27)土倉岳1049m : 2020年5月7日 2020年山の記録に戻る、2020年チョウのページ、2020年花・鳥・その他に戻る | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
土倉岳(はぜくらだけ)は1049mの山である。御池岳から派生する山の尾根筋にあるかのようなたたずまいである。1000mを越すものの、地味な山である。鈴鹿10座の御池岳をT字尾根コースで歩いた際に、その途中立ち寄るのが普通だ。とはいえ、滋賀の1000m以上の山を踏破するとなれば避けては通れない山である。 昨年の9月にT字尾根からテーブルランドに行った。その尾根筋で、シャクナゲとイワカガミの多いことが分かった。花の時期を迎え、訪問した。今回は同じ君ヶ畑の駐車場からT字尾根を登り、テーブルランドから、ボタンブチ〜御池岳〜奥の院〜土倉岳の周回コースを取った。期待通り、満開のシャクナゲを見ることができた。イワカガミの群落、ニリンソウの群生も楽しめた。その他にも多くの花を見ることができた。ヤマガラも確認できた。チョウは、スジグロシロチョウを観察した。 自宅(6:53出発)−君ヶ畑小又谷駐車場(8:50、8:57)−T字尾根登山口(9:12)−T字尾根 P878(9:46)−T字尾根P918(分岐点)1008〜10:12)−T字尾根967mポイント(10:42)−コル(10:47)−テーブルランド(山上平口)(11:17)−ボタンブチ(11:37)−御池岳(11:48〜11:53)−奥の平(12:02)−昼食場所(12:05〜12:26、昼食)−土倉岳下山ポイント(12:41)−コル(12:50)−土倉岳(12:53〜12:56)−尾根筋右折ポイント(13:10)−942mピークまき道(13:16)−869mピーク(13:30) −高圧線鉄塔(13:42)−ノタノ坂・茨川分岐(13:53)−谷出合(14:06)−林道出合(14:14)−君ヶ畑小又谷駐車場(14:28、14:33出発)−自宅(16:09) 行動時間: 5時間31分 、歩行距離11.9km 累積登高 990m 自宅を出発、君ヶ畑の駐車場に向かう。421号をそのまま進んだため、東近江市街で車が込み合い、時間がかかってしまう。307号を越えてからは快調で進む。政所を通り、君ヶ畑小又谷駐車場に到着する。君ヶ畑の天狗堂登り口の木地展示場横には新しいトイレが設置されていた。小又谷駐車場はまだ先にあり、大きな駐車場が2か所ある。車は既に7台止まっており、県外がほとんどであった。準備を整え出発する。ここは高度500m以上で真夏日になるとの予報であったが、すがすがしい。舗装道をT字尾根登山口まで歩く。ミヤマキケマン他、結構花が咲いている。登山口にはしっかりとした表示がある。いきなりの急登が始まる。 ヒノキ林の中をひたすら上る。涼しいとはいえ、すぐに汗ばむ。最初はゆっくりと高度を上げる。根が張り出した登山道であるが、踏み跡はしっかりしている。ミヤマツツジ、ニシキゴロモの花が楽しめる。時々平坦になり、一息つける。左手に樹間から谷向の天狗堂〜サンヤリの稜線が望める。30分で尾根筋に達し、しばらくでP878ポイントに到着する。右手には雨乞岳〜御在所岳bの山容が望める。ここから広葉樹林の緩やかな道で、ブナ林が広がる。芽吹きだして緑が美しい。イワカガミの最初の群落が現れる。花盛りで美しい。 イワカガミの最初の群落 新緑のブナ林 明るく、気持ちの良い尾根筋を進む。多少のアップダウンがあるが、新緑を楽しみながらの快適な歩きが続く。最初のピークから20分でP918 に着く。左手に尾根が伸びており、分岐点でもある。