやコーラスなどの繊細なアレンジが加わっているのが新鮮な持ち味となっています。BLACK SABBATHの影響を受けた楽曲に、LED ZEPPELIN的な彩りを加えたような雰囲気?なかなか面白いアルバムでした。
LOUD PARK感想の21日。ALL THAT REMAINSは大した期待も無く観てたんですが、なかなか格好良かったです。最新作も聴いてみたいと思わせる出来でした。

AMORPHISは2日目のお目当て。ライヴ自体はややスケール感に欠けるものでしたが、そこは楽曲自体が最高にお気に入りなので何の文句も無く楽しめました。"SILENT WATERS"のメロはマジで涙出そうになったし、"ON RICH AND POOR"は強烈に燃えたし、ラストの"HOUSE OF SLEEP"も最高でした。

ANTHEMは休憩かな、と思ってフロアにへたり込みながら観てたんですが、流石にベテランだけあって、ライヴが上手い!"BOUND TO BREAK"では思わずシンガロングしていました。

ANDRE MATOSは、やっぱライヴだと辛いなー・・・と。最初のマイクトラブルも不運でした。しかし"CARRY ON"1曲で全てがチャラになる大盛り上がり。やっぱこの曲はメタル史に残る名曲ですね。カヴァーの"SEPARATE WAYS"もプレイ。まさかLOUD PARKでJOURNEYが聴けるとはね。個人的には嬉しい選曲。

WIG WAMはこういう大きい場所が映えるだろうなと予想してたんですが、やはりバッチリで、アリーナロックの醍醐味を気持ち良く堪能させてくれました。まあ、この前観たばっかりなので新鮮味は無いですし、持ち時間のせいか、あのバカげたMCも控え目でしたが。

LACUNA COILはこの日のお目当ての一つ。フロント4人の前傾姿勢でのヘドバンはインパクト抜群。CHRISTINA嬢はジャケ写だと化粧次第で全然印象が変わってたんですが、実物が一番キュートでしたね。内容の方も、最新作のエキゾチックなヘヴィチューンと、それ以前のメランコリックなゴシックチューンを良い感じに組み合わせた良いセットでした。

TESLAは座って観ようと思ってたら、思わず寝てしまいました・・・。うーん、一応楽しみの一つだっただけに不覚・・・。

SATYRICONは、またしてもマイクトラブルで1曲目丸々Vo無し。しかしそんなアクシデントを全くものともせず素晴らしいライヴを魅せてくれました。アルバム聴いた時からライヴ映えするだろうという予感はありましたが、正にその通りの強烈な盛り上がり。"NOW,DIABORICAL"は、ライヴの為にある曲と言っても過言じゃない名曲!半端無く格好良かったです。観客も大白熱でスクラムヘドバンの周りをグルグルとサークルピットで走り回るという特異な空間が出来てました。これは本当に楽しかった。

SATYRICONで燃え尽きてしまったので、SAXONは2階席で休憩。しかし、この盛り上がりは凄かったです。一番盛り上がってたような。プレイも安定感抜群ですし、Voもしっかり声が出てます。うーん、ちゃんと曲を覚えて参加したかったな・・・。

"SAXON"コール醒めやらぬままHANOI ROCKS。MICHAEL MONROEを観るのはこれが初めてですが、「今何歳なんだ?」と不思議になる位アクティヴに動き回るハイパーなステージ。ちょっと音がデカ過ぎるし、楽曲が全く趣味じゃないので、個人的にはあんまり楽しめたわけではないのですが、ステージングは見事でした。

実質本日のトリのARCH ENEMY。去年観た時はサウンドがグチャグチャで何やってるか良く分からなかったんですが、今回はちゃんと聴き取れました。ライヴバンドとして相当成長した感があり、貫禄のステージだったと思います。しかし、兄弟でのツインギターソロから、"FIELDS OF DESOLATION"のエンディングだけ抜粋してプレイするってのが、余りにもあざとい・・・。まあそれを期待してんだけどさ。ちょっと気になったのが、セットリストが4th以降の楽曲だけだった事。うーん・・・それはどうかと思うんだけど・・・。せめて"BURY ME AN ANGEL"だけでもプレイしてくれよ・・・。

最後はMARILYN MANSON。ステージに幕がしてあったんで、この演出だけ観ていくかと思って待ってたんですが、特に大した演出も無く、淡々と楽曲をプレイ。最後まで観ようかどうか迷ったんですが、まあ特に後悔は無いかと見切りをつけて早々に退散。