最初の休憩を取る。目の前には、樹間から御池岳の壁が広がる。新緑が目を引き、オオイタヤメイゲツの新緑はひときわ美しい。P918 から15分あまり進むと、尾根筋はやせ尾根になる。場所によっては馬の背である。コバノミツバツツジがまず迎えてくれる。続いてイワカガミの群落になる。そして今日の目的のシャクナゲが現れる。切り立ったやせ尾根が続く。シャクナゲが両脇に続く。ずっと谷間で続く群落である。 シャクナゲの続くやせ尾根 日当たりも良く、花の付き、色つやも見事だ。何枚も写真を撮る。見晴らしの良いところから、左手にボタンブチから御池岳方向の急峻な崖が望める。 やせ尾根のからの展望。ボタンブチから御池岳方向 その上が広い平らな草原とは想像ができない光景だ。シャクナゲが続き、足元にはイワカガミの群落も出てくる。途切れたところで、1輪のイワウチワ(このあたりはトクワカソウと呼ぶ)を見つけることができた。他はすでに花期が過ぎているようだった。 イワカガミの群落が続く やせ尾根も落ち着き、ヒノキが多くなるとP967に着く。ヒノキ林の中で見通しは悪い。急な坂が待っており、数ヶ所ロ−プが張られている。コルに着く。ここから30分がテーブルランドへの道だ。ブナ、オオイタヤメイゲツの多い中を進む。イワカガミ、シハイスミレも多い。バイケイソウも一帯を占めている。いよいよ急な坂が始まる。前回は、坂をまっすぐに登ったが、今回はボタンブチから御池岳を目指す。そのため、山腹を左手に進む格好になる。踏み跡らしきものもあって、そこをトレースする。足元には、ヤマルリソウ、シハイスミレ、ニリンソウが見られる。次第に見晴らしがよくなり、振り返れば鈴鹿の南方向が望める。やっとのことで、山上の草原の端に出ることができた。直前で、フデリンドウが咲いていた。青空を背景に草原が広がる。左手はボタンブチに繋がる石灰岩があり、右手の東は草原が広がる。岩が露出し、典型的なカレンフェルトの地形を示している。眼前に広がった景色を楽しみ、崖淵に沿ってボタンブチを目指す。 最初の展望ヶ所からのテーブルランド 草原の中に踏み跡が続いている。遠回りのところもあるので適当に歩く。至る所でニリンソウが咲いている。崖淵に沿って歩く。岩が目立つ。大きく落ち込んだドリーネも多い。最初のでっぱりで鈴鹿の南方向を眺め、そこを過ぎて次のでっぱりを目指す。ボタンブチの表示が見え、そのあたりに7〜8人の登山客が見える。鈴鹿の山々が一望できる展望台である。挨拶や情報交換をして最後に撮影をお願いする。 御池岳へ向かう。ボタンブチを振り返って ここからははっきりとした道が続く。1本は奥の平、もう1本は淵を通った御池岳への道である。時間的には10分強、最後の登りと思い、岩の上を一気に登る。オオイタヤメイゲツの樹林帯が広がる山頂ではあるが、東側素晴らしい展望である。春とはいえ、前日の雨の後、結構遠くまで見える。真っ白な山容の白山、その右手に乗鞍岳が続き、さらに右手には御嶽が見える。御嶽は上部のみ雪があり、まだら模様だ。山頂でも写真をお願いする。 白山を背景に山頂写真 人もいることから、山頂での昼食を控え、奥の平に向かう。広い稜線に、踏み跡が続く。10分もかからず、奥の平、ここでも登山客が陣取っている。ボタンブチ越しに雨乞岳や御在所岳の鈴鹿の山々を楽しむ。もう少し先の下った見晴らしの良いところで腰を下ろし、昼食とする。辺りにスジグロシロチョウが飛んでいる。 奥の平へ向かう。バイケイソウがあちらこちらに 21分ほどで昼休憩を切り上げ、なだらかな草原南方向にさらに進む。草原とはいっても、石灰岩が突き出ていたり、小さな岩の上や間を歩く国交で進む。なだらかな先に小高い丘が見えるが、これが良い94mピークである。