いやー、最初の面子を観た時はどうなる事かとちょっと心配でしたが、今年も楽しかったです。

07.10.17 - 27 (wed - sat)
SAXON「THE INNER SANCTUM」イギリスのベテランHM07年作。モダンなパワフルさを加味しつつも基本は正統派HMの骨格を貫いた楽曲という意味では、最近のSINNERあたりに通じるようなスタイル。哀愁のメロディとハードさが融合したメロディックメタル"STATE OF GRACE"、メタリックなGtリフと突進力で押しまくる"LET ME FEEL YOUR POWER"、メランコリックなメロディをドラマティックに展開させる"RED STAR FALLING"、シンプルで骨太なHR"I'VE GOT TO ROCK(TO STAY ALIVE)等、ベテランらしからぬバランス感覚とクオリティ。少なくとも今のIRON MAIDENよりは現代に生きているバンドという感じがします。
LOUD PARK行ってきました。まず20日。CELLADORは初めて聴いたんですが、去年観たDRAGONFORCEタイプのメロスピですかね。何をやってるか良く分からなかったDRAGONFORCEよりは楽しめたかも。

OUTRAGEは超久々。いきなり名曲"THE FINAL DAY"で大盛り上がり。その後もファストチューン連発のセットで短いながらも燃えたライヴでした。

続くはお目当ての一つTHERION。Vo4人を含む大所帯がシアトリカルな楽曲をプレイする様は強烈なインパクト。Voは全員超絶だし(THOMAS VIKSTROMがいたって事を後で知りました。不覚・・・)、タイトなプレイにドラマティックで大仰な楽曲と、文句の付け様の無いステージ。ラストの"TO MEGA THERION"は鳥肌モンでしたよ。

STILL REMAINSはアルバムで聴いてた時の方が良かったかな・・・。割と展開のある楽曲でライヴでのノリがちょっと掴み辛かったような。

後半を考えて、FASTWAYは2階席で観戦。ブルージーでシンプルな楽曲をプレイしてましたが・・・寝てしまいました。NILEも引き続き2階で。怒濤のプレイは凄過ぎでしたが、はっきり言って楽曲の輪郭が全く分かりませんでした・・・。

AS I LAY DYING。新譜が凄く良かったんですが、ライヴも期待通りの好演でした。デカい音なのに各楽器の輪郭がキッチリ聴こえるサウンドの良さもあって、メタルコア的な剛柔のコントラストが鮮明で楽曲の良さが存分に伝わってきました。貫禄すら感じられる素晴らしいライヴ。

NOCTURNAL RITESは、これも期待のバンドでしたが、AS I LAY DYINGのステージを観たすぐ後だったからというのもあるんですが、結論から言うと一番期待外れでした・・・。いきなりトンデモなく酷いサウンドで興醒め。低音が全く聴こえない・・・。サウンドは後半復調してきましたが、プレイはヨレヨレだし、Voも声が出てないし、楽曲の良さだけで何とか楽しめましたが、厳しいステージでした。

MACHINE HEADは個人的には休憩タイム。でしたが、良さそうなライヴでした。AS I〜同様、爆音ながらもキレのあるサウンドで、楽曲の突進力も凄く、ファンなら満足できたんじゃないでしょうか。

TRIVIUMは、非常に好きなバンドですが、冷静に観るとライヴはまだまだかな・・・。演奏は全体的にバタバタした感じがあって、決め所でキッチリ決められないというか、やっぱこのテの楽曲はプレイの整合感が命みたいな所があるからなあ。サウンドも何かモヤッとした感じでキレが無かったし。これも楽曲の良さで助けられた感じ。

久々に観るBLIND GUARDIANも楽しみにしてましたが、これはそれなりに楽しめました。彼等の場合、好きな曲とそうでない曲の落差があまりに激しく、前半〜中盤はちょっと厳しかったですが、ラスト2曲の"WELCOME TO DYING"と"MIRROR,MIRROR"で何とか盛り返したって感じ。

ラストはHEAVEN AND HELL。DIOは去年も観ましたが、あの時より調子が良かったんじゃないでしょうか。後半になるにつれて更に声に艶が出てきたような。TONY IOMMIも地味な佇まいなんですが、存在感があって凄く格好良い。ぶっちゃけ楽曲自体はDIOの方が粒揃い感はあったんですが、貫禄勝ちといった感じ。ラスト2曲の"DIE YOUNG"と"HEAVEN AND HELL"は超堪能させていただきました。ちょっとインプロヴィゼーション長過ぎですが・・・。

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