この山頂部分から右手方向に進むことにした。バイケイソウが多くなり、踏み跡も乏しくなって、適当に右手先の淵にある、土倉岳の下降ポイントを目指す。一面の草や、地肌が出た部分があるまだら模様の中を適当に進む。 前回はこのピークを直進した、東ボタンブチを歩いたが、今回は近回りになる。花は見られない。昼食場所から15分ほどのところが下降ポイントのなる。木々の途切れたあたりである。近ずけば表示が立っており、ガスでもかかってない限りは問題ない。途中、スギゴケも結構あったが、まだまだ生育していないため、目に鮮やかな緑とはいかない。 正面真ん中あたりが下降ポイント このポイントからは、先の土倉岳、さらに続く尾根筋、その奥には藤原岳〜竜ヶ岳、釈迦岳〜御在所岳の鈴鹿山系の稜線が続く。 土倉岳、左手に進み緑の尾根筋が続く(中部電力巡視路)、竜ヶ岳、釈迦岳〜御在所岳 最後になる眺望を楽しんだ後、土倉岳への急坂を一気に下った。下りの両脇にもニシキゴロモやスミレが見られる。 コルに出ると、ボタンブチの崖が迫っていた。また少し進んだ先からの下りの風景も迫力がある。 ボタンブチ〜御池岳の崖 コルから山頂へは数分で着いた。山頂は樹間からの眺望のみで残念だ。花もなく、写真を撮ったあと、表示に従って尾根筋を下った。 土倉岳山頂 緩やかな歩きやすい道で、足元はイワカガミの群落が続く。時々、下ったポイントを振り返りながら進んだ。尾根筋はやがて細くなり、15分ほどで、右手方向に下る。南東から南西方向である。イワカガミは細尾根も含め長い間続く。まだまだ若い感じで、葉も小さく、花芽は乏しかった。数年もすれば素晴らしい群落になるだろう。 群落が続き、所々で花が咲く 下るにしたがって、広葉樹林帯からスギ林に変わった。スギ林、ヒノキ林(混在)と続く。 気持ちの良い歩きやすい尾根筋である。さらに東南方向、南方向と、どんどんと進む。ヒノキ、スギの植林の急な道になり、やや薄暗い。足元には、ニシキゴロモのほか、何種類かのスミレが出てくる。フモトスミレ、シハイスミレ、タチツボスミレ、スミレサイシンに似たスミレも出てくる。の様なが多い。土倉岳からP869まで34分、46分で高圧線鉄塔で一気に明るくなる。ここから左に曲がる格好で登山道が続く。実はこれまでの登山道は皆、中部電力の巡視路として整備されているものだ。ノタノノタノ坂・茨川分岐まで土倉岳から57分である。この間、ヒカゲノカズラが絨毯のようになったところを通り、東南方向に静ヶ岳〜竜ヶ岳(銚子岳)の稜線が真近に展望できるところを通過する。 ヒカゲノカズラの大群落 高圧電鉄塔、直進から左手へ線 茨川分岐を過ぎると、結構急なじめじめとした谷筋になり、倒木もあって荒れた雰囲気を感じる。花もそこそこ見られる。タニギキョウ、ボタンネコノメソウなどである。13分ほどで下った先が谷の出会いになり、網目の橋がかかっている。ここからの眺めはなかなかに良い。 この後は、渓流沿いの道を進む。突き当たった先で元の林道に出ることができる。昔は道も良く、ずっと先まで車で入れたらしいが、今は通行止めで湿った道である。この道を14分歩いて駐車場に戻る。最後に、林道は川を横切る格好になって、今日のように雨上がりの後は、かなり水で覆われ、普通の登山靴では足首以上までつかってしまう。私は、少し下ったところで、石伝いに川を渡った。快晴と花満開の大満足の1日だった。帰りも車は順調に進むことができた。 出会った花
コースマップ(YAMAPから引用) (国土地理院の地図から引用) 2020年山の記録に戻る、2020年チョウのページ、2020年花・鳥・その他に戻る 作成日:2020年5月11日 |